私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案19件中、第23号、第25号、第26号、第30号ならびに第34号の5件に反対、残余の議案に、賛成の立場で討論を行います。

 はじめに、議案第34号「一般会計補正予算 第15号」についてです。
 医療・介護等施設職員への、予防的・定期的なPCR検査を、今月から行うための補正予算案が示されました。
 昨年5月に、老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」で、集団感染が起こり、わが党は、6月の定例市議会で、医療・福祉施設は、人と人とが密接にかかわり、感染を未然に防ぐ必要性が極めて高いことから、働く職員や、患者、利用者へのPCR検査を定期的に行うよう求めました。これに対し、本市は、「医師が必要と判断した方が対象」、「感染者を確認した場合に行う」、と答弁されておりました。9月の補正予算では、「一日当たりの検査体制3900件」と、これまでの7倍にあたる、検査充実を図ったことは前進でしたが、予防の視点はありませんでした。10月の「新型コロナ感染症対策調査特別委員会」において、わが党議員が、「定期的なPCR検査は、集団感染を防ぐうえで、効果があるのかないのか」と問いかけ、網羅的に行うことを求め、市長は12月、高齢者・障がい者施設の職員・入所者への、自主的なPCR検査費用を補助するため、1億4200万円の予算を組み、初めて、これらの施設に対する「自主的・予防的な検査」に踏み切りました。このたびの「新型コロナウイルス検査支援費」5億9500万円は、それに続く「予防的・定期的な検査」を実施するためのものであり、こうした施策は現場から大変喜ばれており、おおいに歓迎するものです。柔軟な対応と、さらなる対象の拡大を求めるものです。
 しかし、同時に、この議案には「デジタル化の推進」と称して、マイナンバー制度対応費追加、11億9800万円等が含まれています。
 昨年11月に開催された、「北海道後期高齢者医療広域連合運営協議会」で、「マイナンバーカードの健康保険証としての利用について」が議題となり、出席した北海道医師会の長瀬清委員は、「私たちは、マイナンバーカードを医療保険証として使うというのは、前からずっと反対していました。紙の保険証を、マイナンバーカードとは別個に、カード式の保険証にすることを、ずいぶん前から主張しています」と発言しています。市民公募委員も、「浸透してこなかったのは個人情報の漏えいが大きくある」と、不信感を述べています。
 マイナンバーカードは、国家が国民を監視し、情報漏えいの危険と常に隣り合わせの制度であり、これが含まれる議案には反対です。
 また、議案第23号「個人番号利用条例の一部を改正する条例案」は、紙おむつ事業を、地域支援事業から、保健福祉事業に移行させ、利用者の負担を増やすことなく継続利用させるものですが、移行に伴って、マイナンバーを利用できるための改正であることから、同様に反対です。

 議案第25号「障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律施行条例等の一部を改正する条例案」、ならびに、議案第26号「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部を改正する条例案」は、就労支援員の常勤要件の廃止や、職員配置の基準緩和等を行うものです。
 介護や福祉の現場は、十分な職員配置で利用者へのサービス提供や、福祉的支援を行うことが求められています。現行より少ない職員配置等を可能とすれば、職員の負担増や、利用者への支援の質の低下を招きかねないことから、反対です。

 議案第30号「市営住宅条例の一部を改正する条例案」は、豊平1条団地と月寒F団地を協調建て替えし、豊平1条団地を用途廃止するものです。協調建て替えにより、これら2団地の総戸数を、189戸から172戸へと、17戸減らすことは認められません。2020年の市営住宅応募倍率は20.6倍と依然として高く、総戸数を増やして、住宅福祉の役割を果たすべきです。

 以上で、私の討論を終わります。