私は、日本共産党を代表し、市政の重要問題について順次質問いたします。
はじめに、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック招致についてです。
1点目は、市長選挙結果の受け止めと「市民の声を聞く姿勢」についてです。
4月に投開票が行われた札幌市長選挙で、札幌五輪招致推進を掲げた秋元市長は、45万8,221票を獲得し3期目の当選となりました。
当選確実の報道を受けて、秋元市長は、「市政の継続で理解が得られた」とコメントされましたが、得票率は4年前の70.6%から56%へと大きく低下し、有権者比の支持率は、27.51%と3分の1に届いていません。
昨年4月、北海道新聞社が行った「世論調査」で、市長の不支持率が就任後最高の38%となり、「市民の声を重視していない」、が最も多い理由となりました。選挙後には、市幹部職員の方が、「五輪招致に限らず、市民の声にもっと耳を傾ける謙虚な姿勢が必要だ」とコメントした、と報じられています。
わが党は、市民に対して五輪招致への「理解促進」を押し付け、停滞する五輪意識を高めるための「機運醸成活動」を重ねることが、「反対する市民との軋轢を生む」と指摘してきましたが、こうした軋轢が選挙結果に表れたと考えます。
市長は、市民の声を市政に十分反映していないことが、選挙結果に表れたと受け止めておられますか。また、今後、市民の声を重視する市政にするため、具体的にどのように取組むお考えか、うかがいます。
2点目は、市長選で示された「招致反対」の意思についてです。
市長選で札幌五輪招致反対を掲げた2名の候補者の合計は、得票数で35万9,526票、得票率で4割を超える結果となりました。
これは、招致に対する市民合意が不十分なまま先走る市長の姿勢に対し、市民からの厳しい批判が投票行動によって明らかになったものと考えます。
我が党は、五輪招致は市政の重要な事項であることから、「札幌市自治基本条例」に基づき、招致に対して市民の意思を確認することや、五輪より福祉や子育て支援への予算を優先的に確保することを求め、札幌市長選挙でも、市議選挙でも市民に訴えてきました。
市民からは、「東京2020五輪を札幌で繰り返してほしくない」、「五輪にお金をかけるよりも、いまの暮らしを支えることにお金を使ってほしい」、「まず多くの賛成を得てから招致に進むべき」、といった反応や共感が、我が党の候補者に多数寄せられました。
市長は、今回の市長選挙で、札幌2030冬季五輪招致に対して相当数の市民が「反対」の意思を示したと、お考えにならないのか、うかがいます。選挙結果で示された、少なくない市民の「招致反対」の意思を受け止めて、開催概要計画の見直しを市民の理解が深まるまで繰り返しながら招致活動を並行して進める、という現在のやり方を改め、まず、いったん中止し、白紙にすべきだと考えますがいかがか、市長の見解を伺います。
3点目は、大会概要における平和の祭典の位置づけについてです。
近代オリンピックは、古代オリンピックが、祭典の前後3ヵ月間は全都市国家が、お互いに戦争や争いを休止したことをモデルに、スポーツの催しを通して、世界中に「平和な世界の実現に寄与する」理念を広めることを目指し、4年に一度開催されるようになりました。これが「平和の祭典」と言われる、近代オリンピックの重要な要素です。
ところがいま、ロシアがウクライナに軍事侵攻を行い、戦闘が長期化しています。ウクライナの人々は生まれ育った街に暮らすことができず、家族や友人を爆撃などで失い、命を守ることができるのか、毎日おびえながら暮らし、1年4カ月が経とうとしています。核衝突の可能性も危惧されており、世界中が毎日の報道に心を痛め、憂慮し、一日も早い侵攻の終結を願っています。
このような世界情勢のもとで、本市はいま、2030年招致を目指そうとしていますが、大会概要案には、国際平和に寄与しようとする位置づけがあまりにも希薄で、わずかに「世界平和や団結に貢献」と書かれているに過ぎません。夢や感動、新たなレガシーを語るより前に、「平和」について語るべき状況ではないでしょうか。
本市の「平和都市宣言」を、オリンピックの「平和の祭典」の実現と重ね、その先頭に立つ姿勢が、いまこそ求められているにも関わらず、五輪招致を、「まちづくりを加速化」する、景気回復の手段に位置付けてしまっています。
国際社会から認められる開催地になろうとするのであれば、五輪の基本理念である「平和の祭典」について、その意義や目的などを市民との意見交換で積み上げ、開催概要計画に「平和への寄与」を大きく位置付けることを検討するべきだと考えますが、いかがか伺います。
4点目は、国が示した大規模大会指針の評価についてです。
今年3月30日、スポーツ庁やJOCなどが、「大規模な国際又は国内競技大会の組織委員会等のガバナンス体制等の在り方に関する指針」を発表しました。全体として、東京2020大会で起きた汚職・談合事件の防止には効果が薄く、コンプライアンスを十分理解していれば当然守るべきこと、が記載された内容となっています。
例えば、「原則1」の(2)は、人材の採用について書かれていますが、「出向元の企業と密接な関連性を有する部署には配置しない」、「配置する場合であっても当該部署の長には配置しない」とする一方で、注釈に「直接雇用することも考えられる」と抜け道を指南するような内容です。問題の背景となった大手広告代理店との「専任代理店契約」についても、「原則3」の(2)で、「考えられる」とし、注釈で「一律に排除されるわけではない」としています。最も必要で諸外国では導入されている、第三者による審査制度は、「可能な範囲で検討することが望ましい」とするのみで義務付けはされていません。
本市は、大会運営見直し案を策定するため、5月22日に「見直し案に関する検討委員会」を立ち上げましたが、まだ東京2020大会の事件の全容は解明されておらず、したがって検証も途上であるため、国の指針は裏付けに乏しく抜け穴が多いと考えますが、どのように評価されているのか、伺います。
5点目は、自治基本条例に基づく市民の意思確認についてです。
我が党は、これまでも議会で、市民の意思をまず確認し、多くの賛同を得てから招致活動を行うよう求めてきました。本市が昨年3月に実施した意向調査は、大会のメリットばかりを強調した後に賛否を尋ねるという、極めて誘導的な手法で、52.2%の「賛成」は、「一定の賛同を得た」などと言えるものではなかったこと等を指摘し、公正な調査を行うことも求めてきました。
