私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。
 まず、はじめに、この度の新型コロナウイルスの感染症によってお亡くなりになられた方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。また、この感染症に対し、最前線で献身的にたたかっておられる医療関係者のみなさんに敬意を表します。
 新型コロナウイルスの世界的感染大流行=パンデミックに対する懸命の対応が、地球規模で続けられています。感染は、五大陸全体に広がり、6月1日現在、感染者が616万人を超え、死者40万人に迫り、なお世界全体では勢いが衰えていません。また、各国で医療崩壊がおこり、感染対策のための経済・社会活動の大幅縮小などによって、人びとの暮らしと経済が深刻な事態に陥っています。
 ウイルスは、人類誕生よりはるか以前から、動植物の細胞の中で変異と増殖をくり返し生き続けてきました。そして、地球上に誕生した人類は、長い歴史を経て近代資本主義になり、空前の発展を遂げ、いまや世界の人口は77億人となり、大量生産・大量消費の経済活動と大陸や国境をまたぐ交通手段の発展、文化と人の交流・移動の拡大など、グローバルな世界を広げてきました。
 これらは、生態系を大きく変化させ、地球環境を破壊し、自然界と人類との接点を新たに広げ、人類が未知のウイルスに遭遇する一因となり、いま、ヒトに感染するウイルスは200種類以上、未発見のものは63万から82万種との研究報告もだされています。
 新型コロナウイルスの脅威は、人間社会が自然環境と密接に関係していることを改めて示すものであり、また、地球環境を破壊し続ける人類への警告でもあると考えます。
 現代社会が地球規模で体験する本格的なパンデミックに対し、感染拡大の防止策を進めることと合わせ、その経済活動や社会のあり方について、改めて見つめなおすことが求められていると考えるものです。

