「札幌市の障害者交通費助成削減に反対する連絡会」(後藤昌男代表)は9月27日、「地下鉄や市電を利用する精神障害者に、一日も早く運賃割引の実施を」と、札幌市に要望書を提出しました。
公共交通の運賃は、身体障害者と知的障害者の割引制度がありますが、多くの場合、精神障害者は割引の対象になっていません。町村部に精神科の病院がなく高額な交通費を払って都市部に通わなければならない実態もあります。
バスについては2012年8月から国土交通省の標準運送約款が改正され、精神障害者も運賃割引の対象になりましたが強制力がないため、割引を実施するかどうかはバス会社にまかされています。
札幌市の上田文雄市長は昨年9月の定例議会で、日本共産党の坂本恭子議員の代表質問に対し、「3障害同一の考えに基づき、地下鉄、市電への精神障害者の運賃割引制度の導入が望ましい」と答えました。その一方、札幌市は「市営交通とバス事業者が足並みをそろえて実施したい」としています。
要望書提出後の話し合いでは、精神障害者に加えて身体・知的障害者とその家族ら20人が「病院や作業所に通うためにも、家に閉じこもらずに外出の機会を増やすためにも運賃割引をしてほしい」「貧しい生活を送る精神障害者のことを理解してください」と札幌市交通局の担当者に思いを伝えました。