市長は、選挙後も招致推進の立場を表明し、市民の「理解促進」を図ろうと、夏には検討会の中間報告、秋には公開討論会等の市民対話、という過密スケジュールを示しています。また、記者会見で、「住民投票も含めて、多くの方に意向を確認できる方法をとっていきたい」、と、含みを持たせた一方、札幌市民、北海道民の意向と合わせ、長野でも開催するので全国的な傾向を把握していく、とも答えています。
今月13日、「札幌市が2034年以降の大会招致を見据えるなら、引き続き国内候補地として認める」とJOCが決定した、と報道され、市民の意思が確認されないまま、既成事実が先行する事態も起こっています。
このような、拙速で、地元市民の意向を十分に踏まえない進め方は改め、札幌市がスタートさせた五輪招致の賛否については、その発信地となった札幌市民の声を何よりも重要視するべきです。
市民の声を広く公正に聞くために、自治基本条例に基づいて、まず五輪招致の賛否について住民投票を行うべきだと考えますが、市長のお考えを伺います。
質問の第2は、政局についてです。
1点目は、国会情勢と重要法案の取り扱いについてです。
国会では岸田政権が、差別を温存し人権侵害を広げかねない「LGBT法案」、外国人の命を危険にさらす「入管法」の改悪、問題ばかりのマイナンバーを強制する法案、原発を大規模に進める「原発推進法」など問題のある法案を次々強行し、軍事強化に膨大な税金をつぎ込む「防衛財源法案」の採決を狙っています。
成立したこれらの重要法律は、市民の生活や権利に深く関わるものであり、自治体としても今後対応が求められることから、札幌市としても注視していくことになります。
これらの国会審議や公聴会などでは、当事者や有識者から数々の異論や反論があがり、国会前では抗議の行動が繰り返されました。とても世論の合意があるとはいえません。
成立した重要案件は、十分な審議時間が確保されず、国民や当事者の理解も得られていないと考えますが、市長の認識を伺います。
2点目は、来るべき国政選挙と「骨太の方針」についてです。
政府の「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の方針」には、具体的な増税時期が書き込まれない見通しです。
防衛費いわゆる軍拡財源のための増税について、「2025年以降とすることも可能となるよう、柔軟に判断する」と記載され、これまでの「24年以降の適切な時期」を先送りし、少子化対策の財源も、「消費税を含めた新たな税負担は考えない」と明記しています。
しかし、いずれも、増税や歳出削減による国民の負担増を否定するものではなく、各紙は、増税や負担増が解散・総選挙の争点になることを、避ける狙いがあると報道しています。我が党は、国民をあざむく「増税隠し」は許されないと考えます。
国政選挙にあたっては、増税の時期など有権者に投票の判断材料が明確に示されることが望ましいと思いますが、市長のお考えを伺います。
質問の第3は、大軍拡・大増税と市民への影響についてです。
2023年度政府予算は、前年比増額分6兆7,848億円の7割を、防衛関係費いわゆる軍事費が占め、GDP比で2%に迫る大軍拡予算となりました。
軍事費が突出した伸びとなったのは、新たな防衛力整備計画に伴い、2023年度から27年度の5年間で約43兆円を投入して、巡航ミサイル・トマホークを取得するなど敵基地攻撃能力を強化するためです。
この軍拡財源について、共同通信社が5月6日に実施した全国郵送世論調査は、「適切ではない」が58%を占め、財源確保に向けた増税方針を「支持しない」が80%にのぼりました。また、支持しない理由の最多は、「今以上の税負担に国民が耐えられない」というもので、こうした傾向は、複数の世論調査でも裏付けられています。
1点目は、軍拡財源の確保についてです。
政府は軍事費43兆円のうち国債発行を除く約14.6兆円を確保するために、法人税、所得税、たばこ税の増税を計画しようとしています。
法人税は、かつて減税されながら、大企業の内部留保として積み増しされた経緯があり、本来なら賃上げなどに使われるべきです。復興特別所得税についても復興そのものを遅らせることになり流用すべきではありません。
軍拡に伴う財源確保の増税が繰り返されることになれば、市民生活や地域経済は大きな打撃を受けます。市長はこの増税に反対されないのでしょうか、見解を伺います。
2点目は、自衛隊員募集のための名簿提供についてです。
2023年度政府予算では、陸上自衛隊を中心に自衛官の人員を過去最大の1,769人増員し、事務官についてもトマホークなどスタンド・オフ・ミサイルなどの開発推進体制強化にむけた58人を含め計75人を純増させるとされました。
札幌市は昨年6月、住民基本台帳のうち、18歳、22歳の若者の名簿を、これまでの閲覧ではなく紙媒体・コピーにより自衛隊に提供しました。
名簿提供された当事者の保護者からは、「知らないうちに個人情報が提供されているのは納得できない」「制服を着た隊員が訪ねてきて驚いた」との反応や、当事者となりうる高校生からも、「本人に知らされていないのはおかしい」といった不安や驚きの声があがっています。
電子媒体、紙媒体ともに提供しなかった地方自治体も多数存在します。
市長は、抵抗感を持つ市民がいながら、名簿提供を続けられるのですか。また、当事者や家族の意思を無視した名簿提供は、プライバシー権の侵害にあたる可能性が高く、中止するべきと考えますが見解を伺います。
次は、インボイス制度と中小企業振興条例についてです。
質問の第1はインボイス制度についてです。
1点目は、制度の認識についてです。
インボイスとは、税務署の登録番号がついた請求書や領収書のことであり、この番号がなければ仕入れや経費にかかる消費税が控除できず、取引先や元受け会社は、免税事業者である下請け会社にインボイスを求めることになります。
免税事業者がインボイス登録をすると、重い消費税負担になり、登録しなければ、これまでの取引から排除されることになります。
免税事業者とは、消費税の納税を負担できない小規模事業者のための基準でありますが、インボイス制度は、このような対策も無効にしてしまう、税率を変えない増税政策です。
すべての事業者、特に年間売上が少ない個人事業主、フリーランスに大きく影響があります。
