私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。
 質問に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、今なお入院や療養をされている皆様にお見舞いを申し上げます。
 そして、感染症とのたたかいが長期化しているなか、最前線で奮闘されている医療従事者の方々を始め、社会生活を支える仕事に従事されている全ての皆様に改めて深く感謝を申し上げます。
 私ども日本共産党は、コロナ禍によりこれまで経験したことのない苦難に直面している市民の暮らし、健康、福祉、営業が守られる社会の実現のため、あらゆる知恵と力をつくす決意であります。

 それでは質問に入ります。
 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、首相の退陣表明の評価についてです。
 菅首相の昨年9月の就任から約1年は、コロナ禍での国民の苦難をよそに、「自助」を押しつけ、日本学術会議の会員任命拒否問題や、安倍前首相の「桜を見る会」などの疑惑解明には完全に背を向け、医療や検査の体制強化は置き去りに、人流を増やす「GoTo事業」や「東京オリパラの開催」などに固執しました。
 コロナ対応に無為無策を重ね感染爆発を招いた菅政権への批判は大きく広がり、内閣支持率は急落しました。
 突然の政権投げ出しは、このままでは総選挙をたたかえないという与党の判断を示したものです。
 国民の怒りが政権支持率低下となって現れたと考えますが、市長は、どのように分析されているのか、伺います。
 安倍政治と菅政治へのこうした怒りは、コロナ対応での無為無策、やるべきことをやらず感染爆発と医療崩壊を招いた政治の責任であり、首相による「人災」だといえますが、市長の評価を伺います。
 質問の第2は、市長の社会像についてです。
 コロナ危機で、これまでの医療や公衆衛生といった社会保障の切り捨て、使い捨て雇用など、国民に自己責任を押し付ける新自由主義のゆがみと矛盾がいっきに吹き出しましたが、菅首相は、自らの社会像を、「自助、共助、公助、そして絆」、「まずは自分でやってみる」という自己責任論をコロナ対応にまで持ち込み、ゆがみを正そうとすらしませんでした。
 市長は、自助、共助、公助についての見解を聞かれ、「市民一人ひとりが自らの能力を発揮しながら、自分らしく活動でき、互いに協力し合うために必要な支援を行うとともに、それでもなお困難を抱える人々をしっかりと支えていくことが重要であると考えております」と答弁されています。
 市長の社会像は、「自助」「共助」が優先されていると思いますが、菅首相の社会像とどこが同じで、どこが違うのか、伺います。
 質問の第3は、自己責任論と公助についてです。
 「自助」が優先されればされるほど、「自己責任」「自助努力」を問う声が強まります。
 映画にもなった「こんな夜更けにバナナかよ」の著者・渡辺一史さんは、8月27日の朝日新聞で、知人の声として、「頑張らない人は応援しない」ということは、典型的な自己責任論であり、福祉や社会保障の理念にも反すると寄稿されています。障がい者が、新型コロナ危機で、頑張る機会自体を奪われるもとで、自己責任論が前面に出てくることへの警鐘と受け止めることができます。
 自己責任論は、本来、支えを必要とする人が、行政に助けを求めることを躊躇させてきました。
 本市は、「生活保護の申請は国民の権利です」というポスターを作成され、関係者からも歓迎されています。公的支援を必要とする人に、行政が手を差し伸べる明確なメッセージになると考えますが、認識と引き続きポスターの普及拡大の考えも合わせて、伺います。
 質問の第4は、改正社会福祉法についてです。
 昨年成立した改正社会福祉法は、「地域共生社会」を実現するとうたい、法律の第4条で新たに「地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指すという」と規定し、地域福祉を「互助」にゆだねるほか、コロナ感染対策で苦労されている介護福祉士の社会的地位向上に逆行するなどの理由から、日本共産党だけではなく、立憲民主党などの共同会派、れいわ新選組など野党がこぞって反対しました。
 改正法は、介護・障がい者福祉施設の合併や経営譲渡などで大規模化、共同化を進める社会福祉連携推進法人の創設が認められました。社会福祉の責任を民間の自助努力に委ねる方向を一層強化することには問題があります。
 札幌市は、この法人を認定・監督する責任を負うことになります。法改正の具体化に際して、施設の規模にかかわらず、本市として公的責任を果たしていく必要があると考えますが、市長の認識を伺います。
 質問の第5は、行政のデジタル化についてです。
 1点目は、情報システムと地方自治についてです。
 政府の「匿名加工情報」制度は、特定の個人を容易に識別できないように加工しているなどとして、個人情報を本人の同意も得ずに、販売も含めて外部提供を可能とするものです。
 平井卓也デジタル大臣は、自治体が定める個人情報保護条例は、情報の連携に制限をかけ、審議会などの諮問を経る規定などがあることから、民間活用の妨げになるとして、個人情報保護条例は「いったんリセット」してもらうと国会で答弁されました。
 条例は、地方自治体の権限と判断で成立、施行されるものです。自治体の条例に、国が縛りをかけることは、地方自治への介入であり、許されないと考えますが、市長の認識を伺います。
 また、情報システムの共同化・集約の推進として、国は基準に適合した、「自治体クラウド」のもとで情報を共同化、集約化することを求めていますが、地方自治体からは、自治体の自立性や多様性が失われ、地方自治体の住民自治、団体自治を侵害するのではないかと危惧する声があがっています。
 政策判断、自治体独自の施策は、自治体の権限であり、国が決める情報システムの基準に左右されてはならないと考えますが、あわせて、市長の見解を伺います。
 2点目は、個人情報を保護する人材の配置についてです。
 すでにデジタル化は社会生活に浸透し、クレジットやカードを使用すれば購買情報、携帯電話での位置情報、街頭の監視カメラで行動情報、インターネット検索では検索履歴やメール情報、健康保険を使えば診療情報などが、それぞれに残されます。
 こうした情報が、個々のサービスの中にとどまっている場合は問題ありませんが、その枠を超えた場合には、漏えいや個人の特徴をデータの自動処理で推定するプロファイリングによる選別、排除などが問題となります。
 わが党の田村智子参院議員は、4月の内閣委員会で、このプロファイリングなどについて、権利が侵害される恐れがあるとして、法的な規制を求めました。政府の答弁は、ガイドラインで検討していくというものでした。
 情報通信技術を民主的に発展させるうえで、個人情報の厳しい保護や運用に対する監視は極めて重要な課題です。
 自治体として、市民の情報やプライバシーを保護するための対策を打つ必要があります。
 個人情報、プロファイリングについても自己決定権を尊重した取り扱いがされるよう、不適切な運用をチェックする専門部門の設置や専門職員の配置を考えるべきですが、いかがか、伺います。
 質問の第6は、冬季オリ・パラ招致についてです。
 市長は9月10日の定例記者会見で、2030年冬季オリ・パラ競技大会招致について問われ、修正した計画案を示すこと、ワークショップなど市民との対話を再開しつつ、並行して意向調査を行っていくことを表明されました。
 冬季オリ・パラ招致への意向調査は、今年度、300万円の予算が組まれておりますが、この調査は、2030年招致の賛否を問う「住民投票」や「市民アンケート」といった市民の意見を把握する調査とするべきです。
 なぜなら、平和と友好のシンボルともいえるオリンピックは、圧倒的な市民の賛同と協力なしには成功させることができず、その裏付けとなる市民の意思も、客観的なものでなければいけないと考えるからです。
 当然、その調査結果がまとまるまでは、日本及び国際オリンピック委員会などとの協議を見合わせる決断が必要です。市民の圧倒的な賛成が得られなければ、招致計画の白紙撤回も含めて検討されるように求めますが、本市の認識を伺います。
 質問の第7は、職員相互の研鑽と成長についてです。
 2020年3月、子ども子育て会議児童福祉部会が「令和元年6月死亡事例に係る検証報告書」を出しました。その「おわりに」で、「これまでの死亡事例等から本気で学ぶつもりがあるのか。市民の困難を共感的に洞察し、協働の文化を持つ組織になる必要性を、本気で感じているのか」と本市に問いかけました。
 市長はその後、職員に向けメッセージを発出し、「協働するということは、関係する複数の部局が折り重なって仕事をするということです。それは、ある場面では効率的ではないように見えるかもしれません。しかし、協働には、互いに成長し合い、チーム力を高めていく効果もあるのです。」と書きました。
 また、支援を次に引き継ぐとき、終了するとき、「『その方の困りごとは続いている』ことを意識してください。相手の立場に立って、『何に困っているのか。どんな支援が必要なのか。仮に自分たちが支援から外れるとしても、他にどんな支援につないであげたらよいか』ということを考えてみてほしい」と書き、「一緒に学び、変わっていきましょう」と呼び掛けました。
 現在、コロナ感染拡大による対応に追われ、本市職員の多忙が極まる働き方が続いています。そうした中だからこそ、協働や相手の立場に立つことはいっそう重要だと考えますが、市長の認識を伺います。
 市長は、市民の困難を共感的に洞察する力を培うことや、協働の文化を持つ組織になるための、職員相互の研鑽と成長が、どのように、どの程度変わり、今、何が課題になっているとお考えか。さらに報告書で、「市政のあり方そのものが問われている」と指摘されたことは、改善されているとお考えか、伺います。