 はじめに、市長の政治姿勢について伺います。
 質問の第1は、コロナ危機が示した政治、社会の問題点についてです。
 今回のパンデミックに対して、多くの識者から「新自由主義の終焉」が唱えられ、社会のあり方を問い直す議論が広がっています。
 新自由主義とは、すべてを市場に任せればよいとして、「小さな政府」で医療・福祉、公共サービスの縮小や民営化を主張する経済学説で、1980年代から多くの先進国がその政策を採用してきました。これによって、グローバル経済が加速される一方、富の一極集中、非正規雇用の増大と「貧困と格差」の拡大などが各国で問題となっています。
 医療崩壊が起きたイタリアやスペインは、1990年代から医療費の公的支出が削減され、イタリアでは人口千人当たりの病床数が半減していました。わが国でも1980年代、中曽根内閣以降、この政策が押しすすめられ、医療や社会保障費の削減政策によって、日常的な医療のひっ迫状態を生みだし、診療報酬の削減で医療現場の疲弊は限界を超え、勤務医の長時間・過密労働は深刻な事態となっています。また、1994年に847カ所あった保健所は2019年には472カ所に激減し、いまやPCR検査もおぼつかない事態となり、病床削減によって陽性と判定されても入院できずに命を失うという痛ましい事態が相次いでいます。
 本市においても同様の事態が起きていますが、「感染が疑われてもPCR検査を受けられない」「重篤患者が出ても病院のベッドがない」「医療従事者は無防備で感染の危険にさらされながら患者を診なくてはならない」「休業要請に応じても減収を補うだけの補償もない」、このような事態がなぜ起きているのか、その解決のために、どのような政治の対応が求められているとお考えか、市長の認識と見解を伺います。
 質問の第2は、コロナ禍で危機に直面する中小企業の支援についてです。
 新型コロナウイルスの感染拡大と自粛要請によって、市内でも、いわゆる”コロナ倒産”が相次いでおり、すすきの観光協会は、感染拡大で、ススキノ地区にある飲食店の4月の売上高が前年同月比で約8割減少したとの調査結果を公表しました。
 自粛要請に応じて、休業あるいは営業時間を短縮した中小業者はもちろん、休業しない業者も、かつて経験したことのない売り上げの落ち込みに苦しみ、また、売り上げがゼロになっても家賃など固定費を支払わなければならず、多くの事業者が経営の危機に直面しています。
 今回、本市が提案している支援金は、休業要請に応じた事業者とそれ以外の事業者で持続化給付金の給付対象になったところにそれぞれ5万円、北海道と合せて10万円を支援するというものですが、あまりにも少なすぎます。休業等の様々な損失からみれば「ほど遠い金額」だと、市長も記者会見で認めているほどです。
 存続の危機にある中小業者を救うことは、本市の経済と雇用を守ることそのものといっても過言ではありません。今回の支援金にかかる予算はわずか13億3,700万円であり、この未曽有の危機を乗り切るために、支援金を抜本的に引き上げるべきだと考えますがいかがか市長の見解を伺います。
 また、政府の「持続化給付金」は、売り上げが50%減少など条件が厳しすぎます。申請条件を売上が20%減少に緩和すること、また、記載書類の簡素化やネット申請だけでなく、郵送での申請も可能となるよう国に求めるべきだと考えますがいかがか、伺います。
 現在の中小事業者が直面している危機的事態は、感染拡大による売り上げの落ち込みにあることはいうまでもありませんが、同時に、昨年10月の消費税の10%への引き上げが経営を疲弊させ、体力を奪ってきたという問題があります。
 この点で、消費税の5%減税は、すべての消費者に喜ばれ、価格に転嫁することができない中小・零細業者を支えるものとなり、落ち込んだ内需を喚起し、本市経済を活性化するうえでも極めて有効な施策だと考えますがいかがか市長の見解を伺います。
 質問の第3は、観光振興の考え方と対策についてです。
 1点目は、今後の観光政策についてです。
 国の観光振興における成長戦略の中心は、訪日外国人客いわゆるインバウンドを大幅に増やす目標の達成を優先させ、受入れする施設整備を迫るというものです。
 これが全国的にインバウンドをはじめ、観光客を急激に増加させる契機となりました。観光地によっては交通の混乱と渋滞、人気スポットの大混雑を引き起こし、違法な民泊施設の増加によるトラブルも多発しました。これらは観光客の不満だけでなく、地元住民とのあつれきを生み出すことにもなったのです。
 こうしたもと、長距離・大量移動による観光客の集中が新型コロナウイルス感染症の拡大に拍車をかけ、国の成長戦略の課題を浮き彫りにしました。
 そこで、今後の観光振興を図る上では、地域の観光資源を生かすとともに、住民が誇りと愛着を持てる持続可能な観光まちづくりの推進が観光政策の重要な柱であると考えますが、市長のご見解を伺います。また、世界的な感染症の拡大は、今後いつでも起こり得るという前提にたった観光政策の再構築が必要です。仮に感染が終息しても、直ぐにインバウンドを呼び込むことは難しいことから、インバウンド一辺倒ではなく、まずは足腰の強い観光業のあり方を検討すべきと思いますが、いかがか。そのためには富裕層向けホテルの誘致に向けた施設整備などは、中止の決断をすべきですが、いかがか伺います。
 2点目は、観光振興計画の見直しについてです。
 2018年度の来札観光客数は過去最多の1,585万人、総観光消費額は5,780億円に達しました。しかし、世界中で外出の自粛に伴い人の動きが止まり、観光産業への中長期的な影響は避けられない状況です。
 アクションプランでは、2022年度の来札観光客数は1,800万人、総観光消費額は7,000億円を目標値に掲げていますが、現時点において、市長はこの目標値をどの程度見直す必要があるとお考えなのか。また、地元と道内、国内からの観光客数の増加を更に図るなど、中長期的な視点での観光振興計画の見直しが急務ですが、どのように計画を見直すおつもりなのか伺います。
 3点目は、関連事業者と雇用の維持についてです。
 観光産業は、宿泊業や飲食店にとどまらず、多種多様な地元の事業者と、そこで働く人によって支えられています。しかし、その多くの事業者は「最悪の事態で先行きが見通せない」など、廃業の危機にさらされています。
 まずは、感染を終息させることが重要であることは言うまでもありませんが、同時に、地元の関連事業者の経営と雇用を徹底して守り抜くため、本市独自の支援策の強化が求められると思いますが、市長の決意をお示しください。
 質問の第4は、公共事業計画の見直しについてです。
 観光産業は、市内経済を支える大きな柱の一つですが、一定期間の大幅な減収は否めません。市民の暮らしと中小業者の営業も日々深刻さを増しており、必要な支援には財源が不可欠です。また、今年に入り震度4以上の地震が続くとともに、台風や豪雨などの風水害が多発する季節をコロナ禍で迎えることから、感染防止対策と一体的な避難所の整備をはじめ、いっそう命を守る減災・防災対策の充実も急がれています。
 市長は、北海道新幹線の札幌延伸に合わせ、冬季五輪の札幌招致、札幌駅周辺や都心部の再開発を推進し、これとあわせて都心アクセス道路を建設しようとしていますが、そのお考えは、今現在も変わらないのか伺います。今回、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、未曾有の経済的危機を迎えるとも言われ、市の財政はますます圧迫されることになります。本市の公共事業計画を総点検し、老朽化したインフラ整備・福祉・子育て教育・防災など、市民の暮らしを支える生活密着型の公共事業に急いで見直すべきだと思いますが、いかがか伺います。特に、1,000億円もかかるアクセス道路の建設は中止し、費用負担の少ない交差点改良に変更する旨を国に申し入れるべきだと思いますが、そのようなお考えはないのか伺います。