政府は今年10月から「インボイス制度」を実施しようとしていますが、インボイスによって事業継続が困難になる事業者が生じることを考慮し、受け取った消費税額の2割を納めればいいという負担軽減措置等を示しました。しかし税負担が増える増税政策であることになんら変わりはありません。しかも3年間の経過措置です。
本市は、インボイス制度が免税事業者にとって増税になるしくみであることに、どのような認識をおもちか伺います。
2点目は、本市事業者の実態と影響についてです。
課税事業者が「取引先の免税事業者と従来通りの取引をしたいが、その場合自社の税負担が増えるため苦しい」と、苦慮している様子が報道されていましたが、利益を得るためには、これまでの取引をリセットして、仕入れ先を免税事業者から、インボイス登録をした課税事業者に変更せざるを得ないということが起こります。個人事業主やフリーランスが多い本市事業者への影響は計り知れません。
本市において、インボイス制度の対象となる免税事業者はどれくらいいるのか、また、制度による本市事業者への影響を、どのように考えておられるのか伺います。
3点目は、本市発注の事業における免税事業者の対応と制度の廃止についてです。
4月25日、政府が閣議決定をした2023年度の「中小企業に関する国等の契約の基本方針」には、インボイス制度に関する適切な対応として「国等は、競争入札において、インボイス、適格請求書の発行事業者でないことをもって、競争入札に参加させないこととするような資格を定めることは適当ではないことに留意すること」を、盛り込みました。本市の場合、入札に参加する免税事業者は、わずかだということでありますが、入札において免税事業者の扱いをどのようにするお考えか伺います。
課税事業者が、本市発注の仕事に携わる場合、その事業において下請けなどの免税事業者を排除しないよう、本市として対策が必要と考えますが、いかがか伺います。
インボイス導入を機に廃業が増えることがあっては、本市の地域経済の支え手を失うことになります。
国に対しインボイス制度の廃止を求めるべきと思いますがいかがか伺います。
質問の第2は、札幌市中小企業振興審議会についてです。
本市は2007年、それまでの旧条例を改正して「札幌市中小企業振興条例」を制定しました。条例は札幌市の責務、中小企業の努力、大企業の役割、市民の協力と理解などを定めた理念条例で、附則には中小企業が「経済活動の全般にわたって重要な役割を果たしているだけでなく、その振興により、働く人の収入が増え、消費が活発化し、雇用が創出される。さらに、市の税収が増加して福祉や教育などの市民サービスが向上し、まちづくりが発展するなどの好循環が生み出される。中小企業の振興は、札幌の産業、経済と市民生活全体にかかわる課題である」と位置付けています。
中小企業の振興に関し、市長の諮問に基づき「札幌市中小企業振興審議会」が調査審議を行いますが、2016年以降、年1回の開催となっています。しかも審議されているのは、主に産業振興ビジョンに基づく進捗状況であり、これでは不十分だと感じているところです。
景気変動に影響を受けやすい中小企業にとって、コロナ感染拡大や長引く物価高騰、インボイス制度の実施、コロナ禍での資金繰り対策としてのゼロゼロ融資の返済も本格的に始まり、経済環境は大きく変化しています。このような時だからこそ、中小企業振興条例に基づき、消費が活発化する施策を充実するため、市長は審議会に対し諮問を行い、会議の開催を求める必要があると思いますが、いかがお考えか伺います。
次は、新型コロナ感染症対策と健康保険証のマイナンバーカード化についてです。
質問の第1は、新型コロナ感染症対策についてです。
1点目は、市民への感染状況の情報提供についてです。
2020年2月の新型コロナウイルス初感染の確認から、3年となりました。
繰り返す変異株と感染者数の増加により、患者の入院調整などを行う保健所の業務はひっ迫し、昨年9月から全数把握を限定化、高齢者など重症化リスクの高い人だけの把握になりました。
現在は、指定した定点医療機関53ヶ所の週次報告に加え、下水サーベイランスで補完した発生状況について、市民への情報提供をすることは重要と考えます。
6月9日発表の定点報告値は、1定点医療機関あたり5.66人ですが、これは前週の4.17人や全国の4.55人を上回り、下水中のコロナウイルスRNA濃度を測定する下水サーベイランスは、29,900コピーと、前週比の1.2倍、第7波・第8波が拡大した時の数字に追いつき、非常に高い数値となっています。
本市は、全市5ヶ所で毎週測定している下水サーベイランスの数値について、感染傾向を示し、市民にとって感染状況がわかる情報を提供すべきと思いますがいかがか伺います。
2点目は、感染拡大防止と社会経済活動についてです。
当初コロナは、感染症法の分類で、結核と同等以上の「2類相当」に位置付けられ、外出の自粛要請、入院勧告、感染者の全数把握、医療費の公費負担などが行われてきましたが、今年5月8日からは、2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類へ移行され、それまで行われていた対策は、概ね自己負担、自己責任となりました。
マスク着用や濃厚接触者になった場合の外出自粛は、個人の判断に委ねられ、無料で接種してきたワクチンは対象が制限されました。無料PCR検査は有料に、医療費の公費負担は大幅に減らされ、コロナ患者を受け入れている病棟や外来に対する診療報酬の特例も段階的に縮小・廃止することとなりました。
5類移行後も変異を繰り返し、新たな変異ウイルスの出現や拡大が懸念されています。
医療機関の受診等で自己負担が増えることにより、検査などが抑制され、感染が拡大する危険があることは、下水サーベイランス等の数値からも明らかです。
一方、本市は外国人観光客の受入れ数が回復してきており、一部経済活動は上向きになっていると言えます。さらに今後も大型のイベントが計画されておりますが、それらに備えた感染対策になっているか疑問を感じるところです。
「感染拡大防止」と「社会経済活動」のバランスがとれているとは言い難いと考えますがいかがか。今後、感染防止策をどのように考えておられるのか伺います。
3点目は、高齢者施設での検査対象の拡大についてです。