 次は、(仮称)第2次まちづくり戦略ビジョンの策定についてです。
 「まちづくり戦略ビジョン」は、札幌市のまちづくり計画における最上位の基本指針として、2013年から2022年度までを期限としてきましたが、新型コロナウイルス感染症や気候変動のもと、1年前倒しで(仮称)第2次まちづくり戦略ビジョンの策定に着手したものであります。
 本市の将来像であり、策定は聖域を設けず抜本的な見直しを伴うものでなくてはならないと考えます。
 質問の第1は、公的責任と基本目標(案)についてです。
 7月に開催された、「札幌市まちづくり戦略ビジョン審議会」には、「都市像(案)」と「まちづくりの基本目標(案)」が提案され、基本目標(案)では、3つの重要概念として「共生」「健康」「快適・先端」を定めました。
 「共生」は、「双方向に支え合うこと」と説明され、都市像(案)では、支え合いを、「現役世代が『支える側』、高齢者が『支えられる側』という従来の考えを大きく転換」するものと説明されています。
 「双方向に支え合うこと」として、「障壁や困難の解消」「格差の是正」「機会の均等」「交流の促進」「自然との共生」があげられますが、いずれも、財界中心の政治が持ち込んだ、規制緩和万能、弱肉強食、自己責任押し付けの新自由主義と深く結びついたもので、政治の責任なくして解決できる課題ではないと考えますが、市長の見解を伺います。
 自発的な支え合いを否定するものではありませんが、市民を支える主体は地方自治体ではないでしょうか、市長の認識を伺います。
 質問の第2は、「市民が主役」の基本姿勢についてです。
 2019年4月10日、選挙直後の記者会見で、どのように市民の声を市政にいかすのか、と記者に問われた市長は、「一方的に何かを説明するということではなくて、市民の皆さんが疑問に感じていること、あるいは、不安に感じていることをお伺いして、そのことに対してお答えしていくという対話が非常に有効」であると述べられました。
 現行のまちづくり戦略ビジョンでは、「市民が主役のまちづくり」は基本姿勢の一つとなっています。
 しかし、実際には、新幹線残土の問題で、住民との十分な合意がないまま手稲区山口地区を要対策土の受入れ地とし、今なお住民から強い反対の声が寄せられています。このことは、会見時の姿勢と相反し、市民を主役から遠ざける結果となりました。
 次期戦略ビジョンを策定するにあたり、市民との直接的な対話について、どのように考え、どう実践されようとお考えか、うかがいます。合わせて、一方的な説明ではなく、合意するまで丁寧に時間をかけることは重要なことだと考えますが、市長の基本姿勢をうかがいます。
 質問の第3は、低炭素都市の位置づけについてです。
 国連IPCCは、今年8月、新たな報告書を発表し、「人間の影響が温暖化させてきたことはもはや疑う余地はない」としました。同時に、これからの10年の思い切った削減と、2050年までに温室効果ガスの排出量の「実質ゼロ」を達成し、その後も大気中のCO2の濃度を下げる努力を続けることによって、21世紀の最後の20年には1.4℃まで抑えることができることも示しました。
 すでに世界の平均気温は1.1~1.2℃上昇しており、破局的な気候変動を回避するために取り組む時間は長くありません。10年足らずの間に、全世界のCO2排出を半分近くまで削減できるかどうか、ここに人類の未来がかかっております。したがって本市のまちづくりにおける気候変動対策は、重要であることは言うまでもありません。
 本市は、CO2排出量を2030年に1990年比43%削減し、2050年には、ゼロカーボンを実現することを目標としています。これを実現するために、次期ビジョンでは、思い切って重点化を行うべきだと考えますが、どう位置づけられるのか、市長のお考えを伺います。また、再生可能エネルギーの導入は、昨年度決算では7,199万円にとどまっています。ビジョンが描く2031年の札幌で、大多数の市民が再生可能エネルギーを利用して生活する姿を描くべきだと考えますが、合わせて伺います。
 質問の第4は、長期にわたる財政支出についてです。
 都心アクセス道路や北海道新幹線札幌延伸など、すでに着手している事業には、市民から中止や疑問の声があがっても、行政の整合性の観点から、結果として、次期ビジョンやそれに伴うプランに掲げられることとなりかねません。長期にわたる多額の財政支出は「将来世代に過度な負担を残す」ことになりかねず、「見直すべきは見直す」との立場で、思い切って計画の中止も視野にしたビジョンを掲げることが肝要だと考えますが、いかがか、伺います。

 次に、2020年度決算に関して質問いたします。
 今年度の予算にあたり、わが党は、予算を撤回の上、再提出を求める動議を提出し、「大型の再開発や市民合意のない事業等にかかわる歳出の削減」を求めたところですが、昨年度の執行事業にも同様のことが言えるのです。
 2020年度は、秋元市政2期目の折り返し地点となり、アクションプラン2019の取り組みを「スピード感をもって盛り込む」とされた予算に対する決算です。その一般会計の決算額は、歳入で1兆2,894億円、歳出で1兆2,738億円、財源不足のために備える財政調整基金は、年度当初、約231億円だったものが約319億円と増えています。
 その中で、「民間再開発促進費」38億8,995万円をはじめとする「札幌駅交流拠点まちづくり推進費」や「北海道新幹線推進関係費」など、2030年オリパラ招致と北海道新幹線札幌延伸に合わせ、一気に都心部を再開発しようとする姿勢が顕著になっています。これら不要不急・市民合意のない事業に約53億円も注がれたのは問題です。
 わが会派は、昨年度、新型コロナ感染症に関連して、6回にわたり市長あてに緊急要望書を提出し、病床の確保やPCR検査の充実、医療・介護施設への支援を求めてきたところであり、予防的スクリーニング検査の件数と対象の拡大は歓迎するものです。
 しかし、本市のこれらに関する2,885億円の決算額は、利用控えが起きている介護施設をはじめとする事業所や、たび重なる休業要請で深刻な経営難に陥っている飲食店などに対し、国や北海道からの交付金の範囲での支援を行うだけのものとなりました。
 私は、緊急事態宣言等が発出される際に開かれる臨時議会の経済観光委員会で、すすきのをはじめとする市内飲食店がこれだけ深刻な事態となっているなか、「お店が続けられる!」と希望を持てるような独自支援策を再三、求めてまいりました。不要・不急の事業の中止や、財政調整基金を活用するなどすれば、財源はあるのです。国や北海道が行う支援策にさらに上積みするなどして、介護事業所や飲食店などへの独自の支援に踏み出すべきだと考えますが、市長、いかがですか。うかがいます。

