私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。

 質問に先立ちまして、
 新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、今なお入院や宿泊施設・自宅で療養をされている皆様にお見舞いを申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症が本市で初めて確認された2020年2月から2年が経過した今なお、収束の見通しは立っていません。
 感染症とのたたかいが長期化しているなか、最前線で奮闘されている医療従事者の方々を始め、エッセンシャルワーカーなど社会生活を支える仕事に従事されている全ての皆様に改めて深く感謝を申し上げます。
 私ども日本共産党は、新型コロナウイルス感染症によりこれまで経験したことのない苦難に直面している市民のいのち、健康、日々の暮らしや福祉、そして営業が守られる社会の実現のため、あらゆる知恵と力をつくす決意です。
 また、20日午後から、道内では台風並みに発達した低気圧の影響で、各地で見通しの利かない猛吹雪いわゆる“ホワイトアウト”が発生し、車の事故などが相次いでいます。21日、札幌圏ではJR北海道が始発から終日運転を見合わせるなど、通勤、通学、通院など、市民の足は大混乱し、運休は現在も続いています。
 札幌管区気象台によると、この大雪は本日22日も続く見込みで、札幌市を含む石狩、空知、後志地方では、22日夕方までの24時間降雪量が多いところで50センチとなる見込みであると警戒を呼びかけています。連続する大雪は、災害級の事態と受け止め、国と札幌市は対応すべきだと考えます。
 1月から続く大雪によって除排雪作業が追いつかず、歩道と車道にできた段差を乗り越えられないお年寄り、障がい者、子ども、妊婦など、交通弱者の通院、通学の障害となったほか、消防車や救急車の到着の遅れ、生活に欠かせない灯油など、暖房用の燃油や民間宅配業者の配達の遅れ、ごみ収集作業の長時間化、JRやバスの運休や遅延という事態は、市民の命を脅かすとともに、日常生活と市内経済に甚大な影響を与えました。
 わが会派は、先月21日、生活道路とバスレーンの除排雪、通学路の安全確保を図ること。また、雪害に対応した十分な予算の確保を国に要請するとともに、豪雪地帯対策措置法の法改正による特例措置の延長とあわせて、生活道路の除雪事業への予算措置の創設を国に求めるなど、市長に対して「除排雪の強化に関する緊急要望」をしたところであります。その後、副市長は、国に「道路の除排雪経費に関する要望」をされました。
 わが会派は、引き続き、安全・迅速に除雪、排雪が可能となる体制の充実に向け全力を尽くしてまいります。