 次に子どもの育ちを保障する施策についてです。
 質問の第1は、現状をふまえた学校教育活動についてです。
 本市は、少子化で児童・生徒が減少するなか、クラス替えや集団の中で切磋琢磨できる学校規模が必要だとして小中学校の統廃合をすすめています。
 わが党は、統廃合に反対する陳情が出されるなか、市が定める「適正規模」に満たない学校はすべて統廃合の対象にするという画一的で一方的なやり方は極めて問題とただしてきました。基幹避難所でもある学校は、地域コミュニティの重要な核であり、何より、子どもたちにわかる授業をすすめるためには教員の目が行き届く、少人数学級や小規模校への転換が求められており、本市も「児童・生徒に細かな指導を行う上で有効」と少人数学級の必要性を認めています。
 文科省は、新型コロナウイルスとのたたかいは長期間にわたるとのべるとともに、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」で、学校での身体的距離を地域の感染状況に応じて1~2m確保すべきとしました。
 この点で、子どもたちへのゆきとどいた教育と、とりわけ、感染症から子どもを守るうえで、多数の児童・生徒の密集・密接が避けがたい40人学級や大規模校は問題があると考えます。「学校規模適正化」計画にもとづく統廃合は、いったん立ち止まって見直す必要があると考えますがいかがか伺います。
 また、学校での3密を避けるために分散登校が行われていますが、今回の事態を機に、学級規模の考え方についても見直しが必要になっていると考えますがいかがか伺います。
 質問の第2は貧困のさらなる広がりへの認識と施策についてです。
 2017年「札幌市子どもの貧困対策計画」策定に係る実態調査では、30%の世帯で生活が大変、お金がなくて受診させられなかった。食料を買えなかったと答えています。
 この調査ではいつ貧困に陥るかわからない世帯が貧困層以上にいることが見て取れるものでした。貧困の改善は見られないまま今に至っています。
 貧困率が50%を超えている母子家庭では、もともとぎりぎりの状態のところに、減収となり生活が成り立たなくなる事態がすすみ、休校が続くもとでは子どもに必要な栄養がとれないなど、緊急事態宣言のもとで、子どもの命と育ち、学びの権利が危ぶまれています。
 北大生協はじめ全国大学生協協同組合連合会が4月20日から、「緊急!大学生・院生アンケート」に取り組みました。わずか10日間で35,542人の学生が協力し、35%が家族の収入が「減少した」、アルバイトをしている学生21,000人の7割の収入が「減少」した、将来や進路に対して82%が不安を「とても感じる」「感じる」と答えています。1,600人を超える学生からは、自由記載欄には「入学したことを後悔している。両親も自分も収入が減ったのに学費が家計を圧迫している」などの深刻な声が寄せられています。
 経済的に脆弱な状況に置かれた子どもたちが、コロナ禍のもと、格差と貧困がさらに広がり窮地に追い込まれていることについて、市長はどう認識しているか伺います。児童扶養手当の上乗せや給付型奨学金制度の対象拡大、増額など、大至急手立てが必要だと思いますが、いかがお考えか伺います。
 質問の第3は、保育所・学童保育所等、職員への特別手当等の支給についてです。
 本市は、今年2月27日、各園の保護者に対し、家庭保育等の協力をお願いし、同時に、「保育が必要な方におかれましては引き続き各施設で保育を行います」との通知を出しました。
 また、放課後を預かる児童会館・学童保育でも、2月28日、「全校休校が長期間に及ぶことに伴い、共働き家庭など留守家庭となる児童への影響を考慮し、児童会館・ミニ児童会館では3月7日から児童クラブのみ実施する」との通知を出し、民間児童育成会に対し対応をお願いしました。
 保育所・学童保育所は、子どもたちの日常生活の場であり、保育においては、子どもたちと保育士・指導員との密接な関係を基本とすることから、「密」は避けられません。
 乳幼児は特に、周囲のものを舐めたりかじったりすることで感覚を豊かにしていく時期であり、おんぶや抱っこなしに保育はできません。子ども同士離れて遊ぶよう求めることもできません。そうした中で、自分が無症状感染者で感染源になるかもしれないという不安と、子どもの命を最優先にすることの間で、常に緊張しながら働き、「保育を必要とする子どもたちを預かる」という使命感で保育にあたっています。
 崩壊寸前の医療現場の医療従事者を支えることも、ライフラインを確保することも、保育所・学童保育所が子どもを預かってこそ成り立っていると考えますが、本市はどのような認識か、うかがいます。市内の小中学校が全校休校になる中で、休むことが不可能な働く親を支えている保育士・指導員は、常に感染リスクを背負いながら働いていることから、相応の特別手当・危険業務手当等の支給をすべきだと考えますが、いかがか、伺います。
 また、児童養護施設で働く保育士も、保育所保育士と同様に、「人材確保一時金」を給付すべきですが、どう対処されるのか伺います。
 質問の第4は、施設整備についてです。
 政府が「待機児童をゼロにする」として、すすめてきた公的保育制度を崩す規制緩和により、さまざまな保育サービスの導入や営利企業の参入が拡大され、本市にも園庭やホールもなく、JR高架下やビルの1室につくられる保育施設が急増しました。広い保育室と大きな園庭がある保育所では、子どもたちがのびのびと太陽を浴びながら園庭で遊ぶことができ、昼寝も、布団の間隔を広く確保できるなど、厚労省の「保育所における新型コロナウイルスへの対応について」を実践することができます。保育施設整備のあり方は「新しい生活様式」に照らし合わせても、園庭があり、子どもたち一人ひとりが十分なスペースを保てる設置基準への見直しをすべきであると考えますが、いかがか伺います。
 質問の第5は、特別定額給付金の給付についてです。
 この給付金は、国の基準で4月28日以降に生まれた新生児は対象外となっているため、独自予算をつけて給付を拡大する市町村が広がっています。同じ学年の子どもたちに格差があってはならないと、習志野市や久慈市、大府(おおぶ)市などでは来年4月1日までに生まれた子どもを対象にしています。本市においても、同程度の給付となる独自の制度を作るべきだと考えますが、いかがか伺います。