 次は、社会変化を踏まえた地域経済政策についてです。
 質問の第1は、成長戦略会議の実行計画についてです。
 政府の成長戦略会議は、昨年12月、コロナ問題を受けた新たな方針を示す「実行計画」を決定し、中小企業の再編を柱の一つに据えました。戦略会議には、菅首相のブレーンである有識者メンバーの一人が、日本の中小企業は多すぎると主張し、自身の著書でも「中小企業の半減」を主張したことで、経済界や自民党からも警戒の声が上がったことで、計画には「小規模事業者の淘汰を目的とするものではない」という一文が挿入されました。
 しかし、計画の内容は、生産性向上に挑戦する企業を中心に支援するものであり、検討している補助金は「企業買収後の想定外の損失に対応できる」などというものです。
 地元で事業を続けてきた中小企業は、大企業にはできない地域消費者へのきめ細かい利便性を提供し、その知恵とノウハウでそれぞれの地域社会を発展させてきた歴史があります。
 これら中小企業が、国の実行計画に示された措置に基づき、淘汰されることがあってはならないと思いますがいかがか、伺います。
 また、中小企業の事業所数が減っていくことは、本市の地域社会の存亡に関わる損失であると思いますが、本市の認識を伺います。
 さらに、中小企業は異なる地域の消費ニーズに対応するため、地域で住民の生活実態から需要を掘り下げ、地域内消費を増加させる役割を果たしてきました。まさに、中小企業は、市民生活と市内経済にとってかけがえのない存在であります。
 コロナ対策で問われたのは、平常時から地域の課題や特徴を生かし、自治体が地域に集積する中小企業を前提に経済振興を考え、その発展のための役割を果たすことであると思いますがいかがか、本市の認識を伺います。
 質問の第2は、中小・零細企業と共につくるまちづくりについてです。
 1点目は、「札幌市中小企業振興条例」についてです。
 コロナ禍が長期化する下で、大企業の内部留保は過去最高を更新するものの、ニッセイ基礎研究所は「家計に回るべきお金が還元されず、消費主導の景気回復が難しくなっている」と指摘しています。
 本市の経済構造は、まさに卸売・小売業、宿泊業・飲食サービスをはじめ、消費購買力に依拠した第3次産業が圧倒的比重を占めており、市内企業の99.5%が中小・零細企業です。
 人流を抑制することがコロナの感染防止対策であるだけに、サービス業とその関連業者などは感染拡大の初期から大きなダメージを受けてきました。
 コロナ感染による教訓は、本市の経済構造を踏まえ徹底して中小企業を守り、発展させていくことであると思います。 
 「札幌市中小企業振興条例」の前文で強調されているように、中小企業が振興することで、働く人の収入が増え、消費が活発化し雇用が創出される。市税が増加し市民サービスが向上、まちづくりが発展するなどの好循環が生み出されます。今こそ中小企業の必要性が増しています。
 足腰の強い本市経済をつくるためには、「札幌市中小企業振興条例」のスピードを上げた実践・充実が鍵であると思いますがいかがか伺います。
 2点目は、中小企業施策と予算についてです。
 7月に行った「札幌市中小企業振興審議会」の議事録をみますと、委員の皆さんから具体的な意見が出されています。「市の支援で、先を見据えて事業ができる状態をつくりたい」「中小企業は地域密着型であり、地域循環型経済の政策が大事である」「空き店舗を利用した、福祉拠点・居場所づくりの整備ができないか」など、中小企業の役割と、市の責務が語られています。
 今後、地域社会で重要な「災害への備え」「医療・福祉」「環境」「情報・通信」などの分野は、まちづくりの柱であり、地域に根差し発展させてきた中小企業と共に作り上げていくことが必要と思いますがいかがか伺います。
 中小企業の意見や要求を最大限に汲み上げ、より豊かで住みやすいまちづくりを推進するため、中小企業が直接担える小規模な公共事業の予算を増やすべきと思いますがいかがか伺います。
 質問の第3は、インボイス制度と消費税減税についてです。
 コロナ禍で中小零細業者の営業が困難な状況の中、追い打ちをかけるように政府は、2023年10月から適格請求書等保存方式、いわゆる「インボイス制度」を導入しようとしています。
 インボイスとは、2019年消費税率10%への引き上げと同時に、8%の複数税率が導入されましたが、税率を区分した請求書や領収書などの伝票のことであります。
 税理士連合会などは「複数税制でも現行のままで適正に課税計算はできる」と、制度の中止や見直しを求めています。
 消費税導入時、課税売上高が3,000万円までの事業者を、営業利益が少ないため消費税の納税を免除する免税業者としましたが、その対象を売上1,000万円まで引下げ、多くの免税業者を課税業者にしました。インボイスはさらに課税業者を増やし、少ない売上から10%の消費税を納税させようとするものです。
 事業者からは「コロナ禍を必死に頑張っているのに、インボイスで廃業させられる」との声が上がっています。インボイスの導入は免税だった事業者に消費税の課税を迫る非情な増税策であると思いますが、いかがか認識を伺います。
 現在、課税業者が免税業者から仕入れを行った場合、仕入税額控除ができますが、制度導入後は、取引先の納税額が増える仕組みになるため、取引停止になるか、取引先に消費税分の値引きを迫られることになります。
 すでに「親会社から、単価引き下げに応じなければ、発注しないと宣告されている」事業者もいます。
 建設会社は、現場によってひとり親方の技術を頼りに建築工事をすることがあります。インボイスによって会社側の納税額が増えることになれば、取引を停止せざるを得ないが、しかしその技術がなければ現場が動かないということが起こります。本市の経済にとって大きな損失です。
 さらに、個人営業の食堂・小売店、通訳や音楽家、フードデリバリーの配達員やフリーランスなど多種多様な業種に影響が生じ、取引先同士の関係が損なわれます。
 本市は、インボイス制度による本市中小零細事業者への影響をどのように認識しているのか伺います。合わせて制度の導入は、本市経済の衰退につながると思いますが、いかがか伺います。
 また、中小商工研究所が行った、2021年上期の営業動向調査によりますと、納税業者の90%、免税業者の96%が「インボイスは実施する前に廃止すべき」と回答しています。
 「仕事が貰えないと困るので、課税業者にならざるを得ないが、課税業者になっても消費税は払えない」と、悩み苦しむ業者の声を聞かずに「納税業者」の登録申請が本年10月1日に迫っています。
 本市は、事業者が安心して経済活動ができるように、国の指示を待つのではなく、制度導入に関する業者の実態を調査すべきと思いますがいかがか伺います。
 さらに財務省は「所得の低い方々への配慮の視点から複数税率を実施した」としながら、その導入に必要な財源を、インボイスによる税収額を見込んでいます。
 所得が低い人たちを苦しめる制度によって、所得が低い人への配慮を実現しようとすることこそ、消費税の本質が表れています。
 中小企業の営業を壊し、成長できない経済にしてきた消費税は、5%に減税してこそ、最大の景気対策であると思いますが、本市のお考えを伺います。