 それでは質問に入ります。

 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、憲法と安全保障、核廃絶の国際論議についてです。
 今、緊迫するウクライナ情勢について、主要7か国、G7は、19日共同声明を出しました。
 共同声明の中で、ロシア軍部隊集結については、「重大な懸念」を有していると指摘。「欧州大陸で冷戦終結以降最大の配備であり、世界の安全保障および国際秩序への挑戦だ」と強く批判しています。そのうえで、ウクライナ情勢の「平和的・外交的解決」を目指すと表明しています。
 国際社会が、危機を増幅させる軍事的対応ではなく、紛争の平和的解決を定めた国連憲章と国際法に基づき、ウクライナの主権尊重の原則に立って、外交的政治的な事態打開の努力を尽くすことが強く求められています。日本政府は、この立場にたって、国際社会に働きかけるべきです。
 1点目は、「敵基地攻撃能力」と専守防衛についてです。
 市長は、かつて安倍政権がすすめた、他国への攻撃を可能とする軍備増強について問われ、「国の予算についても、憲法の理念を尊重しつつ、国会において審議を尽くしていただきたい」と答弁されています。
 ご答弁いただいてから3年間が経過していますが、2022年度政府予算案の防衛費は、10年連続の増額、8年連続での過去最大を更新しました。国会答弁では、自衛隊の戦闘機が相手国の領空内に侵入し、軍事拠点を爆撃する選択肢について、排除しないとの見解にまで踏み込んでいます。
 「敵基地攻撃」は攻撃的兵器の保有であることに変わりはなく、自衛のための最小限度の範囲といえる「専守防衛」を超えた先制攻撃と受け取られる懸念がありますが、市長はそうした懸念を共有されるのか伺います。
 2点目は、核廃絶締約国会議についてです。
 国際社会は、国連の核兵器禁止条約締約国会議への日本の参加を、正式及びオブザーバー問わず切望しています。第1回締約国会議は、新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりから延期されましたが、被爆国としての役割はいささかも薄れることはありません。
 市長は、核兵器禁止条約が発効された昨年、「核兵器廃絶への第一歩」とのべ、批准については国が判断をするものとしながらも、平和首長会議に参加をして、条約の批准などについて政府に要請をしてきた経過をご説明されました。せめて参加をというのがヒバクシャの願いです。
 参加は政府の判断ですが、平和都市宣言30年の節目に当たる本市が、政府に参加要請を行うことは、国際社会とヒバクシャを大きく励ますことになると考えますが、そうした取り組みを考えないのか、市長にお伺います。
 質問の第2は「福祉灯油」についてです。
 新型コロナウイルス感染症の影響と原油産出国を取り巻く情勢の影響を受けて、原油価格の高騰が続いています。
 金子恭之総務大臣は10日、原油価格高騰への対応策を検討する関係閣僚会議後、「灯油購入費の助成など様々な取組が進められております。原油価格の高騰が続いていることを踏まえ、自治体が、今後さらに追加的に行う取組についても、特別交付税措置の対象とします」と表明しました。
 総務省に問い合わせたところ、すでに2回、3回と実施した市町村が、今後追加的に「福祉灯油」を実施した場合も交付対象とし、交付額の上限についても定めないとの回答でした。
 総務省や多くの市町村が、「福祉灯油」は福祉の増進に寄与し有効性を認めていますが、本市だけが、給付を一部にとどめることを前提にして、自ら「効果は限定的」だと主張されています。
 これでは市民は納得できないと考えます。今からでも遅くはありません、福祉灯油を実施すべきではないでしょうか。市長の見解をお伺いします。あわせて、特別交付税の追加措置がされても実施しない理由を、改めて市民にご説明ください。
 質問の第3は、市民のくらしの現状認識についてです。
 我が党市議団が取り組んでいる市政アンケートの中間集計では、以前と比べてくらし向きが、「悪くなった」「やや悪くなった」が57%にのぼりました。「よくなった」「多少よくなった」は、わずか4%にとどまっています。
 約半数が「変わらない」と回答していますが、新型コロナウイルス感染症の拡大から約2年間が経過しても、派遣切りやシフト替えなどが続いているという非正規労働者や、お客がもどっていないという飲食店からの相談はなくならず、「変わらない」というよりも、収入が落ち込んだままというのが実態ではないでしょうか。
 このアンケートには、家計の苦しさを紙面いっぱいに書き込んで返信されるものも数多く、我が党市議への相談も、「灯油がなくなりそう、政府の臨時特別給付金は、いつ手続きできるのか」という、切羽詰まったものもありました。
 物価高や燃油高騰のもとで、市長は市民の家計の現状をどのように分析し、政府の給付金で十分だという認識なのかどうか、お伺います。
 質問の第4は、保健所の体制強化についてです。
 市長は予算編成で、感染症対策とともにポストコロナを意識されたと説明されました。そうであれば、未知の感染症に備えるために、今後、抜本的で恒常的な対応が求められると考えます。
 本市は21年度予算で医療対策室の体制強化として106人増員されましたが、非常勤職員の配置や応援体制で乗り切りました。当初予算で保健所や衛生研究所の現局要求が、感染収束を見込んで大幅な減額査定となりました。22年度予算案についても補正予算を見込んで8か月予算で計上された事業がみられますが、恒常的な体制こそ必要です。
 そこでおたずねします。
 札幌市は昨年、厚生労働省に本庁や保健所、保健センターの保健師数を266人と報告しています。これは人口10万人当り13.47人となり、20政令市中下から2番目の低さでした。政令市平均からも3人足りません。
 公衆衛生の最前線で活動する保健師の定員拡大を図る必要がありませんか、お伺いします。
 全国保健所長会の「地域保険の充実強化に関する委員会」は2018年、「市区型保健所の在り方について」という文書のなかで、「指定都市には人口100万人を超す巨大都市があるにも関わらず、保健所が1カ所しか設置されていないところがほとんど」「一保健所制への移行理由は、市全体の行財政計画の方針や医師の確保が困難であることが関係」と指摘しています。
 今後、新たな感染症の発現が考えられますが、弱体した公衆衛生体制を強化しなければ、市民の命は守れないと考えます。保健所の複数化を検討すべきではないでしょうか、お伺いします。

