私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について質問いたします。
最初に市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、安倍政権による憲法改正についてです。
安倍首相は、先の衆院選直後の会見で、憲法改正に「汗を流していきたい」と改めて意欲を示し、来年の通常国会に改憲案を提出したいとしています。
この改憲案は、「国防軍」の創設などを明記した従来の自民党草案とは異なり、現行の9条1項と2項を残しながら3項に自衛隊を書き込むというものです。
世論調査では憲法9条の改正に反対が多数を占めています。国のあり方の根本を定める憲法を変えようというのに、「十分な国民的議論」はおろか国民多数の反対世論をないがしろにするようなやり方を、市長はどのようにお考えか見解を伺います。憲法尊重擁護義務に違反し、首相自らが憲法改正を先導し国会に提出するなど、まさに独裁政治そのものだと考えますが、そのような懸念はお持ちでないのか市長の認識を伺います。
質問の第2は、相次ぐJR北海道の高架橋などからの落下事案についてです。
石狩管内で2013年1月から今年の11月8日までに発生したJR北海道の高架橋や橋梁からのコンクリート片などの落下事案24件のうち、19件が札幌市内で発生しました。中でも1973年に使用が開始された千歳線平和駅から上野幌駅間の高架橋などは老朽化が進み、落下事案は8件も発生しています。
先月6日、厚別区では重さ2.5キロのコンクリート片が道路に落下し、信号待ちの車に当たりました。幸いけが人はいませんでしたが、相次ぐ高架橋からの落下事案に市民からは不安の声とともに、早急な安全対策を求める要望が上がっています。
市長は、JR北海道に対して、老朽化した高架橋の大規模修繕をはじめ、設備の更新を含む抜本的な安全管理の徹底と再発防止策を強く要請すべきだと思いますが、どのように対応されるのか伺います。
質問の第3は、職員の不祥事についてです。
職員の不祥事が後をたちません。先月24日には、交通局において、本来は職務のために使用する職務乗車証を私的に利用するなどの不適正使用の実態が判明しました。
交通局の内部調査によると、課長職4人、係長職4人を含む24人もの職員が関与しています。
今回の職務乗車証の不適正使用は、使用履歴のデータ保存が7か月間であること。職務乗車証交付簿の保存期間が1年間であることから、その範囲内でのみ調査を行い判明したものであり、それ以前の実態については明らかにされていません。
この問題は、職員への職務乗車証の貸出から返却、使用状況の確認に至るまでの事務処理手順がずさんであったこと、本来は公用でのみ使用が許される職務乗車証を通勤や私的に利用するという公務員としてのモラルの欠如という点から市政に対する市民の信頼を大きく失墜させました。
市長は、相次ぎ発生する職員の不祥事のたびに陳謝等してきましたが、交通局の不祥事をどのように受け止めたのか伺います。また、職務乗車証が209枚もあり無断持ち出しもあったこと。課長、係長職などの管理職も関与し、約7か月間で237回の不適正使用があったことなどから交通局として組織的な関与があったことも疑われると思いますが、市長はどのようにお考えなのか伺います。さらに、職務乗車証は2009年から発行されていますが、使用履歴は今年1月以降の分しか残っていないため、不正使用がさらに長期に渡って行われていた可能性も否定できないと思われますがいかがか、市民の信頼を回復するためには、さらに遡った独自調査が必要だと思いますが、そのようなお考えはないのか伺います。
次は、「女性が輝く」ための施策の推進についてです。
質問の第1は、女性が輝く社会を実現するために解決しなければならない課題についてです。
市長は、「女性の割合が高い街・札幌がいっそう発展するためには、女性がその持てる能力を存分に発揮できる環境をさらに整えていくことが重要」だとして市政執行において重要な柱と位置付けています。
女性が輝くためには、人間らしい働き方と同時に、差別と格差が是正された平等の社会の実現が必要です。そのための国と自治体、企業などによる具体的な対策の推進こそ求められています。
しかし、経団連は「女性の活躍は女性のための施策ではない、企業の競争力を左右する経営戦略」と政府に提言し、国も「女性の活躍推進」は、「成長戦略」のためだとしています。
企業で女性の登用を推進するためには、男女雇用機会均等法を抜本的に改正し、非正規から正規雇用への流れをつくり、均等待遇を実現して、男女ともに人間らしい働き方を保障する法整備を目指すべきです。
また、格差の是正も急がれますが、各国の社会進出における男女格差を示す指標として、世界経済フォーラムが毎年公表している、経済活動や政治への参画度、教育水準、出生率や健康寿命などから算出される「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本は、144か国中114位と男女格差が大きく、しかも毎年のように順位は後退しています。
「ジェンダー・ギャップ指数」が年々、後退しているのは放置できない問題であり、解決しなければならない課題だと思いますが市長のお考えを伺います。また、国連・女性差別撤廃委員会からも日本の女性の人権、平等の遅れを、繰り返し勧告されていることについてどう認識しているのか伺います。