 次は、医療と介護についてです。
 コロナ感染症の前から慢性的な人材不足が続いていた医療・介護の現場では、コロナ感染症の拡大でさらに人的体制がひっぱくし、感染リスクと隣り合わせで働く医療・介護従事者への精神的・肉体的な負担が広がっています。また、経営面においても減収が広がり危機的状況におかれています。
 質問の第1は、診療報酬の特例措置についてです。
 国は、コロナ感染防止対策を行った医療機関に対し、「新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を踏まえた臨時的な診療報酬の取扱い」として、加算などの特例措置がなされていますが、9月末までとなっています。
 今後の感染拡大の懸念がある中、10月以降も継続するよう国に強く求めるべきだと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、集中治療体制についてです。
 昨年第3回定例会の代表質問で、重症者に対応できるICUなど、集中治療体制について、本市のコロナに対応するICUベット数は、人口10万人当たり2床未満で、極めて不十分ではないかと、質したのに対し、「ICUを含め最大52床を確保して、不足は生じない」との答弁でした。
 コロナ感染症患者への対応は、通常の体制と比べても負荷が高い治療、看護が求められ、さらに重症者ほどより負荷が増します。本市において、新型コロナ感染の第3波~第5波において、重症者に対応するICUなど、集中治療現場の実態はどうだったのか、課題や今後への教訓について、どう認識されているのか伺います。
 質問の第3は、高齢者の生活保障と介護問題についてです。
 1点目は、自粛生活の長期化が及ぼす高齢者の身体や認知機能への影響についてです。
 町内会の活動や週1・2回の趣味の集まりが休止となるなど、コロナ禍での自粛生活により、介護サービスを受けずに生活していた高齢者であっても、「歩けなくなる」「物忘れが酷くなる」など身体や認知機能が低下する傾向が続いています。健康政策の専門家はコロナ禍での高齢者の健康状態の悪化は、「加齢によるものよりスピードが速い」と指摘しています。
 本市は公式ホームページで、高齢者やその家族に向けて「動かないこと」が身体や認知機能の低下となり「身の回りの動作ができなくなる」「抵抗力が落ち疲れやすくなる」などの健康状態の悪化についての情報を知らせ、転倒予防・認知症予防・筋力アップにつながる「サッポロスマイル体操」の配信等に取組んでいます。しかし、どれだけの高齢者に周知されているのか効果は不明です。高齢者の生活実態を把握するとともに身体・認知機能の低下を防ぐ上で、新たな取り組みが必要と考えますが、いかがか伺います。
 2点目は、ケアマネジャーの業務量増加についてです。
 高齢者の支援には、本人や家族と充分に話し合い、生活実態を掴んで対応する地域包括支援センターやケアマネジャーの役割が非常に大きいと考えます。
 コロナ禍での介護事業所の事業縮小・休止の場合や通常のサービスを控える利用者、または利用者が感染した場合の利用控えなど、すべてにケアプランの変更が必要となることから、ケアマネジャーの業務は増大しています。本市は、ケアマネジャーの業務量が増大していることを把握しているのか、伺います。また、コロナ禍という非常事態ですから、ケアマネジャーの人的体制の強化が必要と考えますが、いかがか伺います。

 次は、生活困窮者と子どもへの支援についてです。
 質問の第1は、生活困窮者への支援についてです。
 財務省の法人企業統計調査によると、昨年度大企業の内部留保は過去最高額、逆に労働者賃金は一人当たり1.2%減りました。アベノミクスにより貧富の格差が拡大したうえに、新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、一部のお金持ちはいっそうお金持ちに、それ以外の人々はいっそう生活に困窮する事態となりました。
 北海道の完全失業率は3%前後が続き、市内のハローワークの有効求人倍率は0.85倍と依然低いままで、雇用の悪化も長期化しています。
 本市の生活就労相談支援センターでは、失業や借金の相談がコロナ前と比べ激増しています。住居確保給付金の新規申請数は、昨年度は2019年度の約40倍になり、生活福祉資金である「新型コロナ対応貸付」は、昨年度末で4万8000件にのぼりました。
 民間の相談会でも、困窮して「家賃や光熱費を払えない」、「借金しながら就職先を探している」、「病院に行きたくても行けない」などの悲痛な事例が増えています。
 困窮した市民への支援は、まったなしの急がれる課題であります。国保などの保険料・医療費の一部負担金減免の拡充や、本市独自の給付金を実施するなど、いのちと暮らしを支える直接的な支援が必要と考えますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、子どもやその関係者へのPCR検査についてです。
 デルタ株は強い感染力と子どもが重症化する恐れがあります。第5波では、本市でも小学校や保育園などでクラスターが発生しました。学校での感染は連日のように報告され、7月から8月末までの約2カ月で、第4波を超える470人の子どもが感染しています。
 デルタ株の感染拡大への対応として、従来以上に子ども同士の間隔をとることが推奨されていますが、いまの教室では難しいのが実情です。音楽や体育などの授業では接触を避ける工夫をし、部活動の休止や、給食の黙食など、教育現場での努力が続いています。また、感染を恐れて、自主的に学校を休む児童・生徒が増えていることも報道されています。
 子どもたちの間で感染が広がり、陽性となった無症状の子どもが、家庭内で感染を広げるケースが増えておりますが、ワクチンは12歳からの接種であるため、感染対策を強化・徹底する以外に予防することは困難であります。
 PCR検査は、感染拡大を抑えるのに有効であることから、ワクチンを接種できない子どもたちと、保育所・学校など子どもに接する職員へのPCR検査を、本人が希望すればいつでも受けられるようにすべきと考えますが、いかがか伺います。