 次は、2022年度予算案についてです。
 2022年度予算は、秋元市長2期目最後の本格予算であり「アクションプラン2019」の総仕上げとともに、次期「札幌市まちづくり戦略ビジョン」を見据えた予算となっています。
 予算額は、2022年1定補正予算等の経済対策と一体的に編成し「16ヶ月予算」として1兆2,483億円、前年度と比較し9.2%の増加、公債会計を除く特別会計と企業会計を合わせた全会計は1兆8,929億円と、過去最大の予算規模です。
 市長は、予算の柱として、感染症の影響から市民を守り、社会経済活動の力強い回復を支えるまちづくり、子どもを生み育てやすく、誰もが安心して暮らせるやさしいまちづくりなどをあげています。私どもは、これらをどのように具体化するのかが肝要であると考えます。
 質問の第1は、予算編成の考え方についてです。
 新型コロナウイルス感染症が初めて確認されてから2年、本市では2022年2月21日時点、のべ88,128人が感染、924人が命を失いました。近しい人を失った人、商売を畳んだ人など、それぞれ状況は異なるものの、市民は苦しい思いをたくさんしてきました。
 本市は、将来にむけパンデミックや災害にも備えられる強い経済、安定雇用をつくり、市民の所得拡大で経済成長を確実にしていくことを市民に宣言し、それを実行するための2022年度予算であるべきと考えますが、認識を伺います。
 いまだにコロナ感染が収束しないもとで、暮らしや営業の困窮は悪化しています。子どもの貧困が増えていることは容易に想像できます。
 不要不急の大型再開発事業など市民合意のない事業は見直し、新型コロナウイルス感染症から市民の暮らし・営業を守る予算を増額すべきと思いますがいかがか伺います。
 質問の第2は、開発型予算と少子化対策予算についてです。
 本市は将来を見据えたまちのリニューアル予算などとして、昨年同様2030年度末を予定する北海道新幹線札幌延伸、冬季オリンピック・パラリンピック招致、都心アクセス道路、都心部の大型再開発費などが計上されています。
 大型開発が続く一方、将来それら事業の恩恵を受けるはずの本市人口は減少しています。
 死亡率が出生率を上回る「自然減」を、人口流入による「社会増」で補ってきたものの、今年1月の本市発表によりますと、いよいよ「社会増」の縮小で、戦後初の人口減少に転じました。
 本市の少子化対策が成果をあげてこなかったため、生まれてくる子どもが増える傾向にありません。それは、将来子どもを産む人口(女性)や、生産年齢人口が減ることを意味します。
 本市予算は、人口減少により生じる地域経済の低迷などの諸問題を「インバウンド中心の観光客を誘致することで、市民消費の落ちこみを補う」「そのための大型都市開発を進める」など大型開発で解決しようとする「開発型予算」になっていると思いますが認識を伺います。
 本市は、「子どもを生み育てやすく、誰もが安心して暮らせる、やさしいまちづくり」を掲げておりますが、2022年度の少子化対策予算では、どのような改善を目指すお考えか具体的に伺います。
 質問の第3は、開発事業の恩恵と持続可能なまちづくりについてです。
 受益者負担の見直しで市民向けの予算が削られ、人件費削減を目的とした民営化や民間委託を行う予算である場合、地域で流通するはずのお金が減り、地域経済の低迷ひいては税収減を招きます。
 GDP国内総生産の支出面でもっとも大きいのは家計支出であり全体の半分以上をしめます。
 個人の可処分所得が増えることこそ、地域経済の活性化をはかり、経済の好循環、経済回復を確実なものにします。
 現在札幌市民の人口は約197万人。そのうち個人市民税課税者は約95万人、非課税者が100万人近くになっています。繰り返される労働者派遣法の改悪で、非正規労働者が増え、正規社員の賃金も低く抑えられてきました。
 この状況の公的な改善なくして8年後の2030年、北海道新幹線札幌延伸が実現したとき、市民は高い乗車料金を払って新幹線での旅行を楽しむことができるでしょうか。
 タワーマンションが多数建設されても、若者の雇用は安定していてマンションを購入できる所得になっているでしょうか。
 冬季オリンピック・パラリンピックが札幌で開催されたとして、数万円とも言われるチケットを家族で購入し、揃って競技を観戦できるのでしょうか。
 将来これらの事業を市民は心から喜んでいるのかどうか、大いに疑問を感じます。
 現在進めている開発事業について、本市は多くの市民がその恩恵を享受できるという認識をお持ちなのか伺います。
 国の大型開発誘導の画一的な政策が、本市市民の生活実態に合っていません。市民の暮らしの底を引き上げる予算こそが多くの市民の強い要望であり、本市の持続可能なまちづくりに資するものだと思いますがいかがお考えか伺います。

 次は、市内経済の活性化についてです。
 質問の第1は、新自由主義改革による実質賃金の変化と市内経済への影響についてです。
 アベノミクスの新自由主義改革は、約9年間で大富豪の資産を6兆円から24兆円と4倍にも膨張させました。一方、働く人の実質賃金は22万円も収縮し、実質賃金がピークであった1997年から2020年の間では、実に64万円も減少させ、その結果、OECD加盟国のうち、比較可能な22か国の中で、日本の賃金の伸び率は、世界最低水準まで落ち込みました。そこでお尋ねしますが、新自由主義改革は、本市の働く人の実質賃金に、どのような変化があったのか具体的に伺います。また、岸田政権は「新たな資本主義」「成長と分配の好循環」を唱えていますが、市内経済への影響をどのように考えているのか、期待される効果を伺います。
 質問の第2は、最低賃金の引上げ効果と国への対応についてです。
 市内総生産の内訳では、製造業などの第二次産業の割合が低く、飲食・宿泊業を中心とする「サービス業」「卸売・小売業」などの第三次産業の割合が大きく、圧倒的に中小企業と零細企業が占めています。市内総生産の割合が大きいサービス業などでは、非正規雇用などの不安定雇用者の割合が約7割を占めています。2018年度、本市の1人当たり市民所得は280万1千円、有効求人倍率は1.08と、いずれも政令市の中では、最低レベルです。低賃金労働者の増加は内需を冷え込ませ、市内経済を失速させます。
 当然、企業独自の努力は言うまでもありませんが、とりわけ中小零細事業者の努力だけに頼った賃金の引上げには限界があります。すでに米国やフランスなどでは、政府が中小企業への支援策として減税や社会保険料事業主負担分の軽減策を行い中小企業の賃上げを応援しています。
 本市の産業構造上から、最低賃金の引き上げに踏み出すことは、市内経済の活性化にとって重要な要素だと考えますが認識を伺います。また、国に対して、どのように働きかけていくのか、今後の対応について伺います。
 質問の第3は「医療・福祉」の経済効果についてです。
 本市の2016年「経済センサス活動調査」産業横断的集計結果(概要)の産業(大分類)別事業所数及び従業者数の推移を見ると市内全体の「医療・福祉」分野の民営事業所数は6,680か所で、17に分類された産業の中で第4位、従業者数は127,350人で第2位を占め増加率では共に第1位です。産業全体では「医療・福祉」などの分野で働く方が多く、増加傾向にあるということです。また企業等の生産活動によって新たに生み出された価値すなわち付加価値額を産業(大分類)別に見ると「卸売業・小売業」が1兆593億円で最も多く、次に「医療・福祉」が5,406億円で「建設業」3,579億円を上回っています。
 このように従業者数の多さと付加価値額の高さから見ると「医療・福祉」の分野は、市内経済の中でも重要な位置を占めていると言えます。
 しかし、経済効果と言う点では、もっぱら大型開発などに特化、強調され、「医療・福祉」などは、その阻害要因として宣伝、攻撃される傾向があります。
 市民の健康と命を守るケアに手厚い社会をつくる「医療・福祉」分野は、経済効果が大きく、市内経済の活性化に資すると考えますが、認識を伺います。また、他の産業と比較した場合の生産、雇用における波及効果を、どのように分析し評価されているのか、伺います。