現在本市は、高齢者施設や福祉施設での抗原検査キットによるスクリーニング検査を実施していますが、入所施設に限られています。
入所施設からデイサービスなどの通所施設に通う利用者や、入所と通所の施設を仕事で行き来する職員、また職員や出入り業者の家族など、感染ルートは多岐にわたることから、入所施設に限った検査では、効果が薄くなります。
高齢者は重症化リスクが高いことから、検査対象の拡大をすべきです。
入所施設に限られているスクリーニング検査を、デイサービスなどの通所施設と訪問ヘルパーの在宅支援施設の職員に拡大すべきですが、いかがか伺います。
質問の第2は、健康保険証とマイナンバーカード化についてです。
1点目は、「マイナ保険証」の運用停止についてです。
現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一体化させ、「マイナ保険証」として利用させる法改正が可決成立しました。取得は任意としていたものを、マイナンバーカードを持たなければ医療機関の受診に不便が生じるとし、取得を強要するものです。しかし、コンビニで別人の住民票や印鑑証明が交付され、給付金の受取口座が、別人や家族名義で登録されていた等、マイナンバーカードを巡るトラブルは後を絶ちません。とりわけ深刻なのは「マイナ保険証」に他人の情報がひもづけられていたケースです。5月までで全国約7,370件確認され、受診歴や薬剤情報などの閲覧に至ったものが10件ありました。
投薬・治療情報の取り違えは、いのちに関わる重大な医療事故につながりかねないことから医療関係団体などは「マイナ保険証」の運用を反対しています。市民のいのちを守るためには、医療関係者が要望するように、政府にマイナ保険証の「運用の即時停止」を求めるべきですがいかがか伺います。
2点目は、皆保険制度と「資格確認書」についてです。
国民皆保険を基本とするもとでは、原則として保険の未加入期間はなく、無保険状態とならないよう制度設計がされてきました。しかし、マイナンバーカードを持たない人には、これまでの保険証に代わる「資格確認書」が公布されるものの、被保険者による申請が必要で、有効期限は1年間です。
高齢者や障がい者が申請手続きを失念する、あるいは様々な事情で申請できない人など、資格確認書がなく、保険診療を受けることができない事態への対策は示されておりません。
マイナ保険証をもたなくてもいいように、現行の保険証の廃止はしないよう国に求めるべきと考えますがいかがか伺います。
また、本市は国民健康保険の運営主体です。マイナンバーカードを持たない人に発行されるとする「資格確認書」を一律に交付すべきと考えますが、いかがか伺います。
次に、子育て支援についてです。
国は、「異次元の少子化対策」として、子育て支援を打ち出し、「こども未来戦略方針」での「実施する具体的な施策」が発表されたところです。大学など高等教育の学費軽減に至らず不十分な点があるものの、自治体独自の子育て支援の広がりが、国を動かしてきました。
秋元市長は、選挙公約で「子ども・教育」について「子ども医療費や保育料の無償化の対象を拡大」「学校給食費への公費負担をさらに拡大」などを掲げています。本市の独自施策として、いつ、どのように拡大されるのか、市民は注目しております。
質問の第1は、保育についてです。
1点目は保育士配置基準についてです。
国は、保育の質の向上を目的に、保育士の配置基準改善をおこなうといいながら「加算」で対応するとしております。しかし、加算の対応ではすべての保育施設が対象とならないことや、そもそも1歳児6人に1人、4~5歳児30人に1人などの基準は、無理があると、配置基準そのものの改善を求める声が、保育現場や保護者から上がっています。本市としても、配置基準の抜本的見直しについて、「令和6年度札幌市重点要望」(案)に加えております。
保育現場では、本市でも人手不足が続き、息つくひまもない、多忙のあまり離職する、という状況が起こっています。そうしたなか、環境改善のために独自で配置基準を上乗せする自治体が増えております。園で努力し加配しても、パートでしか雇用できない場合も少なくありませんが、配置基準改善によって正規雇用を増やすことができ、処遇改善にもつながります。
本市は、加配保育士等雇用促進補助金など、基準以上の保育士等を雇用するための補助をおこなっております。子どもたちの安全と保育士の職場環境改善のためには、国に先んじて本市独自で、保育士配置基準の改善をすすめるべきと考えますが、いかがか伺います。
2点目は、保育料についてです。
2019年、国による幼児教育・保育の無償化が始まり、3歳児から5歳児の保育料はすべての世帯において無償化の対象となりましたが、0歳児から2歳児の第1子がいる世帯については、住民税非課税世帯等を除き、保育料を支払わなければなりません。
また、本市が独自に実施している「第2子の保育料無償化事業」では、世帯年収が約640万円を超える場合、第1子が小学生になると、事業の対象から外されることとなり、保育料を支払わなければなりません。
一方、大阪府守口市や岡山県備前市などは、0歳から就学前まで所得制限なしの完全無料化が行われており、東京都は、今年1月に、第2子について完全に無料にする予算を発表するなど、自治体独自の完全無償化やその対象拡大が進められているところです。
本市として、所得制限を撤廃するお考えはあるのか、伺います。また、いつまでに2歳以下の保育料無償化の拡大を実施するお考えか、伺います。
質問の第2は、子育てを支援する本市独自施策の拡充についてです。
1点目は子ども医療費無償化拡大についてです。
子ども医療費助成は、全国で95%が中学生以上、うち5割は高校生までという年齢の拡大と、所得制限と窓口負担撤廃が広がるなか、本市は小学6年生にとどまり、いまだに所得制限と病院での窓口負担があります。
政令市では、高校生までが半数となり、通院が小学生までなのは、2市のみとなります。所得制限はほぼなくなり、窓口負担は、年齢制限がある場合もありますが、半数以上で無料化をすすめています。
窓口負担が580円でも、手持ちがなく受診できない方がいる現実があります。所得制限により、持病があって月額2万円もかかるなど大きな負担となっている場合もあります。子どもの健康と命にかかわる問題です。
市長は、「中期実施計画で時期や規模をお示ししたい」と言及しておられます。