質問の第2は、本市の「さっぽろ女性応援会議」の内容を踏まえた具体的な支援策についてです。
市長は、「さっぽろ女性応援会議」で「女性が働くということに焦点を当てていく」としています。しかし、会議の中では、「ある部分だけやったらうまくいくものではなく…女性を取り巻く状況や就労の計画は全部ワンセットで推進していくべき」との発言があるように、女性が輝いて働ける環境を整備するためには、総合的な支援と施策の充実が必要です。
たとえば、本市の女性の正規職員割合は、21大都市中18番目で賃金も低い状況です。しかも、結婚・出産・育児などで仕事を止めざるを得ない女性が全国と比べて多いという実態があります。つまり、結婚後に働き続けることが困難になるという女性が多いということです。
その理由の一つとして、本市で働く男性の長時間労働は、週60時間以上が28.8%と全国平均を大きく上回っていることが挙げられます。
女性が結婚後も仕事を継続するためには、男性の長時間労働を改善させることが必要だと考えますがいかがか伺います。また、本市で行った市内企業への調査では、女性が働き続けるための取り組みは遅れています。企業で女性が働き続ける環境整備が進まない理由について、市長はどうお考えですか、本市として、積極的に企業に働きかけることが必要だと考えますがいかがか伺います。
質問の第3は、非正規職のシングル女性への支援策についてです。
2014 年の総務省「労働力調査」によると、1990 年に881 万人だった非正規労働者は、2014年に1,962 万人と2 倍以上に増加しており、その内訳は、約7 割を女性が占めています。
また、2012年の国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、勤労世代の20~64歳の単身で暮らす女性の3人に1人、65歳以上の単身女性の約2人に1人が貧困状態であると指摘しています。
特に、非正規職のシングル女性は、貧困をはじめ、最も困難な状況に陥り易い傾向にあり、支援策も少ないことから、横浜・大阪・福岡の公益財団法人と大学などが共同で、実態を把握するために「非正規職シングル女性の社会的支援のためのニーズ調査」を行いました。
調査では、「正社員で働ける会社がなかった」ことが非正規職に就いている理由として6割強を示しており、多くが望んで非正規になったわけではないことが明らかになりました。頑張っても長期に渡り低賃金からの脱却が難しいということです。
また「母が亡くなれば、私も死ぬしかない」「両親に介護が必要となったり、自分が病気になった途端に生活が破たんする」など、今の生活で精いっぱいである状況が伝わってくる内容です。
「女性が輝く」ためには、最も支援が必要とされている非正規職のシングル女性への対策が急がれる課題だと思いますがいかがか、また、本市でも実態を把握するための調査に取り組み、具体的な支援策を急ぐべきと考えますがいかがか伺います。
次は、雇用の安定についてです。
厚労省が9月に発表した「毎月勤労統計調査」によると、労働者の実質賃金は前年同月比0.1%減で4カ月連続のマイナスになっています。
GDPの6割を占める個人消費は前期比0.5%下がっており、この間、最低賃金や「公共工事設計労務単価」は引き上がっているものの、個人消費が伸びるほどの底上げになっていません。
また、今後予定されている国家予算の社会保障大幅削減や消費税10%への増税などの将来不安が消費意欲を損なう大きな要因になっています。
地域経済の活性化には個人消費の底上げが必要であり、本市はそれを保障する、安定的な雇用の拡大を図る努力が求められています。
質問の第1は本市の指定管理者制度についてです。
1点目は、本市自らが生み出す働く貧困層についてです。
2016年4月1日時点で本市の指定管理者制度により管理運営されている423施設で働く3,682名のうち、正規職員は1,229名で、残る2,453名は非正規職員です。
実に66.6%もの人が非正規労働者であることは、指定管理者制度を導入した本市が非正規労働者を生み出していると言わざるを得ないと考えますが、本市はどうお考えですか。「効率的な施設運営を図る」という制度の目的が、結果として官製ワーキングプアを生むことについて市長のご見解を伺います。
2点目は、指定管理者における有期雇用者の無期雇用化についてです。
2013年4月に「改正労働契約法」が施行されました。これにより、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、本人の申し込みにより無期労働契約に転換することとなり、来年4月からスタートします。
北海道新聞の報道によると、コープさっぽろでは、働き始めてから更新日までに1年以上過ぎていれば自動で無期雇用に切り替える判断をしたとのことでした。
今回の指定管理者いっせい更新にあたり、本市が各指定管理者に対して、無期雇用化もしくは正社員化を図ることを求めるべきだと考えますが、「改正労働契約法」の趣旨に照らし、どのように対処されるのか伺います。
質問の第2は、介護士・保育士の人材不足についてです。
厚生労働省が毎月実施している「職業安定業務統計」をみると、今年10月の介護関連職種の有効求人倍率は3.91倍です。一方、8月公表の「介護労働の現状について」によると、介護関連職種の離職率は16.7%。非正規介護職員においては21.3%と5人に1人が辞めています。