 次に、冬季オリンピック・パラリンピック招致についてです。
 近年、開催に名乗りを上げる都市が、世界中で減少しており、アテネで開催された2004年夏季大会には、11の都市が開催地に立候補しましたが、2024年大会はわずか2都市しか集まりませんでした。
 国際的に見ても大会開催都市の市民の支持率は、80%~90%であり、住民投票や市民の反対の声が多ければ、大会の招致活動から撤退し、開催している例はありません。なぜなら招致するかしないかを決めるのは市民だからです。
 1972年大会当時は、未熟であったまちの基盤整備が高度経済成長期と大会をきっかけとして急速に進み、まちと共に市民の生活も右肩上がりに向上した時代であり、五輪への期待も一層大きいものでした。しかし、50年が経過した今、人口減少や高齢化といった社会構造の変化や、老朽化したインフラの更新、気候変動への対策など、素早く、かつ長期にわたる諸課題が山積していることに加え、近年の新型コロナウイルス感染症による命や健康、目の前のくらしに大きな不安をかかえている市民を支える自治体の役割が大きくなっています。
 全道の住民を対象に3月(中旬)に実施する意向調査に対して問われた、北海道新聞のインタビューの中で、市長は「賛成反対の住民投票ではなく、政策判断のために行う」と述べ、「調査で招致への支持が半数を下回った場合でも招致活動を継続する考えを示した」との報道がありました。同じ記事で、「市民の期待や心配を把握し、どのようにしたら懸念を解決できるか確認するのが目標」と語ったとのことです。
 意向調査には、賛否を問う設問を設けると説明されていますが、反対や否定を表明した市民の意思は受け入れないお考えなのか、うかがいます。最も大事ことは、市民意向を尊重することではないかと考えますが、いかがですか。意向調査での賛否の結果を尊重し、圧倒的な市民合意がなければ、招致を断念するべきだと思いますが、いかがか伺います。

 次は札幌DX推進方針についてです。
 本市は「デジタル戦略推進局」を設置し、国の策定した「自治体DX推進計画手順書」を踏まえ、本市の推進方針を進めるとしています。
 国の言うままに進めるのではなく、自治体の本旨に基づいて行うべきであります。
 質問の第1は、民間からのCDO補佐官の配置についてです。
 「本市のDX推進方針」で、最高デジタル責任者CDOは、部局間の調整に力を発揮することができるよう副市長とし、CDO補佐官は民間人材を活用するとしています。
 市内の学術界・産業界などの専門人材が兼業で加わり、地方公務員法において特別職非常勤職員として、ビジネス研究を統括する責任ある立場で任用するというものです。
 総務省の「DX推進に係る検討会」では事務局が、「特別職非常勤として任用する場合、地方公務員法上の信用失墜行為の禁止や守秘義務は適用されないため、任用に当たり情報漏洩防止義務を課す等のガイドラインが必要ではないか」と見解を示しています。
 昨年12月の総務委員会で、公務の公平性の担保について、また総務省が自治体に対応を任せている、補佐官出身企業の入札制限について、わが党の質問に「公平性に疑念を抱かれないよう要綱で定めたい」「入札制限については、制限を検討したい」と答弁されていますが、要綱や検討結果について伺います。
 質問の第2は、市民の個人情報保護についてです。
 自治体業務にデジタル技術を導入することは、住民の暮らしと権利、地方自治や自治体職員の在り方の基本に関わる重要な問題です。
 各自治体の個人情報保護条例に基づく運用が「官民や官同士での円滑なデータ流通の妨げになる」とし、自治体の個人情報保護条例をなくし国の統一ルールを定め、個人情報の取り扱いを国の個人情報保護委員会に一元化しようとしており、個人情報を守ることよりも官民データの利活用が優先されていると言わざるを得ません。
 わが党は繰り返し、個人情報が集まれば集まるほど攻撃されやすくなり、情報漏洩のリスクが高まることを指摘し、マイナンバーカードを行政手続きのデジタル化の基盤に据えることは改めるべきと申し上げてきました。
 DX推進方針により、それら疑念が拡大することになると思いますが、認識を伺います。
 本市は市民の個人情報やプライバシーの権利を守るガイドラインなどの作成を優先すべきと思いますがいかがか伺います。

