ただいま市長から提案されました議案第7号監査委員選任の件で質問いたします。
 市長は、予算や条例を議会に提案する権限を与えられていますが、その運用は、常に公正で公平、民主的でなくてはなりません。
 とりわけ監査委員は、市長の指揮監督を受けずに独立した立場で予算を含め、市長の様々な行政執行について監査をする役割と責任を担う議会の重要なポストです。市長が議会に提案されるわけですから、提案する以上、その理由について十分な説明責任を果たすことが必要です。
 市長は、前回2015年の第1回臨時議会のとき、わが会派の質問に対し、議会選出の監査委員は「会派を代表してということではなくて、それぞれのお立場で選任をされている。今回、私が選任をさせていただいた、提案をさせていただいたことにつきましては、これまでの経歴、そういったことを考えさせていただき、そして、これは議会の同意をいただくということがございますので、様々なご意見をいただきながら、最終的に私として判断をさせていただいたわけでございます」と答弁されました。
 今回も前回同様、第1会派と第3会派から監査委員を選出する提案ですが、その理由について伺います。また、議会の意見はどのように確認したのか伺います。

秋元市長 答弁

 監査委員につきましては、本市の財務に関する事務の執行、並びに本市の経営に係る事業の管理を監査するという役割がございます。加えて、そういう意味では札幌市の事務事業ということに対してよく理解をし、見識を持ち、そしてそれまでの様々な経歴のなかでの問題意識というものを有する議会での様々な活動をされている方、加えて、これは専任の同意でございますので、議会から多数の同意をいただける方、これらを総合的に判断をさせていただき今回、専任同意の議案を提出させていただきました。
 議会の方につきましては、様々な方々のご意見を頂戴しながら私なりに判断をしたところでございます。

小形議員 再質問

 市長はいろいろおっしゃったが、しかし結果として、1993年以降から二十数年間ずっと、第1会派、第3会派所属議員を選任し続けているのです。この事実について、市長はどのようにお感じになるのか、「偶然だ」とでもおっしゃるのでしょうかご見解を伺います。

秋元市長 答弁

 先ほど申し上げた通りでありまして、会派という、そのことで決めているわけではありません。

小形議員

 会派を代表して選任しているわけではないと言っても、長年に渡り、第1会派、第3会派からしか選任していない。つまり「相乗り選挙」と言われた今回の市長選挙で、市長を応援した会派の中から選んでいるということですよ。市長と議会という2元代表制の中で、議会を構成する議員から監査委員を選任する際の姿勢が問われているのです。
 市長が提案、執行した市政運営について、市長自らがしっかりとチェックを受けましょう、という姿勢ではなく、選挙で応援してくれた会派議員を選ぶことで、うまく監査を通したい、ということの表れだと言わざるを得ません。
 選挙の結果、わが日本共産党は、公明党と所属議員数が同数の10名となり、第4会派から第3会派になりました。
 しかし、第4会派のときも、第3会派になっても、日本共産党を監査委員の選出対象から排除するという不正常な事態はすみやかに解決すべきです。
 様々な方から意見を伺ったとおっしゃいますが、私どもからの意見は一度も聴取されていないということをお伝えいたしまして質問を終わりたいと思います。

 討論

 私は日本共産党を代表して、ただいま市長から上程されました議案第7号 監査委員選任に関する件に反対の立場で討論を行います。
 まず最初に申し上げますが、日本共産党は、市長が提案された2人の議員の人物や議会活動に問題があるという理由で反対するものではありません。市長の人選の仕方に問題があるため、この議案に反対するものです。
 議会には、議長、副議長、監査委員の三つのポストがあります。選挙で示された民意を最大限に反映するためには大会派がポストを独占するのではなく、少数会派も応分の権限を持つ民主的構成が必要であります。
 そのためには、第1会派から議長、第2会派から副議長、第3会派と第4会派から監査委員を選出し、憲政の常道にかなったものにすべきです。
 地方自治法に基づき、札幌市には4人の監査委員が置かれ、条例により、このうち議会から2人の監査委員が選出されます。
 かつて本市議会では、自民党が第1会派で、旧民社党系列の議員を含めた保守系議員による第4会派の新政クラブがあった当時、第1会派の自民党から議長、第2会派の社会党から副議長、そして第3会派の公明党と第4会派の新政クラブから、それぞれ監査委員を選出していました。
 その後、新政クラブが自民クラブとなりましたが、やはり第4会派のため、引き続き監査委員を選出していました。  
 ここまでの監査委員の選出の仕方は、憲政の常道にかなったものであったわけです。
 しかし、1993年(平成5年)自民党議員の死亡や会派の離脱があり、自民クラブと自民党が合体し、それが今日まで継続しているのですが、この時から第4会派は保守系会派ではなく、日本共産党市議団になりました。
 そして、この時から一貫して第4会派には、監査委員を渡さず、第1会派が議長と監査委員の2つのポストを独占し、日本共産党が排除されるという議会の民主的運営上で不正常な事態が続いています。市民の負託に的確に応える議会の在り方を常に追求するという札幌市議会基本条例からも、市民の良識からも、到底許されるものではありません。すみやかに解決すべきであります。
 地方自治は民主主義の学校と言われます。その議会は、当然ながら民主主義が徹底されなければなりません。
 数の力による横暴を排除し、公正かつ公平な議論のもと、少数意見を尊重する住民の意見を反映した議会にしなければなりません。
 市民の誰から見ても公正で民主的であり、いっそう信頼される議会にするため、互いに努力し、見直すべきはしっかり見直そうと、私はこの場から議会各会派と市長に呼びかけるものであります。
 どの政党や政治勢力であっても、それが市民の負託の結果によるものであるなら、市民と選挙の結果を信頼し、尊重して監査委員にすべきであります。
 今回はじめて当選された新人議員の皆さん、そして先輩議員の皆さん、我々札幌市議会議員が、どこの会派に所属していたとしても、その一人一人が党利党略を排除し、民主主義を徹底することに真剣であることをこの議会で明らかにしようではありませんか。
 改めて、大会派がポストの独占をしないこと、市長は、与党や大会派におもねることなく、すべての議員、会派と公平に向き合うことを求めるものであります。
 以上の理由により、議案第7号には反対します。以上で私の討論を終わります。