 次に、医療施設・介護事業所への支援についてです。
 質問の第1は、医療崩壊と地域医療構想による道内の病床削減についてです。
 昨年9月に、厚生労働省は、「地域医療構想」について、道内54病院、全国424の公立・公的病院の名前を挙げて、「再編統合について特に議論が必要」として、都道府県に対して今年9月までに対応策をとるよう求めました。2025年までに全国の高度急性期病床と急性期病床を合わせて20万床を削減させる構想となっています。
 このたびの新型コロナウイルス感染拡大で、本市は道内の中心都市として患者を受け入れ、医療崩壊寸前の緊急対応に追われ、医療現場は大変な苦労をされています。
 国は、感染症の拡大により病床確保を求める一方で、病床を削減する「地域医療構想」を、この期(ご)に及んでもなお推進する考えを変えようとしません。
 病床削減を進めれば、今回の感染症拡大のような緊急時に対応できないことは明らかだと思います。広域な北海道の中心都市として病院機能・病床確保が求められていますが、市長は「地域医療構想」の推進をどのようにお考えか、伺います。国に対し、再考を求めることが肝要だと思いますが、いかがか、伺います。
 質問の第2は、介護が必要な高齢者の入院先確保の問題についてです。
 北区にある介護老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」で集団感染が起こりました。4月26日に、施設からの相談によって本市は状況を把握しましたが、陽性患者の方が病院に搬送されたのは5月10日過ぎ、と報じられています。
 介護老人保健施設は、医療と介護の両方を必要とする方が入所しています。病院は手厚い医療が行える一方で、介護を手厚くすることが難しく、ある程度介護が手厚くできるのは療養型の病院となっています。しかし、国は、2006年の「医療改革法」により、医療型療養病床の大幅削減と介護型療養病床の全廃を決めました。度重なる診療報酬のマイナス改定で、長期入院を要する患者を受け入れにくくし、後期高齢者医療に加入する患者の医療費負担を増やすなど、病院施設から在宅へ、の流れを加速させ「介護難民」という言葉も生まれるほどになりました。
 札幌市内では、2004年に1万床以上あった療養病床が、2016年には7,600床と減少し、その利用率は90.6%、平均在院日数247.1日と、他の病床よりも多く、長く利用されている実態が明らかです。また、市立札幌病院に感染症病床はありますが、療養病床はありません。
 医療と介護の両方を必要とする方々が、クラスターが発生してもなお入院できる病床が確保できない現在の医療・介護のしくみについて、本市のお考えを伺います。
 質問の第3は、医療機関、介護・福祉施設でのPCR検査の実施についてです。
 医療や介護、保育所・障がい者などの施設は、人と人とが密接にかかわらざるを得ない場所であり、感染を未然に防ぐ必要性が極めて高い施設です。本市が直接出向いて、働く職員や、患者、利用者へのPCR検査を行い、施設内での集団感染を未然に防ぐ手立てが必要だと考えますが、どのような対処方針をお持ちか、伺います。
 質問の第4は、介護・福祉施設への支援についてです。
 感染を避けるため、介護・福祉等の利用者が利用を控えており、サービスを提供する事業所・福祉施設の収益減少が深刻になっています。
 5月15日、全国介護事業者連盟が1,862事業所に行った、「緊急調査」第二次分の集計結果を発表しました。中でも、通所介護事業所では90.8%、ショートステイでは76%が、「影響を受けている」と答えており、2月と4月の比較では、「10%から20%の減収」と答えた事業所が、通所介護で38%、訪問介護で40%となっています。
 新型コロナウイルス感染拡大により減収となった介護事業所・福祉施設への補助や助成、また、職員への手当てや感染疑い等による休業補償など、支援が求められていると考えますが、どのように対処されるお考えか伺います。

 次は、国民健康保険についてです。
 わが党は、国民健康保険料の滞納を理由とした資格証明書と短期保険証の発行は、市民の受療権の侵害につながるため、やめるべきであると再三申し上げてきました。とりわけ資格証明書は、病院窓口での医療費の支払いが10割、全額負担しなければならず、事実上、市民を無保険状態に追いやるもので問題です。まさにお金が無ければ医療にかかれない制裁措置そのものです。
 質問の第1は、資格証明書世帯への保険証の交付についてです。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により、検査・治療が必要な患者を受入れることができる医療供給体制の確保と、誰もが病院にかかりやすい仕組みをつくり、受診抑制の解消を図ることが対策の要であることが明らかになりました。
 そのため各自治体では、病院の空床確保に係る補助と患者の受入れや体制整備への支援強化など医療供給体制の確保に取り組んでいます。また、横浜市など、すでに資格証明書の発行をやめたところもありますが、たとえ発行している自治体であっても、熊本市や名古屋市、道内では北見市など、自治体独自の判断に基づき、資格証明書世帯に対し、短期保険証を送付するなど、受診抑制の解消に努力しています。
 本市は、新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、短期保険証に関しては、区役所に留め置かず、加入世帯に郵送する方針転換をしたものの、資格証明書については「帰国者・接触者外来の受診時、もしくは軽症者等の宿泊療養及び自宅療養期間中の受診においてのみ保険者証とみなす」と限定していることは受診抑制の解消には不十分です。
 今の事態を特別の事情と捉え、資格証明書世帯に対し、速やかに保険証を交付することこそ、市民の不安に寄り添うとともに、次の感染拡大に備えることになると考えますが、いかがか伺います。また、この機会に資格証明書の発行をやめる決断をすべきですが、いかがか伺います。
 質問の第2は、傷病手当金についてです。
 傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた仕組みで、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬を受けられない場合に支給される制度です。
 もちろん新型コロナウイルスに感染した場合等でも制度を利用できるため、被保険者は安心して仕事を休み、報酬に代わる給付金を受け取れます。
 この制度があることで、感染拡大の防止効果も期待できるわけですが、国民健康保険には、そもそも傷病手当金制度そのものが存在せず、加入者は仕事を休んでも生活の保障はありませんでした。
 そのため国は、新型コロナウイルス感染症の防止を図る目的で、国保の加入者にも傷病手当金を支給できるように各自治体への財政支援を開始しましたが、支給対象者は被用者いわゆる雇われている人に限定されているため、例えば、理美容業を営み、夫が国保の被保険者の場合、傷病手当金は被用者の妻には支給されますが、夫には支給されません。
 国保の加入者は、飲食店・フィットネスクラブのインストラクター・通訳など、コロナ禍での影響を強く受けている個人事業主、一人親方が多いことも特徴の一つです。個人事業主は、営業の自粛や収益の減少に伴う支援策を活用してもなお困難な状況にさらされています。
 傷病手当金は、本市独自に被用者以外の加入者にも支給できるようにすべきだと思いますが、いかがか伺います。

