私は、日本共産党を代表し、市政の重要課題について、順次質問いたします。

 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、施設利用料などの一斉値上げの見直しについてです。
 財政局から、今後も人件費や資材価格高騰などで厳しい財政状況が見込まれ、市有施設の利用料や負担金、各種手数料について、原則物価上昇の影響を受けたコストの増加分を反映させる見直しの方針が示されました。
 それを受けて、今議会には、市有施設等300カ所以上の利用料金、負担金と、各種手数料について値上げする条例案が提出されています。
 物価高騰により施設等の運営費が上がったため、施設を利用する市民にも負担をしてもらうということですが、そもそも物価高騰は国の失政によって続く円安が最大の要因であり、物価高騰で暮らし全般が苦しくなっている市民に、これ以上の負担を求めるべきではありません。
 例えば、老人福祉センターの入浴料は、他施設より高い25%もの値上げであり、放課後児童クラブの延長保育料は、15%増えることになります。
 ほぼ11%以上の値上げの中、特に配慮をすべき福祉施設や子育て支援・教育にかかわる分野についても他と同様の水準での料金値上げとなっています。市民への負担増は総額約7億円にものぼります。
 公的施設は、市民の社会活動の場であり経済活動への波及効果がありますが、値上げによる利用減が、かえって市民の行動抑制につながり、利用料収入が減少する悪循環に陥ることが懸念されます。
 市民に転嫁する一斉の値上げは見送るべきですが、いかがか伺います。

 質問の第2は、大型再開発事業への補助金についてです。
 1点目は、公共性の検証についてです。
 本市は、民間再開発ビルの容積率緩和で都心部の高度利用を積極的にすすめ、税金の優遇措置のほか、多額の補助金も拠出しております。共同通信の調査によると、全国118地区の市街地再開発のなかで、補助額の1位、2位を札幌市が占めたと報道されました。
 今年度は、民間再開発事業補助に3か所66億6百万円が計上されており、また、事業が終了した北8西1地区は、昨年度までに計102億5,400万円、南2西3地区には65億1,200万円もの補助金が投入されていますが、販売されたタワーマンションでは、「住民票を置く世帯は総戸数の3割余り」と11月26日の北海道新聞は報じています。公共的な整備と一体で民間再開発に補助金が導入されますが、土地や施設の有効的な活用が図られているのか、検証が必要だと考えますが、いかがか、伺います。
 2点目は、補助金の見直しについてです。
 民間再開発事業は、市民が求める、福祉施設の更新や生活道路の整備、除排雪の充実など、住民の利益や要求とかけ離れていると言わざるを得ません。
 いまなお、2030年を目途に都心再開発がすすめられていますが、社会経済情勢の変化に応じて将来的な経済見通しも変化することから、事業の再検討を要すると考えます。補助については自治体が実施するか否か決められるものであり、様々な形で市民負担を強いる現状においてなお、市税から、多額の補助金を民間再開発に拠出することに、市民の理解は得られません。
 総事業費の増額に合わせて、大型民間再開発事業への補助金が膨れ上がることについて、見直しを行うべきと考えますが、いかがか伺います。

