質問に先立ちまして、臨時国会の冒頭解散について一言申し上げます。安倍首相は、9月25日の記者会見で、28日召集の臨時国会の冒頭で、衆議院の解散を表明しました。
 解散総選挙で、早期に国民の審判を仰ぐことは当然のことですが、臨時国会冒頭での解散は、「森友・加計疑惑隠し」を狙ったものです。
 野党4党は、憲法53条に基づき、「森友・加計疑惑」など国政の私物化疑惑を徹底究明するための臨時国会召集を要求してきましたが、冒頭解散となれば、この憲法に基づく要求を3か月にわたって店ざらしにしたあげく、葬り去るということになります。冒頭解散は、究極の党利党略、権力の私物化であり、憲法違反の暴挙です。
 これ以上の憲法無視の政治を終わらせるため、日本共産党は、市民と野党の共闘で全力を尽くす決意を申し上げます。

 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について質問いたします。

 初めに市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、北朝鮮問題についてです。
 北朝鮮は、国際社会が強く自制を求めているなかで、弾道ミサイルの発射や核実験をくり返すなど、軍事的挑発を強めています。
 これらの行為は、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙です。
 いま、米朝両国は、軍事的挑発をいっそうエスカレートさせ、国連総会でトランプ米大統領が「米国と同盟国を守ることを迫られれば北朝鮮を完全に破壊する以外、他の選択肢はない」と挑発すれば、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外務大臣が「北朝鮮のロケット、いわゆるミサイルをアメリカ全土に打ち込む」と応酬するなど、米朝による度を越した非難と恫喝がエスカレートしています。武力の行使を公言する、このような非難の応酬を続けていくことになれば、その行きつく先は軍事衝突以外にない、ということになるのは明らかです。同時に、米朝両国の軍事的緊張が高まり続けるなかで、当事者たちの意図に反して、偶発的な事態や誤算による軍事衝突が引き起こされる危険がいっそう強まっています。万一、偶発的な衝突が局所的にでも発生したなら、それが全面的な核戦争につながる現実の危険が強まっているということです。
 このような、かつてない危機にわが国と世界が直面しているときに、安倍首相が国連演説で、軍事的対応を含む「米国の立場を一貫して支持」すると表明し、「必要なのは対話ではない。圧力だ」とくり返し、対話による解決を否定したことは極めて重大です。唯一の戦争被爆国である日本政府が行うべきは、核戦争の危機を回避するために米朝双方に自制を求め、とりわけ同盟国であるアメリカに対し、対話による解決の必要性を訴えることです。
 国連総会では、対話を否定する日本とは対照的に、グテレス国連事務総長が「今こそ政治的手腕を生かす時期だ…戦争の道を歩んではならない」と外交的解決を各国によびかけ、ドイツ、イギリスをはじめ多数の国々が北朝鮮問題の対話による解決を求めました。
 万が一、核兵器や弾道ミサイルが使用されることになれば、その被害は壊滅的なものとなり、おびただしい犠牲をもたらすことは明らかです。そして、この北海道、札幌市が被害にあわないという保証はどこにもありません。
 柳沢協二元内閣官房副長官は、「ミサイルの飛来を100%防ぐことは不可能」とのべ、「撃ち漏らして何発かが日本に落下し、そこに核がつまれていたら、もはや報復どころではない」「日本が考えるべきは、ミサイルの発射に備えることではない。ミサイルを撃たせないことだ」とのべています。
 いま、多くの市民が不安を募らせており、大惨事をもたらす軍事衝突は絶対に避けなければなりません。そのために、いま緊急に求められていることは、米朝両国が直接対話に踏み出すことだと考えますがいかがか、市長の見解を伺います。また、そのためにも、市民の安全に責任を負う市長として、政府に対し、米朝の直接対話をよびかけるよう働きかけるべきだと考えますがいかがですか、見解を伺います。
 質問の第2は、核兵器禁止条約についてです。
 1点目は、この条約の意義についてです。
 7月7日、ニューヨークで行われた国連会議で、人類史上初めて核兵器を違法とする核兵器禁止条約が、国連加盟国の約3分の2、122カ国の賛成で採択されました。