これまでの無償化対象年齢引き上げの際には、1年ごとに1学年など、時間がかかりすぎたことから、このたびは段階的ではなく、一気に拡大すべきですが、いかがか伺います。
また、医療費無償化の対象を高校卒業まで拡大するお考えはおありか、さらに、窓口負担をなくすこと、所得制限を撤廃することについて、いかがお考えか伺います。
2点目は学校給食費負担軽減についてです。
本市の学校給食費は、現在、1人当たり年間約5万3千円から6万3千円が、保護者の負担です。
給食費無償化は食育の観点からも、安定と、安心安全の地産食材の調達や、子育て支援としても自治体で広がっており、国においても「異次元の少子化対策」で「学校給食費無償化」に言及されております。物価高騰分の支援だけではなく、継続的な保護者負担軽減として、本市でも無償化すべきと考えるところです。
中期計画策定で示したいということですが、現段階で、給食費の公費負担拡大による保護者負担軽減は、どのように、いつまでにすすめるおつもりか、また無償化の検討はされないのか、お伺い致します。
3点目は、学校教材費の保護者負担についてです。
小学校で年間6万円以上、中学では14万円という「かくれ教育費」といわれるものには、通学用品費などのほか「学校教材費」があります。副読本や習字用具、絵具セット、彫刻刀、リコーダーや鍵盤ハーモニカなど多岐にわたります。学外での学びには交通費や、スキー、宿泊学習に修学旅行等、負担は大きいものです。
副教材では、例えば「アイヌ民族:歴史と現在」は団体から贈られ、「私たちのまち札幌とオリンピック・パラリンピック」は無償で配布されていますが、3~4年生の副読本「わたしたちの札幌」などは負担となっています。また「画用紙や色紙など、学習に使用する用紙」や、学校で使うドリルなどの教材やテスト、学力検査まで保護者の負担なのです。
義務教育のなかで、副読本やテスト、ドリルなど、教材費の保護者負担はなくすべきですが、いかがか伺います。
最後に月寒体育館の建替えについてです。
質問の第1は、月寒体育館周辺におけるスポーツ施設充実の歴史と意義についてです。
札幌市月寒体育館がある月寒東1条8丁目の地域は、旧陸軍の練兵場があった場所で、その跡地は、道営の札幌競輪場が建設され、「第9回国民体育大会」の自転車競技会場としても使用されています。後に、その競輪場跡地は、旧豊平町と札幌市の合併により本市が受け継ぐこととなり、本市は、その跡地に「月寒運動広場」として軟式野球場・ラグビー場、テニスコートを整備し、冬場にはスケートリンクが造られていました。
1972年には、札幌オリンピックのアイスホッケー競技に対応した屋内スケート競技場として、月寒体育館が整備されました。そして、市民からも月寒体育館は「オリンピックが開催された場所」とレガシーを受け継ぎながら親しまれています。
加えて、地下鉄東豊線の開通により体育館への交通の利便性が向上し、2018年の利用者は、スケート、卓球、アイスホッケー、フィギュアスケート、フラダンスなど月寒体育館で年間約13万人、ラグビー、テニスなどの屋外競技場では1万8,000人と多くの市民が利用しています。
月寒体育館周辺にスポーツ施設を充実させてきた歴史と市民に親しまれてきたことについて、本市はどう評価されているのか伺います。
質問の第2は、月寒体育館の建替えについてです。
オリ・パラ大会概要案では、老朽化している月寒体育館の建替えは、札幌ドーム周辺の羊ヶ丘に400億円をかけて新月寒体育館として建設する計画です。一方、現在の月寒体育館は、車いすカーリング等の会場として仮設費に20億円をかけますが、オリンピック終了後は解体するものです。
本市の「札幌ドーム周辺地域におけるスポーツ交流拠点基本構想(案)」には、「スポーツ施設を集約化し、施設総量を抑制した場合でも、市民がスポーツに参画する場の機能向上を図り、スポーツに親しめる機会を確保する必要がある」と書かれています。
しかし、新月寒体育館の建設予定とされている札幌ドーム周辺ですが、札幌ドームが福住駅から約700m、徒歩8分ですから、さらに遠くなります。
それに比べて、現在の月寒体育館は、地下鉄月寒中央駅4番出口からの距離は約230m、徒歩2分で行ける利便性が高い地域であり、仕事帰りの利用等、幅広い市民の利用に応えている施設です。
また、現在の月寒体育館、屋外競技場としてラグビー場、テニスコート、弓道場等の施設の面積は、48,166㎡であり、今後、市営住宅月寒団地の建替えによる余剰地も視野に入れると体育館の建替えを中心にスポーツ施設を新たに再編し、より充実させることができると考えます。
老朽化している月寒体育館の建替えは、札幌ドーム周辺ではなく、市民に親しまれているこの場所に建て替えるべきと考えますが、いかがか伺います。
以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。
秋元市長 答弁
全体で5項目にわたりご質問いただきました。私からは、大きな1項目目の私の政治姿勢についての3点、お答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、石川副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず私の政治姿勢についての1点、1項目目、北海道札幌2030オリンピック・パラリンピック招致についてであります。1点目の市長選挙の結果の受け止めと、市民の声を聞く姿勢についてでありますけれども、4月の選挙における得票が、前回選挙を下回ったことにつきましては、冬季オリンピック・パラリンピック招致に対するご懸念や、一昨年冬の大雪への対応に対するご批判なども含まれているものと認識をしており、このことは真摯に受け止めてまいります。また、市民の声を重視するための取り組みにつきましては、札幌の目指すまちの姿や、その実現に向けたプロセスを市民に示し、対話を重ねるとともに、その声を市政に反映する仕組み作りを進めてまいります。
2点目の市長選で示された招致反対の意思についてでありますけれども、市長選挙を通じて、大会招致に対する賛成・反対の、様々なご意見をいただく中で、市民の懸念や不安の声として、東京大会の一連の事案に起因する不信感や、大会の開催意義等への理解が十分に進んでいない現状を改めて認識をしているところであり、まずはできるだけ早期に大会運営見直し案の中間報告をお示しした上で、開催意義や大会経費なども含め、市民対話や様々な情報発信の機会を通じて丁寧に説明を重ねながら、一層の市民理解を図っていきたいと考えております。