 次に、住まいの支援と市営住宅についてです。
 2018年度、市内にある公的賃貸住宅全体は3万8,820戸で、市営住宅はその7割を占めますが、本市は、借り上げ市住を返還するなど、総戸数を抑制する方向です。昨年度、532戸の定期募集に対し、1万930件の応募があり、中には倍率が200から300倍になる物件もありました。
 低所得者や高齢者等、公的住宅を必要としても入居できない市民が多いことは問題であり、市営住宅の拡充で住まいの福祉を保障すべきです。同時に、応募倍率が依然として高く、低所得高齢者が今後も増える見通しの中で、住まいを提供することは急がれる課題です。
 質問の第1は、住まいの支援についてです。
 1点目は家賃補助についてです。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、雇用が維持されない、賃金が大幅に低くなる、などの懸念が広がっており、今後、低廉な家賃を必要とする市民が、「住宅マスタープラン」を策定した当初よりも増えていくことが予想されます。先進諸外国では、公的住宅の入居者以外にも家賃補助を行うしくみがあり、本市でもこうしたしくみが必要だと考えます。
 低廉な家賃で入居できる住まいを必要とする市民に対し、市営住宅と同等の家賃で入居できる、家賃補助等の支援が求められていると考えますが、いかがか伺います。
 2点目は、住宅セーフティネットについてです。
 低所得者や障がい者など、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として、民間の賃貸住宅を登録するこの制度は、現在、市内に17棟51戸しかありません。「建物出入り口から住戸出入口まで段差なし」というバリアフリーを検索条件に付けると、該当する物件は、市内にはまったくない状況です。
 2017年にスタートしたこの制度が広がっていない現状についての認識と、その理由をどうお考えか、伺います。
 質問の第2は、市営住宅の入居の課題についてです。
 国は2017年に民法を改正し、住宅の賃貸借契約に関連するものとして、連帯保証人や修繕等のルールを明確に規定しました。それにより、国土交通省が自治体にさまざまな通知を出しており、本市の対応が求められています。
 1点目は、連帯保証人についてです。
 2018年の国の調査によると、366自治体で、連帯保証人がいないため公営住宅に入居できないということがおこっています。国土交通省は、各自治体に対し、身寄りのない単身高齢者等が増加していることを踏まえ、民法改正によりさらに保証人の確保が困難になることを懸念し、公営住宅入居に際し、連帯保証人要件を前提にすることから転換すべきとして、特段の配慮を求めています。それを受け、UR住宅、また13都道府県12政令市がこの要件をなくしています。
 今後、入居を希望しても連帯保証人の確保が困難な高齢者などが、本市でも増加すると思われます。
 本市は、連帯保証人について条例で免除を認め、一定の配慮をしています。しかし、確保できず入居の申し込みをあきらめることのないよう、国の通知にもとづき、条例から連帯保証人の要件をなくすことが妥当であると考えますがいかがか、伺います。
 2点目は、修繕費の負担についてです。
 国土交通省は、2017年の民法改正による留意点として、修繕と原状回復義務の改正について言及し、賃借人による修繕や一部滅失等の規定整備を踏まえ、適正に修繕を実施するなどの通知を自治体に出しました。
 UR都市機構では、これを受けて、入居者負担であった81の項目の約8割を都市機構の負担とし、各自治体でも見直しが進んでいます。
 本市では、例えば、畳やふすまの取り換えも、いまだ見直しがなされず、入居者負担のままとなっています。修繕を業者に依頼すれば、部品代と合わせて出張料なども支払わなければならず、低所得者である入居者にとって大きな負担となります。
 国の通知に基づき、市営住宅における自然劣化による修繕について、負担ルールの見直しを進めるべきだと考えますが、どうご検討されるのか、伺います。

