私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。

 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、菅首相の政治姿勢に対する見解についてです。
 安倍首相の辞任表明に伴う自民党総裁選挙の結果、菅義偉(すが よしひで)官房長官が新総裁となり、菅内閣が発足しました。
 菅首相は、「安倍政権の継承」を全面に打ち出していますが、その7年8カ月は、継承に値するどころか”負の遺産”にあふれているというのが実態です。
 その内容は、歴代政権が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認する閣議決定と安保法制=戦争法の強行、社会保障の削減や非正規雇用の拡大、トランプ政権いいなりのアメリカ製兵器の爆買い、森友・加計、桜を見る会に公文書の改ざんなど、憲法にそむき、「貧困と格差」を拡大し、政治への信頼を失墜させるものでした。このような政治の継承など、到底許されるものではありません。
 また、菅首相が、目指すべき社会像を「自助、共助、公助」と述べたことに批判が高まっていますが、これこそ「自己責任」を押し付け、医療、介護、年金など社会保障を削減してきた安倍政権のスローガンでした。
 コロナ危機の下、苦しんでいる国民に対し、さらに「自助」で頑張れと突き放すのではなく、社会保障の拡充はもちろん、窮地にある国民のくらしと中小事業者への支援、医療体制の抜本的強化など、「公助」、すなわち国や地方自治体の役割こそ求められていると考えますがいかがか、市長の見解を伺います。また、「自助」や「自己責任」を国民に迫るのは、政治のあり方として問題だと考えますが、いかがですか。
 菅首相が、消費税について「将来的なことを考えたら…引き上げざるを得ない」と述べたことにも批判が広がりました。この発言は、昨年10月の消費税10%増税による打撃とコロナ危機という、未曽有の事態にある国民の窮状に、まったく思いが及んでいないことの表れだと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、核のごみ受け入れ問題についてです。
 寿都町の片岡町長が、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場選定に向けた文献調査への応募を検討している問題が波紋を広げ、周辺町村や漁協などから反対の声が上がっています。
 秋元市長は、定例記者会見で、核のごみの道内持ち込みを「『受け入れ難い』とする道の条例があり、自治体は遵守する責務がある」とのべましたが、自らの賛否については明言しませんでした。
 高レベル放射性廃棄物は、使用済み核燃料を再処理して残った廃液をガラスに混ぜて固体化したものですが、その表面の放射線量は20秒で致死量に達するレベルだといわれています。しかも、少なくとも10万年は管理が必要とされ、誰かが安全への責任を負うことなど、そもそもできる代物ではありません。
 道都札幌の市長として、また、197万人の市民の生活と安全に責任を負う市長として、核のごみは受け入れられないと、はっきりと表明すべきだと考えますがいかがかですか。また、根本的な解決は、「原発ゼロ」の日本にすすむ以外にないと考えますが、市長の認識を伺います。
 質問の第3は、SDGsの本市計画についてです。
 2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、開発途上国を対象としたMDGsを引き継いで生まれ、「誰ひとり取り残さない」を基本理念として、地球規模の環境問題や貧困問題もその原因は足元にあるので、広い視野を持ちつつ、地域課題の解決に取り組むべきであるという考え方にあります。
 貧困と社会の問題を解決するための取り組みは、同時に進めることが不可欠であるという国際的な基準であり、その基準の1番最初に「貧困をなくす」ことが掲げられ、次いで「飢餓をゼロに」「人々に健康と福祉を」と続きます。
 つまり、環境問題を解決する上で、貧困をなくすことは最優先の課題に位置付けられているのです。
 本市にとっても、まさに貧困問題は喫緊の課題であり、対策が急がれています。
 2017年札幌市子ども・若者生活実態調査の結果を見ると、「中学・高校生の子に受診を我慢させた」2歳の子どもがいる家庭で「冬に暖房が使えなかった」「希望する保育施設がないため困っている」など、貧困状態が命に係わる実態が見られました。
 これらに関連した本市の施策は、子ども医療費助成は、来年度からようやく小学6年生まで。保育所の待機児童数は、本年4月時点で1,869人、毎年1,000人を超えているなど、まだ不十分です。
 こうした問題をただちに解決するなど、子どもの貧困打開を最優先に取り組むことが、SDGsの実現にとって不可欠だと考えますがいかがか伺います。
 20歳と24歳の若者の雇用形態は、パートやアルバイト・派遣労働が、正規雇用を上回ります。
 「第2期 未来創生プラン」策定期に行った調査では、25歳から39歳の若者の結婚への障害は「生活を維持していくための資金」です。また夫婦が、持つつもりの子どもの数をもてない理由として「収入が不安定なこと」をあげています。
 この調査結果は、本市で暮らす子どもや若者が、長い年月にわたって、苦しい生活を強いられているとみることができます。
 本市は「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019」などでSDGsの視点を踏まえながら取組を進めるとしています。
 憲法が生きる持続可能な社会へ変えるためには、アクションプランの中で、貧困をなくすための具体的な目標を明らかにすべきと思いますが、お考えを伺います。
 質問の第4は、2030年に焦点をあてたまちづくりの見直しについてです。
 わが党は、第1回定例議会で、2020年度予算案について、都心部の開発に偏重したまちづくりは、極めてバランスに欠けると指摘しました。
 コロナ禍により世界的に経済が低迷、本市でも財政出動の増大と税収減少が予測されることから、今後のまちづくりの見直しが必要です。
 1点目は、2030年冬季オリンピック招致についてです。
 現在、本市は冬季オリンピック招致を推進しています。招致活動に28億円を想定、オリンピック費用は圧縮されて3,500億円と試算されていますが、過去の開催都市の例からもさらに費用は増大する可能性があります。
 オリンピックのたびに開催国の財政負担がかさんできたことが、各国の招致に向けた姿勢を消極的にする結果となりました。
 新聞が行っている、ここ3年間のオリンピック招致についての世論調査では、賛成と反対がほぼ拮抗しています。反対する人の理由は「ほかにもっと大事な施策がある」、「招致活動や施設の整備・維持にお金がかかる」が多くを占めています。財政負担に市民が不安を抱いている表れではないでしょうか。
 招致にあたっては、なお一層の費用削減と、市民の理解と納得が前提となることから、この秋におこなわれる予定だった2030年冬季オリ・パラ招致への市民の賛否を問う調査について中止せず、早い段階で市民の賛否を問うべきと考えますが、市長のお考えを伺います。
 2点目は北海道新幹線延伸についてです。
 北陸新幹線と九州新幹線では、当初より2割前後も建設費が増大し、自治体も追加負担を迫られています。
 北海道新幹線も同様の増額となれば、総額約2兆円の規模ともなる公共工事が、財源の裏付けがないままにすすめられる異常事態です。現在でも札幌市域内の負担は2,100億円、本市は350億円と重い負担、さらに駅舎の費用や、駅周辺の開発費用等の負担、施設維持等の費用がかかります。
 また、重金属等を含む要対策土の受け入れ候補地では近隣住民の反対が大きく「市民の理解なくしてはその先にすすめることはできない」と第1回定例市議会で市長が答弁されていますが、手稲区山口では住民説明会を開いたものの反対には耳を貸さず、事前調査ありきですすめられ、住民から調査の中止や除外を求める陳情が上がっています。
 さらに、新幹線の札幌-東京間の所要時間は5時間1分と、航空機のほうが時間・運賃ともに優位である上に、ほとんどがトンネル構造で、北海道の雄大な景色という利点が生かされず、札幌延伸で利用者数が大きく増えるとの予測は根拠薄弱と言わざるを得ません。新函館北斗開業から4年で予測を大きく上回る341億円の赤字であり、コロナウイルスの影響により、今年4月~6月期の3か月では、昨年同時期より14億円増え、34億6,600万円の大幅赤字です。新幹線の赤字が経営を悪化させ、在来線が切り捨てられる事態となっています。
 2018年6月~7月の北海道新聞の世論調査では、札幌延伸について「効果が期待できる」「札幌から先へ伸ばすべき」が合わせて37%であるのに対して、「利用は限られる」「地方路線切り捨てにつながりかねない」「恩恵が限られ関心がない」など否定的な意見が61%です。
 整備新幹線を国家的事業として推進した国が責任を持って問題を検証し、工事については一時的に中断し、道民の議論と結果をその後の計画に反映させるものとし、中止・凍結も選択肢とするよう国に求めるべきと考えますがいかがか、伺います。
 3点目は、都心アクセス道路についてです。
 昨年末に結成された「都心アクセス道路に反対する市民の会」が、8月28日、1万2,435筆の署名を秋元市長に提出しました。
 本市は、アクセス道路の建設にむけ、都市計画の変更を行うための住民説明会を、北区・東区・中央区で8回行いました。合計258名の住民が参加するなど、関心が高まっています。
 説明会では、北海道開発局が作成した豊平川氾濫シミュレーションで氾濫水が都心アクセス道路に押し寄せる問題が各会場で住民側から出され、「堤防の決壊が想定される72時間雨量406ミリ程度の豪雨は、いつ起こってもおかしくない」等の意見が出されました。想定される雨量には排水ポンプを設置し対応するとの行政側の説明に対し、「水だけでなく、土砂や石が流れ込んできた場合、どうやってポンプで排水できるのか」との質問も出されましたが、「事業化に合わせて具体的な検討を深める」と答えるのみでした。また、「1000億円もの税金を投入するのに周辺住民だけの説明会はおかしい」「地下整備案に決定してから説明するというのは納得できない」との意見もだされましたが、住民の疑問や不安は払しょくされないまま、建設計画が進められようとしています。
 我が党は、創成川通に都心アクセス道路を建設することはやめるよう、繰り返し求めてきました。コロナ禍での第2回定例会で市長は、「市内経済の活性化を図るもの」だとして必要との認識を示しましたが、経済が活性化する前に倒産に追い込まれる中小企業が生ずるような事態です。コロナウイルスと最前線でたたかっている医療機関や介護事業所なども経営危機にさらされています。コロナは、いまなお収束せず、次の感染の波に備える必要があります。しかも、新たなウイルス感染を専門家は指摘しているのです。
 このような時代のいま、1,000億円を超える地下構造の道路建設に、市民の理解と納得を得られると思っておられるのか、伺います。
 4点目は、今後のまちづくりについてです。
 2019年度の一般会計決算額は、歳入1兆28億976万円、歳出9,922億7,178万3千円で、歳入から歳出を引いた形式収支は105億3,797万7千円。翌年度への繰越財源36億8,004万円を引いた、実質収支は68億5,793万7千円の黒字でした。
 一方、市債の発行残高は、前年度比1.1%増の1兆842億7,100万円で、全会計では1兆6,571億円9,200万円にのぼり、自らまかなえる財源の割合を示す財政力指数は、政令指定都市の中でも最低ランクとなっています。
 本市では、北海道新幹線延伸を見据え、北5西1・西2地区のJR札幌駅周辺の再開発と巨大ビル建設計画、中島公園のMICEや、南2西3、北8西1地区の再開発等、目白押しです。
 すでに、本市の一般会計・建設債の発行残高は右肩上がりに増え続けており、今後、これらの開発事業に巨額の市税が投入され続けていけば、福祉や暮らしの予算にいっそうしわ寄せされることは明らかです。
 市長は、国際観光都市をめざし、都心をリニューアルして海外から観光客を呼び込み富裕層向けホテルの誘致をすすめるといいます。
 しかし、新型コロナウイルスのパンデミックによる社会、経済情勢の変化によって、インバウンドは大きく落ち込み、パンデミック以前に多く見られた、外国人観光客が大型の観光バスで周るという形から、今後は、感染対策をしながら国内道内旅行へ、少人数で、温泉やその土地の食べ物、文化や街並みをゆっくりと楽しむ観光の形が主流になっていくと考えられます。
 ウィズコロナの時代に向けて、今後のまちづくりのあり方について再検討が求められていると考えますがいかがですか。本市が推進しているインバウンド依存、都心一極集中のまちづくりではなく、地元商店街の振興と生活利便施設が郊外にゆきわたるまちづくりが求められていると考えますが、いかがか伺います。
 質問の第5はジェンダー平等についてです。
 1点目は、2020年ジェンダーギャップ指数の評価についてです。
 世界経済フォーラムが2019年12月ジェンダーギャップ指数を発表しました。今回、調査対象となった153か国中、日本は121位と過去最低を更新、しかも、先進国G7では最下位で、最も男女格差が大きいことになります。この指数は、健康、教育、経済、政治の4つの分野のデータから作成されています。
 日本の結果を分野別に見ると、健康は40位、教育は91位、経済では115位、政治は144位という結果です。
 問題なのは、同じ教育を受けた男女が社会に出た時に、同じように活躍できているかという事であり、特に管理職やリーダーの女性の占める割合はわずか15%で131位、所得は、男性の半分で108位という結果であり、そのことが、「経済」や「政治」の分野での低評価につながっています。
 市長は2020年ジェンダーギャップ指数の報告書を、どのように受け止めておられるのか認識を伺います。
 2点目は、第4次男女共同参画さっぽろプランについてです。
 第4次男女共同参画札幌プランの基本目標にある「男女共同参画の視点を反映させるための環境づくり」「男女の多様な働き方の推進」において、本市は、女性の労働力率を分析し、出産・育児期に当たる年代にいったん低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇する「M字カーブ」は緩和されていますが、解消には至っていないこと。女性の正規雇用者割合は全国と比べて低く、賃金も低位な状況と現状と課題を明らかにしています。また、「男は仕事・女は家庭」「男性は主要な業務・女性は補助的業務などの固定的性別役割分担意識が根強く、女性が結婚・出産により離職する場合が多く、一度離職してしまうと再就職等をすることは容易ではない」と述べ、雇用環境の整備の不十分さ、人材の登用・育成に長い時間がかかることも課題として記されています。本市の取り組むワークライフバランスや女性の活躍の推進に向け、積極的に取り組む企業を認証する認証制度や推進アドバイザーの派遣などの事業が、女性の労働力の引き上げにつながっていると考えますが、雇用の継続においては、課題が多く残されています。
 働き続け経験を積むことが、女性一人ひとりが重要な場面に参画し意見を述べる力となり、あらゆる分野での女性活躍につながると考えます。その為に、本市としてどのような施策が求められているのか市長のお考えを伺います。また、本市が率先して実践に取組み民間企業をリードしていく役割があると考えますがいかがか伺います。

