私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案19件中、議案第19号、第20号に反対、残余の議案に賛成の立場から討論を行います。
議案第19号「札幌市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案」に反対する理由は、北1条西5丁目北地区の容積率を緩和することで、歴史的な景観を損なうことになるからです。
周辺には、国の重要文化財に指定された「北海道庁・旧本庁舎」が位置しています。北海道のシンボルである「赤レンガ」は、1888年に建てられた初期の洋風建築物で、大きな屋根の中央の八角塔は、東西南北どの通りから見ても正面に見えます。みどり豊かな前庭は市民のオアシスとして親しまれ、そこに連なるように、北1条西5丁目の西側に、1926年に建てられた「旧北海道庁立図書館・道立文書館分館」が残されています。東角には「さっぽろ・ふるさと文化百選」として市民に選ばれている、「旧中央警察署」の建物が、かつての原型を残しながら今も利用されており、これら全体で、調和がとれ、札幌の歴史を感じられる地区が形成され、代表的な札幌の観光エリアとなっています。
この区域に、地上6階建ての北海道放送株式会社HBCの社屋であったものから、地上27階建ての建築物建設を可能とすることになれば、一体的であるべき景観が途切れてしまいます。
本市の、「観光まちづくりプラン」には、「目指す姿」として「地域の特性を生かした魅力の創造」が掲げられ、「非常に際立った特徴」として、日本の近代化・西洋化の先陣を切った開拓の歴史の魅力を記述しており、高層建築物が建てられれば、将来に引き継ぐべき観光都市としての財産のひとつを失うことになりかねません。
こうしたことからも、歴史的な建築物や街並みをエリアとして保存し一体となる景観とするため、視界を遮るような建物の高さ制限などの規制を、本市が積極的に行うべきです。
議案第20号「市営住宅条例の一部を改正する条例案」は、「メゾン・ド東麻生」など4つの借り上げ市営住宅、合わせて101戸を、用途廃止により削減するため、反対です。
市営住宅は、応募倍率が依然として高く、低所得世帯や高齢者・障がい者は、今後も増える見通しです。市営住宅の総戸数を増やすことこそ求められているなかで、削減することは認められません。
議案第2号「一般会計補正予算 第9号」は、新型コロナウイルス感染症対策関連費です。
そのうち、保健所医療対策室の業務補助に係る人材派遣等の費用として、1億9100万円が組まれています。
人材派遣は、臨時的、短期間に限定し、抜本的な対策として、次年度以降は、保健所職員等の増員をはじめ、職員体制の強化を図るべきです。
また、高齢者施設及び障がい者施設において、新型コロナウイルス感染予防のため、職員及び入所者に行うPCR検査費用補助1億4200万円は、わが党が代表質問などで提案してきたもので、歓迎しますが、このたびの検査費用の補助は、入所型施設に限定するものとなっています。
今なお、複数の通所介護事業所でクラスターが発生していることを踏まえ、今後は、通所・訪問型介護職員、利用者を含め、すべての福祉施設で行うPCR検査費用について補助すべきです。
議案第6号「専決処分承認の件」、ならびに議案第29号「一般会計補正予算 第10号」についてです。
経済観光委員会で、「すすきの地区感染防止対策協力支援金支給費」について質疑しました。
この協力支援金支給費は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を効果的に展開するため、酒類を提供する店舗への協力要請を行うためのものですが、12月の売り上げの大幅な減少に、多くの事業者が不安を抱いています。事業者の状況を踏まえ、今回の協力支援金にとどまらず、支援を行うべきです。
以上で、私の討論を終わります。