私は、日本共産党を代表し、陳情第141号「2030年札幌市冬季オリンピック・パラリンピック招致活動を止めることを求める陳情」について、採択すべきとの立場で討論を行います。
このたびの陳情は、今冬の大雪対策や福祉灯油など市民の暮らしを守るための施策が優先されるべきこと、コロナやロシアの侵攻などグローバルな課題が山積しているなかで招致・開催は無謀であること、大会運営費が膨らんだ場合の本市の負担増の懸念、等から、本市が行っている招致活動を止めるよう、議会に求めています。
我が党は、こうした意見をもつ市民は少なくないと考えます。
今年3月に本市が行った意向調査の結果は、「賛成」「どちらかといえば賛成」は52.2%でした。しかし、2014年11月の調査と比較すると14.5ポイントも減少しました。招致に反対する市民は増加し、賛否は拮抗しているのです。我が党は、自治基本条例に基づき、「市政上の重要事項」として、オリパラ招致について賛否を問う住民投票を実施することが不可欠だと考え、「2030北海道札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致に関する住民投票条例案」を提出しましたが、反対多数で否決となりました。しかし、いまなお、住民投票の実施や、オリパラ招致に反対等の市民意見は根強く、SNS等で市民が呼びかけた6月12日の「札幌五輪不招致推進デモ」に100名を超える人々が集まるなど様々な態度表明がなされており、このたびの陳情もその一つです。
52.2%の賛成を「一定の賛同を得た」とし、「市民理解を得るためのとりくみこそ必要だ」として、招致活動に走っている本市の姿に対して、中止を求める市民からの陳情が出されるのは当然ではないでしょうか。
オリパラの開催は、圧倒的な市民の賛同がなければ、成功することはできません。自治基本条例が謳う、市民が主体のまちづくりを実現するために、日に日に増えるオリパラ招致への懸念の声に、耳を傾け、十分な審議を行うことが、議会に求められていると考えます。
よって、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致活動を止めることを求める本陳情は、妥当であり、採択すべきです。
以上で、私の討論を終わります。