 条約が採択された瞬間、議場は総立ちとなり、拍手と歓声は鳴りやまず、広島の被爆者でカナダ在住のサーロー節子さんは、「この日を70年間待ち続け、喜びに満ちています。これは核兵器廃絶の終わりの始まりです」と発言しました。
 この条約は、第1条で、核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移転」を禁止するなど、まさに核兵器の全面廃絶をめざす画期的な内容となっています。
 本市は、平和都市宣言を行い、核兵器の廃絶を内外に呼びかけ、また、秋元市長は、世界7,439都市が加盟する平和首長会議のメンバーの1人として、日本政府に対し核兵器禁止条約の早期実現を求めてこられました。その市長として、被爆国日本の悲願ともいうべき核兵器禁止条約が採択されたことについて、どのように感じられているのか、また、この条約の意義についてどのようにお考えか見解を伺います。
 2点目は、北朝鮮問題との関連についてです。
 核兵器禁止条約のもう一つの画期的な点は、核兵器の「使用」にとどまらず、「使用の威嚇」を禁止したことです。「使用の威嚇」とは、核兵器の脅しによって安全保障をはかる、あるいは戦争を「抑止」するという、いわゆる「核抑止力」論をさすもので、これに国連加盟国の3分の2がノーを突きつけたのです。
 この「核抑止力」論こそ、自国の核実験や核保有を合理化する論拠にされ、戦後の核軍拡競争を生みだす元凶でした。いま深刻な事態となっている北朝鮮による核開発も、その理屈はアメリカからの攻撃を「抑止する」というものです。
 核兵器禁止条約を採択した国連会議で、オーストリアの代表は、この「核抑止力」論について次のように発言しました。「もし、核兵器が本当に安全保障を提供するうえで欠かせないのなら、どうしてすべての国家がこの利点から利益を得てはならないのか…この議論に従えば、より多くの国々が、より多くの核兵器を持った方が良いということを意味する」と、痛烈に批判しました。
 北朝鮮に核開発を放棄させ、今日の危機的事態を打開していくうえで、国際社会が核兵器禁止条約を結び、一致して北朝鮮に働きかけていくことが最も大きな力となることは明らかです。
 核兵器禁止条約が採択された今、唯一の戦争被爆国である日本が、これを批准し、核兵器廃絶を世界によびかけていくことは、北朝鮮に核開発の中止を迫るうえでも、最も道理ある立場にたつことになると考えますがいかがか、市長の見解を伺います。また、そのためにも、市長が、日本政府に対し、核兵器禁止条約を批准するよう働きかけていくべきだと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第3は、2016年度の決算についてです。      
 2016年度の一般会計決算額は、歳入9,234億円、歳出9,139億円で、歳入から歳出を引いた形式収支は95億円。翌年度への繰越財源35億円を引いた、実質収支で60億円の黒字でした。 2016年市税収入は、納税者数が増えたことから前年度比0.8%増加しましたが、同年市税事務所での換価の猶予による分割納付は7,802件にのぼり、市税の滞納は約5万件、差し押さえは1万2,713件になっています。市民にとって税負担が重いことの表れです。
 自治体本来の役割は、住民の福祉の向上、つまり市民の暮らしが安全・安心・豊かになるように、様々な施策を推進することにありますが、その中でも特に市民要望の強い 子どもの医療費無料化は、約24億円あれば小学6年生まで実施できます。精神障がい者3級の交通費助成は約1億2,000万円で福祉施策として先行実施できます。2016年度の実質収支60億円は残すのではなく、市民から毎年陳情が出され、市長の公約でもある、福祉施策の充実にこそ使うべきでした。
 1点目は、経済の活性化についてです。
 1つ目は、雇用についてです。
 本市の産業構造はサービス業、卸売、小売業などの割合が高く、第3次産業を主とした産業構造です。そのため個人消費の伸びが本市経済に決定的な影響を与えます。
 一般的に第3次産業は他産業と比べ非正規雇用の割合が高い傾向にあります。特に本市の場合には非正規雇用率が全国平均より高く、若者と女性の割合が高いことが特徴です。
 本市が今まで進めてきた、本州企業の呼び込み型では、低賃金構造は改善されません。本市の補助金を活用した企業誘致は2016年の新設で13件ですが、その中心であるコールセンターの正社員雇用は約1割でしかありません。地域に根差した地元企業を積極的に育て、働く人の安定雇用を拡大することが必要と思いますがいかがか伺います。