 次に、医療と介護についてです。
 質問の第1は、診療報酬改定についてです。
 公的医療保険から医療機関や薬局に治療や薬の対価として支払われる診療報酬の2022年度改定内容が決まりました。
 診療報酬は、原則として2年に1度の改定です。今回は、新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、初めての改定であることから、感染症対策の最前線で奮闘する医療機関を支えるものでなければなりません。
 また、コロナ禍で繰り返される医療崩壊を見ても、平常時から医療に必要な余裕がなく、感染拡大時に命を守れないことが明らかとなりました。看護師などのマンパワーを確保できる水準が必要です。
 しかし、岸田政権は、その願いに反して、5期連続で診療報酬の総額マイナス改定を行いました。
 市長は、このたびの診療報酬改定による本市の医療機関への影響をどうお考えか伺います。最前線で献身的に命を守っている医療機関を支える改定でしょうか、ご見解をうかがいます。
 質問の第2は、国民健康保険料の均等割と子ども医療費についてです。
 政府は、「子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、国・地方のとりくみとして」2022 年度4月から未就学児にかかる国民健康保険料均等割額の5割を軽減することを決めました。
 本市の今年度の均等割額は2万3,090円、来年度は半額の11,500円ほどが軽減されます。未就学児約6,900人が対象で費用額は5,300万円ほどであり、国と道が4分の3を負担するため、本市の負担は4分の1です。
 さらに対象年齢を引き上げる場合の費用額は、12歳まででは1億1,200万円、15歳までは1億4,200万円、18歳までだと1億7,400万円とお聞きしています。
 コロナ禍での経済的影響や養育・教育費負担が大きい子育て世帯への支援として、均等割り軽減の対象年齢を引き上げてはいかがか、伺います。
 また、子どもの医療費は、経済的負担軽減とともに、命と健康を守るため、本市でも今年度から6年生まで無償化となりました。すぐにでも全国的なスタンダードである中学卒業まですすめてほしい、というのが市民の願いです。発熱外来のPCR検査は無料でも受診料や薬代はかかります。
 新型コロナウイルス感染症のオミクロン株では子どもが3割以上、特に幼児から学齢期の10代で感染拡大が顕著ですから、コロナ禍で、さらなる対象年齢の引き上げを急ぐことが重要課題であるという認識でおられるのか、伺います。
 質問の第3は、感染拡大での介護事業所への支援についてです。
 オミクロン株の爆発的な拡大で、保健所では、訪問介護・通所施設での疫学調査の介入をなくしました。陽性者が出ても濃厚接触者である利用者や職員は、無症状であればPCR検査の対象となりません。事業者から保健所に何回電話をかけてもつながらず、必要な時に相談もできません。職員の自宅待機期間は検査を受けることで短縮されますが、無料のPCR検査は数日待ちのうえ、検査キットも不足し、購入費用は事業者の負担です。もともと人材不足であるなか陽性者や待機者が出ると、介護サービスを休止せざるを得ず、事業所を維持できない状況ともなっています。
 また、介護事業所では、陽性者の支援を行うこともあり、密接した介護が必要なことから、クラスターの懸念はぬぐえません。無症状も多く、気が付かないうちに感染が広がり、発症してから陽性が分かっても手遅れという事態にもなりかねません。
 事業所で陽性が出た場合、拡大を防ぎ、必要な介護サービスを継続するためには、保健所が届け出を受けて現場と感染の状況を把握し、リスクの高い高齢者をいち早く医療につなげることや、高齢保健福祉部と保健所が密に連携し、さらなる介護事業所へ向けたコロナ対策の啓発などの対策を講じることが必要と考えますがいかがか、伺います。

 次は、住宅家賃の支援についてです。
 本市の「住居確保給付金」の受給実績を見ると2019年41件がコロナ禍の2020年は1,424件と約34.7倍となっています。相談件数でみると2019年は383件、2020年は3,376件と約8.8倍となっています。貧困と格差が広がる中、低賃金、低年金でギリギリ何とか暮らしてきた経済的弱い立場の市民に節約のしようがない家賃という固定費が、大きな負担となっていることがわかります。
 本市の「住宅マスタープラン2018」においても低額所得世帯が2013年、年間400万円未満の低額所得世帯が約48万世帯、全世帯の55.6%を占め、増加傾向にあるとしています。
 特に若者の所得状況について、第2期札幌未来創生プランでは、25年前と比較して男性は300万円~399万円台の割合が大きく減少し、低い所得階級の割合が増加しています。全国と比較しても本市は、男女ともに低い所得階級の割合が高く、高い所得階級の割合が低いと報告されています。未来創生プランでは、こうした若者の所得状況について、経済的な負担感から給与水準の高い首都圏への転出にもつながっていると分析し、所得の向上策や家計の負担軽減に資する取り組みの必要性を上げています。
 本市は、住宅セーフティネットの根幹である市営住宅について人口減少や市営住宅の更新需要の本格化等を理由に総量を抑制し、増加している民間の空き家、空き室を新たなセーフティネット住宅として活用する取り組みを進めています。しかし、市営住宅の応募倍率は高く、入りたくても入れない市民が依然多く推移しています。民間住宅の活用で市営住宅と同等のセーフティネットの役割が果たせるのかが大きな課題だと考えます。
 民間住宅の家賃が市営住宅家賃並みになるよう、直接支援するべきと考えますがいかがか伺います。

 次に、まちづくりと市有施設の配置についてです。
 本市は将来的な人口減少に基づいて、2028年度の市有施設の延床面積を削減する目標値を示しています。市有施設全体の床面積の4割を占める小中学校は、地域の未来を担う子どもたちを育む場であると同時に、歴史的にも地域コミュニティの核としての役割を担っています。3割を占める市営住宅は、毎年、希望者が多く、なかなか入居できず新たな建設を望む声が絶えません。こうした市有施設の再編・統合には、極めて慎重でなくてはなりません。
 特に小中学校については、廃止や閉鎖、学区変更が伴い子どもに大きな負担となります。小中一貫校・義務教育学校の設置も進められていますが、当事者である保護者抜きに進めてはならない問題であり、情報提供はもとより、保護者など当事者の意見を反映しながら進められなければならないと考えますが、市長のお考えを伺います。