次に3点目の、大会概要における平和の祭典の位置づけについてでありますが、平和への貢献は大会の揺るぎない価値と認識をしており、大会概要案においてはスローガンや大会コンセプトなどにその趣旨を取り入れているところでありますが、今後予定をしている市民対話等においては、そうしたオリンピック・パラリンピック本来の価値についてもわかりやすく伝わるよう努めてまいりたいと考えております。
次に4点目の、国が示した大規模大会指針の評価についてでありますが、国のプロジェクトチームによる指針は、今後国内で開催される様々な大規模競技大会の組織委員会等を対象として、汎用的な原則を定めたものであり、組織委員会等が有する特殊性を踏まえて、ガバナンス体制の確保における重要な視点を示したものとして評価をしております。本市における見直し案の検討に当たりましては、指針で示された視点に基づき具体化をしていく、このことを想定をしております。
次に5点目の自治基本条例に基づく市民の意思確認についてでありますが、大会招致を進めていくに当たりましては、市民の理解を得て、意向を十分に確認をすることが重要であると認識をしております。そのためまずは大会運営の見直し検討を進めるとともに、様々な機会を捉えて情報発信や市民対話を十分重ねていくことが必要であり、その上で最終的に改めて民意の確認を行う考えであります。その具体的な手法につきましては今後検討してまいります。
次に2項目目の、政局に関してのご質問にお答えをいたします。1点目の国会情勢と重要法案の取り扱いについてでありますが、国会に提出される法案につきましては、国民の理解が得られるよう十分に説明や議論がなされるべきものと考えております。今回成立した法案につきましては、その実施状況や影響を注視してまいります。
2点目の、来たるべき国政選挙と骨太の方針についてでありますが、一般論として、選挙におきましては、候補者や政党は、有権者に対してわかりやすい情報提供に努め、有権者は得られた情報をもとに、自らの意思に基づいて投票の判断をするものと認識をしているところであります。
次に3項目目、大軍拡大増税と市民への影響についてであります。1点目の軍拡財源の確保についてでありますが、防衛力強化に係る財源につきましては、今後も国会においてしっかりとした議論がなされるとともに、国民に対して十分な説明がなされていくべきものと考えております。
2点目の、自衛隊員募集のための名簿提供についてでありますが、自衛隊からの依頼に対し、住民基本台帳の一部の写しを用いることにつきましては、法令上、特段の問題を生じるものではないとの見解が明確に国から示されているところであります。自衛隊の持つ公益的な役割を考慮し、今後も自衛隊から同様の依頼があった場合には、法令などに基づき適切に対応していく考えであります。なお、情報提供を行う目的などにつきましては、ホームページや広報さっぽろに掲載をしているところであり、今後もより一層の市民の理解促進に努めるとともに、情報提供を望まない方にはあらかじめ申請をいただき、名簿から除外する取り組みを続けてまいります。私からは以上です。
町田副市長 答弁
私からは大きな3項目目、新型コロナ感染症対策と健康保険証のマイナンバーカードについてのご質問と、4項目目の子育て支援についてのうちの1点目、保育について、そして2点目、子育てを支援する本市独自政策の拡充についてのうちの1点目、子ども医療費無償化拡大のご質問についてお答え申し上げます。
まず大きな3項目目新型コロナ感染症対策と健康保険証のマイナンバーカード化についてのうちの1点目、新型コロナ感染症対策についてのご質問のうちの市民への感染状況の情報提供についてでございますが、下水のサーベイランスは無症状者を含めた陽性者の増減の傾向を示す指標で、市内における感染状況の把握を補完しているものでございます。定点報告と合わせて週1回ホームページで継続的に公表してまいりますので、市民の皆様には感染状況の目安としてご活用いただきたいと考えているところでございます。
2点目の感染拡大防止と社会経済活動についてのご質問でございますが、札幌市といたしましては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことから、感染状況に留意しながらも、社会経済活動の回復に取り組む段階にあるものと認識するところでございます。
現在、感染は緩やかな拡大傾向にございますが、重症化リスクの高い変異株は確認されておらず、場面に応じてマスク着用等の基本的な感染防止対策を継続いただきたいと考えるものでございます。次に高齢者施設での検査対象の拡大についてのご質問でございますが、これまで新型コロナウイルス感染症の拡大に合わせて、高齢者施設等の職員を対象にスクリーニング検査を実施してきたところでございます。5類移行後、当面は地域の実情に応じて実施することとされており、特に入所系の施設においては、職員が重症化リスクの高い高齢者に、日常的に接することから検査の対象としているところでございます。今後も通所施設等を含め、高齢者施設が適切な感染予防対策を講じることができるように、支援してまいりたいと考えております。
次に健康保険証とマイナンバー化について、マイナ保険証の運用停止についてのご質問でございますが、マイナ保険証の導入は、本人確認や資格情報の確認のみならず、これまでの受診・服薬情報を医療機関が確認のうえ治療に生かすことができるようになるなど、国民がメリットを享受できるものと認識するところでございます。一方で現在、全国的にマイナンバーカードと健康保険証との一体化に係る様々なトラブルが発生していることは遺憾でございます。一連の出来事を踏まえ、再発防止の仕組み作りや、国民の不安の解消などに国として適切に対応いただくべきものと考えるものでございます。
次に皆保険制度と資格確認書についてのご質問でございますが、マイナンバーカードと健康保険証の一体化については混乱がないように進めていくべきと考えております。また、国民健康保険の資格確認書については今後、国においてその詳細な運用方法を検討するものと聞いているところでございます。札幌市といたしましては、全ての加入者が安心して医療を受けられるように国がその責任において適切な措置を講ずることを求めてまいりたいと考えております。
