議案第1号「札幌市一般会計補正予算 第4号」は、新型コロナウイルス感染症対策として、医療提供体制の強化と感染拡大の防止、事業の継続と雇用の維持等、市民が切実に望んでいる諸経費95億5220万円を追加補正しようとする一方で、「その他」とする項目で「創成川通直轄事業負担金」や「北海道新幹線建設工事発生土受入地取得費」が盛り込まれており、問題です。
 これら2つの事業は、いずれも市民合意を得ていません。

 私ども日本共産党札幌市議団は、新型コロナウイルスの変異株による感染拡大という緊急事態を受け、第2回定例会の延期や第5回臨時議会の開催に応じてきました。
 臨時の緊急対応という事態に乗じて、このような市民合意のない事業等の追加補正まで組み込むことに、強く抗議するものです。

 創成川通直轄事業負担金は、本市が、極めて希薄な必要性の根拠と一方的な市民への説明を繰り返した上で「市民合意を得た」形をとり、そのことをもって国に対して地下構造案を採択するよう進めてきたものです。
 3月10日に国が事業化を「妥当」と判断し、すすめられることとなりましたが、総工事費1000億円程度との当初の見積もりが、いまや1200億円に膨れ上がり、本市は事業化された今年度から都心アクセス道路の工事が完了するまでの期間、2割の負担を続けることになります。
 このたびの追加予算は、国の事業費1億円のうちの本市負担分2000万円であり、その内1800万円を、市債発行という借金をするものです。新型コロナウイルス感染症拡大で市民の命とくらしが厳しい状況に置かれ、その立て直しの見通しすら立たないいま、総工事費が国負担であれ本市負担であれ、不要不急の大型建設計画は中止し、市民のいのちと健康・くらしを守るために使うべきです。
 北海道新幹線建設工事発生土受入地取得費29億500万円は、土地開発基金と環境局から、まちづくり政策局への所管替えを行い、トンネル掘削による要対策土を手稲区山口地区に受け入れるためのものです。
 トンネル残土には、ヒ素等重金属が含まれ、「要対策土」であるゆえに、人体への影響を否定できないため対策をとることが求められ、近隣住民から強い受入地反対の声が出され、本市議会に陳情が出されました。
 住民の合意は得られていないにも関わらず、オープンハウス等で、残土の搬入時期をR3年秋頃と示したことは、今後の市政運営に重大な禍根を残すことになります。

 大型建設事業で発行される建設債は、「将来世代に借金を残しても、便益を受ける」として、発行できるものとされています。
 ですから、将来に便利や利益をもたらすものなのか、市民はそれを納得し必要としているのかは、自治体として、特に大型事業を始める場合の大前提であるべきです。
 新幹線工事残土受入について、「山口地区のみでは間に合わず、金山や山本地区の検討も除外できない」と答弁していることから、山口地区で行ってきた、一方的な説明の繰り返しや、事前調査の強行など、今後も「事業ありき」で「市民合意のないがしろ」を繰り返すことは許されません。
 本市は、本事業による市民への影響が生じるという認識を示しており、工事はいったん凍結し、関連予算は新型コロナウイルス感染症対策に使うべきです。

 議案第7号「札幌市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例案」は、有料の自転車駐輪場の設置区域を、これまでの札幌駅周辺の区域に加え、新たに大通り周辺の区域に拡大するものです。自転車は環境に優しく、健康増進にも有効な乗り物として多くの市民が利用しています。これまで無料であった駐輪場の有料化は、市民の負担を増やし、自転車利用の機会を抑制することにもなりかねないことから、本議案に反対です。
 以上で、私の討論を終わります。