日本共産党の小形香織札幌市議は21日、市議会の議案審査特別委員会で、電車乗車料金一部改正条例案と市電の運賃値上げ反対に関する陳情について質問しました。
限られた運行距離であることなどを理由に、市営交通機関の料金改定の際も除外されてきた市電について陳情は、わずか400メートルを伸ばした「ループ化(環状化)」を理由に定期券を含め値上げすることは、利用者や市民に大きな負担を押し付けるものであって反対だとしています。
小形市議は「秋元克広市長は環境に優しい市電の利用を促進することが重要だと述べている。乗車料金値上げは利用抑制になるのではないか」と迫りました。交通局事業管理部の菱谷雅之部長は「経営安定化のために運賃を改定したい」と述べました。
小形市議は、「市がまずやるべきことは、どうやって多くの人に市電を利用してもらうかを考えることではないのか」と指摘。周辺商庖街の活性化や観光施策との連携を図りながら「ループ化効果の検証」を進めるよう求めました。
また、市が示す「路面電車活用計画ループ化編」の検討すべき3方面(JR札幌駅・苗穂駅・桑園駅)について、「延伸計画を具体化すべき。そうしたことが着手されないまま、まずは料金を値上げするという考えは市電の発展に水を差すものだ」と迫りました。
菱谷部長は「3億円の赤字解消へ、持続可能の運営を進める」と答えるにとどまりました。
小形市議は「市電をいかした『環境首都』をつくるには長いスパンで見る必要がある。まだ緒についたばかりなのに、先に市民負担増を求める値上げ案は撤回すべきだ」と求めました。