 質問の第3は、物価高騰対策についてです。
 1点目は、消費税5%減税の効果についてです。
 日本経済は、国内総生産GDPが伸びない、深刻な、長期停滞した状況が続いてきました。その最大の理由は、賃金が上がらず家計が冷え込み、消費の落ち込みがさらなる経済の停滞につながる悪循環となっています。
 現在の企業の状況を、2024年度内閣府の経済財政白書「企業部門の動向」で見ますと、コロナ禍での「ゼロゼロ融資」などの事業継続支援が減少する中で、企業倒産が増加傾向に転じています。なかでも従業員規模10人未満の小規模企業が約90%を占め、そのうち75%が「販売不振」を倒産の理由としています。
 また、国民の暮らしを「消費支出の実質GDP」で見ますと、消費の3割を占める「食費など」は金額ベースで増加しているものの、数量ベースでは減少しており、物価高騰により購入の品数は減っているけれど、払う金額が増えていることがわかります。
 このような実態であるため、「暮らしが豊かになったと思える状況」を、一刻も早く作ることが求められます。この間、10%まで引き上がった消費税は低所得者ほど重い負担となっていましたが、加えて物価高騰により市民生活を圧迫してきました。
 物価高騰で苦しむ市民生活を支えるため、消費税の5%減税は、市民の購買力を上げ、経済の活性化のためにも有効であると思いますが、いかがか伺います。
 2点目は、国の経済対策についてです。
 1つ目は、給付金の早急な給付についてです。
 11月22日政府は、物価高騰対策を柱とする経済対策を閣議決定しました。「重点支援地方交付金」のうち「低所得世帯支援枠」として、住民税非課税世帯に3万円を目安とした給付金、さらに、そのうち子育て世帯については、子ども一人あたり2万円を加算し給付するものです。
 給付については、すでに市民から「いつ給付されるのか」という問い合わせが寄せられています。厳冬期を前に大きな期待が寄せられるのは当然であり、対象者である市民は、一日でも早く給付金が届くことを望んでいます。
 国の給付は決定していますので、本市は国からの交付措置を待たず、これまで繰り返し取組まれてきた事務手続き等を活かして、対象者に至急給付する準備を始めるべきと考えますが、どのように対応されるのか伺います。
 2つ目は、市民要望の多い「暖房費補助」についてです。
 「重点支援地方交付金」の物価高騰対策の推奨事業メニューには、厳冬期への灯油支援もメニューに追加することや水道料金の減免にも対応できるとされています。
 本市では、灯油代が1Lあたり100円を超えた2018年から毎年、市民から暖房費への支援が要望されてきました。道内全ての市町村が支援する中で、本市は一度も市民の切実な要望に応えていません。
 重点支援地方交付金を活用し、暖房費の補助を行うべきと思いますがいかがか、伺います。

 次は、子育て支援策についてです。
 質問の第1は、国民健康保険料の子どもにかかる均等割の認識と軽減についてです。
 国保料は上限額である賦課限度額を2008年から2024年の16年間で56%も増やしてきました。そうして、中間層への負担緩和を図っていますが、ごくわずかでしかありません。
 本市の2024年度の国保料の「均等割」は、子どもが生まれるごとに定額25,550円増えていく仕組みです。
 まさに子育て世帯を直撃、少子化対策に矛盾し、本市の最上位計画である「札幌市まちづくり戦略ビジョン」で掲げる「安心して子どもを生み育てることができる、子育てにやさしいまち」に逆行するものであると思いますが、市長のお考えを伺います。
 併せて、国が実施している「未就学児の均等割保険料の5割軽減」に加え、本市独自で、対象年齢を拡大するなど子どもの均等割の軽減を行うべきと思いますが、どのようにお考えか伺います。

 質問の第2は、国の子ども医療費助成制度の創設と札幌市の子ども医療費の完全無償化についてです。
 子ども医療費無償化は、現在20政令市中12市が、高校3年生まで所得制限なしの無償化になっています。本市は来年度から高校3年生まで対象年齢を拡大します。
 子ども医療費の負担軽減は、全国の市区町村でも約7割が高校3年生まで、約97%の自治体が少なくとも中学3年生までを対象に実施していることから、国が制度化すべき課題です。
 指定都市市長会は、子ども医療費について統一的な国の医療費助成制度を創設するよう求めています。
 市長会が提出している子ども医療費助成制度創設について国はどのように回答しているのか伺います。また、本市には、所得制限と初診料の窓口負担がありますが、国の実施を待たずに子ども医療費の完全無償化に踏み出すお考えはないのか、伺います。