 次は雇用についてです。
 新型コロナウィルスの感染拡大のもとで、4~6月期の国内総生産は年率換算で実質マイナス28.1%と戦後最悪の落ち込みとなりました。その要因の一つが働く人の所得が激減し、個人消費が減ったことです。
 質問の第1は、本市の雇用形態の特徴とコロナ禍による影響についてです。
 2019年の非正規雇用比率は、約4割と30年前に比べ2倍以上に増え、女性の割合はさらに高く約6割に上ります。さらに正規・非正規の賃金格差は最大月19.2万円と格差是正は進んでいません。
 本市の産業構造はサービス業、卸売、小売業などの割合が高く、第3次産業が中心の産業構造です。
 第3次産業は他産業と比べ非正規雇用の割合が高い傾向にあることから、本市の非正規雇用率は全国平均より高く、雇用者報酬が低いのが特徴です。
 厚生労働省の発表では8月末時点で、コロナ関連による解雇は見込みも含め累計5万人を超え、そのうち非正規労働者は4割以上を占めています。しかも、飲食業や宿泊業などの第3次産業での失業者数が多くを占めています。
 本市の雇用者実態は、生活保障が不安定な非正規雇用者の割合が高いという特徴が、とりわけコロナ禍で深刻なものにしていると思いますが、市長の認識を伺います。
 また、経済が厳しくなると真っ先に影響を受ける非正規雇用者の解雇や雇い止めなどを最大限回避する対策が求められると思いますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、雇用を守る制度の実態と雇用支援策についてです。
 総務省が5月末に発表した4月の労働力調査では、完全失業率は前月比0.1%増にとどまりました。一方、休業者数は前年同月の177万人から過去最多となる597万人と、3倍以上も増加しました。これは、全就業者の10%が休業していることになります。この休業している労働者の半数以上は、非正規雇用労働者です。
 国の休業補償や雇用を守るための支援制度として、雇用調整助成金や小学校休業等対応助成金制度などがあります。
 しかし、新型コロナウイルスの影響で休業した、例えばスポーツジムのインストラクターや飲食店などの従業員はそれぞれ自宅待機となりましたが、いまだ休業手当を受けられていない方も少なくありません。
 これらの制度は、雇用者への直接支援ではなく、原則事業者が申請すること、さらに、助成金を受けるためには、事業者が従業員に対し、休業手当をまず支給していることが前提になっています。
 資本の少ない中小・小規模事業所が9割以上を占める本市では、コロナ禍で、売上が大幅に落ち込んだ中、従業員に助成を受ける前の段階では従業員に休業手当を支給することは困難です。
 一方、労働者個人が申請する休業支援金・給付金は4~6月分は9月末を締め切りとしていますが、9月10日時点で、予算額5,400億円に対して約1.8%しか支給されていません。
 国の雇用支援制度によって、本市で働く人の雇用が守られているとは言えないと思いますが、いかがか、市長の認識を伺います。
 国に対し雇用支援制度の改善を求め、雇用者の生活を保障する直接的な雇用支援策が必要だと思いますが、いかがか、伺います。