また、同省が2015年に行った保育士の調査では、有効求人倍率は1.85倍ですが、離職率は民間保育所で12%と8人に1人が辞めているのです。
保育士の給与月額は21万6,100円、介護士は21万9,700円と全職種32万9,600円の66%にとどまっており、調査でも「仕事内容の割に賃金が低い」「給与・賞与等の改善」を望む声がいずれも6割に達し、給与・賃金に対する要望が強いことが示されています。
市民の介護および保育ニーズは高く、市民が必要とする福祉分野の充実のため、保育士・介護士を希望する人がその現場に就職し、かつ、働き続けることができる環境を整備することが重要だと考えます。
すでに処遇改善が国の仕組みにおいて行われていますが、支給は一時的で先の継続性が見通せないことから安定した所得とならず、消費行動に結びつかないのが現状です。
こうした事態の改善に向け、他都市では、「宿舎借り上げ支援事業」として保育士の家賃補助を行っています。
本市独自で、保育士、介護士が働き続けられるための支援策として、こうした制度を導入すべきと考えますがいかがか、伺います。
次は、温暖化対策についてです。
質問の第1は、全人類的課題と捉えた抑止策の推進についてです。
先月ドイツ・ボンで開催された気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)の中で、国連の世界気象機構(WMO)は、今年の世界の平均気温は観測史上3番目に高くなる見通しであることを発表しました。
これを受け、会議では「世界は破壊的なハリケーンや火災、干ばつ、氷の溶解、農業を見舞う変化といった、食料安全保障を脅かす極端な気候変動の渦中にある」として、いま各国が「迅速な行動」をとらなければ、地球は回復不能な危機的状態に陥るという認識で一致しました。
CO2の排出量の9割がエネルギーに由来することから再生可能エネルギーの普及促進は温暖化対策の要となります。その先進的な取り組みとしてデンマークとドイツがあげられます。
国の総発電量に占める再生可能エネルギーの比率を見ると、1990年デンマーク3.2%、ドイツ3.5%でしたが、2014年にはデンマーク56.2%、ドイツ26.2%へと再生可能エネルギーの普及促進が図られています。
その結果1990年から2014年の24年間で、デンマークは52%、ドイツは22.7%再生可能エネルギーの比率を上げました。
一方、同時期の日本は、11.2%から14.3%、わずか3%の再生可能エネルギー比率を上げるのにとどまっているのは恥ずべき実態だと言わざるを得ません。
本市は、地球温暖化抑止という全人類的課題の解決にとって、現在、日本が果たしている国際的責任と役割をどのように評価されているのか。また、温暖化抑止は、地球環境の未来と人類の生存条件にかかわる一刻の猶予も許されない最重要課題であることから、地球上のすべての国と地域がCO2削減に向けて全力をそそぐ必要があると考えますが認識を伺います。さらに、ドイツは、2011年の福島原発事故を受け「日本のような高度な技術を持つ国でも原発のリスクを制御できないことを肝に銘じなければならない」として、2022年までに全ての原発を廃炉にすることを決め、すでに再生可能エネルギーの発電比率は原発を上回りました。日本の再生可能エネルギー普及が異常に立ち遅れている要因は温暖化対策を口実にした原発推進政策であることは明白です。全ての原発を止める決断こそ日本の再生可能エネルギーを飛躍的に普及させることになると考えますがいかがか伺います。
質問の第2は、本市の温室効果ガス、いわゆるCO2排出量削減についてです。
2015年「札幌市温暖化対策推進計画」の策定にあたり本市は「経験したことのない異常気象に直面しており、地球温暖化の影響は私たちの身近なところまで及んでいる。本市として温暖化対策をこれまで以上に先導的に推進するため、原子力発電に頼らず、温室効果ガス排出量を削減する高い目標を設定した」とのべています。
CO2削減目標値は、2015年から2030年までの16年間で1990年比 25%削減するというものです。
しかしこの目標は2011年に策定した旧計画で2020年までに削減するとしていた数値を10年先送りしたに過ぎません。
北海道電力は、2011年東日本大震災以降、泊原発の停止に伴い火力発電所の稼働が増えており、当然、本市のCO2排出量は、震災前の2010年977万tから震災後2012年1,322万tと急激に増加しています。
本市のCO2排出量の91%は「家庭・業務・運輸」の3部門が占めており、寒冷地である本市は、家庭部門におけるエネルギー消費量の54%を暖房に使っています。
推進計画の中で本市は「再生可能エネルギーなどによるCO2を排出しない発電方法へ転換することで、半分以下の排出量になる」と分析しています。
現時点での本市の再生可能エネルギー施策は不十分であり、思い切った施策の転換をはかり、各国が地球の未来のために最重要課題として取り組んでいる温暖化対策に本市も急いでその役割を果たすべきだと思いますがいかがか伺います。
質問の第3は「都心エネルギーマスタープラン」についてです。
1点目は、コージェネの規模についてです。
本市は「環境エネルギーの先駆的な取り組みとイノベーションへのチャレンジをつづける」という理念を掲げる「都心エネルギーマスタープラン案」を示しました。