 質問の第3は、学校給食費の負担軽減・無償化についてです。
 学校給食費の負担軽減・無償化は、子育て世帯から求められている切実な要望であり、文科省の調査結果によると、小中学校の児童生徒全員の給食費無償化は、2017年度から6年間で約7倍の自治体に増えています。
 市長も選挙公約で「学校給食費の公費負担をさらに拡大」を掲げ、「重点支援地方交付金」を活用し、給食食材費高騰分の補填を行い、保護者負担が増えないようにしています。
 一方で、この交付金を使い、さらに一般財源から学校給食費の無償化に踏み切った自治体が増えています。
 本市は、子育て世帯からの要望が多い、給食費の負担軽減・無償化について、どのような議論を行っているのか伺います。また、子育て支援として、早急に実施すべきだと思いますが、いかがか伺います。

 次に、敬老パス制度の変更案についてです。
 昨年の1度目の変更案に対し、市民や利用者から、「現行の制度は残してほしい」という意見や、「アプリやポイントは時期尚早」という意見、「徐々に移行できるよう、段階的に時間をかけるべき」など、5000件を超えました。しかし、2度目の「変更案」への、意見の反映は不十分でした。その決定的なものが、健康寿命延伸の課題と敬老パス事業とは分けたとしながら、敬老パス事業費の枠内で敬老パスと健康アプリの事業を行おうとする内容であったことに表れています。
 我が党は、対象年齢、利用上限額、負担割合などすべてが利用者に我慢を強いる内容であること、5年後の検証を前提とする「事実上の廃止」としか受け止められないこと、などの問題を指摘してきました。また、11月28日の厚生委員会でも、健康アプリに変更すると敬老パスに戻せないことを知らない高齢者が多いことなど、新たな変更案内容も周知が不十分であることをお伝えしてきました。
 先日からスタートしている市民対話等の取り組みは、参加に制限などもあり、市民の意見を十分に聞けるのか、期間や時間が十分なのかなどを見極める必要があります。本市は、2026年度からの新制度スタートを計画していますが、対象が高齢者であること、さまざまな意見をつかみ反映させるには時間がかかることを踏まえ、今後も慎重に、丁寧に繰り返し意見を聞きながら臨む姿勢を示すべきだと考えますが、いかがか伺います。

 次に、さっぽろ農業の振興についてです。
 農業は、食料の確保のみならず、地球温暖化の防止、生物多様性や環境の保全、都市部と山林等との緩衝地帯的な役割を果たす里山の形成、北海道美瑛町に代表されるような自然と調和した景観とそれによる観光振興など、多岐にわたって重要な役割を果たす、人間の営みの原点です。私は、苫前の農家で育った一人として、危機感を持って農業の現状を見ています。
 1965年度には73%だった日本の食料自給率は、2000年に入ると40%台に下がりました。食料自給率とは、基礎的な栄養価であるエネルギーに着目して、国民に供給される熱量に対する、国内生産の割合を示す指標で、国際的な紛争や災害等の非常事態で、万が一輸入が止まったときでも、国内で食料を生産し国内で自給することができるための、国民の命を守る食料安全保障として、100%をめざすべきものです。オーストラリアは233%、カナダ204%、フランス121%、アメリカ104%と比べ、日本の38%はとても低い水準です。

 質問の第1は、食料自給率についてです。
 今年5月に「食料・農業・農村基本法」が、自民党・公明党・日本(にっぽん)維新の会の賛成で可決しました。我が党をはじめ、立憲民主党や国民民主党などが反対した共通の理由は、日本の食料自給率を高めることを法案に明記しない点でした。
 賛成多数で可決されたものの、衆参両院で「国内の農業生産の増大を基本として確保し、これを通じて食料自給率の向上に努めること」と附帯決議されたことについて、受け止めをお聞かせください。食料自給率の向上は、我が国においても、札幌市民にとっても、喫緊の課題であり、命を守る保障として、引き上げていくべきだと考えますが、いかがか伺います。