 次は、医療と介護についてです。
 コロナ危機によって、日本の医療・介護などのサービス供給体制の脆弱さが浮き彫りとなりました。特に、感染症対策の抜本的強化と医療供給体制の立て直しは、一刻の猶予もならない喫緊の課題です。本市の課題を鮮明にし、次の感染の波に備える対策が急がれます。
 質問の第1は、医療供給体制についてです。
 国は、国立感染症研究所の研究者の人数と予算を大幅に削減するなど、長年にわたり感染症対策を軽視してきたことで全国の感染症を治療する医療機関の施設整備と専門家の育成に重大な遅れを生じさせました。また、度重なる診療報酬の削減と徹底した医療の効率化路線は、ベッドを常に満床かつ高速回転で運用しなければ収益が上がらないなど、医療機関に本来必要なゆとりまで奪い取り、感染症の拡大や災害発生時など、緊急時に必要な医療供給体制に重大な支障をきたしました。
 1点目は、感染症病床と専用病床についてです。
 感染症の拡大した際、医療崩壊を防ぐ上で、感染症病床の果たす機能と役割は重要ですが、国は一貫して指定医療機関や感染症病床の削減を進めてきました。
 新型コロナウイルス感染症は、指定感染症のため、原則として感染症指定医療機関の感染症病床で治療します。
 しかし感染が拡大するもと、病床削減を進めてきた厚労省は、緊急やむを得ない場合には、感染症対策が施された専用病床など、指定された感染床病床以外での入院治療を可能とする方向性を打ち出しました。これは感染症病床が不足にしたことに対する緊急の対応です。
 本市は、介護老人保健施設茨戸アカシアハイツでの集団感染が発生した際に「病院側で感染者を受け入れる余裕がない」ことを判断根拠として「施設内に入居者を留め置いた」としています。感染症病床がかなり逼迫していた状況だと思いますが、入居者を留め置く判断をした時点での、市内感染床病床と専用病床の稼働率は、それぞれどの程度であったのか伺います。また、今後は、介護サービスの必要な高齢者、妊産婦など、患者特性に応じた医療の提供できる感染症病床等の充実を図ることが必要であると考えますが、どのように対処されるのか伺います。さらに、病床を機能させるには、看護師確保による人的体制の充実が病床を運用する上で不可欠な要素だと考えますが、どのような対策を講じているのか伺います。
 2点目は、ICUベッド数についてです。
 感染症の爆発的な感染拡大いわゆるオーバーシュートした場合、重症者に対応できるICUなど、集中治療体制の充実度が重要となります。
 一般社団法人日本集中治療医学会によると「3月末時点での感染者における致死率では、イタリアが11.7%と高かった一方で、ドイツの致死率は1.1%と低かった主な要因をICUのベッド数がドイツでは人口10万人あたり29床から30床であるのに対し、イタリアは12床程度と少なかったことをあげています。
 その上で「日本はイタリアよりも高齢化が進んでいるにもかかわらず、医療崩壊が起こったとされるイタリアの半分以下、5床程度のICUベッド数では、死者数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れる」と、日本の集中治療体制の脆弱さに警鐘を鳴らしました。
 5月1日の臨時市長記者会見では「市内医療機関で重症者に対応できるICUベッド数は32床ですが、コロナ感染症の重症者は16人おり、この他に大きな怪我や緊急の病気でICUが使われる場合があることから、32床という数字もかなり限界に近付いており、日増しに医療体制が逼迫している状況にある」という認識を示しました。
 当時、本市における人口10万人あたりのコロナに対応するICUベッド数は2床未満です。今後、コロナ感染拡大と季節性インフルエンザの同時流行を考慮した場合、ICUベッドの数は極めて不十分であると考えますが、認識を伺います。また、1日あたりの重症者のピークは何人を想定しているのか伺います。
 3点目は、専門性の構築についてです。
 医療機関では、ICUなど集中治療を行う設備を有しながらも、人的体制の不備でフル稼働が困難な場合があると言われています。集中治療は、専門性が高い分野のため、医師や看護師などの育成と経験の蓄積が課題です。
 本市は、集中治療体制の充実に向け、専門性を構築する上での役割を発揮すべきだと考えますが、認識を伺います。
 質問の第2は、地域医療の現状と支援についてです。
 全健康保険加入者の6割を扱う社会保険診療報酬支払基金の診療報酬請求件数によると、緊急事態宣言が出された4月の受診患者数は、前年比で2割減少しました。
 病院より診療所での落ち込みが大きく、耳鼻科と小児科で4割、眼科で3割もの受診患者数が減少しています。
 これはコロナ感染者の対応をしていない医療機関も含め厳しい患者減の状況を示すものです。
 要因として、患者は外出の自粛で受診を控えたこと。医療機関は急を要しない手術や検査の休止、予約外来の制限と縮小を行ったこと等があげられます。
 1点目は、受診抑制の影響についてです。
 コロナ感染拡大の下で、市民の医療機関への受診控え、検査の延期、服薬の中断などによる病状の悪化が懸念されますが、どのように認識されているのか伺います。また、前年度の4月と5月を比較した生活保護世帯の受診状況と国民健康保険加入世帯の一人当たりの医療費など保険給付状況を明らかにしてください。さらに、受診抑制による病状悪化を防ぐためには、医師会とも連携し、安心して受診できる仕組みづくりと、市民に対しても必要な受診の周知を呼びかけるべきですが、どのように対処されるお考えなのか伺います。
 2点目は、医療機関の連携体制を維持する上での考え方と支援についてです。
 市内の医療機関は、感染症の対応のみならず、あらゆる疾患に対して、日常的な医療を提供し、市民の健康と命を守る砦として日々奮闘しています。その要となるのが、医療機関同士の連携です。しかし、設備の改修と各種の感染防止対策による費用の増加と患者減による大幅な医業収益の減少により、ほとんどの医療機関は経営危機に陥っています。
 多くの医療機関が経営的に立ち行かなくなれば、連携事態が成り立たちません。また、院内感染を恐れ、季節性インフルエンザ感染拡大など、発熱を訴える患者の受入れを拒否せざるを得ない状況が各医療機関に広がった場合にも、本来必要な連携がとれなくなります。
 医療機関の深刻な経営危機と患者受入れの課題は、医療機関個別の問題とせず、地域医療全体を守る本市の課題として捉えることが何よりも重要だと考えますが、本市の認識を伺います。また、パンデミックに耐えうる連携体制の維持と強化には、医療機関への検査・治療機器・感染防止設備への補助など、本市独自の財政支援が不可欠だと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第3は介護現場への支援についてです。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による減収で市内介護事業所等の倒産、廃業が危惧されています。
 とりわけ、食事・入浴・機能訓練などの通所系サービスを提供する介護事業所等での減収幅が大きく深刻です。
 厚生労働省は6月、経営的打撃が大きい通所系サービスと短期入所系サービスを対象に、救済措置として本来の介護報酬より2段階上となる報酬区分の算定を認めるなどの特例措置を講じました。算定する上での条件は、ケアマネジャーとの連携と利用者の同意です。しかし、利用者から同意が得られても、国の特例措置を利用した場合、2段階上の報酬区分の算定は、新たな利用者負担に直結します。また、介護サービスの支給限度額を超えないように、本来利用可能なサービス回数を減らさなければならないケースもあります。
 このように介護現場では、特例措置を活用する際の疑問と混乱を解決してほしいという要望がありますが、どのように受け止め認識されているのか伺います。そもそも介護現場には「実際に提供もしていないサービスに利用者負担をさせていいのか」というためらいがあるのです。
 窮地に立つ介護事業所等を支えるためには、新たな利用者負担を無くし、介護現場がためらいなく制度を活用できるよう、国の臨時交付金を活用し、増額する利用者負担分への本市独自の補助金制度を創設することが必要であると考えますが、いかがか認識を伺います。
 質問の第4はPCR検査と季節性インフルエンザワクチンの接種についてです。
 国は、PCR検査の強化が必要だと言いながら、全国での検査体制の強化は進みませんでした。その背景には、国民に自粛と感染防止を呼びかけるだけで、検査によって感染状況を把握し、ウイルスの拡散を封じ込めるという科学的戦略が不十分であったことにあります。
 本議会で市長は、今後の感染拡大に備え、PCR検査と抗原検査を11月から1日当たり、現在の約7倍となる3,900件とする補正予算案を提出しました。
 この間、わが会派は5度にわたる市長への緊急要請においてPCR検査等の拡大を強く要望してきました。感染拡大の波に備える検査の大幅な拡大は大賛成であります。
 今後は、検査の拡大に相応しい要員の確保と検査の受けやすい体制づくりが肝要となりますが、どのように取り組むお考えなのか伺います。また、今秋から冬にかけて、新型コロナウイルス感染症とともに、季節性インフルエンザの同時流行が懸念されています。どちらも初期症状が酷似しており、病院での判別も難しいと言われており、感染者を出さないための事前の対策が重要です。
 新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行による医療崩壊を防ぐためにも、医療・介護・保育など、人と接することが避けられない仕事に従事する市民へのインフルエンザワクチン接種費用を助成すべきだと考えますが、いかがか伺います。