「COPにおける世界的な目標」などを考慮して、「2050年までに建物から排出されるCO2排出量を2012年比で80%削減」を目標に「建物の省エネルギー化」、「エネルギーの面的利用」、「再生可能エネルギー利用」の3つを組み合わせて実現する内容となっています。
「エネルギーの面的利用」として、分散電源であるコージェネの効率的な利用を促進し、80%削減目標のうちの20%分を担う計画です。都心における地域熱供給は、「コージェネの排熱や大規模で高効率なプラント設備で温熱や冷熱を」つくることを前提に、南北は、南2条から北9条、東西は東7丁目から西7丁目付近までをエリアと考えているようです。都心部で発電容量が1,000~1万KWクラスの大規模な設備を導入することはエネルギー需要に応える要となります。
合わせて、エネルギーセンターが予定されていない南2条付近より南側についても、発電容量が100~1,000KWの規模のものをオフィスビル・商業ビルなど建物の規模に合わせて導入すれば、エリアすべてでコージェネが導入されることになり、CO2削減にいっそう有効に働くと考えます。
こうしたことから、大規模なコージェネ施設だけでなく、中規模なものも設置することをプランに入れるべきだと考えますがいかがか伺います。
2点目は、エリアについてです。
2016年5月に策定された「第2次都心まちづくり計画」では、そのターゲットエリアを、札幌駅北口からすすきのエリアとしていますが、今回の「案」は、すすきのエリアが外されています。
本市はその理由を「中小のビルが混在しており、今後のまちづくりの方向性のめどが立っていない。また、エネルギー利用の実態管理を行うことが現実的に非常に難しい」と答弁されました。
しかし、すすきのエリアにも、老朽化し建て替えが迫られている建築物が多数あり、創成以西のエリアと同様に「現況と同程度以上の高度な土地利用が図られると考えられる地域」です。また、本市都心部の観光地として、環境首都の魅力を発信する重要な役割を果たす地域であると考えます。
「都心エネルギーマスタープラン」にすすきのエリアも含めて、CO2削減量を飛躍的に増やすべきと考えますが、いかがか伺います。
次は、訪問看護と利用者の負担軽減についてです。
質問の第1は、訪問看護の役割と課題についてです。
本市は「札幌市がん対策推進プラン」の中で、今後想定されるがん罹患者の増加に対応するため「がん患者及びその家族等への支援」を、計画に盛り込んでいます。
医療技術が進歩し、自宅でも高度な医療機器を扱えるようになったことで、今後、在宅医療は増えると考えられます。
本市が実施した「市民向けがん対策アンケート」調査では、がん入院治療後の療養場所について、5割以上が総合病院を希望し、約3割は自宅での療養を希望しています。
年々、就労可能な年齢のがん患者が増えており、在宅治療で家族との時間を持ちたいと望む一方、約8割が「同居する家族に負担をかけてしまう」5割が「何かあった時、医師にすぐ診てもらえない」、次いで「自宅療養にかかる費用」「家事ができなくなる」ことを不安に感じています。
このアンケート結果から、在宅での医療・介護のサービス提供体制の充実と、費用負担の軽減が求められていることは明らかです。
そうしたもとで、必要に応じた看護や医療処置、医師や介護専門職との連携など、患者と家族が安心して在宅療養を続けられるよう援助する「訪問看護」の役割はますます高まっていると思いますが、本市の認識を伺います。
本市の資料によりますと、訪問診療の一日あたりの需要は2013年度の1万1,667人から増え続け、2025年は1万9,127人になると推計しています。
一方、在宅療養支援病院、支援診療所の届出数は横ばい、訪問看護ステーションの看護師は40代以上が7割を占めています。
在宅医療の需要増加に対応するため、今後、訪問看護の人材育成は急がれる課題であると思いますがいかがか伺います。
質問の第2は、利用者の経済的負担の軽減についてです。
「こんなにお金がかかるなら、治療をやめたい」「自分の命をとるか家族の生活をとるかの選択です」これらは、がん治療をされている方たちの切実な声です。
がんと治療費の二重の苦しみです。様々な苦痛が伴う病気であり、せめて経済的な負担が緩和されることを望んでいます。
医療費の支払いは高額療養費制度があり、入院の場合は窓口で、すでに自己負担限度額のみを支払う現物給付が導入されています。
例えば、償還払いの場合は、3割負担が30万円の場合、自己負担額は8万7,430円になります。まず30万円を支払い、3ヶ月後に21万2,570円戻ります。1年間で3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目から自己負担額は4万4,400円に減額されますが、払戻しが入金されても毎月の支払いはきわめて重い負担となっています。
さらに、訪問介護を利用した場合、介護保険にも同様の制度がありますが、委任払いの対象は施設入所者と在宅ではショートステイのみです。
利用者負担は、その他、薬代、在宅訪問看護を依頼した場合の費用、福祉用具を貸りた場合の費用などが発生し、費用負担の重さにより、家族が仕事を辞めて介護する、子どもが進学をあきらめるなど家族全員の人生を変えてしまいます。
本年度、第3回定例会の決算特別委員会で、わが党の質問に担当部長は「それぞれに発生する自己負担の支払は、非常に重いと認識している」と答弁しています。
