札幌市で、官製談合が発覚しました。
印刷物の作成にあたり、競争入札を行なっている形式をとりながら、実際には、ひとつの業者に受注させていたのです。
競争入札では、業者数社が「ウチは〇〇円でこの仕事をとりたい」と書いた札を箱に入れます。
一番安い金額を入れた業者が、仕事を取ることが出来ます。
市は、あらかじめ、「いくら高くても〇〇円まで。それ以上は失格」という最高限度額(予定価格)を決めておきます。
他の業者が失格し、最高限度額に近い金額で仕事を取ることができると、「もうかる仕事を取った」ということになります。
工事の場合、最高限度額に対して、落札した金額(落札率)が九〇%以上だと談合の疑いがあると言われることがあります。
今回は、過去も含めて十回の入札のうち、九回が九五%以上でした。
高い金額での発注は、市民の税金が無駄に使われたことになります。
談合に手を染めた職員は、見返りの金品は受け取っておらず、前任者から引き継いでやっていたそうです。
その職員は、どんな思いで不正行為を行なっていたのでしょうか。
以前のやり方に従った、不正をただす勇気が無かったのでしょうか。
札幌市の過去の官製談合事件では、自殺者まで出しています。
犯罪の誘惑に負けない、困難な仕事を避けるために安易に流れない、困った時には相談できる、不正を「不正」と言える職場にしなければ不幸はなくなりません。