 次は、学校の環境改善についてです。
 質問の第1は、「学校の新しい生活様式」を踏まえた衛生環境整備についてです。
 8月27日、新型コロナによる感染防止の具体的な取り組みや少人数学級の様子をテーマに、市内の小学校を会派で視察させていただきました。
 体育や音楽の授業や校外学習などでの身体的距離をとる工夫のほか、児童に分かりやすいイラストや具体例などを用いて、マスク着用や手洗いの大切さの保健指導を行っていること、教室への網戸の設置、水道蛇口のレバー式への取り換えなどの取り組みについてお聞きしてまいりました。
 市内の全小中学校では、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を踏まえた、こうした取り組みが行われています。
 換気についてマニュアルでは、「可能な限り常時、困難な場合はこまめに30分に1回以上、数分間程度、窓を全開する。2方向同時にあけて行う」と書かれています。網戸のない窓を開けることは、虫の侵入などから、ためらう場合も少なくありません。また、手洗い後にウイルスが手につくことを防ぐため、肘や手の甲で閉めることのできるレバー式蛇口は感染防止に有効です。
 こうした感染防止のための器具等は、市内すべての小中学校に設置すべきだと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、少人数学級についてです。
 1点目は、国の少人数学級の検討についてです。
 7月2日、全国知事会、全国市長会、全国町村会が、国に対し、「公立小・中学校の普通教室の平均面積は64㎡であり、現在の40人学級では、感染症予防のために児童・生徒間の十分な距離を確保することが困難であることから、その対応が学校現場において大きな課題となっています。こうした実情を踏まえて、今後予想される感染症の再拡大時にあたっても必要な教育活動を継続して、子どもたちの学びを保障するためには、少人数学級により児童・生徒間の十分な距離を保つことができるよう教員の確保がぜひとも必要である」という、緊急提言を手渡しました。
 9月8日には、教育再生実行会議の初等中等教育ワーキンググループの初会合で、小中学校の少人数学級の実現を目指すことが合意され、本体会議有識者の佃和夫(つくだかずお)氏が「少人数学級化が喫緊の課題。日本の40人学級は多すぎて、不登校の児童生徒などにとっても人数が壁になっている。少なくとも早期に30人か、できれば20人を目指していきたいというのが、平均的な意見だった」との議事の様子を語ったことが報道されました。また、萩生田文部科学大臣が18日、再任に当たって取り組むべき課題に、新型コロナウイルスに続く新しい感染症に向けた対策として、少人数学級の導入を挙げました。
 こうした国の少人数学級検討の動きについて、本市の見解をお聞かせください。
 2点目は、本市の少人数学級の拡充についてです。
 本市では、現在、小学2年生までと中学1年生において、35人学級を実施しています。少人数学級の実現は、ゆきとどいた教育環境の充実という面から、これまでも学校現場や保護者からの期待が大きく、また、秋元市長の選挙公約です。長谷川教育長も少人数学級の拡充を検討する方針を明らかにしております。
 また、視察した小学校では、24人の学級ではランドセルが教室内にありましたが、38人の学級では、身体的距離を確保するために机が教室の全面を使って配置されており、その結果、廊下にブルーシートを敷いてランドセルを置いている状況でした。
 コロナ禍において、社会をあげて社会的距離をとる努力をしている中で、学校だけを例外にすることがあってはならないと考えます。また、高学年になるほど、子どもの体は大きくなり、教室内では身体的距離を保つのがより困難であることから、学年を限定することなく、全学年を対象に実施すべきと考えますが、いかがか伺います。