今後、本市の推計のとおり在宅療養が増えるものと考えられます。利用者の重い費用負担の問題は放置できません。在宅でのがん治療は、支払先が複数発生し、高額な負担となるため、実態を本市が充分に把握をし、費用負担軽減にむけてどのような手立てがとれるか、検討すべきと考えますがいかがか伺います。
最後に、高齢者の生活支援についてです。
質問の第1は敬老パスの利用拡大についてです。
1点目は高齢者の免許返納についてです。
高齢の運転者が関与する交通事故が増えていると同時に、運転免許証の自主返納数が約10年間で17倍以上と急激に増えています。
しかし、運転に不安を感じながらも買い物や通院など生活を維持するために免許証を返納できない高齢者がいます。
医師による認知症検査が強化された改正道路交通法では「自動車等を運転することのできない高齢者の移動手段の確保については、地方自治体等とも連携しながら対策を講じていくこと」との付帯決議が国会でなされています。
加えて、警察庁から国土交通省に対して「高齢者の移動手段の確保に向け、各地方公共団体と連携・協力して、持続可能な地域公共交通網の形成を促進されたい」との通達が昨年の9月に出されており、本市に対しても北海道運輸局からその内容について通知されたとのことです。
これらの道路交通法の改正や通知の趣旨に基づく移動手段の確保が重要になると思われますが、どのように対処されるおつもりなのか、また、増加する免許証の返納は高齢者の生活にどのような影響を及ぼすとお考えか伺います。
2点目は敬老パスのタクシー利用拡大についてです。
第1回定例議会の代表質問において、わが党が敬老パスのタクシーへの利用拡大を提案したところ、市長は「費用対効果や財源の面から考えますと、導入はなかなか難しいと認識をしております。」と答弁しています。
警察庁が行った「運転免許証の自主返納に関するアンケート調査」によれば、自主返納をためらう理由として「車がないと生活が不便なこと」と答える割合が68.5%を占めています。
また、2017年度の北海道交通政策局の「道内の公共交通ネットワークの現状と課題」という調査資料では「人口減少や高齢化が進む中、ハイヤー・タクシーは、住民生活の利便性の向上やビジネス・観光交流を支える重要な役割を担っていくことが期待される」と位置付けられています。
国や警察庁では、運転免許証の自主返納による高齢者の影響調査を行うとともに、その対策の検討をしています。
本市は、「まちづくり戦略ビジョン・戦略編」で、「歩いて暮らせるまちづくり」を掲げ、「自家用車を利用しない市民も住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、生活利便機能の維持・向上を推進する」としています。「免許証を返納してしまえば、通院や買い物ができなくなり、住み慣れた地域で安心して暮らせなくなる」という不安を解消するために、敬老パスのタクシー利用を含めた移動手段の確保の検討を開始すべきと考えますがいかがか伺います。
また、タクシー事業者の意向を聞き取り、ニーズや課題について把握していくことが求められていると考えますがいかがか伺います。
質問の第2は市営住宅へのオイルサーバーの設置についてです。
本市の市営住宅では、全体の44%、1万1,959戸が灯油を燃料とする暖房を使用していますが、そのうち1万1,349戸にエレベーターが設置されていないために、高齢者が18リットルのポリタンクを4階や5階の部屋まで運ばなければならないのは大変な困難を伴います。また、火災の危険も否定できません。
道営住宅では1997年以降から建設または改修を行う際には、外付けのタンクから各戸へ灯油を供給するオイルサーバーを設置しており、灯油を使用する914棟のうち429棟が設置済みです。
安全性の観点からも灯油を運ぶことが困難な高齢者を放置すべきではないと考えますがいかがか、本市の市営住宅にオイルサーバーを設置すべきと考えますがいかがか伺います。
以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。
秋元市長 答弁
大きく6項目にわたりご質問をいただきました。
私からは、1項目目の私の政治姿勢について、そして2項目の女性が輝くための施策の推進についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対するお答えにつきましては、担当の副市長からそれぞれご答弁をさせていただきます。
最初に1項目目の、私の市長の政治姿勢についてお答えをさせていただきます。1点目、安倍政権による憲法改正についてでありますが、憲法のあり方に関しましては、憲法が定める手続きに基づいて、国会において議論を深めていくものと認識をしております。憲法の改正につきましては、その必要性や内容について国民の理解を得ることが欠かせない事であり、慎重かつ十分な国民的議論がなされるべきものと考えております。
次に2点目、JR北海道の高架橋などからの落下事案についてであります。
今回の事故を受け北海道開発局等と連携をし、11月14日にJR北海道に対し、高架橋の緊急点検の実施と結果報告などについて、申し入れを行ったところであります。また札幌市として11月17日にJR北海道に対して、点検の実施と異常があった場合の速やかな安全対策など高架橋の適切な維持管理などについて、改めて申し入れを行いました。今後、緊急点検の結果をふまえて必要な修繕など再発防止策についてJR北海道に要請してまいりたいと考えております。