 最後は、厚別区の諸課題についてです。
 質問の第1は、北海道ボールパーク構想に伴う対応についてです。
 2023年3月開業予定の北海道日本ハムファイターズの新球場エスコンフィールドHOKKAIDOを核とする北海道ボールパーク構想が北広島市で進んでいます。
 ファイターズの本拠地が札幌ドームから失われる本市の経済的損失は計り知れませんが、市民やファンは移動の負担が増すことになり、市の対策が期待されています。
 そこで、市内から公共交通で北広島市のボールパークへ行く場合には、JR、地下鉄、バスを使うことになり、圧倒的に厚別区を経由することになりますが、いま現在、どのような課題を想定しているのか、また、数多くの自家用車の利用も予測されます。厚別区内を通る国道12号、国道274号、南郷通などは渋滞が懸念されますが、どんな対策を検討しているのか、伺います。
 質問の第2は、市営住宅・もみじ台団地についてです。
 市営住宅は各区にあり、個別あるいは共通する課題がありますが、もみじ台団地の課題を中心に取り上げます。
 厚別区には、ひばりが丘、新さっぽろ、青葉、もみじ台の団地群があり、その規模は9,338戸を有する市内で最も市営住宅の集中する地域であります。
 1点目は、市営住宅への関わり方と責任についてです。
 本市は、建物の維持・管理は指定管理者に、入居者の収入調査や家賃減免などの事務処理を一般財団法人札幌市住宅管理公社に委託しているため、市に残るのは、予算や議会対応、住宅の明け渡しなどの法的措置等に限定された仕事のみです。
 そのため、入居者と自治会役員などから「市は管理公社任せにせず、市営住宅の課題に向き合ってほしい」との強い要望が出されてきました。
 入居者の高齢化と住宅の老朽化など、市が積極的に関わり解決すべき課題がいっそう増しています。また、これらの課題は、市営住宅に限定されず、周辺地域のまちづくりにも大きく影響を与えるものです。
 市営住宅の管理と運営は、本市自らが、入居者と地域住民などと積極的に関わる中で、課題を解決する責任が増していると思いますが、認識を伺います。
 2点目は、住み替えについてです。
 市営住宅条例施行規則第6条では「入居者又は同居者が加齢、病気等により階段の昇降が困難な状況にあるため、エレベーター付き又は低層階の他の市営住宅に入居することが適切であると認められる」場合には、住み替えができるとされています。また「市長は募集すべき市営住宅の一部を住み替えのための市営住宅として指定することができる」とされています。しかし、抽選であるため、外れれば何年も住み替えることが出来ない状況が続いてきました。その結果、高齢化の著しいもみじ台団地などでは、高齢で病気や障害を持つ人が何回申し込んでも住み替えられないのが実態であります。
 このため本市は、2016年度から新たな基準によって住み替え制度を運用し、改善を図るとしてきましたが、すでに5年を経過しており、その検証結果を伺います。また、高齢者が安心して暮らし続けることが出来るように、募集する住宅の指定方法など、高齢化の著しい地域の実態に即した制度の改善を引き続き進めるべきと考えますが、いかがか伺います。さらに、障がい者の死亡等によって、障がい者用住宅への入居の必要性が無くなった場合には、住み替え費用の一部を補助するなど、入居中世帯への負担軽減を図るなかで、希望する世帯が障がい者用住宅に速やかに入居できる仕組みを検討すべきですが、どのように対処されるお考えなのか伺います。
 3点目は、建て替え計画についてです。
 もみじ台団地は、1971年から1986年にかけて約5,500戸建設されました。市内における市営住宅の2割を占める最大の大規模団地です。建設から50年半世紀を経て、老朽化も著しく、エレベーターもありません。
 当然ですが、入居者も高齢化し、社会とのつながりを失う中で、孤立死が後を絶ちません。また、戸建地域でも、地域コミュニティの衰退や空き地・空き家が増加するなど、団地と同様に高齢化の進展による深刻な問題を抱えてきました。
 もみじ台地域は、早い時期から行政の見通しを持ったかかわりが必要な地域であるわけです。
 わが会派は、2002年の第3回定例会において、団地の建て替え事業は10年、15年と長い期間を要すること、耐用年数の半分の期間が過ぎたら建替えの対象となることなどから、特に市内最大のもみじ台団地の建て替えは、早めに計画すべきであると提案してきました。団地に限らず、もみじ台地域全体のまちづくりと福祉にかかわる重要な問題であるからです。しかし、まもなく20年が経ちますが、いまだに計画すら示されていません。
 2018年に開催された「もみじ台団地 地区計画」の変更に係る地域説明会では、住民から「市営住宅の具体的スケジュールを含めた建て替え計画はないと聞いているが現時点の考え方を教えて欲しい」或いは「市が所有している市営住宅を先に検討すべきだ」との理にかなった意見が出されました。これは極めて納得のいくもので、行政の積極的な関与を求めるもみじ台地域住民を代表する意見だと思いますが、どのように受け止めているのか、伺います。
 本市は、これらの住民意見に対し「市営住宅の建替えを含めた検討は、長期的なスパンで考える必要があり、今すぐできるわけではない。しかし、何もしなければ衰退してしまうので、戸建住宅地の地区計画の変更を検討する必要がある」旨の説明をしています。これは至極当然の考え方ですが、市の対応が、あまりにも遅く「今さらその説明なのか」と、住民は不満を抱いているのです。
 大規模団地の建替え事業には、十数年を要することから、もっと早く、周辺まちづくりと一体的に、長期的なスパンで建替えの検討を進める必要がありました。もみじ台団地の建替え計画の遅れは否めないと考えますが、認識を伺います。
 また、現在策定中の(仮称)第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンでは、もみじ台団地の建替えを、どのような基本方針で検討されているのか、伺います。
 4点目は、耐震改修についてです。
 もみじ台団地入居者には、団地の経年劣化による耐震性能への不安があります。雨水などの浸透により、コンクリートの中性化による劣化で、内部の鉄筋が錆びるなど、耐震性能の低下が懸念されますが、そのような心配は無いのか、伺います。また、札幌市市有建築物保全計画によりますと、市の保有する建築物の長寿命化など、計画的な保全を実施することになっていますが、市営住宅は別途、個別施設計画により管理されるとされています。そこで、もみじ台団地の耐震改修は、どのように取り組まれているのか、伺います。あわせて、不安を抱く入居者へ、丁寧な説明が求められると思いますが、いかがか伺います。
 質問の第3は、新幹線残土についてです。
 厚別区の山本地区は、北海道新幹線のトンネル掘削時に発生するトンネル発生土いわゆる新幹線残土の受け入れ候補地であります。この山本地区は、かつて産業廃棄物の埋立処分場であり、市営地下鉄東西線のトンネル掘削土も受け入れてきました。住民は、トラックが走る騒音と、泥炭地による振動に悩まされてきました。それでも市の要請に応え、現在は、雪の堆積場に協力していただいています。過去には堆積場からの融雪水が民家へ浸水する被害もありました。このように様々な被害がありながらも、札幌市政に多大なるご協力を頂いているのが山本地区の住民であります。しかし、この度の新幹線残土の受け入れ候補地には、会長はじめ町内会全員が候補地に反対しています。
 私は、昨年の決算特別委員会で、山本地区の住民は、ヒ素など人体や環境に影響のある重金属を含む要対策土であることに加えて「もう、いいかげん、勘弁してくれ」という負担感があることから、これ以上の負担となる「要対策土の受入れ候補地は断念すべきである」と質したところ、本市は「対策土に対する認識の違いがある」「理解されるよう努める」など、さらに住民に負担を求めることを示唆する答弁でした。今回は、市長に伺います。山本地区が長年にわたり市の要請に協力してきた経緯を見ても、新幹線残土の受け入れ候補地を強いることは、行政としてあまりにも公平性とバランスを欠いており、住民に重い負担を強いるものになると考えますが、いかがか伺います。また、市長は「地域住民をはじめ、市民の皆様のご理解なくしては進めることは出来ない」とおっしゃってきましたが、山本地区の住民全員が反対を表明しており、住民の理解が得られていないという明確かつ強固な意志表示であります。これ以上の理解の強要は、市民との信頼関係と今後の市政運営に重大な禍根を残す懸念があると考えますが、市長のお考えを伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で7項目ご質問をいただきました。私からは大きな1項目目、私の政治姿勢について、2項目目の第2次まちづくり戦略ビジョンの策定についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、それぞれ担当の副市長からお答えをさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 まず1項目目、私の政治姿勢についての1点目、首相の退陣表明の評価についてお答えをいたします。菅首相は就任以降、多くの労力を新型コロナウイルスの対策に割いてきたものと思われますが、度重なる感染拡大や、それに伴う長期の外出自粛などに対する国民の思いなどが支持率に影響しているものと考えており、新型コロナウイルスの感染拡大はまさに国難であり、全世界的な未曾有の事態としてその対応にあたっては、難しい舵取りが求められる中、ワクチン接種の推進など、様々な対策にあたってこられたものと認識をしております。
 次に、私の社会像についてでございますけれども、社会が成立していくためには、自助・共助・公助というものがそれぞれ必要であると考えております。ご指摘の答弁につきましては、自助・共助への必要な支援とともに、困難を抱える人々を支える公助が重要であるということをお答えしたものであり、これは支援を必要とする方々にはしっかりと支援をおこなう、ということを申し上げたものであります。
 次に自己責任論と公助についてであります。生活保護の主旨といたしましては、困窮に至った理由や経緯を問わず、困窮の程度に応じて支援をおこなうものであり、この考えに基づき、適切に保護を実施しているところであります。ポスターにつきましては、経済的に困窮している方が適切に行政への相談につながるよう、市有施設等に張り出したところであります。札幌市といたしましては、これまでに引き続きホームページや広報さっぽろ、そしてチラシやポスターなど様々な広報媒体を活用し、各種支援制度の効果的な周知をおこない、生活にお困りの方が適切に行政の支援を受けられるよう努めてまいりたいと考えております。
 4点目、改正社会福祉法についてであります。改正社会福祉法により創設された社会福祉連携推進法人は、社会福祉法人が地域における福祉サービスを持続し発展させて、地域への貢献活動等を継続しておこなっていくために、これまでの自主的な連携や合併、事業譲渡に加えた新たな連携方策の選択肢と認識をしております。当該法人につきましても、これまでの社会福祉法人と同様に、認定及びその後の監督等を通じ、市民に良好で適切なサービスが提供されるよう、引き続き努めてまいる考えであります。
 次に行政のデジタル化についてお答えをいたします。
 1点目の情報システムと地方自治についてであります。地方自治体の個人情報保護制度につきましては、個人情報保護に加え、匿名加工情報の制度などのデータ流通との両立に向け、個人情報保護法により民間分野と国等の行政機関を含め、一律で規定されることとなったものでありますので、この法改正について、地方自治への介入とは考えておりません。また、情報システムの共同化は、あくまで事務処理をおこなう手段を標準化するものであり、政策判断や独自の施策に影響を及ぼすものではないと認識をしております。
 次に個人情報を保護する人材の配置についてであります。プロファイリングと個人情報保護の問題につきましては、一地方自治体の枠にとどまるものではなく、国の個人情報保護委員会において対応することとされておりますことから、札幌市では現時点においてこれをチェックするための専門職員の配置などは考えてございません。
 次に6項目目の、冬季オリンピック・パラリンピック招致についてお答えをいたします。オリンピック・パラリンピックは、国際平和を象徴するスポーツの祭典ということに加え、共生社会の実現や、町の魅力発信など、札幌市が目指すまちづくりを加速させる大きな力になるものと認識をしております。大会の招致を進めていくためには、市民・道民・国民の支持、協力が重要でありますことから、開催意義を含め開催概要計画の見直しを進めており、今後再開する市民対話はもとより、広く様々な機会を通じて丁寧に説明をし、議論をしてまいりたいと考えております。
 次に7項目目、職員相互の研鑽と成長についてであります。複数の部局が折り重なって仕事をする「協働の視点」と「支援を受ける側に立った観点」をもって仕事にあたることは、コロナ禍の状況に関わらず、どのような業務であっても大変重要であると認識をしております。検証報告書における提言を受けて、関係職員への研修の実施や業務マニュアルの改善など、様々な取り組みを進めてきたところでありますが、引き続き1人1人の職員が、このような共通の認識に立って仕事に取り組む必要があるものと考えております。今後もこうした状況を確認しながら、「協働の視点」と「支援を受ける側に立った観点」をもって仕事にあたる組織風土を根付かせてまいりたいと考えております。
 次に2項目目、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンについてお答えをいたします。
 まず1点目の公的責任と基本目標案についてであります。今後のまちづくりにおきましては、共生社会の実現に向け、すべての人が差別や排除を受けず、また障害や困難を感じることなく社会の一員として相互に尊重し支え合っていくことが重要であると認識をしております。このため、この考えをまちづくりの各分野に共通する重要概念の1つに位置づけ、障壁や困難の解消等に向け、市民・企業・行政が、それぞれの立場や役割のもと、連携しながら取り組むことを検討していく考えであります。
 次に市民が主役の基本姿勢についてであります。戦略ビジョンの策定にあたりましては、市民が主役のまちづくりという考えのもと、市民から様々なご意見をいただく機会を設け、共に作り上げ、広く共有していく考えであります。このため、幅広い年代を対象にした市民ワークショップをおこなうとともに、各種団体や学生等とも意見交換をしているところであります。今後も様々な機会を通じて、市民・行政双方のまちづくりに関する考えを共有し、策定に生かしていく考えであります。
 次に低炭素都市の位置づけについてであります。国際的な課題であります、2050年の脱炭素社会の実現に向け、更なる省エネの推進や、再生可能エネルギーの導入拡大などを加速させることが重要であると認識をしております。このため、次期の戦略ビジョンでは、この目指す姿や、これに資する取り組みということをしっかりと位置づけていく考えであります。
 次に長期にわたる財政支出についてであります。これまでと同様、将来に過度な負担を残すことがないよう、持続可能なまちづくりを念頭において、次期のまちづくり戦略ビジョンの検討をおこなう考えであります。
 私からは以上です。