 次に貧困実態についてです。
 質問の第1は、生活困窮者への支援についてです。
 本市では、新型コロナウイルスの影響で生活相談がかつてないほど増加しています。札幌市生活就労支援センターステップは、月平均220人前後の相談件数から、緊急事態宣言後、4月は1,590人、5月は2,058人と増え続け、7月までの4ヶ月間の平均は、1,262人と前年度に比べ5~6倍にもなっています。
 年齢は20代から50代の現役世代が84%を占めており、その相談内容は「家賃やローンの支払い」が圧倒的に多く、次いで「収入や生活費」となっています。
 毎月の収入があれば、なんとか暮らしていたもののコロナによる休業や失業の影響による突然の収入減で、途端に暮らせなくなった現状が現れています。
 6月15日の参院決算委員会で安倍首相は、我が党議員の質問に、生活保護制度について「文化的な生活を送る権利があるので、ためらわず申請してほしい」と答えました。この答弁を受け厚労省は、リーフレットの生活保護のページに「生活保護の申請は国民の権利です」と文言を加え、積極的に生活保護を活用するよう呼び掛けています。
 本市では総合支援資金などの貸付を利用する市民が急増しています。今後貸付期間が終了した後の生活の見通しが立たない場合、生活保護の申請が増加することが予想されます。
 市長は困窮する市民に向けて「生活保護の申請はためらわないでほしい」と明確に発信していただきたいと思いますが、いかがか伺います。
 また、2018年10月から段階的に減額してきた生活保護費はさらに10月から、食費や光熱費など「生活扶助」の支給額について、予定通り減額を実施するとしています。
 生活扶助基準は最低生活水準で、国民生活の土台となるものです。厚労省は、国民の医療、年金など47もの施策に影響することを明らかにしています。コロナ禍で生活困窮する人が増えているのに「なぜ今減額するのか」と批判の声が上っています。10月からの生活保護減額は中止すべきと思いますが、市長の見解を伺います。
 質問の第2は、子どもの貧困についてです。
 国は児童扶養手当をうけている世帯を対象に、1世帯5万円の「ひとり親世帯臨時特別給付金」を実施しました。
 本市の基本給付となる「令和2年6月分の手当を受けている」支給対象者数は17,677世帯でした。そのうち「新型コロナウイルス感染症の影響を受けて収入が減少したと申し出があった方」には追加で1世帯5万円が給付され、9月1日時点で、7,619世帯から申請がありました。また、所得制限により児童扶養手当の対象から外れていた世帯も支援の対象としたところ、277世帯から申請がありました。
 7月にシングルマザー支援に取り組む『シングルマザー調査プロジェクトチーム』が行った「新型コロナウイルスの影響によるシングルマザーの就労・生活調査」の結果によると、アンケートに答えた母子家庭1,800人のうち、18.2%が食事回数を減らし、14.8%が1回の食事量を減らしていることがわかりました。
 ひとり親家庭では、母親がダブルワーク、トリプルワークで家計を支えていることが珍しくありません。そこにコロナ禍が直撃し、失業や休業を余儀なくされ、収入が落ち込み、困難が生じています。これらは子どもの貧困に直結しており事態は極めて深刻です。本市は『子どもの貧困対策計画』の改定時期に合わせ、「子どもの貧困実態調査」をするとしておりますが、改定時期を待つことなく、コロナ禍で深刻化する子どもの貧困実態を緊急的に調査する必要があると考えますが、いかがか伺います。
 また、収束が見えない中で、ひとり親給付金事業や学生支援給付などは、繰り返し給付するよう、国に求めるべきと思いますが、いかがか伺います。