次に3点目の、職員の不祥事についてであります。
この度の交通局の事案につきましては、職務乗車証の管理等が非常に杜撰であるとしか言いようがなく、大変重く受け止めているところであります。本件は職員個人が、職務乗車証を不適正に使用したものであり、組織的関与があったものとは考えておりませんが、職場の風土や体質にも問題があったのではないかと認識をしているところであります。また、不適正使用が長期に亘って行われていた可能性につきましては、まったくないと否定できないものでありますが、データ等がない事から客観的に事実を確認することは困難と考えているところです。
次に大きな2項目目の、「女性が輝く」ための施策の推進についてお答えいたします。
まず「女性が輝く社会を実現するため」に解決しなければならない課題についてであります。女性の活躍を推進する札幌市といたしまして、ジェンダーギャップ指数の順位が年々後退していることや、国連・女性差別撤廃委員会からの勧告について、その内容を真摯に受け止めているところであります。特に、ジェンダーギャップ指数については、政治と経済の参画分野の順位が下位に低迷しており、この事が全体の順位に大きな影響を与えていると考えますが、これらは性の差に関する様々な社会制度の慣行や、固定的な男女の役割分担意識などということも起因していることも認識しております。
国の、第4次男女共同参画基本計画の中では、女子差別撤退条約等の積極的な遵守が謳われておりますことから、今後は札幌市と致しましても、女性が能力を発揮できるような社会を目指し積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
つぎに、「札幌女性応援会議」の内容を踏まえた具体的な支援策についてということでありますが、私も参画をしております「札幌女性応援会議」におきましても、女性の活躍を妨げる様々な要因の内、男性の長時間労働という事が多く掲げられており、女性が活躍する場を広げていくためには、ワークライフバランスを重視した働きかた改革ということが必要と認識をしているところであります。また、札幌市が行った企業への調査では、女性の活躍推進に取り組んでいない企業の中には、必要な取り組みがわからない、勤務させた事例がないといった声が多く、女性が働きやすい環境作りに向けてのノウハウが不足していると考えているところであります。そのため、今後、経済界との連携をはかりながら多様な課題を持つ企業の実態に立った支援を検討していく企業の取り組みを後押しできるよう積極的に働きかけて参りたいと考えております。
次に、非正規職のシングル女性の支援策についてです。全国の非正規雇用労働者につきましては、単身で暮らす人も含め女性が多くを占めており、今後はこうした女性が就業や生活の安定をはかれるよう、経済的自立にむけた取り組みが増々重要になってくるものと認識しており、国などの動きも踏まえつつ、逐次検討してまいりたいと考えております。私からは以上です。
町田副市長 答弁
私からは3項目目の雇用の安定についてお答え申し上げます。そのうちの1点目、本市の指定管理者制度について、まず指定管理者制度が結果として、非正規労働者を生んでいるのではないかという質問でございますが、この制度が一定期間ごとに更新を行うものでありますことから、指定管理者が職員を雇用する際、その業務内容によっては、非正規職員として採用する傾向にあることは認識しております。このようなことから管理者を選定する際に、非正規から正規職員への転換に向けた提案がある場合には、それを高く評価することで安定的な雇用を促しているところでございます。
2点目の、指定管理者における有期雇用者の無期雇用化についてのご質問でございますが、管理者に対しましては、これまでも労働関係法令の遵守につきまして、毎年度の業務検査で確認を行っています。改正労働契約法で定められました無期労働契約の転換につきましても、業務検査の対象とすることを今回の募集時に示しているほか、現管理者に対しても周知をしており、今後、必要に応じて適切に指導してまいります。
次に介護士・保育士の人材不足についてでございますが、介護士・保育士の確保および雇用の継続にあたりましては、様々な労働環境の充実、特に給与・賃金面での処遇改善が重要であると認識しています。介護士等の処遇改善につきましては国の責務において行われるべきものと考えており、介護士等が安定して働き続けられる環境整備のため、今後とも様々な機会をとらえて要望してまいりたいと考えるものでございます。私からは以上でございます。
吉岡副市長 答弁
私からは4項目目の温暖化対策についてお答えいたします。
最初に温暖化抑止策の推進についてのうち1点目の、地球温暖化抑止における日本の国際的責任と役割についてでありますが、国は2050年までに、温室効果ガスを80%削減するという国際社会を主導する高い目標を掲げ、国内での大幅な排出削減に加え、途上国の支援や技術革新など様々な政策を総合的かつ、戦略的に進めているところであり、世界全体のCO2削減に貢献していくことを、札幌市としても期待しているところでございます。
2点目の、二酸化炭素削減に向けた認識についてでありますが、温暖化の抑止は人類共通の喫緊の課題としてとらえており、持続可能な社会の実現に向け世界全体で立ち向かっていく必要があると認識しております。