 最後に、手稲区における交通課題についてです。
 質問の第1は高台シャトルバスについてです。
 現在、山側地域の一部で2000年から高台シャトルバスが運行されています。
 JRバスの資料によりますと「バス停から坂道を上り下りしなければならない不便があったため、バス路線開設を求める強い住民要望があり、道幅が狭く、従来の車両では運行できない制約があったが、強い要望に応えるべく関係者と情報交換を行った結果、札幌市内では当初殆どみられなかった車いす対応のリフト付き小型車を導入した」とあり、「坂道を下りずにバスを利用できることから反響が大きく、買い物・通院等で年間約4万人の利用があった」と報告されています。
 私は、地域での共同の取り組みをさらに支援し、将来的には、富丘以外の高台地域へとコースを広げる事が出来れば、山側の地域で車を手放しても住み続けられることに繋がり、地元商店街の活性化にもつながると考えますが、市長は、住民とバス事業者と行政が協議を重ね、地域の実情に合ったバスを走らせた共同の取り組みをどのように評価されるのか、伺います、また、運行地域を広げる等検討が必要かと思いますが、市長の見解を伺います。
 質問の第2は、手稲区山側地域の交通の利便性についてです。
 手稲区の国道5号線を小樽方向に向かう山側高台地域には、大型スーパーの撤退により、坂道を下り2キロ以上移動しなければ買い物もできなくなっている地域があります。通院の度にタクシー代が、2,000円以上もかかる方も暮らしています。
 この地域は、坂道が多く、道幅が狭いため、大型バスの乗入れが困難で富丘高台線と手稲鉱山の2路線が一部の地域で運行していますが、1時間に1本、土日は運休という交通の便が悪く、自家用車とタクシーが交通手段の中心で、車を手放しても住み続けられるよう交通の利便性を高める支援が必要です。
 手稲区山側の地域では、坂道が多い地域では、買い物や、通院など日常生活そのものに坂の上り下りという制約がありますから、交通の支援が不可欠です。今後ますます地域の高齢化も進む中、坂道の多い地域で暮らす市民の困難に対して、どう具体的に支援されるのか市長のお考えを伺います。
 札幌市交通計画では、今後の郊外住宅地の交通の方向性として「超高齢化社会の更なる進展を見据え、これまでの枠組みにはない交通手段を新たに検討」と書かれています。全国でも山間部をはじめ、坂道の多い地域における乗り合いタクシーや、デマンドタクシー、コミニュティバスなど新たな交通手段の取り組みが開始されています。高台地域の交通の認識と合わせて、本市として今後どのような新たな交通手段を検討されているのか、市長のお考えを伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で6項目ご質問をいただきました。私からは1項目目の私の政治姿勢についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の町田副市長、吉岡副市長、教育長からお答えをさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 1項目目、私の政治姿勢についてお答えをいたします。
 まず1点目、コロナ危機が示した政治、社会の問題点についてでありますが、この新型コロナウイルスについては、症状や人に感染させる期間など、その特性において不明な部分が多く、また、有効な治療法やワクチンが存在しないという状況下で、感染が急激に拡大したため、医療機関等に大きな負担が生じるなど、国民生活に大きな影響があったものと認識をしております。
 これに対し、わが国では、医療崩壊などを防ぐため、国民や企業に外出自粛、休業要請など、人と人との接触を減らす行動変容を促すことで、急速な感染拡大を抑えることとし、現在のところ、国内の感染状況はいったん落ち着きつつあるものと認識をしております。
 今後につきましては、早急にワクチンや治療薬の開発を目指すことはもとより、再度の感染拡大に備え、検査体制の拡充や医療提供体制の整備、経営雇用の維持、経済の立て直しなどに取り組んでいく必要があるものと考えております。
 次に2項目目、コロナ禍で危機に直面する中小企業の支援についてであります。
 1点目の経営持続化臨時特別支援金の引上げについてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい経済状況のもと、市内経済の基盤をなす中小企業に対する支援は大変重要と考えているところでありまして、これまで市独自の融資制度の創設・拡充や、協力金のほか、国などの各種支援制度が活用できるよう、ワンストップ経営相談窓口を設置することや、そこでの専門家による助言など、様々な支援を実施してきたところであります。
 さらなる支援として、経営持続化臨時特別支援金を今回の補正予算に盛り込んだところでありますが、この支援金につきましては感染拡大防止に取り組む企業の事業継続に係る支援を主旨としており、休業補償につきましては、国の責任のもとおこなわれるべきものと考えております。
 2点目の持続化給付金にかかる国への要望についてでありますが、国が企業の事業継続を下支えするため支給する持続化給付金について、その給付要件や手続きの簡素化などに関して、全国知事会や指定都市市長会などを通じて、国に対して要望をしてきたところであります。
 3点目の消費税の5%減税への認識についてでありますが、消費税率10%への引き上げは、国及び地方を通じた社会保障の充実・安定化に充てる財源の確保を目的とし、様々な視点で議論がなされ、国政の場において決定されたものであり、消費税の5%減税についても国政の場において議論されるべきものと認識をしております。
 次に3項目目、観光振興の考え方と方策についてであります。
 まず1点目の今後の観光政策についてでありますが、札幌市では、「観光まちづくりプラン」に基づき、これまでも、市民の暮らしに根差した地域資源を磨き上げることなどで、豊かなまちづくりと観光振興の一体的な推進に取り組んできたところであります。
 社会経済環境の変化の中にあっても、観光関連産業が持続的に成長するためには、国内外の幅広いターゲットを対象とした誘客を図るとともに、多様なニーズに対応した受入環境の充実に、引き続き取り組む必要があるものと考えております。
 2点目の観光振興計画の見直しについてでありますが、国の基本的対処方針等に基づき、今後、段階的に人の移動の自粛が緩和されていくことになりますが、現行では緩和後の観光市場の動向などの見通しを立たることが困難でありますことから、目標数値や計画の内容を現時点で見直すことは難しいものと考えております。
 いずれにいたしましても、観光は札幌経済において重要な産業でありますことから、道内はもとより、国内外の収束状況や人の移動の状況を注視しながら、必要な検討をしてまいります。
 3点目の関連事業者の経営と雇用の維持についてでありますが、新型コロナウイルス感染症により影響を受けている観光分野を含む市内事業者の緊急支援のため、札幌市では、融資制度の拡充やワンストップ相談窓口の開設等に取り組んできたところであります。
 北海道からは、今月1日からの外出の自粛等の段階的緩和が示されたところでありますが、今後も、地元の観光関連事業者の事業の継続と雇用の維持を図るため、これまでのこうした支援策に加え、感染状況のフェーズに応じた支援策を、国や北海道とも連携をしながら講じてまいりたいと考えております。
 次に4項目目、公共事業計画の見直しについてであります。
 再開発を始めとする都心部のまちづくりや都心アクセス道路の整備は、都市の魅力と活力を高め、市内経済の活性化を図るものであり、今後、市内経済の回復を期していく上でも必要であり、引き続き取り組んでいくことが重要であると認識をしております。
 新型コロナウイルス感染症による市民生活への影響に柔軟に対応しながら、感染状況や社会経済情勢の変化を踏まえて、市民の多様な暮らしを支える、持続可能なまちづくりを引き続き進めてまいります。
 私からは以上です。