 質問の第2は、さっぽろ農業の特徴・生かすべき点についてです。
 国は一貫して農業の大規模化を推し進め、国際価格競争力の強化をうたっていますが、大規模化は、日本の国土になじまず、現実には、農村部の過疎化が進み、人口減少、農業従事者の高齢化、農家戸数の大幅な減少など、日本の農業の維持そのものが危機に瀕した状況です。
 一方、2015年の国連SDGs達成に向けた枠組み確立の呼びかけや、2017年の国連「家族農業の10年」の提起、パンデミックやウクライナ危機、世界的な食糧危機などを契機に、健康や食の安全に対する国民的な意識が高まり、2020年には、国の「食料・農業・農村基本計画」で、中小・家族経営などを農業の「担い手」と位置付けるようになりました。
 小規模・家族的な農家は、有機農業の実践、再生可能エネルギーを活用した循環型農業、気候変動などに自然の摂理で対応でき、農村の人口を増やし、コミュニティを活発にし、災害などの危機が発生した際にも回復力が高く、地産・地消が行き届くしくみとして、いまや国際的な流れとなっています。
 さっぽろの農家は、全体の4割以上を兼業農家や小規模農家が占め、農産物販売金額300万円未満の農家が約6割を占める、小規模農家が中心です。本市は、都市型農業として、「さっぽろとれたてっこ」のロゴマークを活用した地産・地消、地域の特性を生かした「しのろとれたてっこ」直売などの取り組み、「さとらんど」を拠点とした市民と農業者との交流・体験活動、環境保全、などを進めてきました。
 現在、「第2次さっぽろ都市農業ビジョン」から次期プランに向けて、策定の準備が始まっています。これまでの本市の取り組みから、さっぽろの農業にはどのような特徴があり、今後にいかすべき長所はどのようなところにあるとお考えか、伺います。

 質問の第3は、農業支援センターの機能転換と札幌市の役割についてです。
 本市は現在、「さとらんど」の敷地内にある「農業支援センター」を機能転換し、「新たな農業者支援の拠点」とするため、サウンディング調査を実施し、JAや農業者からの聞き取りやアンケートなどを行い、その意見を踏まえて進めていくことを表明されています。
 この動きが、「農業支援センターを廃止する」と受け止められ、札幌市が新規就農者の育成や支援を止めてしまうのではないか、との懸念が出されています。農業に従事している人々や、今後、新規就農を目指す人たちの希望を損ねることはあってはなりません。
 今後、民間委託等の検討を進めるにしても、農業支援センターの役割は今後も果たしていくこと、また、本市が十分に関わっていくことを、あわせて市民に明らかにする必要があると考えますが、いかがかうかがいます。また、市職員を本庁に統合し機構再編して、どのように農業支援の役割と機能を発揮されようとお考えですか。本市職員の技術や研究の向上を図ることと合わせて、伺います。

 最後に、丘珠空港周辺の生活環境についてです。
 本市は第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン(戦略編)に、丘珠空港周辺を高次機能交流拠点として位置づけ、2022年に「丘珠空港の将来像」を策定しました。
 将来像では、運航便数を、1日最大30便から70便に増便し、空港運用時間は、朝7時から夜9時までと朝晩30分ずつ拡大し、年間利用客100万人を見込んでいます。
 さらに、北海道エアポート(HAP)と連携協定を結び、ニセコやトマムなどをヘリコプターで周遊観光をするなど海外富裕層の呼び込みを図るための実験も始まりました。

 質問の第1は、増便による地域住民の生活環境についてです。
 2021年に本市が実施した騒音調査の測定値は、環境基準値である57 dBならびに62 dB以下ですが、瞬間最大値は、北区百合が原公園で、「旅客機着陸時89dB」、太平小学校では、「旅客機離陸時83dB」となっております。また、国土交通省の空港管理状況調書によると、2023年の丘珠空港の民間機の着陸回数は8,734回と10年前より約1,200回分増えています。
 このように離発着便数が増えていることから、地域住民の生活環境が悪化していると捉えるものですが、どのように認識しておられるのか伺います。

