灯油が1リットル100円台と高騰し、低所得者は命に関わる恐れがあり、福祉灯油を緊急に実施するよう求めた新日本婦人の会北海道本部、北商連、札幌社保協、道生連の講願を11日、札幌市議会厚生委員会で審議しました。当日も23団体が請願を提出しました。
灯油代の一部を補助する福祉灯油。道内では、今年11月1日現在で昨年を上回る129市町村(72%)が実施し、検討している自治体が大半です。
2氏が趣旨説明しました。北区の稲見眞佐子さんは、自宅の灯油代が昨年に比べ(200リットル入り灯油タンクで)1970円高くなり、ストーブをつける日をできるだけ遅らせ、ストーブの設定温度を低くし、家の中でも厚着をしてしのいでいると告発。「あったか応援資金は大変助かりました。効果が限定的であるというのであれば効果ある施策にしてください。すべての市民が安心して冬が暮らせるよう福祉灯油の実施を」と切々と語りました。
北商連の石塚隆幸会長は「生存のための固定費が高騰するなら、事業者は今後もどんどん衰退を余儀なくされます。福祉灯油やあったか応接資金を実施する経済波及効果は、地域にねざす市民にとって大きい。ぜひ実現を」と強調しました。
日本共産党の池田由美市議が補足を、平岡大介市議が賛成討論。「なぜ他の市町村でできて札幌はできないのか、あまりにも冷たい姿勢だとは思わないのか」と迫りました。市は「福祉灯油は難しい」の一点張り。日本共産党は採決を求めましたが、自民、公明など多数の賛成で継続審議にしました。
「市は高齢者や障害者、ひとり親の世帯に1万円支給すると16.5億円必要だが、実効性がないと実施しない。傍聴席から『大半の市町村が実施や検討しているのに冷たい』と怒りの声が上がったのは当然です」と道生連の佐藤宏和事務局長。
「住民の暮らしを顧みない市の態度に怒りを覚えます。地方自治と生存権にもとる態度であり許せません。継続審議にした委員会にも失望しました。来年の選挙で審判を下したい」と表明しました。