町田副市長 答弁

 私からは、大きな2項目目の子どもの育ちを保障する施策についての、2点目3点目4点目5点目のご質問、そして大きな3項目目、医療施設・介護事業所への支援について、そして4項目目の国民健康保険についてのご質問にお答えいたします。
 まず2項目目の子どもの育ちを保障する施策についてについての2点目、貧困のさらなる広がりへの認識と施策についてのご質問でございますが、1人親家庭や経済的に苦しい家庭を始めとして、子育て中の世帯におきましては、子育て負担の増加や収入の減少など、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けており、子ども達にも大きな困難が生じているものと認識しております。
 特に経済的にも大きな影響を受けている児童扶養手当受給世帯等への支援として、一世帯あたり5万円、子ども2人目以降3万円ずつ加算し、さらに収入が減少した世帯には5万円を加算する給付金を支給いたします。
 この件に関しましては、国の補正予算成立を待つことなく、本議会に補正予算を追加提案させていただく予定でありまして、速やかに支給できるよう、スピード感をもって準備を進めているところでございます。
 次に3点目、保育所・学童保育所等、職員への特別手当等の支給についてでございますが、保育所や放課後児童クラブによる保育の提供は、医療や社会的機能の維持に必要な事業に従事する方の就業にとって、非常に重要な役割を果たしているものと認識しております。
 放課後児童クラブや保育所に対しましては、感染拡大防止の観点から、「在宅での保育を促す取り組み」や「マスクや消毒液等の購入」に要する経費等について支援をおこなっているところでございます。
 次に職員への給与処遇の改善については、各自治体それぞれがおこなうものではなく、国の責任において、全国一律におこなうべきものと考えており、今後も引き続き、国に要望してまいりたいと考えております。
 また、一時金給付事業は、保育所等の待機児童対策のための保育士確保を目的とした制度でありまして、児童養護施設の職員の確保に向けた支援のあり方については、各施設の実態や他自治体の取り組み等も踏まえて検討してまいりたいと考えております。
 4点目、施設整備についてのご質問でございますが、保育所の園庭につきましては、日常的に使用でき、安全に移動できる位置にある場合のみ、公園で代替することを認めており、また、乳児室の面積等についても、国を上回る基準を設定する等、保育の質は確保できているものと認識しております。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止につきましては、今後も厚生労働省が示している「保育所における感染症対策ガイドライン」等の指針に沿って、取り組みを継続してまいりたいと考えているところでございます。
 次に5点目、特別定額給付金の給付についてのご質問でございますが、特別定額給付金は、緊急事態宣言下の家計への支援として国民1人につき10万円を給付するもので、国の制度上は4月27日までに生まれた方を対象としているところでございますが、緊急事態宣言が5月25日までに継続したことを踏まえ、4月28日から5月25日までの期間中に生まれた方についても、札幌市独自の支援として、10万円の支援金を給付する事業をおこなうべく準備をしているところでございます。
 これに係る経費については、本議会に補正予算を追加提案させていただく予定でございます。
 次に大きな3点目、医療施設・介護事業所への支援についてのご質問ですが、そのうち1点目、医療崩壊と地域医療構想による道内の病床削減についてについてのご質問でございますが、地域医療構想は、医療法に基づく一般病床及び療養病床を対象として、今後の人口構造の変化やそれに伴う医療のあり方の変化に対応した医療提供体制の構築を目的とした構想でございます。
 北海道におきましては北海道地域医療構想を策定しており、その中で札幌圏を含めた各二次医療圏で、過不足のない医療提供体制を構築することとされております。
 今後、地域医療構想に加え、感染症への適切な対応をも含めた医療提供体制について、今回の対応を通じて得られた知見も活かしながら、国や北海道とも協議のうえ、引き続き構築を進めてまいりたいと考えております。
 次に2点目の介護が必要な高齢者の入院先確保の問題についてでございますが、医療と介護の両方を必要とされる方については、症状や状態に応じて、必要な医療や介護サービスが提供される受け入れ先の確保に努めてきたところでございます。
 今後も引き続き、医療と介護の提供体制のさらなる強化を図ってまいりたいと考えております。
 3点目、医療機関、介護・福祉施設でのPCR検査の実施についてのご質問でございますが、札幌市では、PCR検査について、現在、国が示す方針に基づきながら、医師が必要と判断したすべての方々を対象におこなっている状況でございます。
 また、これまで医療機関や介護施設においては、感染者を確認した場合、直ちに現地に職員や専門家を派遣し、従事者や入居者等へPCR検査を積極的かつ速やかにおこなってきているところでございます。
 今後も引き続き適切に検査を実施することにより、医療機関や施設での感染拡大の防止に努めてまいります。
 4点目、介護・福祉施設への支援についてでございますが、介護事業所等の減収は全国的に発生しており、基本的に国において総合的に検討・対応すべきものと考えております。
 そのため、減収となった介護事業所等に対する財政的支援などを国に要望するとともに、その動向を踏まえ適切に対応してまいります。
 次に大きな4点目、国民健康保険についてのご質問ですが、このうち1点目、資格証明書世帯への保険証への交付についてでございますが、資格証明書の解除要件は法に定められており、国からの特段の指示がないことから、一律の解除はできないものと認識しております。
 資格証明書を交付されている方から、医療費の支払いが困難であるという申し出があれば、速やかに3割負担の保険証を交付しており、今後もしっかりと対応してまいりたいと考えております。
 2点目、被用者以外への傷病手当金の支給についてでございますが、国民健康保険の傷病手当金は、国の緊急的、特例的な財政支援に基づき、発熱などの症状がある被用者に対し、仕事を休みやすくすることを目的として支給するものでございます。
 被用者以外の方につきましては、その他の各種支援策を活用していただきたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。

