私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案第45号、第49号、第59号、第60号に反対、残余の議案16件に賛成する立場から討論を行います。
まず、議案第45号「札幌市職員の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案」に反対する理由についてです。
安倍政権は、「働き方改革」の名で、過労死ラインである、「1か月の残業時間80時間」を超えて、1か月100時間未満の残業を合法化しました。今回の条例改定案は、それに応じ、本市人事委員会規則に、「時間外勤務を命ずる時間及び月数の上限」として、「他律的業務の比重が高い部署として任命権者が指定するものに勤務する職員」に対し、1か月においての時間外勤務「100時間未満」を盛り込むものです。
「他律的業務」はどの職員にも生じ、日常的であり特別なことではありません。過労死ラインを超える「1か月100時間未満」の時間外勤務を可能とする改定に、断固反対します。
次に、議案第49号「札幌市障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行条例及び札幌市児童福祉法施行条例の一部を改正する条例案」についてです。
本議案は、障害者総合支援法及び児童福祉法改定に伴い、障害福祉サービス、介護サービスの両事業所が、それぞれ相互に共通するサービスを同一の事業所で提供する場合の人員基準の特例を設けるものです。これにより、例えば、障害福祉サービスの生活介護では、看護職員は必置とされていますが、介護サービスの通所介護で定員10人以下の場合は配置が不要となります。また、介護保険の指定通所介護事業所が、共生型サービスとして、障害福祉サービスの生活介護を行う場合、本来は必置であるサービス管理責任者の配置が不要となります。
こうしたことは、利用者の不利益となる懸念があるため、反対です。
議案第59号「軌道整備事業の実施に関する件」に反対する理由は、運送の主体と、施設・車両の整備の主体を分離し、本市が運送事業に直接かかわらないこととなる、路面電車の上下分離を導入するからです。
2018年度末時点の路面電車の運転手は71名で、そのうち49名が非常勤職員と7割を占め、正職員の大半は50歳以上です。交通局が正職員の乗務員を減らしてきたことで、将来の運行管理員の配置も困難にしました。上下分離は、運転手の実質的な賃金の引き下げとなり、労働条件・労働環境の整備などにも基本的に本市が直接関与できなくなります。
本市は、業務委託や指定管理者制度を導入し、公の業務で働く人の低賃金を生み出してきましたが、今回の上下分離は、それをさらに拡大するものであり、問題です。
市民の足を守り、安全を確保するうえで、施設・車両の保有整備と運送を交通局が一体的に責任を負うべきであり、本議案に反対です。
議案第60号「平成30年度一般会計補正予算」に反対する理由は、繰越明許費に、マイナンバーカードに関係する1億9140万円が含まれているため反対です。
以上で、私の討論を終わります。