私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案11件のうち、議案第8号、第13号、第14号に反対、残余の議案8件に賛成の立場で討論を行います。
まず、議案第8号「札幌市一般会計補正予算」についてです。
医療提供体制の強化や感染拡大の防止、事業の継続と雇用の維持、などの補正予算は必要なものであり、また、そのうちの児童育成会運営費補助金3000万円は、衛生管理や会計事務などの周辺業務への補助として、学童保育連絡協議会などからの強い要望に応えたものです。
しかし、債務負担行為のうち自立支援事務費3800万円は、障がい支援認定区分の認定調査を、外部委託するものであり反対です。
これまで、障がい者が3年に一度更新する際の認定調査は、本市職員が直接行ってきました。そのことは、障がい者本人の心身の状況を把握するのみならず、家族状況や居住状況の変化をも把握し、きめこまやかな支援につなげる役割を果たしています。また、本市職員にとっても、福祉的な経験の蓄積や専門性を構築する重要な機会でありました。
本市は、外部委託することで真に必要な業務に注力できる、と説明していますが、同時に「背景を含めた状況を把握することは重要だ」との認識も示されています。本人状況を把握するという、重要な業務は、人員を増やしてでも本市職員が行うようにすべきであり、外部委託は認めることができません。代表質問で、市長は「協働の視点と支援を受ける側に立った観点をもって仕事にあたる組織風土を根付かせたい」と答弁されました。そのことを本気で実践されるお考えであれば、「令和元年6月死亡事例に係る検証報告書」から学び、福祉にたずさわる職員の配置を充実させるべきです。
議案第13号「札幌市個人情報保護条例の一部を改正する条例案」についてです。
これは「デジタル庁設置法」等の公布に伴うもので、法整備により、個人情報保護に関する法律も改定され、自治体が持つ条例の廃止と、法律への一元化が行われます。
このたびの法改定で、条例の「個人情報を実施機関以外のものに提供してはならない」とする第10条の規定をはじめ、条例そのものが廃止されることとなり、今後は、企業等から求められれば、本人の同意がなくても非識別加工情報として提供することが可能となります。非識別加工情報は、蓄積されればされるほど個人を特定できるようになり、プライバシー権を侵害しかねないことから、反対です。
議案第14号「札幌市税条例の一部を改正する条例案」についてです。
これは、適用期限が2022年1月となっている法人市民税法人税割の超過課税率の適用期間を5年間延長するものです。
この超過課税は、資本金1億円を超える法人、または、法人税額が年1000万円を超える黒字の法人に適用されるもので、国は制限税率を8.4%としています。
本市はそれより0.2ポイント低い8.2%と設定しているため、今後5年間の税収見込みは約131億円にとどまりますが、8.4%とした場合、143億円となります。
本市の財政状況が厳しいのであれば、コロナ禍でも黒字となっている企業に対し、制限税率まで引き上げて税収増を図るべきであり、据え置くことに反対です。
以上で、私の討論を終わります。