 質問の第2は、騒音調査結果の公表のあり方についてです。
 本市は現在、「丘珠空港ニュース」に、航空機騒音の測定結果を、表には最大値を記しているものの、本文には「全地点において騒音が環境基準の範囲内である」と記載しています。地域住民が実際に聞く音は、数秒間であっても騒音は騒音であり、「環境基準内の範囲」と記載するだけでは不足していると考えます。なぜなら、環境省が示す航空機騒音の測定は、全体の平均であり、また早朝・深夜などの数値は補正するしくみとなっているからです。
 また、「丘珠空港と周辺地域の共生に関する基本構想(素案)」では、「航空機の大型化や高速化などで航空機騒音の値に影響を与える情勢が、可能性として考えられる」とされています。
 今後、連合町内会の関係者などが参加している「丘珠空港周辺地域連絡協議会」への資料や、地域住民に配布するニュースには、環境基準を超えた騒音の回数や時間帯などを詳細に報告・公表することや、航空機の大型化など状況が変化したときにも柔軟に対応し、測定や詳細な報告・公表が欠かせないと考えますが、いかがか伺います。

 以上で私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁
 全体で大きく5項目にわたりご質問いただきました。私からは大きな1項目目、私の政治姿勢についての3点、それから3項目目の敬老パス制度の変更案についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、石川副市長、天野副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず大きな1項目目の私の政治姿勢についてのうちの1点目、施設利用料などの一斉値上げの見直しについてお答えをさせていただきます。使用料・手数料は、施設や行政サービスを利用する方に、その受益に応じた適切な負担をいただくようなものであり、持続可能な施設管理や行政サービスの安定的な提供のためには、社会的・経済的状況の変化に対応した見直しを適宜適切に行う必要があるものと認識をしております。昨今の物価高騰の中、人件費や物件費など、多くの市有施設の管理経費が上昇しており、施設管理等に必要な経費に対する利用者の負担割合を基準に試算いたしますと、区民センターや体育施設を中心に20%から30%ほどの使用料の増額が見込まれることとなりました。このことから、平成8年度以降据え置いてまいりました区民センター等の使用料を見直すこととしたところでありますが、市民負担の増加が過度なものにならないよう、物価上昇の影響を受けた経費の増加分のみを反映させることで、おおむね10%程度に改定率を抑え、市民に一定程度のご負担をお願いすることとしたものであります。
 次に2点目の大型再開発事業への補助金についてお答えをいたします。まず1点目の公共性の検証についてでありますが、市街地再開発事業は、土地の高度利用と都市機能の更新を図ることにより、都市の魅力と活力を高め、まちづくりの課題解決に繋がることに加え、固定資産税の税収増などが見込まれる将来を見据えた投資として必要なものと認識をしております。札幌市では民間事業者等による市街地再開発事業への補助金、支援に当たりましては、事業計画について、防災性の向上や賑わいの創出等の視点で審査をし、まちづくりに有効と判断した事業を対象としております。また市街地再開発事業の完了後には、計画通りに事業が実施されていることについて検査を行うとともに、事業効果の検証を行っているところであります。今後とも民間事業者等による市街地再開発事業につきましては、札幌市のまちづくりに資するものであることを審査した上で支援するとともに、事後の検証や事後の検査や検証を適切に実施してまいりたいと考えております。
 次に2点目の補助金の見直しについてでありますが、現在都心で進行中の大規模な市街地再開発事業は、都心全体のまちづくりを先導する札幌駅交流拠点と大通・創世交流拠点に位置し、国際競争力の牽引や都市文化の創造を象徴する将来の街の顔となる重要な事業であります。このため経済情勢の変化等により、事業計画の見直しが必要となった際には、関係者としっかり協議をした上で、補助の妥当性を判断しながら必要な支援を行い、引き続き世界を引きつける魅力と活力あふれるまちを目指し、市街地再開発事業を進めてまいる考えであります。
 次に3点目の物価高騰対策についてお答えをいたします。まず1点目の消費税5%減税の効果についてでありますが、エネルギーや原材料等の価格上昇に他を発する物価高騰の長期化が、市民生活や企業活動に影響を及ぼしているものと認識をしております。札幌市ではこれまでも物価高騰対策を講じてきたところであり、引き続き、国や北海道との役割分担を踏まえ、対応を検討してまいります。お尋ねの消費税率の引き下げにつきましては、その効果や影響を含め、国において広く議論されるべきものと考えております。
 2点目の国の経済対策についてでありますが、住民税非課税世帯を対象とした給付金につきましては、対象となる方に迅速に届けられるよう、補正予算の編成も含めて準備を進めているところであります。暖房費補助につきましては、今申し述べました給付金は使途が限定をされていないことから、灯油価格の高止まりによる影響を受けている方々への支援にも資するものと認識をしております。こうした状況も踏まえて、重点支援地方交付金につきましては、今後、現交付限度額が示されますことから、多岐にわたる推奨事業メニューの中で、札幌市として優先して取り組むべき支援策を見極めてまいりたい、このように考えております。
 次に大きな3項目目の敬老パス制度の変更案についてお答えをいたします。昨年11月の素案公表以降、多様な手法を通じて市民の皆様からいただいた多くのご意見や議会での様々な角度からの議論を踏まえて検討を重ね、論点を整理してきたところであります。これらの論点を踏まえて、本年9月に公表いたしました実施案におきましては、若い世代の人に対して、現在70歳以上の方が現役だった頃と同水準の負担は引き続きお願いするとともに、高齢者に対してはこれを実現し、持続可能な制度とするために、一定の見直しへのご協力をお願いもお願いするものであります。今後はこのような考え方についてご理解いただけるよう、パブリックコメントや出前講座など様々な機会を通じて、市民の皆様からご意見を伺うとともに、丁寧に説明を行ってまいりたい、このように考えております。私からは以上です。