 2つ目は、子育て世帯の可処分所得の引き上げについてです。
 少子化だからこそ、子育てにかかる負担を軽減する積極的な財政支援が求められています。
 本市の保育料は、多子軽減にかかる第一子の年齢制限は従来通り、3歳未満の年齢制限付きではありますが、2017年4月から3歳未満の第2子が無料になりました。対象となる保護者は「保育料が下がると、収入は増えないけれど暮らしが助かる」と言っています。このように、世帯収入から社会保険料や保育料・教育費などを引いた可処分所得が増えることで、厳しい家計の中から、少しは消費にお金がまわる保障となります。
 保育料第2子無料化の対象者は全体の3,900人でしかありません。多子軽減にかかる第一子の年齢制限・3歳未満の年齢制限を外し対象を広げること、また全国で取組が広がっている学校給食費無償化などで可処分所得を引き上げることが、市民の個人消費を底上げする最も直接的な支援であり、本市経済にとって効果的な施策と思いますがいかがか伺います。
 2点目は、企業支援策についてです。
 2016年度の本市の企業倒産は「卸売・小売業」「建設」で多く、この産業では従業者数も減少しており、従業者数が増えているのは「医療、福祉」「サービス業」です。
 経済観光では、商業振興推進費6,600万円、企業立地推進費4億9,000万円の決算となっています。本市の従業員50人未満の企業は全体の96%を占め、本市経済を支えていますが、法人・個人を問わず経営者の減少が進んでいるところに本市経済の特徴があらわれています。
 市長は2017年第一回定例会で、経済対策に関するわが党の代表質問に「個人消費の底上げを含めた経済の活性化については、企業立地の促進や中小企業への支援といった産業振興施策により実現を図る」と答弁されています。
 予算執行がこの中小・小規模企業が事業を継続し発展するための施策となっていたのか、市長の認識を伺います。

 次に、子どもの医療と若年出産への支援についてです。
 日本の子どもの貧困率は2015年に13.9%、ひとり親家庭の貧困率は50.8%となっています。
 2016年の全国保険医団体連合会の実態調査によると、医療機関の4割が「経済的理由での治療中断」「医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがある」と回答しています。病気の重篤化を防ぐためには、早期発見、早期治療が重要ですが、経済的理由から受診抑制が起こっていること、特に、成長・発達が早い子どもにも受診抑制が起こっていることは深刻な問題です。
 質問の第1は、子ども医療費無料化についてです。
 市内に住む3歳のK君はアトピー性皮膚炎で受診し、全身に浸出液があることから入院を勧められました。父親は障害があるため働けず、母親と祖母のパート収入で生活していたため、親の付き添いが必要となるK君の入院は、パート収入が減ることから断念せざるを得ませんでした。その後、5歳からぜんそくの発作を繰り返すようになりましたが、子ども医療費助成制度のある就学前まではなんとか通院治療を続けていました。しかし、小学校に入学すると医療費3割負担が家計に重くのしかかり、治療の継続が難しくなりました。
 「日本の全人口の2人に1人が何らかのアレルギー疾患にり患している」という厚労省による調査結果が出されているように、アレルギーは身近な病気です。アトピー性皮膚炎などの疾患は、生活環境に大きく影響され、アレルゲンとなる食べ物をコントロールするなど、重症化させないための継続した受診が必要です。かゆくて集中力が低下する、睡眠に障がいが起こるなど、毎日を快適に送ることが難しくなると同時に、放置すればぜんそく、アレルギー性鼻炎、結膜炎と症状が進化していくこと、低年齢での治療をしっかり進めることでその後のアレルギー疾患が起こりにくくなる、などの調査結果も出されています。
 子どもが治療を必要としているのに、3割の医療費負担ができないために治療を中断したり重症化を繰り返したり、そのことによって大人になってからも大きく影響することについて、どのようにお感じですか。