3点目の、我が国の電源構成と再生可能エネルギーについてでありますが、国は2030年度の電源構成として、原発依存度の可能な限りの低減と再生可能エネルギーの最大限の導入を示しているところでありますが、再生可能エネルギーの加速度的な普及には、導入コストの低減や発電量の変動への対応といった課題を解決していくことが重要であると認識しております。
4点目、札幌市の温室効果ガス排出量の削減についてですが、札幌市では2030年に市内から排出される温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するという、国を上回る中期目標を掲げ、建物の高断熱・高気密化や燃料電池自動車をはじめとする次世代自動車の普及促進など省エネルギー対策を積極的に推進しているほか、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備や分散電源の普及拡大に取り組んでいるところでございます。また、現在策定中の第2次札幌市環境基本計画では、2030年に市内の電力消費量に占める再生可能エネルギーの比率を30%にするという目標も掲げており、今後も一層、温暖化対策の取り組みを進めて参ります。
次に都心エネルギーマスタープランについてのうち、1点目のコジェネの規模についてでありますが、このマスタープランでは、エネルギーの面的利用を拡大する取り組みとして、大規模で高効率なコジェネの導入と地域熱供給の熱導管ネットワークの構築を目指す事としております。熱供給エリアの外側では、個別の建物内または、近隣の建物と共同で利用する中小規模のコジェネの導入も有効であり、省エネビルへの建て替えを進める手法の一つとして検討してまいります。
2点目のエリアについてでありますが、都心エネルギーマスタープランの対象エリアは既存の熱供給エリアやまちづくり再開発の動向などを勘案し、今後、高い取り組み効果が期待できる範囲に設定しているところでございます。すすきのを含む今回対象外としたエリアについては、今後の建替えの動向やまちづくりの進展状況を注視してまいりたいと考えているところでございます。私からは以上でございます。
岸副市長 答弁
私からはご質問の中の5項目目、訪問看護と利用者の負担軽減について、6項目目、高齢者の生活支援についてお答えをさせていただきます。
まず5項目目、訪問看護と利用者の負担軽減についての1点目、訪問看護の役割と課題についてでございます。訪問看護の役割につきましては、在宅で療養を受けている患者やその家族の身体的、精神的ケアを担うなど、在宅での医療提供体制の充実を図るため、訪問看護の役割は重要であると認識をしております。
次に、訪問看護の人材育成についてでありますが、在宅医療の需要増が見込まれておりますことから、札幌市では訪問看護の人材育成は課題の一つであると認識をしておりまして、関係団体と連携しながら、訪問看護師向けの研修を平成27年度から実施をしてきたところです。今後も在宅医療の需要を踏まえながら、必要となる訪問看護師を確保できるよう、人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の利用者の経済的負担軽減についてであります。がんの治療をされている方々につきましては、医療費の負担はもとより、治療に対する不安や、仕事は続けられるのかなどさまざまな問題を抱えているものと認識をしております。医療費が高額となった場合は、高額療養費制度のほか、介護保険の自己負担も合算して払い戻す高額介護合算療養費制度もあり、それぞれの保険制度において負担が軽減をされているところでござます。がん治療に関して保険制度以外で費用負担の軽減を行うことにつきましては、がん以外にも脳血管疾患などの費用負担が高額となる疾病も多々ある中、難しいものがあると考えております。がんの治療にあたりましては、医療費のみならず精神的不安を含め、生活そのものにさまざまな影響を与えることから、札幌市ではがん対策推進プランに基づき、患者や家族の皆様への相談支援体制の充実に努めてまいります。
次に6項目目の、高齢者の生活支援についてであります。まず1点目の、敬老優待乗車証の利用拡大についてでありますが、高齢者の免許返納につきましては、札幌市では、地下鉄やJR、路線バスなどの公共交通機関により、市街化区域のほぼ全域を移動することができ、特に路線バスは高齢者を含めた市民の買い物や通院等の足として重要な役割を果たしているものと認識をしております。このため、不採算路線の廃止等により市民生活に大きな影響が出ることがないよう、今後も市内バス事業者と連携をはかりながら、市民の移動手段の確保に努めてまいります。また、高齢者の免許証返納による生活への影響については、返納される方の居住環境や生活実態等により異なりまして、一概には言えないものと考えております。このため、今後関係施策を検討するに当たっては、免許証の返納の実態を踏まえる必要があると認識をしております。
次に、敬老優待乗車証のタクシー利用拡大についてであります。札幌市では、これまで生活や身体状況などの個々の事情にかかわらず、全ての70歳以上の高齢者に対して、敬老優待乗車証を交付することで、外出を支援してきたところでございます。併せて、住民相互の支え合いによる外出支援などの生活支援体制整備を進めているほか、民間ではタクシーの高齢者割引や福祉有償運送などのサービスが実施をされております。こうした状況において、敬老優待乗車証の対象交通機関としては、バス、地下鉄、市電に限定をしておりまして、事業費が年々増加をしている中、制度の持続可能性という観点から、タクシーへの拡大や新たな移動手段の確保は困難と考えておるところでございます。また、利用者の実態把握につきましては、引き続き行ってまいりたいと考えております。