吉岡副市長 答弁

 私からは5項目目住まいの支援と市営住宅について、6項目目手稲区における交通課題についてお答えをいたします。
 最初に大きな5項目目、住まいの支援と市営住宅についての1点目、家賃補助についてでございます。5項目目の1項目目、住まいの支援について、1点目の家賃補助についてであります。
 札幌市の民間賃貸住宅の家賃水準が、補助制度を導入している他政令市と比べて低いことなどを踏まえ、家賃補助の必要性については、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 2点目の住宅セーフティネットについてであります。
 この登録制度は、借り手と大家のマッチングを目的としたものでありますが、札幌市では、不動産市場が比較的活発であり、この制度を活用する機会が少ないことから、登録件数が伸び悩んでいるものと認識しております。
 今後、今年1月に設立した札幌市居住支援協議会を活用し、登録住宅の確保に向けて関係者に働きかけていくほか、住宅確保要配慮者へのきめ細かな生活相談に応じるなど、幅広く居住支援に取り組んでまいります。
 次に市営住宅の入居の課題について、1点目の連帯保証人についてであります。
 札幌市では、これまでも国の通知の趣旨を踏まえまして、連帯保証人が確保できない場合でも、これを猶予し入居を認めているところでございます。
 連帯保証人制度の取り扱いについては、廃止した他都市の実状を参考に、引き続き検討してまいります。
 2点目の修繕費の負担についてであります。
 札幌市では、市営住宅の修繕費用は国土交通省が示す「公営住宅管理標準条例」に基づき、住居内の畳の表替えなどの軽微な修繕については入居者の負担としているところでございます。
 現行の費用負担については、入居者に十分な説明をおこない、ご理解をいただくよう努めているところであり、このような運用は2017年の民法改正に伴う国土交通省の通知におきましても適切な対応例として示されているところでございます。
 次に大きな6項目目、手稲区における交通課題についての、最初に高台シャトルバスについてであります。
 地域住民とバス事業者の協力の下、地域の実状に応じたバス路線を導入したこの取り組みは、住民の移動手段を確保するうえで、一定の成果を上げたものと認識しております。
 一方、運行地域を広げることにつきましては、バス事業者において、地域住民からの運行の要望や道路状況、あるいは路線の事業採算性などに基づき検討の上、総合的に判断されるものと考えるところでございます。
 次に手稲区山側地域の交通の利便性についてであります。
 超高齢社会の到来など社会環境が大きく変化していく中、地域交通のあり方については、他都市の事例などを参考に、検討していまいりたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

長谷川教育長 答弁

 私から、2項目目の子どもの育ちを保障する施策についての1項目目、現状を踏まえた学校教育活動についてお答えをいたします。
 まず1点目の学校規模適正化についてでございますが、これまでも、子ども達にとりまして、よりよい教育環境を整えることを目的に、それぞれの地域の実状に合わせて、丁寧な検討をおこなってきたところであり、引き続き、この取り組みを進める必要があるものと認識をしております。
 2点目の学級規模の考え方についてでございますが、少人数学級は、児童生徒に対しきめ細かな指導をおこなう上で有効であると認識をしており、これまでと同様、子ども達の健やかな学びのため、少人数教育等の充実を図ってまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

佐々木議員 再質問

 私からは質問項目の3番目、医療施設・介護事業所への支援について再質問いたします。
 医療機関・介護福祉施設での感染を未然に防ぐために、本市が出向いて働く職員や患者、利用者へPCR検査をおこなうことが必要ではないかとお聞きしたところ、先ほど副市長は、感染者を確認した場合、PCR検査などを速やかに入居者や職員に検査されると答弁されました。アカシアハイツで起きた集団感染はどこでも起こりえることであり、胸が痛みます。質問の中でも申し上げましたが、国による保健所政策削減で、1994年に全国847か所あった保健所が2019年には472か所に減らされてしまいました。本市でも全区にあった保健所が今1か所しかないのです。保健所の機能と体制の充実が求められると思いますが、市長がどうお考えか、ご見解を伺います。

秋元市長 答弁

 今回の感染症の対策についてですね、先ほど冒頭にご答弁申し上げましたように、この感染症の特性といったようなものがわからないというのが非常に多い中で、感染を急速に拡大をしてしまった。その中で様々な検査体制が十分でないというようなことがおこなわれてきました。そういう意味では現状においては、検査体制についてもですね、検体の採取、あるいはその検体、採取された検体を検査する体制などについても、一定程度、今後感染の拡大をした状況の中でも対応ができる検査体制、例えばPCRの検査体制などについても整ってきている状況であります。そういった意味では保健所そのものの体制ということだけですべてが解決するわけではないというふうに思います。
 今回も緊急に今後の保健所の体制と、相談からいろいろな体制については全庁的な対応をとって、臨時的な対応としてとってきているということであります。今後こういった感染症への備えなどについても、様々な体制をどうしていくのかということを検討していかなければいけないというふうに考えております。