 市長は、今議会で子ども医療費の無料化について新しく通院の対象年齢を小学校1年生まで拡大する議案を提出されています。選挙公約である「子ども医療費の無料化を小学生まで拡大」にようやく一歩踏み出しましたが、小学生は6年生まであります。残された市長任期のあいだ、小学1年生にとどまるお考えなのか、対象年齢をさらに広げる道を作るお考えか、市民の前に明らかにしてください。
 質問の第2は若年出産の支援についてです。
 市内の産婦人科で2002年から10年間にわたって、16歳以下で出産した35人の母親についての調査を行いました。それによると、入院助産制度を利用した人は69%で、母親自身の体格がやせ気味であること、性感染症が多いこと、生まれた子の出生時体重が2,500グラム未満の低体重が多いことなどが明らかになっています。
 若年出産は、骨盤や子宮が未熟なために母体への負担が大きい、と言われています。また、経済的、社会的に自立した生活に至っていないことが多いことから、家族や父親になる相手とのさまざまな協力関係について調整が難航するなどにより、精神的な疲労や生活困窮に陥るなど多くの問題を抱えることになるケースが大半です。
 若年妊婦が出産したあと、助産施設などの病院では24時間さまざまなケアがなされますが、退院後は自宅での生活となり、母乳やミルクの飲ませ方、泣き声への対応など、若い母親にさらに負担がかかることになります。
 本市では、こうしたケースへの支援には保健師が対応をし、継続的な支援を行いますが、各区に配置されている健康・子ども課の保健師75名では、ハイリスク世帯への十分な対応は難しいのが実態です。保健師を増やし、若年出産の母子への支援を手厚くするべきと考えますが、いかがか伺います。

 次は、定山渓観光魅力アップ構想についてです。
 質問の第1は、観光施策の重点的位置づけについてです。
 定山渓温泉は、登別・湯の川と並ぶ北海道3大温泉郷であり、2016年に開湯150周年を迎えました。宿泊者の
 6割が札幌市民であり「札幌の奥座敷」として親しまれています。観光都市札幌にとって貴重な財産であり、本市は定山渓について「都心部や新千歳空港から近く、宿泊施設や温泉をはじめ、自然や体験スポットなど多くの観光資源があり、今後の取り組みによりさらなる誘客が充分可能である。魅力の底上げを図るとともに、新たな価値を創出・発信する必要がある」として定山渓観光魅力アップ構想を策定しています。
 本市の市税収入である鉱泉浴場の入湯税は、2016年度、4億円のうち2.1億円が定山渓・小金湯地域によるものです。
 定山渓の発展は、観光都市札幌にとって重要であり、本市観光施策の中で、定山渓を重点的に位置づけるべきだと思いますがいかがか伺います。
 質問の第2は、定山渓観光魅力アップ施策についてです。
 定山渓観光魅力アップ構想では、「定山渓だから行きたい」「定山渓に行って楽しかった」と感じるプロモーションを行い、集客を図るとされています。
 定山渓では、足湯に浸かりながら、温泉情緒を楽しめる定山源泉公園をリニューアルしたり、地元の人のガイドで定山渓エリアを周遊できる「紅葉かっぱバス」を運行したりなど温泉街を散策できる再整備が取り組まれています。
 旅行の傾向は、団体から個人に移行しており、定山渓温泉は、修学旅行や市内企業の研修旅行など1泊2日の団体旅行が減っています。本市が市内企業に働きかけるなど、対策を講じるべきだと思いますがいかがか。また、移動中の魅力を向上するため、新千歳空港から支笏湖を経由し、定山渓に入る交通網の整備や、新千歳空港から直行で、まず定山渓入りし、翌日市内観光や会議に参加するなど定山渓への誘導策を講じるべきと思いますがいかがか伺います。 
 2016年度の本市の定山渓観光魅力アップ事業費は、約5,000万円です。その中の「空き店舗活用事業補助金」を活用し、近年レンタサイクル、バーなどを開業する事業者が増えています。
 さらに空き店舗を利用して新たな事業を展開するなど、温泉街を活性化するにふさわしい事業規模に発展させるべきと思いますがいかがか伺います。
 定山渓近郊の潜在能力を生かし、小金湯温泉や八剣山、豊平峡、札幌国際スキー場など近隣の観光スポットへの周遊性を向上させ、魅力アップを図るべきと思いますがいかがか伺います。 

 次は、都心アクセス道路についてです。
 最近、気候変動に伴う局地的な大雨が多発化し、都市部での道路をはじめとした雨に強いインフラの整備が急がれています。