町田副市長 答弁

 私からは大きな5項目目、医療と介護について、そして6項目目、生活困窮者と子どもへの支援について、2項目についてお答え申し上げます。
 まず医療と介護についての1点目、診療報酬の特例措置についてでございますが、国は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、すべての医療機関に対し必要な感染予防策を講じて診療等をおこなった場合に、初診・再診1回毎に50円相当の加算など、診療報酬の特例措置を講じたところでございます。当該措置は、令和3年9月診療分までの適用とされている一方、10月以降の対応につきましては、補助金での支援を継続するとの報道もあったことから、札幌市としてもその動向を注視してまいりたいと考えるところでございます。
 次に2点目、集中治療体制についてのご質問でございますが、札幌市では新型コロナウイルス感染症の重症者用の病床について、最大52床を確保しておりましたが、ピーク時における実際の患者数は市外の方を含め、第3波では26人、第4波では45人、第5波で22人でございました。第4波では重症病床使用率が一時85%を超え、医療機関への負担が高まりましたが、各医療機関の懸命な取り組みにより人工呼吸器などを必要とする方に必要な医療が提供できたものと認識するところでございます。一方第5波ではワクチン接種が進んだことや、抗体カクテル療法の実施等により、第4波よりも重傷者数は抑えることができ、重症病床が逼迫する事態には至りませんでした。今後も患者の重症化を防ぐことで医療機関への負担を抑える一方、集中治療等を要する重症者が発生した場合にも速やかに医療の提供が受けられるよう必要な体制を実施してまいりたいと考えるところでございます。
 次3点目、高齢者の生活保障と介護問題についてでございますが、そのうち1点目の自粛生活の長期化が及ぼす高齢者の身体や認知機能への影響についてでございますが、新型コロナウイルス感染症拡大防止による自粛生活の長期化に伴い、高齢者の身体や認知機能が低下するフレイルが懸念されることを、民生委員や介護予防センターなどの活動を通じて認識しているところでございます。現状におけるフレイル予防の取り組みにつきましては、広報媒体を活用した普及啓発や、オンラインによる講座等で人と人とのつながりを実感しながら、個々人の取り組みを継続できるよう進めているところではございます。国が示すワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方を受け、今後は市民の様々な活動が可能になることも想定されますことから、それに合わせたフレイル予防の取り組みを進めてまいりたいと考えるところでございます。
 2点目のケアマネジャーの業務量増加についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いケアプランを変更しなければならない場合が増加していることは認識するところでございます。ケアマネジャーの業務については、今後も適正に業務をおこなえるよう、個別の相談を受けるなど、引き続き支援してまいりたいと考えるところでございます。
 次大きな6項目目、生活困窮者と子どもへの支援についてでございますが、まず1点目、生活困窮者への支援について、新型コロナウイルス感染症対策としての各種生活支援につきましては、全国共通の課題でありますことから、これまでも国の財政支援のもと、国保保険料の減免や、特別定額給付金の支給など、必要な対策を講じてきたものと認識するところでございます。今後も国の動向を注視しつつ、適宜必要な対策を要望してまいりたいと考えるところでございます。
 次に2点目、子どもやその関係者へのPCR検査についてのご質問でございますが、感染拡大を防止するためには、感染の疑いのある方が速やかに検査を受けられることが重要であり、体制の整備を進めてきたところでございます。特に保育所や小中学校等で陽性者が発生した場合には、必ずしも濃厚接触者には限定せずに、初動から検査対象を拡大してスクリーニング的なPCR検査を実施することとしているところでございます。今後もこうした取り組み、いわば札幌方式ともいえる取り組みでございますが、こうした取り組みを継続することにより、効果的に感染拡大の防止を図ってまいりたいと考えるところでございます。
 私からは以上でございます。