次、大きな4項目目、子育て支援についての1点目、保育についてのご質問のうち1点目、保育士配置基準についてでございますが、札幌市では基準を超えて保育士を配置した場合などに補助を行い、保育環境の充実に努めており、配置基準につきましては全国共通の課題であることから、引き続き国に対して改善を要望してまいりたいと考えるところでございます。
保育についての2点目の保育料についてのご質問でございますが、保育料の無償化は、世帯の経済状況によらず安心して子育てができる環境整備に繋がりますことから、子育て世帯の負担軽減に向け、財源見通しを踏まえ、対象範囲などについて検討してまいりたいと考えるところでございます。
次、子育てを支援する本市独自政策の拡充についての1点目、子ども医療費無償化拡大についてのご質問でございますが、子ども医療費助成は全国一律で実施すべきものと認識しており、国に対し、制度化に向けた要望を行ってきたところでございます。今後、長期的な財政収支を見通した上で、他の医療費助成制度とあわせて、その拡大の方向性を定めていく考えでおります。私からは以上でございます。
石川副市長 答弁
私からは大きな2項目目、インボイス制度と中小企業振興条例について、そして大きな5項目目、月寒体育館の建て替えについてお答えを申し上げます。
まず大きな2項目目、インボイス制度と中小企業振興条例についてであります。まずインボイス制度についてでありますが、1点目の制度の認識と、2点目の本市事業者の実態と影響につきましては、札幌市内における免税事業者の数については把握しておりませんけれども、本制度は、適正な課税、制度の運用、免税事業者からの仕入れに係る控除の特例に関する経過措置期間などの負担軽減策等を含め、議論された上で導入されるものであると認識をいたしております。
3点目の本市発注の事業における免税事業者の対応と、制度の範囲実施についてでありますが、免税事業者につきましては、これまで通り入札に参加できる扱いといたします。また、札幌市の仕事を受注した課税事業者が下請けなど免税事業者を排除しないよう、工事等の入札参加者に対しましても、制度の周知等を図ってまいります。なお、インボイス制度の導入につきましては、広く国政の場において、事業者の負担等も踏まえ検討されるべきものと認識をいたしております。
次に2点目の札幌市中小企業振興審議会についてでありますが、本審議会におきましては、札幌市産業振興ビジョンに関する進捗状況や、その改定案に加え、例えばコロナ禍における事業者支援策等の時期に応じた課題についても審議を行っていただいているところでございます。今後とも、札幌市の中小企業振興施策や、その時々の課題について諮問し、ご審議をいただいてまいります。
続きまして大きな5項目目、月寒体育館の建て替えについてであります。まず一点目の月寒体育館周辺におけるスポーツ施設充実の歴史と意義についてでありますが、月寒体育館周辺はこれまで、スケート場やラグビー場、カーリング場など、その時々の状況に応じて必要なスポーツ施設を整備してきた場所であると認識をいたしております。また、地下鉄東豊線の月寒中央駅周辺は、地域の豊かな生活を支える中心的役割を担う地域交流拠点に位置付けており、それにふさわしい土地利用が必要であると考えているところでございます。
次に2点目の月寒体育館の建て替えについてであります。札幌市が所管するスポーツ施設の更新に当たりましては、札幌市スポーツ施設配置活用実施方針に基づき、市民の利便性向上に加え、スポーツを核としたまちづくりの観点を踏まえて、立地場所や導入機能を検討することとしているところでございます。札幌ドーム周辺は、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン(戦略編)案におきまして、スポーツ・文化芸術や集客交流産業振興する拠点として、多様なイベントが開催されることはもとより、拠点の機能を高める施設の立地を進めることとしており、月寒体育館の更新につきましても、この拠点形成の取り組みとあわせて検討を進めてまいります。私からは以上であります。
檜田教育長 答弁
私からは大きな4項目目、子育て世帯の支援について、その中の子育てを支援する本市独自政策の拡充についての2点目、学校給食費の負担軽減について、3点目、学校教材費の保護者負担についてお答えをさせていただきます。
まず学校給食費の負担軽減についてでございますが、学校給食は施設、整備、運営等の経費を公費で負担をし、食材費のみを保護者の皆様から、給食費としてご負担をいただいておりますが、これまでも、就学援助制度等において支援を行ってきたところでございます。学校給食費の負担軽減につきましては、今後、必要に応じて関係部局と協議してまいりたいと考えております。
3点目の学校教材費の保護者負担についてでありますが、教科用図書は国が無償給与しておりますが、補助教材は指導の効果を高めるために、学校および子どもの実態等に応じて、教育的見地から適切なものを各学校が選定し、その負担を保護者にお願いしているものであります。選定に当たりましては、保護者の経済的負担が過重なものとならないよう留意するとともに、経済状況によりまして負担が困難な家庭に対しては、就学援助制度に基づく必要な支援を行っているところでございます。今後も補助教材の精選を図るなど、できるだけ保護者の負担を軽減できるよう、各学校に対しまして、配慮を促してまいりたいと考えております。以上でございます。
池田議員 再質問
私から再質問をさせていただきます。オリ・パラ招致について1点、そして自衛隊への名簿提供について1点、子育て支援の施策について1点、合わせて3点質問をいたします。
最初にオリ・パラ招致についてですけれども、市長選で示された招致反対の意思についてのところでありますが、市長は市民の様々な意見を聞きながら、東京オリ・パラの不信感、または大会概要案の十分な理解がされていない、そういった現状を改めて認識をしたというふうにおっしゃっておりました。その後検討会の中間報告をしながら、今後も市民対話などで丁寧に説明をしていきたいということもおっしゃっていたというふうに思います。質問の中でも触れましたけれども、JOCが2034年以降の大会招致を見据えるなら、引き続き国内候補地として認めると、そういった決定をしたことが報道されておりました。いつどのように決まったんだろうかと、そういった驚いている市民が多いのではないかと私は思っているところです。そうやって市民が知らないうちに招致の状況がどんどん変化している。そして立ち止まることなく大会概要案が作成し直されていく、そして丁寧に説明、ご理解いただくと。こういった一連のこの進め方に市民は不信感を強くしているのではないかと考えますが、市長のお考えを伺います。