 最後に、環境都市についてです。
 新型コロナウイルスは、人間社会の空前の発展・グローバル化により生態系を大きく変化させ、地球環境を破壊し、自然界と人類との接点が広がり、接近したことにより、ヒトに感染するようになったと言われています。新型コロナの問題が収束したとしても、新たな感染症が次々と生じる可能性が高いと専門家は指摘しており、長期的な視点からパンデミックが起こりにくい経済・社会が求められており、温暖化を食い止め、環境保護の施策を加速させなければなりません。
 質問の第1は、グリーンリカバリーについてです。
 国際エネルギー機関IEAは、新型コロナウイルスによるロックダウンなど経済活動が停滞したことにより、2020年の世界のエネルギー起源CO2排出量は2019年比マイナス8%と大幅に縮小する見込み、と公表しました。しかし、これは一時的なものであり、2021年には経済活動が復興しCO2が増える可能性が高いことから、グリーンリカバリーを提言しました。
 グリーンリカバリーは、コロナウイルス感染前と同様の社会や経済の回復ではなく、環境負荷低減を強め、パリ協定とSDGsに合致した、脱炭素で、災害や感染症に強靭な社会・経済に回復しようとする考え方であり、EUを先頭に先進国が積極的に取り組んでいます。
 日本でも、環境相が「CO2排出のリバウンドを繰り返すことはあってはならない」と力説し、グリーンリカバリーへの意見交換が始まっています。
 本市では現在、事業の継続と雇用の維持など経済活動を回復・支援する取り組みが進められているところですが、市民生活・経済活動を回復させるうえで、グリーンリカバリーという考え方を持つことが重要であると思いますが、どうお考えか、うかがいます。
 質問の第2は、本市の温暖化対策についてです。
 1点目は、温暖化対策推進計画のCO2削減目標についてです。
 本市は、2022年度までに、熱利用エネルギーを2010年度比15%削減し、電力で原子力発電分の50%を省エネ・再生可能エネルギー・分散電源に転換することを通じて、2030年に1990年比25%のCO2を削減する中期目標をもっています。
 東京大学先端科学技術研究センターの中村尚(なかむら ひさし)教授は、「この100年間に世界全体の平均海面水温は0.55℃以上上昇した。日本周辺の海域は1.14℃の上昇で、世界の2倍の速さで温暖化が進行している」と述べています。日本近海の水温が高くなったことにより、積乱雲が発達しやすくなっていることが、7月の九州から山形の広範囲、長期にわたる集中豪雨をもたらしたと考えられています。静岡県浜松市や埼玉県熊谷市(くまがや)で41.1℃という異常な高温をもたらしたことなど、繰り返される異常気象と地球温暖化とは、深く関連しています。
 本市は2011年に「温暖化対策推進ビジョン」を策定し、福島第一原発事故による国のエネルギー政策等の変化を受けて、2015年に「温暖化対策推進計画」に改定していますが、新型ウイルスがヒトに感染をもたらす要因や、こうした深刻な温暖化の進行を見るならば、その対策をいっそう強化させる必要があると考えます。
 そのため、本市のCO2削減のための計画を変更し、目標値の引き上げや、達成する時期を早めることを検討すべきと考えますが、ご見解をうかがいます。
 2点目は、再生可能エネルギーへの転換についてです。
 今年8月に、本市のエネルギービジョンと温暖化対策推進計画「進行管理報告書」の速報値が出されました。
 2018年度のエネルギー消費量は12万64TJ(テラジュール)で、前年度より3.8%減少し、温室効果ガスの排出量は、1,155万トンCO2で、前年度より4.8%の減少となっていますが、2030年に701万トンCO2に削減するには、これまで以上に取り組みを強化する必要があります。
 エネルギービジョンでは、原発による発電の50%を省エネ・再生可能エネルギー等に転換する、としており、とりわけ、CO2を排出しない再生可能エネルギーへの転換は急がれる課題です。対前年比では0.8億kwh(キロワットアワー)増えていますが、目標に対し、あと10億kwhの転換が必要です。
 エネルギー計画の中期目標の2022年まで2年を切りましたが、再生可能エネルギーへの転換を、どのように取り組んで達成されようとお考えか、うかがいます。
 3点目は、グリーンリカバリーで行う住宅の高断熱化推進についてです。
 本市は、積雪寒冷地であることと第3次産業中心の産業構造であることから、全国と比較して、家庭部門、業務部門、運輸部門のCO2排出量の割合が高いのが特徴です。とりわけ、家庭部門が36%を占めていることから、本市は、できるだけ暖房を利用しない住宅整備を推進しています。現在、住宅エコリフォーム、札幌版次世代住宅、市営住宅をモデルとした集合住宅の高断熱化の検証などにとりくまれていますが、さらに推進すべきと考えます。
 2016年の「札幌市分譲マンション管理実態調査報告書」によると、今後「老朽化問題」や「建て替え問題」等に直面する可能性のある築25年を経過した分譲マンションは7万戸を超え、今後も増加すると見込まれています。アパートなどの集合住宅も含め、大規模修繕を高断熱で行うことは、温暖化対策として有効です。
 修繕は地元の建設業者が行うことが多く、建設業は多くの業種が関わることから地域経済循環にも有効です。
 温暖化対策として、分譲マンション等集合住宅が行う大規模修繕の際に、高断熱・外断熱改修を新たにおこなう場合、グリーンリカバリーの考えで、修繕を行う事業者や管理組合などへの補助や支援事業をあらたに設けるなどの検討を始めるべきだと考えますが、いかがか伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で大きく6項目ご質問をいただきました。私からは大きな1項目目、私の政治姿勢について5点ご質問をいただきましたので、これについてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますのでよろしくお願いします。
 まず、私の政治姿勢についての1項目目、菅首相の政治姿勢に対する見解についてお答えを申し上げます。
 国や地方自治体の役割については、市民1人1人が自らの能力を発揮しながら自分らしく活動でき、互いに協力し合うために必要な支援をおこなうとともに、それでもなお困難を抱える人々をしっかりと支えていくことが重要であると考えております。
 特に、現在の新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況下におきましては、こうした役割が大切と認識をしており、引き続き国に対して必要な要請をおこないながら、市としてもしっかりと取り組んでまいる考えであります。
 また、消費税の今後の在り方につきましては、国政の場で様々な視点で十分に議論がおこなわれることが必要だと考えております。
 次に、政治姿勢の2項目目、核のごみ受け入れ問題についてお答えをいたします。
 北海道が平成12年(2000年)に定めた条例では、「私達は、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を、将来に引き継ぐ責務を有しており、こうした状況下では、特定放射性廃棄物の持ち込みは、慎重に対処すべきであり、受け入れがたいことを宣言する」と明記されているところでありまして、この北海道の条例について、札幌市をはじめ道内の自治体は、これを遵守する立場にあるものと認識をしております。
 また、札幌市は原発に依存しない社会の実現を目指して、省エネや再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいるところであります。
 次に政治姿勢の3項目目、SDGsの本市計画についてお答えをいたします。
 持続可能な社会の実現に向けましては、社会、経済、環境の3つの側面から、課題を一体的に解決していくSDGsの理念や目標に沿ったまちづくりをおこなうことが重要だと認識をしております。
 こうした視点を踏まえて策定をいたしました「アクションプラン2019」におきまして、貧困対策を含めた「子どもを健やかに育てるまちづくり」を重点プロジェクトの1つと位置づけているところであります。
 また、「子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合」を成果指標の1つに設定をし、SDGsのゴールである「貧困をなくそう」と関連付けて、子どもの貧困対策に着実に取り組む中で、持続可能なまちづくりを進めていく考えであります。
 次に、政治姿勢についての4項目目、2030年に焦点をあてたまちづくりの見直しについてお答えをいたします。
 1点目の2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致についてでありますが、IOC(国際オリンピック委員会)は、過大な開催経費や大会施設の後利用への懸念を受けて、既存施設の最大限の活用など、今後の大会の在り方について、従来から検討を進めているところでありまして、札幌市としてもこうした考えに沿って開催概要計画の見直しをおこなってきているところであります。
 加えて、東京2020大会の開催に向けましても、感染症対策や簡素化などの新たな検討がおこなわれており、これらの状況を踏まえながらIOCとも引き続き協議を進め、計画の更なる見直しをおこなう考えであります。
 市民意向調査をおこなうにあたりましては、今後、こうした見直しを前提とした上で計画の内容や開催経費などを改めて市民にお示しをし、丁寧に説明をしながら進めていきたいと考えているところであります。
 現在、IOCは、今後の大会のモデルともなる東京2020大会の成功を最優先事項としておりまして、札幌市としても大会の成功に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目の北海道新幹線延伸についてであります。
 北海道新幹線は、首都圏や東北・北関東圏との新たな文化・経済交流を促進し、道内経済の活性化に大きく寄与することが期待されるものでありまして、札幌まで延伸されてこそ、その効果が最大限に発揮されるものと考えております。
 札幌市といたしましては、引き続き国や北海道、鉄道・運輸機構などと連携をしつつ、着実に事業を進めてまいりたいと考えております。
 3点目の都心アクセス道路についてでありますが、都心アクセス道路は、札幌都心部と北海道全域がつながる広域的な交流・連携機能の確保により、物流・観光・医療の面で効果が期待されるものであります。
 これまでワークショップやオープンハウス、市民説明会などを通じて市民意見の把握や情報共有に努めてきたところでありまして、引き続き、国等の関係機関と連携をし、市民の理解を得ながら取り組んでまいりたいと考えております。
 4点目の今後のまちづくりについてでありますが、札幌市では、都心や郊外などのそれぞれの地域特性に合わせたまちづくりを進めているところでありますが、今後のまちづくりにおいて、新型コロナウイルスの影響というものは一定程度あるものと認識をしております。
 ウィズコロナ・アフターコロナの時代にあっても、市民が安心して暮らしていけるように、その影響も踏まえながら、引き続き地域特性に合わせた持続可能なまちづくりに取り組んでいく考えであります。
 次に政治姿勢の5項目目、ジェンダー平等についてお答えをいたします。
 1点目の2020年ジェンダー・ギャップ指数の評価についてでありますが、ジェンダー・ギャップ指数の順位が、下位に低迷していることにつきましては、我が国において、男女間の格差解消が進んでいないものと真摯に受け止めているところであります。
 2点目の女性活躍推進に向けた施策についてでありますが、あらゆる分野で女性が活躍するためには、それぞれの希望に応じた働き方が可能となる環境の整備が求められていると認識をしております。
 札幌市では、これまでもワーク・ライフ・バランスの促進や、保育サービスの拡充など男女がともに働きやすい環境づくりに取り組んできたところであります。
 また、市職員を対象とした「札幌市子育て・女性職員応援プラン」を策定し、これはすべての職員が仕事と家庭を両立し、活躍できるよう支援をするとともに、女性の管理職登用の拡充等を図っているところであります。
 今後も札幌市として、率先して女性活躍推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