町田副市長 答弁
 私からは大きな2項目目の子育て支援策についての1点目のご質問と、2点目のご質問についてお答え申し上げます。まず1点目の、国民健康保険料の子どもにかかる均等割の認識と軽減についてでございますが、均等割保険料につきましては全加入者に付加することが法定されている中、子育て世帯の負担に配慮し、国と地方で財源を負担して、未就学児の均等割保険料を5割軽減する措置を講じており、札幌市まちづくり戦略ビジョンの基本目標にも合致するものと認識するところでございます。また札幌市独自の軽減についてでございますが、国の方針に基づき、北海道では同じ所得、同じ世帯構成であればどこの市町村に住んでいても、保険料が同額となる保険料率の全道統一化が進められているところでございます。このような中にありましては、札幌市として独自の軽減拡充を行うことは難しいものと考えるものでございます。
 次に子育て支援策についての2点目のご質問、国の子ども医療費助成制度の創設と札幌市の子ども医療費の完全無償化についてでございますが、指定都市市長会からの要望に対して国は態度を明確にしていませんが、札幌市としては、本来的には、国の責任において、全国一律に実施すべきものと認識しており、引き続き国に対し、様々な機会を捉えて繰り返し要望していきたいと考えるところでございます。一方で子ども医療費助成の更なる拡充につきましては、重要な課題と認識しているところでございますが、多額の財源が必要となりますことから、札幌市の置かれている財政状況を見極めつつ検討してまいりたいと考えるところでございます。私からは以上でございます。