 最後に、都心アクセス道路についてです。
 2016年3月29日に閣議決定された「北海道総合開発計画」を札幌都市圏で進めるため、本市は、創成川通に課題があるとして、混雑度0.87であるにも関わらず、渋滞を「解決すべき」として必要性を強調しました。国土交通省が設置した「社会資本整備審議会 道路分科会 北海道地方小委員会」には、学識経験者のほか、北海道商工会議所連合会の役員もメンバーに加わる、国と財界一体で誘導した道路計画です。本市はそれに乗じ、「期待される効果」ばかりを情報提供しながら、都市計画審議会に諮問しました。
 私は都市計画審議会の委員をさせていただいておりますが、この事業について2021年1月26日に行われた都市計画審議会では、コロナ禍において、「この計画を進めることが市民の同意が得られるか、疑問。再検討が必要。」「未来についての考え方が札幌市と市民とで乖離している」と発言する審議委員がいました。
 また、別の審議委員からは、「(この事業に対し)意見書が3つ出ている。今日初めて見た。この意見書を検討したいから時間を与えてほしい。今日、採決をしてしまうことに私は反対。」や「これだけ世界を揺るがす大きなことが起きて、アフターコロナというのが、いったいどんな世界になるのか全然わからない。もう一回検討する必要がある」など、もっと慎重に進めていくべきとの意見が少なくありませんでした。
 しかし、本市はこれら意見に対し、「納得できる説明をするのは難しい」、「国は新しい事業の手続に入れないので、今日やっておかなくてはならない」という回答だったため、採決の時には、「保留」態度が過半数の学識経験者から示される異例の採決でした。
 にもかかわらず、本市は、「地下構造で全線整備を行う案」について「優れた案」だとして2021年3月2日、「同意します」との回答を国土交通省道路開発局長に提出しました。
 これにより、都心アクセス道路は、4案のうち「総額1,000億円から1,200億円」と、最も費用がかかる地下構造で建設されることとなりました。
 我が党は、この不要・不急の都心アクセス道路について、繰り返し質問してまいりました。総じていえば、必要だとする根拠は極めて希薄でした。
 本市が「地方小委員会」に提出した資料には、「人流・物流の安定性」や「高次医療施設への確実性」の確保に課題がある、としています。しかし、議会で「石狩湾新港で取り扱われる貨物は、どこに、どれだけ運ばれているのか」と物流についてお聞きしても、「詳しいデータは持ち合わせておりません」と答えるのみです。我が党の調査では、石狩湾新港で取り扱われる荷物は燃料系の石油製品やLNG液化天然ガスなどがほとんどで、札幌都心部に運ばれるものはごくわずかしかありません。
 また、「救急搬送時間短縮による救命率の向上」と強調しましたが、札幌市外からの救急搬送のことを指すのみで、救急隊は、地下構造・高架構造の道路を使わないのが一般的です。
 このような、ごく一部分だけに焦点を当てて、効果がある、とする本市の情報提供は、極めてバランスを欠いたものでした。
 さらに、「暴れ川」と呼ばれる急流の豊平川の氾濫の危険性には、どのような対策をとったとしても、現状の創成川通より深刻な水害を招くことに変わりなく、地下構造にしないことが最適な災害対策です。
 本市財政は、新型コロナウイルス感染症対策支援基金や減債基金への積み立て、地下鉄利用者大幅減による減収への対策として特別減収対策債の借り入れなどを行う予算で、全会計の市債残高は前年度より増えて、1兆7,133億円を見込む財政状況です。新型コロナウイルス感染拡大による様々な支出を余儀なくされる中で、都心アクセス道路建設に240億円もの本市負担分を支出することに、市民理解が得られるでしょうか。
 この1月2月は、例年にない量の大雪が降り、道路除排雪が追い付かない事態に、市民からの苦情が殺到しました。パートナーシップ排雪に関する町内会負担の軽減や除雪予算の拡充、子ども医療費無料化の中学生以上への拡大、医療機関や高齢者・障がい者また保育など福祉施設への手厚い支援が求められています。
 今からでも、遅くはありません。都心アクセス道路の建設は中止する決断を求めますが、市長のお考えをうかがいます。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で9項目にわたりご質問いただきました。私からは1項目目、私の政治姿勢についての4点、それから2項目目の2022年度予算案について、そして4項目目の冬季オリンピック・パラリンピック招致についての3項目をお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、3人の副市長からそれぞれ担当の部門、お答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 私の政治姿勢についての1点目、憲法と安全保障、核廃絶の国際論議についてお答えをいたします。
 まず、敵基地攻撃能力と専守防衛についてでありますが、岸田首相は新たな国家安全保障戦略等を策定する中で、いわゆる敵基地攻撃能力についても検討するとしておりまして、その過程において、憲法の理念を踏まえて議論されるべきものと考えております。
 2点目の核廃絶締約国会議についてでありますけれども、札幌市におきましては、平和首長会議の国内加盟都市会議を通じて日本政府に対して核兵器禁止条例第1回締約国会議にオブザーバーとして参加するよう繰り返し要請を行っているところでありまして、今後も加盟都市と連携をしながら、世界平和の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目の福祉灯油についてであります。
 現在新型コロナウイルス感染症による減収や物価の上昇といった様々な困難に直面されている市民の皆様を対象に、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給を進めているところであります。この給付金は、使途が限定をされていないということから原油価格の高騰による影響を大きく受けている方々の生活支援にも資するものと認識をしているところであります。
 次に3点目の市民の暮らしの現状認識についてであります。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、原油価格の高騰や物価の上昇が重なり、市民の皆様の暮らしに影響を及ぼしていることは十分に認識をしているところであります。こうした中、臨時特別給付金の支給のほか、新型コロナウイルス感染症対策として用意をされている他の経済的な支援策や、既存の福祉サービスを通じて、引き続き支援をして参りたいと考えております。
 次に4点目の保健所の体制強化についてであります。
 まず保健師の定数についてでありますが、保健師は、地域における様々な健康課題の解決を図る専門職であり、今般の新型コロナウイルス感染症対策におきましても、疫学調査や自宅療養者への健康観察業務等に従事するため増員を図ってきたところであります。今後も感染症対策を含め、複雑多岐にわたる健康課題に柔軟に対応できるよう、効果的な配置に努めてまいります。
 次に保健所の複数化についてであります。現在の保健所1ヶ所体制に関しましては、専門的技術的な拠点として、情報の集中管理等を行うとともに、保健・医療・福祉の連携強化を図り、効率的な対応が可能となるといったメリットがありますことから、各区に保健所を設置することは考えておりません。今般の新型コロナウイルス感染症の第4波以降におきましては、保健所機能の強化のため、区役所に新型コロナウイルス感染症対策室を設置をし、陽性患者の疫学調査や健康観察等を行ってきたところであります。今後も、非常時等においては、機動的に体制を構築し適正かつ柔軟に対応してまいりたいとこのように考えております。
 次に2項目目の2022年度予算案についてお答えをいたします。
 予算編成の考え方、開発型予算と少子化対策予算、開発事業の恩恵と持続可能なまち作りについてそれぞれ関連をしておりますので、一括してお答えをさせていただきます。
 新年度予算につきましては、コロナ禍の影響から市民を守るための感染症対策に加え、中小事業者の事業継続や雇用の下支えなど社会経済活動の回復に資する事業に重点的に資源を配分するとともに、子どもを産み育てやすい環境作りを進めるため、保育ニーズに対応するための保育所等整備などを盛り込んだところであります。
 都心の再開発など魅力あるまちづくりにつきましては、将来を見据えた投資であり、観光客の誘致だけではなく、中小企業の事業継続や雇用の場の確保、さらには市内産業の活性化にもつながるものと、認識をしております。こうした未来を見据えた投資は、固定資産税などの歳入増にもつながり、そのことは、多くの市民の暮らしの充実に繋がるものであり、持続可能なまちづくりに資するものと考えているところであります。
 次に4項目目の冬季オリンピック・パラリンピック招致についてお答えをいたします。
 大会の招致を進めるに当たりましては、市民および道民の賛同を得ることが重要でありますことから、その意向を確認するために調査を実施するものであります。意向調査では、大会開催に係る賛否に加え、その背景にある理由もお尋ねをすることで、期待や懸念の声を把握し、それらを計画に反映させていく考えであります。その上で、意向調査の結果や、市議会での議論などを踏まえ大会招致の進め方を総合的に判断をして参ります。
 私からは以上であります。