次に、市営住宅へのオイルサーバーの設置についてであります。札幌市の市営住宅におきましては、建替えや大規模改修を行う際に、暖房を灯油から都市ガスに順次切り替えをすすめてきているところでございます。既存の市営住宅へのオイルサーバーへの設置につきましては、多額の費用を要することから、灯油の運搬が困難な高齢者等への対応につきましては、どのような事が可能か今後も検討してまいりたいと考えております。私からは以上であります。
池田ゆみ議員 再質問
再質問をさせていただきます。再質問は、「女性が輝く」ための施策の推進について再質問をいたしますが、再質問に入る前に3点求めておきたいと思います。
1点目は、在宅でがん治療されている方への費用負担の軽減についてですが、高額介護合算療養費制度の利用など、高額医療費制度も含めて使って、尚且つ負担が重いという実態があります。負担が重たいという意識は、答弁の中でも話されておりましたし、今後ね、どんな手立てで支援ができるのか、軽減策がとれるのか、そういったことを軽減するべきであるということを求めておきたいと思います。
2点目は、敬老パスのタクシー利用についてですけれども、制度の持続可能性を考えると難しいという認識があるという、そういう答弁でございましたが、高齢になると、今日のように本当に雪が降ってツルツルであると、足元が悪いときなど、最寄りの駅や通院などにタクシーが使えたらありがたいと、こういった声がたくさん聞かれてきています。実態把握を引き続いてしていくということですけれども、利用者の願いに寄り添って、タクシー事業者との検討をすすめていくべきではないか、このことを求めておきたいと思います。
3点目は、市営住宅のオイルサーバーの設置についてです。本当に、4階5階までポリタンクを上げていくのは本当に大変なご苦労だと思います。高齢であればさらに大変であると、だれもが考えてもそう思える実態ではないかなと思います。また、火災の原因になるということも先ほども求めましたけれども、どのような対策ができるのか、今後検討していくということでしたけれども、非常に前からこういった問題は実態としてあったと感じているんですけれども、早急にどんな対策ができるのか、対策を講じていくことを求めておきたいと思います。
それでは、「女性が輝く」ための施策の推進について、再質問をさせていただきます。女性応援会議では、先ほど市長の答弁でも、男性の長時間労働などの働き方改革、こういうことが必要だということが、認識があると、そういう話がされているという、ワークライフバランスの対応など、今後、女性応援会議の中で、いろいろな意見が出ていると思いますけれども、そういった意見をしっかりと反映させていく、このことが大事だなと感じました。そして、企業の後押しができる、そういった取り組みも検討されているということですので、少しでも「女性の輝く」、女性の活躍が推進される、こういった状況に転じていくように、さまざまな施策を検討していただければなと思います。そして、私が質問したいのは、非正規雇用のシングル女性の対応についてなんですが、ずっと非正規で働くということは、将来の年金にも低年金になっていくと、貧困に陥りやすいと私も考えています。女性の活躍推進は、こういった弱い立場の女性にこそ視点を置いていくことも重要ではないかと考えているところです。先ほどの答弁では、就業や生活の安定がますます大変になっていく、そういう支援が大事だと思っていると、そして検討もしていきたいという答弁でございました。その答弁を聞きまして、どのような検討をされていくのか、そして時期的にいつまでにそういう検討をしていくのか、伺いたいと思います。
秋元市長 答弁
ひとつ、非正規雇用の方で、かつ単身世帯の女性ということを合致させていく調査そのものが、今まで全国的にも例がございません。たとえば、非正規雇用の方が何人いる、あるいは単身の女性が何人いるということは分かりますが、それぞれ、かつ、ということをですね、調査した、そういう調査事例というのがない、そういう意味で実態の把握というのはなかなか難しい状況にあります。そういった中でありますので、どのようにそういう実態を把握するのかということ自体、いろいろ国の、他都市の動向と、あるいは民間で行われている、一部分になるかもしれませんがそういった調査というようなことも踏まえてですね、対応を考えていかなければならないだろうと思います。従いまして、現時点でそういった調査手法そのものからいろんな調査、研究していかなければならない状況にあるということをご理解いただきたいと思います。
池田ゆみ議員
調査手法も含めて、これから検討していくという答弁でございましたが、非正規シングル女性、何人いるのか、どういう調査が必要なのか、そういったことをしっかりと検討していくことと、そういった中で、そういった皆さんの声をたくさん聞けるような調査手法を検討していただければなと思っています。他都市の動向ということで話もされていましたけれども、そういったものも含めて検討しながら、ぜひ札幌市として独自に調査に踏み出してほしいと、このことを求めまして質問を終わりたいと思います。