吉岡副市長 答弁

 私からは7項目目、厚別区の諸課題についてお答えをいたします。
 最初に北海道ボールパーク構想に伴う対応についてであります。北海道ボールパークへのアクセスにつきましては、現在北広島市と球団が事務局となり、道路管理者、北海道警察、交通事業者等からなる検討会で検討を進めているところでございます。この中では、鉄道やバス等の公共交通の利用を約6割と想定しており、厚別区内では新さっぽろ駅におけるバスへの円滑な乗り換え機能を確保することが課題と考え、その対応について検討しているところでございます。また、公共交通以外の自家用車の利用につきましては、主要な幹線道路に混雑が生じないよう、入退場時間の拡大による時間分散策と、迂回道路への誘導による経路分散策について検討を進めているところでございます。
 次に市営住宅もみじ台団地についてであります。
 1点目の市営住宅への関わり方と責任についてでありますが、市営住宅の管理・運営に関する諸課題の解決に向けては、札幌市、指定管理者、住宅管理公社の三者が連携し、入居者などから寄せられる声や要望を常に共有しながら、それぞれの役割分担に基づき適切に対応してきているところでございます。
 2点目の住み替えについてであります。平成28年度、2016年度の新基準適用前の5年間では255世帯となっている一方、新基準適用後の5年間では536世帯と住み替えの実績が2倍以上に増加しており、大幅な改善が図られているところでございます。今後も高齢者や障がいのある方がより安心して暮らしていけるよう、実情に応じた適切な住み替え制度の運用について検討してまいります。
 3点目の建て替え計画についてであります。札幌市としてももみじ台団地の建て替え等に関して、地域に様々なご意見があることは承知しており、団地の老朽化などへの対応については、課題であると認識しております。また、もみじ台団地も含め、市内には更新時期を迎える市営住宅が多いことから、財政状況などを勘案しながら建て替えや改修など、適切な事業手法により順次計画的に対応してきているところでございます。もみじ台団地の今後の整備につきましては、このような考え方に加えて、大規模団地が地域へ与える影響も踏まえながら、次期のまちづくり戦略ビジョンへの位置づけも含め、引き続き検討してまいります。
 4点目の耐震改修についてであります。もみじ台団地では、昨年度に建物のコンクリート調査をおこなっており、コンクリートの中性化の状態や、耐震強度には問題がないことを確認しているところでございます。また、外壁などの劣化に対しては、計画的に改修をおこなうなど、現状の耐震性能を維持するよう対応しているところでございます。なお、改修等の際には、入居者が不安を抱かないよう、丁寧な説明をおこなうなど、引き続き積極的な情報提供に努めてまいります。
 次に新幹線残土についてであります。山本地区においては、これまでもゴミ処理場や雪堆積場などの市民生活に欠かせない施設を受け入れていただくなど、札幌市政に多大なご協力をいただいていると認識しております。新幹線工事による発生する対策土の受け入れにつきましては、土地の所有者の了承が得られること、まとまった面積を有していることなどの条件のもと、山本地区などの候補地を選定してきたところでございます。今後も受け入れ地を確保する必要がありますことから、現在の候補地の他、新たな候補地の可能性も含め、鉄道運輸機構や北海道などと連携しながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

石川副市長 答弁

 私からは大きな3項目目、2020年度決算について、4項目目、社会変化を踏まえた地域経済政策についてお答えを申し上げます。
 まず3項目目、2020年度決算についてであります。事業活動の減収補填や飲食店等の営業時間短縮要請に対する協力支援金などにつきましては、全国的な課題でありますことから、国において総合的に検討、対応すべきものと認識をいたしております。これまでも国に対しまして、事業者を対象とした給付金の拡充などにつきまして求めてきたところであり、今後も必要な要請をおこなってまいります。
 続きまして4項目目、社会変化を踏まえた地域経済政策についてであります。
 まず1点目、成長戦略会議の実行計画についてであります。中小企業に対する認識と中小企業を前提とした経済振興についてでありますけれども、札幌市の経済は市内企業のほとんどを占める中小企業に支えられており、経済活動全般にわたって重要な役割を果たしているものと認識をいたしております。この考えのもと、今後とも札幌市の産業構造の特性や課題、更には社会的環境の変化等を踏まえ、中小企業の振興を図ってまいります。
 次に2点目の中小零細企業と共につくるまちづくりについてであります。札幌市中小企業振興条例及び中小企業施策等の予算についてでありますけれども、札幌市の産業振興施策につきましては、札幌市中小企業振興条例に基づき、札幌市産業振興ビジョンを策定の上、総合的に実施しているところでございます。このビジョンに掲げる重点分野や、全産業横断的な戦略などを企業・市民・行政が共有し、産業振興に取り組むことが重要と考えており、今後とも積極的に施策を講じてまいります。
 続きまして3点目、インボイス制度と消費税減税についてであります。インボイス制度は消費税の軽減税率導入により、事業者が複数税率を管理するにあたりまして、仕入れ税額控除を適正におこなっていただく観点から実施するとされたものと認識をいたしております。また円滑な運用を確保する観点から、経過措置なども講じられていると承知をいたしております。なお、消費税率につきましては、社会保障の受益と負担のあり方なども踏まえ、国政の場において広く議論されるべきものと認識をいたしております。
 私からは以上であります。