町田副市長 答弁

 私からは大きな5項目目、札幌DX推進方針について、そして6項目目、医療と介護について、この2項目についてお答え申し上げます。
 まず札幌DX推進方針についての1点目、民間からのCDO補佐官の配置についてのご質問でございますが、CDO補佐官は行政の情報システムに携わる立場であることから、公務員としての公平性を担保することが特に重要であると認識するところでございます。
 このため任用に当たりましては、札幌市特別職非常勤職員取扱要綱の服務規律を適用するほか、入札制限につきましては別途CDO補佐官の設置要綱を定め、デジタル庁の基準に準じた制限を設ける考えております。
 次2点目、市民の個人情報保護についてのご質問でございますが、札幌DX推進方針では、個人情報保護とセキュリティ強化を共通して取り組むべきことと定めており、この方針が目指すデジタル社会の形成に当たりましては、これらに十分配慮しながら進めてまいります。また市民の個人情報保護につきましては現在国において、改正個人情報保護法の施行に向けたガイドラインを作成中であり、その内容を踏まえ引き続き適切に実施してまいります。
 次、大きな6項目、医療と介護についての1点目、診療報酬改定についてのご質問でございますが、今回の診療報酬改定では、新型コロナウイルス感染症にも対応できる効率的で質の高い医療提供体制の構築が国の基本方針における重点課題とされているところでございまして、診療報酬の総額といたしましては、実勢価格を反映した薬価の値段の大引き下げによりマイナスとなっているものの、医師や看護師の人件費に充てられる本体部分は増額改定されており、医療機関への影響は少ないと考えているところでございます。
 具体的な改定内容におきましても、新型コロナウイルス対応にかかる診療報酬上の特例措置が引き続き実施されるほか、外来診療時の感染防止対策に係る加算が新設されるなど、感染症対策にあたる医療機関を支えるものであると認識するところでございます。
 次、医療と介護についての2点目の国民健康保険料の均等割と子ども医療費についてのご質問でございますが、まず、子育て世帯の国保料均等割の軽減についてでございますが、対象年齢の引き上げにつきましては、国が全国一律の制度として実施すべきものと考えており、他都市と連携を図りながら、引き続き国に対してしっかりと要望してまいりたいと考えております。
 次に子ども医療費助成制度についてでございますが、さらなる拡充につきましては重要な課題と認識しておりますが、将来にわたり多額の財源を要するため、事業の持続可能性や子ども子育て施策全体の中での位置づけなどを踏まえながら検討してまいりたいと考えるところでございます。
 医療と介護についてのご質問3点目、感染拡大の介護事業所への支援についてのご質問でございますが、通常よりコロナ対策として、介護事業所の職員には札幌市のスクリーニング検査を月2回実施しているところでございます。
 第6波におきましてはオミクロン株の特性を踏まえたより効果的な対応としているところでありまして、その一つといたしまして、事業所で感染者が出た際の対応方法や連絡方法についてのホームページを新たに作成し、所管局より各事業所に案内を発出し事業者から届出を出していただくようにしたところでございます。そして、届出等で感染者のいる事業所を把握した際は、ケアマネージャーや施設管理者、感染者の主治医や訪問診療医のお力をお借りして、いち早く医療に繋げ、介護サービスが継続していけるよう支援を実施しているところでございます。
 また市内の施設や事業所で実施されている感染対策の具体例を集めた事例集や感染予防ハンドブック、施設などで感染者が発生した際の対応フローなど様々な資料を充実させ介護事業所に提供してきたところでございまして、今後も関係部局が連携して、より一層の支援をすすめてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