町田副市長 答弁

 私からは大きな3項目目、医療と介護について。そして5項目目、貧困実態についてのご質問にお答え申し上げます。
 まず、3項目目の医療と介護についてのうちの1点目、医療提供体制についてのご質問でございますが、まず、感染症病床と専用病床についてでございますが、茨戸アカシアハイツの集団感染発生時には、日常生活における介護の必要度を考慮のうえ、施設療養か入院かを医師が判断していたものでございます。
 その当時における札幌市内の受け入れ可能病床数は、感染症病床とその他の病床を合わせて267床でありまして、いずれもほぼ満床の状態でありました。
 その後、様々な患者特性に応じた受入体制が重要であるという認識のもと、関係医療機関との協議によって受入病床を確保してきたところでございます。
 看護師につきましても、北海道と連携し確保に努めるとともに、札幌市としても離職中の看護師の復職支援をおこなう等の取り組みをおこなっているところでございます。
 次に、ICUなど集中治療をおこなう体制についてでございますが、ピーク時の重症者数を50名程度と想定し、新型コロナウイルス感染症重症患者は、治療機器や医療スタッフを整えた病床において対応することとして、最大でICUを含め52床を確保しており、不足は生じないものと認識するところでございます。
 集中治療を担う体制の充実に向けて、引き続き国や北海道と連携して努めてまいります。
 次2点目、地域医療の現状と支援についてのご質問でございますが、まずそのうち受診抑制の影響についてのご質問ですが、生活保護の令和2年4月の医療扶助を受けた方の割合は、対前年同月比マイナス0.9%、5月はマイナス1.7%となっております。
 国民健康保険の4月の1人当たり医療費は対前年同月比マイナス7.1%、5月はマイナス12.9%でございますが、6月以降は、ほぼ前年並みとなっているところでございます。
 市民の健康を維持していくためには、病状に応じて適切な受診行動へとつなげることが重要と認識しており、その周知をするとともに、医療機関で感染防止対策の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、医療機関の連携体制を維持する上での考え方と支援についてのご質問でございますが、札幌市は「さっぽろ医療計画2018」に基づき、市民の安心を支えるため、地域医療提供体制を整備してきたところでございます。
 感染拡大時におきましても、市民が安心して住み慣れた地域で医療を受けることができるよう、その体制を維持することが重要と認識するものでございます。今後も国や北海道と連携し、医療機関に対し、財政面も含めた様々な支援をおこなってまいりたいと考えるものでございます。
 次に3点目、介護現場への支援についてのご質問でございますが、報酬区分の特例措置には、介護サービス事業者における新型コロナウイルス感染拡大防止への対応を適切に評価する観点から、臨時的に導入されたものでございます。
 この特例措置により、新たな利用者負担増となることは認識しておりますが、これは全国的に共通した取り扱いでございます。
 一方で、算定要件が複雑であるなど、利用者、事業者双方にとってわかりにくいものとなっていることから、よりわかりやすい仕組みづくりについて国に働きかけてまいります。
 なお、新型コロナウイルス感染症対策にかかる、人件費や衛生用品購入費等の掛かり増し経費に対しては、北海道と札幌市が事業所に補助金を交付しているものでございます。
 次に4点目、PCR検査と季節性インフルエンザワクチンの接種についてのご質問でございますが、まず、検査拡大に向けた要員の確保と体制づくりについてでございますが、札幌市ではこれまで、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、相談窓口の開設やPCR検査センターの設置など、必要な方がより確実に検査につながるよう、検査体制を強化してきたところでございます。
 また、検査能力の拡大のため、医療機関や民間検査機関の協力も得ながら、体制の整備に努めているところであり、引き続き各機関への協力を求めているところでございます。
 今後は、これから懸念される新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行にも対応できるよう、更なる相談体制の強化や唾液による検査の拡充など、より検査を受けやすい体制づくりを構築してまいります。
 次に、医療従事者等へのインフルエンザワクチン接種費用の助成についてのご質問でございますが、インフルエンザワクチンにつきましては、重症化のリスクのある高齢者を対象とした定期接種を除き、任意で摂取するものでありますことから、職業に着目した助成はおこなっていないところでございます。
 新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に対しましては、医療体制や検査体制の強化に加え、ワクチン接種の勧奨など、包括的に取り組むことにより備えてまいりたいと考えるものでございます。
 次に大きな5項目目、貧困実態についてのご質問でございますが、そのうち1点目、生活困窮者への支援についてでございますが、まず、生活保護の申請についてのご質問でございますが、生活保護は、国が生活に困っている方に最低限度の生活を保障する制度であり、国民の誰もが申請することができるものでございます。
 札幌市では、ホームページで「国民の誰もが申請することができる」と周知しており、区保護課の相談窓口においても、そのように相談者に対し案内しているところでございます。
 今後も、生活に困っている方が申請をためらうことのないよう、周知を図ってまいります。
 2点目の10月からの生活保護費の減額についてのご質問でございますが、生活保護の決定に係る事務は、法定受託事務とされているところであり、生活保護基準やその適用時期は、国がその責任において定めるものであります。
 なお、生活保護基準は福祉や教育など様々な市の施策の基準として用いていますが、札幌市としては、改定前の基準を適用することなどにより、市民生活に極力影響を与えることのないよう、対応していきたいと考えております。
 次に2点目、子どもの貧困についてのご質問でございますが、子どもに関する各種相談の状況や、ひとり親世帯臨時特別給付金の申請状況などから、新型コロナウイルス感染症が、困難を抱える子どもや家庭の生活に大きな影響を及ぼしていると認識しているところでございます。
 令和3年度には、札幌市子どもの貧困対策計画の改定に向けて本格的な実態調査を実施する予定でございますが、それに先立ち、困難な状況にある子育て世帯の生活における新型コロナウイルス感染症の影響について、更なる状況把握をおこなうことを検討しているところでございます。
 引き続き、子育て世帯を取り巻く状況を踏まえ、必要な支援を検討していくとともに、その財政措置についても適宜、国に対して要望をおこなってまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

