私は日本共産党所を代表して、ただいま議題となっております議案第19号から25号、第31号から34号の11件に賛成、とりわけ、災害に関する議案について討論を行います。
9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震から20日が経過しました。
改めまして、この度の震災でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災されました全ての皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
9月5日、北海道付近を通過した台風21号の影響で札幌市でも暴風による倒木や家屋の損壊が発生しました。
この被害への対応のさなか、翌日は胆振東部で地震が起きました。地震の規模は、北海道で観測史上初めて震度7を記録し、札幌市内における最大震度は東区で震度6弱。札幌で始めて震度5以上を記録する大きなものでした。
地震直後、大規模な停電や断水、道路の陥没など、市内各地で被害が発生し、特に、停電は市内全域に及び復旧までに24時間以上を要した地域が多く、1万人を超える方々が避難を余儀なくされました。
停電の影響で信号機が消え、道路交通の安全が確保されず、食料品やガソリン等の物流停止は、市民生活と地域経済を直撃しました。また、エレベーターの停止は、共同住宅など、高層階に居住する高齢者と障がい者、妊産婦など災害要支援者を孤立させる事態となりました。
被害の大きかった清田区里塚地区では、地盤が大きく沈下し、家屋が傾くなど、液状化とみられる甚大な被害が発生し、住民は、現在もなお不安とともに不自由な生活を強いられています。
里塚地区の住民説明会では「原因調査に3か月かかり本格的な復旧工事は来春」という説明に「3か月では屋根に雪が積もる。家が傾いた状態で暮らすなど不安でしょうがない」など、不安と怒りが噴出しました。
市長は、復旧の見通しについて「明確に見通すということはなかなかできない状況」と述べていますが、冬を控え不安を抱える被災者の苦しみに寄り添い、一刻も早く里塚地区の復旧に向けたスケジュールを示すなど、最大限の努力をし、被災者の不安に応えるべきです。
このたびの補正予算案は、台風21号及び北海道胆振東部地震による被害からの、1日も早い復旧・復興を進めるため、被災した方への生活・住宅に関する支援と被災した公共施設等の復旧に係る経費等を追加するもので、一連の災害に係る復旧・復興事業として当面急がれるものです。
委員会では「子ども育成関係施設等災害復旧費」「住宅関連被災者支援費」「北海道胆振東部地震災害義援金関係費」「観光応援プロジェクト事業費」などについて質問をしました。
子ども育成関係施設等災害復旧費には、児童会館などを復旧する予算が付き、早く補修を進めるとの事でした。
しかし、民間の学童保育には、通常の引越し代は支出されるものの、被災しても、この度の災害復旧費の対象とはなっていません。
学童保育所を運営する建物が壊れ、引越し先を探しているところがあります。子どもの安心な居場所づくりのためにも、被災した学童保育所の実情を良く聞き、柔軟に対応すべきです。
住宅関連被災者支援費の内容と手続方法では「応急仮設住宅」は「家賃の上限はあるものの、自分で希望する民間住宅を探した場合にも適用される」とのことでした。内容と手続方法など、被災者に広く周知していくべきです。
北海道胆振東部地震災害義援金関係費は、被災された方への義援金の配分を進める上での臨時職員の人件費と事務費であるとのことでした。これから厳冬期を迎えます。義援金は迅速に被災者に届くようにすべきです。また、今後の義援金の配分にあたっては、一部損壊の方への配慮も検討すべきです。
「観光応援プロジェクト事業費」では、観光振興を進める上で「被災された観光客や宿泊業者の意見が重要である」との質問に「宿泊業者などとも協議する」旨の答弁がありました。
風評被害に対応するためのPRにとどまらず、被災時の課題を明らかにし、観光振興を進める上で教訓化すべきであります。
以上、台風21号及び胆振東部地震による被害の復旧等に係る補正予算案に対して各委員会で取上げました。
引き続き、被害の全貌が明らかとなるなか、更に解決すべき課題は生まれます。今後、本市の復旧・復興に係る対策は、迅速かつ被災者の生活再建を第一に、柔軟な対応をすべきことを申し上げておきます。
一日も早く被災された方々が日常を取り戻すことができるよう日本共産党としても全力を尽くすことをお約束して私の討論を終わります。