石川副市長 答弁
 私からは大きな4項目目、札幌農業の振興についてお答えを申し上げます。まず1点目の食料自給率についてでありますが、国会におきまして、今年5月の食料・農業・農村基本法の改正に合わせて食料自給率の向上を含む付帯決議が全会一致であったものと認識をしており、食料安全保障の観点からも、その取り組みは重要であると考えております。
 次に2点目の札幌農業の特徴を生かすべき点についてでありますが、明治から栽培が続いております札幌黄に代表される玉ねぎでありましたり、新鮮さが求められる葉物野菜の生産が札幌農業の特徴であり、それを多くの市民に直接供給できるという都市部ならではの長所を最大限生かしながら、今後とも農業振興に努めてまいりたいと考えております。
 続いて3点目の農業支援センターの機能転換と札幌市の役割についてであります。農業支援センターが担ってまいりました営農支援や有害鳥獣対策などにつきましては、本庁舎において業務を継続し、専門的知識を有する土壌分析などの業務は引き続き委託をすることで必要な役割を果たしてまいります。加えまして、本庁舎に統合し、新たな業務執行体制を構築することによりまして、都市農業に即した多様な担い手の育成や企業参入の促進、さらにはスマート農業の活用などに取り組んでまいります。また職員の育成につきましては、JAさっぽろなどの関係機関との連携を通じて、引き続き知識、技術力の向上に努めてまいります。私からは以上であります。

天野副市長 答弁
 私からは、大きな5項目目、丘珠空港周辺の生活環境についてお答えをいたします。まず1点目の増便による地域住民への生活環境についてでございます。丘珠空港における航空機騒音につきましては、生活環境の保全を図るため、航空機騒音の環境基準の範囲内での運行としているところでございます。以前と比較して丘珠空港における離発着便数は増加しているものの、航空機の技術革新による騒音低減などによりまして、現在の運航便数でも騒音値は環境基準の範囲内であり、空港周辺における生活環境の保全は図られているものと認識をしております。
 次に2点目の騒音調査結果の公表のあり方についてでございます。航空機騒音の調査につきましては札幌市では風向きや時間帯等で変わる飛行経路に幅広く対応できるよう、丘珠空港周辺の飛行経路直下または近くの12ヶ所で実施をしております。この調査は、騒音を一定の基準、一定の基準で評価できるよう、環境省が定めるマニュアルに基づき、その結果を公表しているところでございます。今後とも毎年騒音調査を行いその結果について公表し、市民の皆様に丁寧にご説明してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

山根教育長 答弁
 私からは、大きな2項目目、子育て支援策についての3点目、学校給食費の負担軽減、無償化についてお答えいたします。学校給食は、施設整備や運営などの経費総額約200億円のうち、食材費約60億円を保護者にご負担いただいているところでありますが、これと別途、物価高騰分に対する公費負担額を、今年度につきましては9億3000万円まで拡大し、保護者負担額の抑制に努めたところであります。今後の学校給食費の公費負担のあり方につきましては、国の動きや物価の動向などを引き続き注視し、対応を検討してまいりたいと考えております。私からは以上です。