吉岡副市長 答弁

 私からは6項目目、環境都市についてお答えをいたします。
 1点目のグリーンリカバリーについてであります。
 市民生活や経済活動を回復させていく際に、同時に温室効果ガスも削減していくグリーンリカバリーの考え方は重要な考え方と認識しており、例えば、温室効果ガスや光熱費の削減、更には建設業の振興にもつながるゼロ・エネルギー建築物、いわゆるZEH・ZEBの普及促進など、経済対策と気候変動対策の両立を目指す取り組みを進めてまいります。
 2点目の札幌市の温暖化対策についてであります。
 まず、温暖化対策推進計画のCO2削減目標についてでありますが、現在、改定作業を進めている温暖化対策推進計画では、2030年に向けて、現行計画よりも高い削減目標を掲げ、取り組みを進めていく予定としております。
 次に、再生可能エネルギーへの転換についてであります。
 札幌市エネルギービジョンでは、2010年度における原子力発電相当分電力の50%を省エネ、再エネ、分散電源にエネルギー転換することを目指しており、再エネ導入の促進に引き続き取り組むとともに、更なる省エネと分散電源の普及を進めることによりまして、目標の達成を目指してまいります。
 次に、グリーンリカバリーでおこなう住宅の高断熱化推進についてであります。
 温暖化対策推進の観点から、集合住宅の改修の際に、高断熱化に取り組むことは有効と認識しており、現在おこなっている市営住宅をモデルとした高断熱化の検証結果や、民間の実施事例などを踏まえ、今後の施策の方向性について検討してまいります。
 私からは以上でございます。

石川副市長 答弁

 私からは大きな2項目目、雇用についてご答弁を申し上げます。
 まず1点目、本市の雇用形態の特徴とコロナ禍による影響についてであります。
 平成29年度就業構造基本調査によりますと、札幌市の非正規雇用者の割合は39.9%と全国に比べ1.7ポイント高くなっておりまして、不安定な雇用形態にある非正規雇用者の方々は、コロナ禍による経済活動の縮小により厳しい状況に置かれているものと認識をいたしております。
 そのため、札幌市では、事業者向けワンストップ相談窓口を設置いたしまして、雇用調整助成金等の申請支援をおこなっておりますほか、コロナ禍による解雇等の不安を抱えた労働者のため、労働相談窓口を増設するなど、雇用が維持されるよう力を入れてきたところでございます。
 2点目、雇用を守る制度の実態と雇用支援策についてであります。
 現在の札幌圏の有効求人倍率は0.84倍と1倍は割っておりますものの、直近3か月の減少は0.02ポイントに止まっておりまして、国の雇用調整助成金等の効果により、労働者の雇用は一定程度維持されているものと認識をいたしております。
 しかし、令和2年7月の新規求職者のうち事業主都合の離職者が2割を超えるなど雇用情勢への影響が見られますことから、今後も労働者の雇用が維持されますよう、休業支援金・給付金にかかる申請支援をおこないますほか、指定都市市長会などを通じまして、雇用調整助成金の制度の拡充等を引き続き国に対し要望してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

長谷川教育長 答弁

 私から、4項目目の学校の環境改善についてお答えをいたします。
 まず、学校の新しい生活様式を踏まえた衛生環境整備についてであります。
 教育委員会では、これまで感染症対策等に必要な予算を配分しており、各学校におきまして、その規模や立地条件に応じた対策に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、網戸やレバー式の水道蛇口の他、サーキュレーターやアクリル板の導入など様々な取り組みをおこなっており、今後もこうした事例を情報共有するなど、各学校における感染症対策がより効果的に進められるよう支援をしてまいりたいと考えております。
 次に2項目目の、少人数学級についての1点目、国の少人数学級の検討についてでございますが、少人数学級につきましては、感染症対策はもとより、児童生徒に対しまして、きめ細かな指導をおこなう上でも有効であると考えており、今後の国の動向に期待をしているところでございます。
 2点目の札幌市の少人数学級の拡充についてでございますが、これまでもお答えしておりますとおり、小学校3・4年生における少人数学級の実施について、引き続き検討を進めてまいります。
 私からは以上でございます。

田中議員 再質問

 私からは再質問として、3項目目の医療と介護の(4)のPCR検査とインフルエンザワクチンのことについて再質問をさせていただきます。
 再質問に入る前に1点、学校の少人数学級の導入について、長谷川教育長は、これまでも回答しているとおり3年生と4年生の拡大を検討している旨の答弁だったと思いますが、コロナ対応として、本市では6月の初めから2週間にわたって児童生徒を半分に分けて登校する分散登校をおこないました。こういう対応が、今まさに急がれている。これまでどおりの検討ということではなくて、コロナ禍の対応として、全学年への少人数学級の実現を検討していただきたいと、一言申し述べておきます。
 それでは再質問に入りますが、答弁の中で、この間、PCR検査等については体制の強化をし、また、民間の医療機関にも協力を求め、今後も相談窓口の体制強化をおこなっていくという答弁だったと思いますが、今回、札幌市は、補正予算の中で、1日あたり3,900件の検査をできるようにするということです。これは、検体の採取、検査機器、検査する人、それぞれの体制強化と合わせて、市民からの問い合わせに対応する帰国者接触者相談センターの人員の体制強化も11月までにおこなうということだと思いますが、現在の約7倍にふさわしい検査人員、あるいは相談窓口の人員の強化がされるということなのか、そこを具体的に伺います。

町田副市長 答弁

 PCR検査体制について、再質問いただきましたのでお答え申し上げます。
 1日あたりの検査可能目標数を3,900件としているところでございますが、これは新たに設置していこうとしている市内の発熱外来で、病院とか診療所、クリニック等で引き受けていただけるようこれから調整していくわけですが、この発熱外来のその場で、直接検体が採取され、円滑に検査に結びつけていくものという形を考えているところでございます。
 季節性インフルエンザなどにより、発熱者数の増加が懸念されるところでございますが、こうした方法も含めまして、検査が必要な方がもれなく検査できるような体制づくりに努めてまいります。
 以上でございます。

田中議員 再々質問

 発熱外来で、直接検体を採取するという答弁だと思います。
 再々質問ですが、検査を希望しても実際に受けられない、相談の電話をかけてもなかなかつながらないということが年度初めに結構ありましたし、今なお、電話をかけても検査は必要ないというように言われたとか、実際にはその後も何日にもわたって高熱が続いて、ずっと不安のなか生活をしていたという市民もいました。
 今回、相談あるいは検査の体制が強化され、1日3,900件の検査ができるようになったということは本当に大賛成ですが、このことを市民に広く周知することが必要だと思いますけども、どのように周知を図られるお考えなのか、伺います。

町田副市長 答弁

 この発熱外来のあり方について、どういうふうに市民の皆さんに、その仕組みをご理解いただくかというのはこれからの問題でございます。
 基本的には、いろいろ市民の皆様、かかりつけ医があると思いますが、予め電話をして相談してほしいということです。待合室で発熱者が密になるというようなことは避けなければいけませんので、かかる場合にも一般医療機関、かかりつけ医に対しても電話でまず相談するということが基本になるということを、広く市民の皆さんにもお話をしていかなければいけないと思います。
 それから、一般的な形での#7119で受けている電話相談センターでございますが、この拡充ということが非常に大きなことになってくると思いますので、しっかりと努めてまいりたいと考えております。
 以上です。