私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案17件中、議案第2号、第3号、第11号、並びに、陳情第21号に反対し、残余の議案に賛成の立場で討論をおこないます。

 議案第2号「令和6年度札幌市国民健康保険会計補正予算(第1号)」並びに第3号「令和6年度札幌市後期高齢者医療会計補正予算(第1号)」は、国による今年12月の保険証廃止に向け、マイナ保険証のあるなしにかかわらず、被保険者にマイナンバーの下4桁の情報をお知らせするために特定記録郵便で送付するとし、両会計あわせて1億1200万円を追加するものです。
 マイナ保険証は、誤登録や、負担割合の誤表示などトラブルが多発し、利用率は全国でも低迷しており、本市でも、国保加入者のマイナ保険証登録割合が56%でそのうち利用率が9%、後期高齢者でも登録割合が48%、利用率が5%です。マイナ保険証は国民・市民の信頼を得られていないことの表れであり、12月の保険証廃止はやめるべきです。
 国は、マイナ保険証の利用率を上げるため、医療機関の利用増に応じて、支援金などを実施していますが、全国の医師・歯科医師で構成される全国保険医団体連合会は、保険証廃止に反対を表明しています。また、本市議会では、昨年第3回定例会で、「現行の健康保険証の存続を求める意見書」をあげており、全国の地方議会からも同様にあがっています。
 そもそも、保険証の廃止をしなければ必要のない補正予算であり、議案第2号、第3号に反対です。

 議案第11号、札幌市児童福祉施設条例の一部を改正する条例案は、母子生活支援施設のしらぎく荘について、他の4施設で入所の需要を満たすことが可能であるとし、老朽化の状況を踏まえて廃止するというものです。
 母子生活支援施設は、18歳未満の児童を扶養している母子世帯、または、これに準ずる世帯の困難な問題により、児童の福祉に欠ける場合、入所後の費用負担援助に加え、母子支援員、少年指導員、保育士、嘱託医等が、自立に向けて母子の生活支援を提供する施設です。
 2022年、入所数の減少に伴う収支の悪化を理由に、しらぎく荘の休止を決めましたが、減少の原因は、施設の老朽化に合わせ、トイレと浴室が共同利用であるなど、入所者や入所希望者のニーズに合わない施設の構造がありました。しかし改善の検討もなく、廃止の議案提案となっています。
 しらぎく荘は、地下鉄やスーパーなどが近く、施設の改築で入所者の増員が十分見込めるものでした。
 「第4次札幌市ひとり親家庭等自立促進計画 一部改訂版」によると、各区の相談窓口には、半年で100件を超える相談が寄せられ、年間10~20世帯の入居があります。
 希望する世帯が入れないことがないよう整備すべきであり、しらぎく荘は廃止ではなく改築を行い継続すべきです。
 よって議案第11号に反対いたします。

 以上で、私の討論を終わります。