2点目は、自衛隊への名簿提供についてです。自衛隊には紙媒体、電子媒体、どちらでも提供していない自治体がありますから、答弁では、国の法令に沿って適切に進めているのだということでお話がありました。除外申請などにもちゃんと対応しているのだということもおっしゃっておりました。名簿提供をしない場合、法令上の問題はあるのか、このことをお聞きしたいと思います。
3点目は、子育て支援の子ども医療費の無償化と学校給食費への公費負担の拡大についてうかがいます。いずれも、秋元市長の選挙公約でもありますが、答弁は、これまでと同様に、子ども医療費の問題ところでは国が一律に行うものと。給食費のところなどでは、就学援助で補助を行ってきたという答弁がありました。これは、これまでと変わらない答弁だなというふうに私は思っているところです。子育て支援というのは、少子化対策問題にとっても非常に重要だと私は思いますから、重要課題として優先的に進める必要があるのではないかと考えているところですけれども、具体的な答弁がいただけなかった。いつからどういうふうにやるのか、そういったことが全く話されておりませんでした。例えば、無償化の検討はされていくのか、給食費ですね。そういった問題、どの方向に向かって検討されていくのかが全く示されていなかったなというふうに思います。
また、医療費のところでは、窓口負担をなくすことや所得制限の撤廃についても、どうなのかと具体的にお聞きしましたけれども、その方向も全く示されなく検討していくということでは、これまでと変わらない答弁ではないかというふうに思いますので、具体的に再度答弁を求めたいというふうに思います。
秋元市長 答弁
3点ご質問をいただきました私からは、オリンピック・パラリンピックの関係、それから自衛隊の募集の名簿についてお答えをさせていただきます。
先日JOCの方で、2030年以外の大会を見据える必要性が具体的に生じた場合に備えて、候補地の選定手続きというものを整理をしたものというふうに認識をしております。従いましてこれはJOCの内部的な手続きで、2030年を2034年に何か目標を改めたということではないと、このように理解をしております。引き続き、いずれにしましても、このオリンピック・パラリンピックの招致につきましては、様々な議論をし、しっかりと市民の意向を確認をした上で、その時期等にも含めて、招致に向けて進めていく、そのように考えているところであります。
自衛隊の名簿の提供につきましては、自衛隊が担っている公益的な役割ということを配慮した上で、昨年度から紙媒体による情報提供に変更しているものでございます。自衛隊法の中に、自治体の自衛隊の様々な事柄についての協力ということがうたわれております。法律違反ということではございませんけれども、こういった法の趣旨、それから自衛隊の公益目的という観点から、紙媒体への提供を行っているというものであります。以上であります。
町田副市長 答弁
子育て支援についての子ども医療費無償化拡大について具体的なスケジュールについての再質問をいただきました。医療費助成事業はこれまでその対象となる世帯の医療面における経済的な負担を緩和してきた重要な施策でございます。このため札幌市といたしましては、他の政令指定都市の状況や事業の持続可能性などを踏まえ、医療費助成制度全体の拡大に向け検討を重ねているところでございまして、今後速やかにその方向性を定めることとしたいと、今はそのように考えるところでございます。以上でございます。
檜田教育長 答弁
ただいまの学校給食費の負担軽減について再質問いただいたところであります。給食費のこれからの方向性、時期ということでございますが、先ほども申し上げさせていただきましたが、現在のところ、就学援助制度等によって経済的に必要な支援、必要な方に行っているところでありまして、学校給食費の更なる負担軽減については、今後、関係部局と協議してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
池田議員 再々質問
先ほどの市長の2034年以降の大会招致のところで、JOCの中で整理したものであると、内部的な手続きであるというような答弁だったかというふうに思います。このことに関しては、市長は2034年を見据えるならというふうに言っておりますけれども、そのことについては全く市長としてはJOCとの話し合いはされていないのかどうか、その一点を伺いたいと思います。
そして給食費のところですけれども、これ先ほどと変わらない答弁だなというふうに思うんですけれども、関係団体とね、検討してまいりますということなんですけれども、どういう方向で検討していくのか、今もう既に必要なわけですから、就学援助だけでは足りないと、そういった市民の声や、少子化、子育て世帯の声があるわけですから、このことに対して無償化の方向で検討するのかどうか、このことさえも何か出てこないっていうのがね、納得できないなというふうに思うんですけれども、そこを1点、合わせて2点お聞きします。
秋元市長 答弁
2030年の招致につきましては審議会での決議をいただいているところであり、現在、東京大会の一連のいろいろな問題についての見直し案を検討しているという状況であります。これをお示しをして、市民との対話を進めていきたいということでありまして招致の目標年について、JOCと何か協議をしているという状況ではありません。
檜田教育長 答弁
学校給食費の負担軽減、無償化等も含めた検討ということでありますが、学校給食につきまして先ほど申し上げました施設、整備、そして運営等の経費は、そもそも私ども教育委員会の公費、札幌市の方で負担をさせていただき、食材費のみを保護者の方に負担をいただいて、その中で援助の必要な方については就学援助等で支援をしてさせていただいているところであります。繰り返しになりますが、更なるその負担軽減につきまして、今後、関係部局と協議をしてまいりたいということであります。以上であります。