日本共産党札幌市議団は4日、札幌市が推進する都心アクセス道路を考えるシンポジウムを開きました。都心アクセス道路は、札樽自動車道と都心とのアクセス強化を目的に、約4km間に1000億円をかけて高規格道路を建設するもので、高架橋と地下トンネルを組み合わせる「上下混合案」が有力とされています。
シンポジウムでは、村上ひとし市議団長が石狩湾新港からの物流強化や丘珠空港との連携など、市のいう「効果」を議会論戦で突き崩してきたことを紹介し、「創成川通の混雑度は市の調査でも最低ランクであり、1000億円もの税金投入など許されない」とのべました。
NPO法人政策研究所研究員の高木直良氏は、全国的に老朽化した道路や橋の建て替え時期を迎え、札幌市も市有施設などインフラの更新に莫大な費用がかかると指摘。「今あるストックを有効活用する『修復型のまちづくり』」を提案し、「新たな高規格道路ではなく交差点改良が有効」とのべました。
元建設コンサルタントの工藤勉氏は、かつて都心アクセス道路の必要性が検討されたとのべ、その際、費用便益分析で無理とされたものが2010年の「都市交通マスタープラン」で復活し、「都心アクセス道路の強化」が位置づけられたとして、「これからでてくる調査結果への監視が必要」と強調しました。
参加者からは「市は8分の時間短縮というが創成川通を実際に8回走った結果、短縮できるのは5分程度。しかも、都心から北上する地下トンネルの出口は北25条付近で高速にはつながらない」「創成川通沿いの病院に入院していて窓からよく眺めているが、創成川通はほとんど渋滞していない」など、批判や意見が相次ぎました。
閉会あいさつで太田秀子政審会長が「今日のシンポジウムをこの反対署名運動のスタートにしたい」と呼びかけると大きな拍手が起こりました。