吉岡副市長 答弁

 私からは7項目目、住宅家賃の支援について、9項目目、都心アクセス道路についてお答えをいたします。
 まず、7項目目、住宅家賃の支援についてであります。住宅セーフティネットの取り組みにつきましては、その中核を担う市営住宅において、随時入居が可能な通年募集や、低所得の方の当選確率を高める優遇措置などによりまして、入居機会の適正な確保に努めているところでございます。あわせて、札幌市居住支援協議会の相談窓口において、低廉な家賃の住宅を紹介するなど、民間住宅を活用した支援も行っているところであります。
 民間住宅の家賃低廉化に対する支援につきましては、市内の賃貸住宅の家賃水準が他の政令市と比べて低いことなどを踏まえ、その必要性について引き続き慎重に検討してまいります。
 次に9項目目、都心アクセス道路についてであります。
 都心アクセス道路は速達性・定時性の向上により、観光振興のほか、物流や防災機能、広域医療体制の強化に寄与するほか、このような冬期においても機能を発揮する構造であり、社会経済活動の活性化を図る上で必要な道路と認識しております。
 昨年3月には、国の第三者委員会の審議を経て、新規事業化されたところであり、引き続き北海道開発局と連携し、事業の進捗に応じて地域の方々に情報を提供しながら、早期完成に向けて取り組んでまいります。
 私からは以上でございます。

石川副市長 答弁

 私からは大きな3項目目、市内経済の活性化について、8項目目、まちづくりと市有施設の配置についてお答えを申し上げます。
 まず3項目目、市内経済の活性化についてであります。
 まず1点目の新自由主義改革による実質賃金の変化と市内経済への影響についてであります。
 ご質問にございました過去9年間では、札幌市内の事業所における勤労者の月1人平均賃金は増加している一方、消費者物価指数も増加しておりますことから、地質賃金については、国と同様に減少傾向にあるものと推察をいたしております。
 新しい資本主義につきましては、ポストコロナを見据えた成長戦略の推進と分配戦略のもと、市内経済の成長とその果実を原資とした分配による市民所得の向上が期待されるところであります。
 2点目の最低賃金の引き上げ効果と国への対応についてであります。
 最低賃金の引き上げは消費拡大が期待されますものの、急激な引き上げは経営を圧迫する可能性もありますことから、国の審議会において慎重に議論され、地域の実情を踏まえたものであることが重要であると認識をいたしております。
 国では最低賃金の早期引き上げを目指しているところではありますが、市内経済や労働者の生活を支える上で重要な役割を果たしておりますことから、今後も国の議論を注視してまいりたいと考えております。
 3点目の医療福祉の経済効果についてであります。
 医療福祉分野につきましては、サービスの提供で生じる原材料への需要に対する影響は小さいものの、雇用者所得の増加による影響が大きいことから、他産業と同程度の経済波及効果があるものと分析をいたしております。
 今後、当分野はさらなる高齢化等に伴い、産業規模が拡大していくものと認識をいたしております。
 続きまして大きな8項目目、まちづくりと市有施設の配置についてであります。市有施設につきましては、将来的な人口減少に対応しながら、市民サービスの維持向上を図るため、総量規模の適正化と最適配置の実現に向けた公共施設マネジメントの取り組みを進めているところであります。
 小中学校はじめ、市有施設の再編等におきましては、きめ細やかな情報提供に努めるとともに、地域や保護者の皆さんなどの思いに寄り添いながら、寄せられたご意見も踏まえ、取り組んでまいります。
 私からは以上になります。

田中啓介議員 再質問

 再質問をさせていただきます。
 項目でいうと6項目、医療介護についての(2)の、国民健康保険料の均等割と子どもの医療費についての子どもの医療費助成について、1点質問をいたします。
 これまでも指摘してきましたけども、本市の子どもの医療費の助成は、全国の20政令市の中でも最低レベルになっています。
 答弁では、重要と認識されていて、また子ども子育て政策全体の中で検討していきたいということだったと思いますけども、市長が検討している間にも子どもはどんどん成長していきます。
 子どもの医療費の助成を中学校卒業以上まで対象拡大を早急に検討、また実施すべきだというふうに思いますけども、いつまでにその方向性を示していくのか伺います。

町田副市長 答弁

 先ほどもご答弁申し上げました通り、子ども医療費のさらなる拡大につきましては、多額の財源を要することから将来にわたるしっかりとした財政見通しが欠かせないものと認識するところでございます。
 こうした財政上の課題に加えまして、子ども子育て施策全体の中での位置づけも検討しながら今後の方向性を見定める必要があると考えているところでございます。
 以上でございます。