村上議員 再質問

 3点再質問をさせていただきます。
 まず1点目が、大きい項目の6項目目、生活困窮者と子どもへの支援のうち、2点目の子どもやその関係者へのPCR検査について。それから2点目が大きい項目、7項目目の厚別区の諸課題のうち、1点目の北海道ボールパーク構想に伴う対応、それと3点目の新幹線残土。以上3点、再質問させていただきます。
 最初に、子どもやその関係者へのPCR検査についてでありますが、デルタ株のまん延によって、子どもに感染が拡大するという新しい局面が生まれました。それで先程、ご答弁ありましたけれども、私、現在新規感染者の減少傾向が続いておりますので、ここが正念場だろうというふうに思っております。先程町田副市長は、感染疑いのある方が速やかに検査を受けられるということが重要だというお話がございました。私もまったく同感であります。しかし、陽性者が発生した場合ということで検査をするということでしたので、私は感染疑いのある子どもや、関係者であっても速やかに検査を受けられることが重要だと考えます。そこで、保育所、学校を通じ、家庭に検査キットを配布し、子どもの体調が悪い時などにすぐに検査がおこなえる仕組みづくりが重要だと、効果もあるだろうと思いますけれども、認識をお伺いいたします。
 2点目の、北海道ボールパーク構想に関してでありますけれども、答弁の中で北広島市を始めとする検討会で様々検討中だということでありまして、新さっぽろに関しては、駅の、バスの円滑な乗降機能というんでしょうか、保持することが課題であって、対応を検討しているというお話でありました。そこで、具体的にどのような検討をされているのか、お伺いをいたします。
 3点目でありますが、これも厚別区の諸課題になります。新幹線残土であります。山本地区の産業廃棄物の埋め立て処分場、あるいはゴミ処理場などの施設があるということは質問でも言いましたけれども、そこで、これらの施設はいつ設置をされて何年ぐらい経過しているのかについて、お伺いします。
 以上3点、再質問いたします。

町田副市長 答弁

 私からは3点の再質問のうち、6項目目の生活困窮者と子どもへの支援についての2点目の、子どもやその関係者へのPCR検査についての再質問についてお答え申し上げます。
 子どもやその関係者へのPCR検査につきましては、重症者リスクの高い入所者がいる高齢者施設等につきましては、国の方針に基づき重点的にスクリーニング検査を実施しているところでございます。保育所や小学校等につきましては、陽性者が発生した場合に、迅速に幅広くPCR検査を実施することによって、感染拡大防止を図ってきているところでございます。今後も関係部局が緊密に連携することによりまして、保育士、教員等のワクチン接種を進めることも含めまして、保育所や小中学校等における感染症対策を徹底してまいりたいと考えるところでございます。
 私からは以上でございます。

吉岡副市長 答弁

 厚別区の諸課題について、2点について再質問をいただきました。
 1点目の、北海道ボールパーク構想に伴う対応について、新さっぽろにおけますバスへの円滑な乗り換え機能、具体的に検討内容がどのようなものかということでございます。具体的には新さっぽろ駅前広場におきまして、バスの発着が可能となるような駅前広場を改修する考えでありまして、そのことが可能となるような形状はどのようなものか検討を深めているところでございます。
 2点目が、新幹線残土について、山本地区はいつからゴミ処理場のようなものを受け入れてきたのか、というようなご質問でございました。山本地区におきましては、昭和40年代、1960年代の半ばからゴミの埋め立てが開始されており、50年を越える長きにわたりまして、この間雪堆積場にも利用されるなどご協力をいただいてきているところでございます。
 私からは以上でございます。

村上議員 再々質問

 町田副市長に申し上げますけども、昨年私、コロナ調査特別委員会で高齢者施設などでPCR検査を予防的に入れ込むことが大切だと、その効果はあるのかないのかと質問したんですけれども、当初予防的検査の必要性は残念ながら認められませんでしたけれども、秋元市長が昨年12月だったでしょうか、補正予算を付けていただいて、予防的にPCR検査を実施するということになりました。その時に、皆さんが答弁されたのが、やっぱり陽性者が出たら迅速に対応するというものでありましたけれども、それもその時は1つの方法だったかもしれませんけれども、今長きにわたってコロナの感染と私達は戦ってきたわけですけれども、その教訓の中で、できるだけ早く感染者を把握するのが極めて重要だというのは、これ間違いないわけでありますから、ぜひですね、保育所あるいは子どもさんを預けている家庭に検査キットを配布するということができれば、早くに感染状況を把握することができるわけですから、それだけ小学校でいえば子どもの学ぶ場を保証するということにもなりますので、前向きに検討をしていただきたいというふうに思います。
 また、厚別区の諸課題の北海道ボールパーク構想に伴う対応であります。新さっぽろ駅でありますけれども、もちろんご存知のとおり今、周辺の再開発を進めておりますので、公共交通の乗降客も増えるだろうというふうに見るべきだと思うんです。商業施設も増えるし、ホテルやタワーマンションも建設されます。既に大学なども新さっぽろ周辺にきておりますけれども、そんな関係で、様々な公共交通が増えるということ。それに加えてのボールパークでありますから、継続的に考えていただきたいというふうに思います。中でもバスターミナルも非常に混んでおりますので、どういう形で利便性を上げながら、利用しやすいものを作っていくかということを鋭意検討して進めていただきたいというふうに思います。
 最後の新幹線残土の問題でありますけれども、今日私、代表質問の中で市民が主役の基本姿勢についてお伺いをしました。もう1度読み上げますけどもね、市長が選挙直後の記者会見のことなんですけれども、市民の声を市政にどう活かすのかということを問われて、市長は、一方的に何かを説明するということではなくて、市民の皆さんが疑問に感じていること、あるいは不安に感じていることをお伺いして、そのことに対してお答えをしていくという対話が非常に重要だというふうにおっしゃいました。私もまったくそのとおりだと思います。ここはね、重要な市政運営に関わる基本的な考え方であると思います。ですから、再々質問は、市長に自らのお言葉でお話をいただきたいんですけれども、私質問の中で、山本地区のゴミを埋め立てる所や、それがいつから、何年くらい経過するんだという話を再質問させてもらいましたけれども、約半世紀ですよ。ずっと市政の様々な要請に協力していただいたのが山本地区です。それで私質問の中で、これだけ協力いただいている山本地区に、更に新幹線残土の候補地を強いるというのは、行政としてあまりにも公平性とバランスを欠いているんじゃないのか、ということを最初の代表質問で問いかけました。もう1つは、これ以上というかね、山本地区の住民全員が反対表明しているんですから、住民の理解が得られていないという明確かつ強固な意思表示だと。これ以上理解を強要するということは、市民との信頼関係、市政運営に重大な禍根を残す懸念があるんじゃないかということをお聞きしたんです。でも先程答弁の中で、市民生活、ゴミ処理場だとか雪堆積場など市民生活に欠かせない施設を受け入れていただいているということで、多大な協力をもらってるだとかいうこともありました。それから山本の、何故候補地にしたのかっていうことは質問してないんですよね、そんなこと。
 ですから、最後に市長に自らご答弁いただきたいんですけれども、この山本地区に新幹線の残土受け入れ候補地を、これ以上強要するということは、行政としてあまりにも公平性とバランスを欠いているというふうに思うわけです。市長が対話するためには、市長がですね、先程私言いましたけれども、対話が非常に大事だと言っていらっしゃいます。山本地区の住民の疑問や不安に答えなければ、市長が重要とする市民との対話自体、私、成立しないと思うんです。ですから、市長の言葉であらためてお伺いをしたいと思います。

秋元市長 答弁

 まちづくりに関しての基本的な進め方、今ご質問にあったように、市民との対話、これを丁寧に進めていくという姿勢に変わりはございません。この新幹線残土の問題につきましても、山本地区のみならず、様々な形でですね、丁寧に対話を進めていきたいと、このように考えております。