長屋議員 再質問
 ただいまご答弁いただきました。私から再質問を2点させていただきます。学校給食費の無償化、そして丘珠空港の周辺の生活環境についてです。
 1点目、学校給食費の無償化についてですけれども、どのような議論をされているのかを質問し、据え置くという議論をされたのだと受け止めました。食材費約60億円のうち、物価高騰分として60億円の保護者負担のうち、物価高騰分として9億3000万円を拡充してきた保護者負担の抑制対応に努めている、というご答弁でした。無償化については、検討しているということでした。昨年9月の時点で、全国小中学校の約3割、547の自治体で子育て世帯の要望に応えて無償化を実施しております。必要性があるから無償化を進めているんです。
 市長は昨年の市長選での公約として、「学校給食費への公費負担をさらに拡大」とされておりました。教育費の負担は重く、中でも大きな負担になっているのが給食費ですから、保護者は市長の公約に少しでも給食費の負担が減ること、減っていくことを期待したはずです。保護者に無償化への道筋を示していただきたいと思いますが、市長のお考えを伺います。
 丘珠空港についてです。生活環境の保全は図られている、騒音調査結果の公表についてはマニュアルに基づき公表している、とのご答弁でした。騒音に悩まされる市民に寄り添う姿勢も感じられない答弁でした。飛行機が離発着する際、あるいはヘリコプターが通過する際の音、その平均とする基準を大幅に超える80から90デシベルですから、騒音なのであり、それが1日50回程度あるんです。しかし、環境省の示す航空機騒音測定は、全体の平均57、並びに62デシベル以下であること、朝夕は静かな中での離発着だからわざわざ補正する仕組みです。環境基準の範囲内とするだけでは不十分だという質問を私はしました。民間機の便数は増え、比例して騒音に悩まされる市民が増えていると思います。騒音を毎日我慢しなければならない市民に寄り添った対応が必要だとはお考えにならないのか、再度伺います。

秋元市長 答弁
 再質問をいただきました。私からは、学校給食費に関する公費負担の拡大についてお答えをさせていただきます。
 現状、先ほど学校給食費に係る経費について教育長からご答弁をさせていただきました。今の食材費にあたる部分、これを保護者の方にご負担をいただいているわけでありますけれども、これを減額あるいは無償化の方向に持っていくということになれば、いわゆる自主財源、国の方では、今この学校給食費に係る公費の拡大ということが国の方の方針、議論、まだ示されておりませんので、札幌市において実施をするということになれば、札幌市の自主財源でこれを賄っていくというふうに考えなければいけません。いわゆる自主財源というのは地方税であったり、使用料・手数料負担金、こういったものなわけでありますけれども、今27政令市ございますけれども、この自主財源が全体の支出全体にかかるいわゆる自主財源の比率、これは札幌市は43.4%、27のうち17位であります。その分ということは、いわゆる自主財源が非常に他の都市に比べて少ないという状況であります。こういった状況の中であっても、先ほどの子ども医療費の拡大、これも国の方での手立てを超えて自主財源でやってございますから、自主財源の状況ということを、これは途中で止めるわけにいかない、あるいはある年度で財源体制状況が厳しいからやれないということになりませんので、中長期にわたっての見通しをしっかりつけた上で実施を判断をしていかなければいけない。現在、この子ども医療助成費、先ほどご質問の中にもありましたように、現在中学3年生までですけど、来年度以降、高校生まで拡大をしていくことを今検討しております、していきたいと思っています。こういった自主財源の状況とこれからかかる経費というものをしっかりと見極めていかなければ判断ができないという状況です。
 しかしながら、物価高騰というような状況がありますので、この給食費についても、物価高騰分については、令和4年度のときに3億4000万投入をいたしましたけれども、今年度は9億3000万まで拡大をして対応しているところであります。引き続き国の動向、あるいはこの自主財源の状況ということをしっかり見極めながら判断をしていきたいと、このように考えております。

天野副市長 答弁
 私からは5項目目の丘珠空港周辺の生活環境についてに関連した再質問で、空港周辺での騒音に対する住民の方々への不安、心配にも寄り添った対応についてお答えをさせていただきます。丘珠空港における航空機騒音につきましては、まずは今後とも毎年調査を行い、環境基準の範囲内であることをしっかりと確認をしていく考えでございます。また、その結果につきましてはこれまで札幌市のホームページや空港周辺で回覧しているニュースレターで、ニュースレターで公表している他、地下歩行空間や北区、東区の大型商業施設などで開催したオープンハウス型の意見交換会でパネルで掲載しその場で騒音への懸念を伺いご説明する機会なども設けてきたところでございます。
 今後とも航空機騒音に不安等を感じている地域住民の皆様にもご理解いただけるように丁寧な情報提供と説明に努めてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。