 気象庁の地域気象観測システム「アメダス」のデータによると、30年前と比較して、1時間あたりの降水量が50ミリを超える強い雨すなわち短時間強雨の発生頻度は、全国平均が1.34倍であるのに対し、北海道は3.23倍と全国平均の増加率を大きく上回りました。道内で短時間に強い雨が降る頻度が急激に増えたと言うことです。この1時間あたり50ミリを超える短時間強雨とは、滝のように降る非常に激しい雨とされ、都市部の排水機能の限界を超え、マンホールから水が溢れ、地下街などにも浸水する恐れが出てくるほどの強さで、大雨警報の発表基準に相当する降り方と言われています。
 質問の第1は、増加傾向の短時間強雨に対応した道路整備のあり方についてです。
 札幌管区気象台は、北海道の平均気温は21世紀末には更に3度程度上がり、短時間強雨の発生する回数も全道で増加すると予測しています。
 そこで本市では、今後、短時間強雨が増えることで都市部、特に都心での水害の危険性が増加する傾向をどのように認識されているのか伺います。また、創成川通の機能強化(アクセス道路)において整備形態の検討が進められていますが、短時間強雨の影響と対策をどのように分析されているのか具体的にお示しください。さらに、今後、都心部の道路整備は、気候変動を示す最新データに基づいて実態を把握し、将来に予測される問題を抽出した整備が重要であると思いますが、いかがかご見解を伺います。
 質問の第2は、都心部で想定される洪水と地下構造の道路についてです。
 大型の台風18号の影響で、宮崎県赤江地区では386ミリの雨がわずか24時間で降り観測史上最大を記録し、宮崎市内では降り始めからの雨量が600ミリを超えました。
 1日の雨量が100ミリから200ミリを超える局地的大雨は、いまや、どこの地域で発生しても不思議ではないと考えるべきです。
 1点目は、豊平川の特徴と外水氾濫についてです。
 外水氾濫とは、河川そのものの水位が上昇し、水が溢れることで起こる洪水です。川から大量の氾濫水が高速で低い場所へと一気に流れ込み、流れ込んでくる水は泥水のため、洪水がおさまった後も土砂や汚泥が堆積するため、都市部ほどインフラ等の復旧に時間と費用がかかるのが特徴と言われています。
 豊平川は、小金湯温泉付近から幌平橋までの約20キロの標高差が147メートルあります。
 これはテレビ塔とほぼ同じ高さで、全国でも大都市の中心部を流れる川の中では例を見ないほどの急流河川であることから、大雨の場合には氾濫する危険性も高く、その被害は大きいと想定すべきです。
 北海道開発局が制作した、豊平川氾濫時のシミュレーションでは、観測史上最高となる総雨量310ミリの雨が降った場合、降り始めから39時間後に豊平川の水位がピークとなると仮定したうえで、幌平橋下流左岸の堤防が決壊すなわち破堤がはじまるとした場合を描いています。
 破堤30分後には、創成川通でアンダーパスが完全に水没し、破堤60分後に浸水は大通公園まで達し、特に北2条付近の水深が深くなると想定しています。
 浸水は、創成川通周辺を中心に北へ広がり、破堤10時間後に氾濫水は、北区篠路を越え、石狩ばらと付近にまで達するというものです。
 創成川通の機能強化(都心アクセス道路)は、その整備形態として地下構造が有力視されていますが、豊平川氾濫のシミュレーションから大きく3つの問題があります。 
 第1は、そもそも創成川通アンダーパスがいち早く水没すること。第2は、アクセス道路の出入り口が計画されている付近でも浸水被害が想定され深刻な事態であること。第3は、浸水は創成川通を中心に北へ拡大していくことなどです。
 このように、豊平川が破堤するという外水氾濫によって浸水する可能性とそれに伴う被害が予測される地域に、わざわざ総工費1,000億円以上も費やし、地下構造のアクセス道路を整備しようとするのは、大雨が頻発する時代に逆行すると言わざるを得ませんが、本市の認識を伺います。また、豊平川氾濫のシミュレーションからすると創成川通の下に地下構造で道路を整備することは条件的に困難だと思いますが、いかがかご見解を伺います。
 2点目は、都市部で急増する内水氾濫についてです。
 内水氾濫とは、下水道などの排水能力を超える量の大雨が降り、マンホールから水が逆流して、道路に水が溢れ出すなどして起こる洪水です。
 地面が舗装で覆われ、雨水が地中に浸透しづらい構造が大きな要因と言われ、地下施設や都市機能が集積された場所ほど被害が大きくなる典型的な都市型水害です。
 外水氾濫と比べ雨の降り始めから被害に至るまでが極めて短時間のため、人や車の多い都市部では浸水対策と避難が難しいことが指摘されています。
 気候変動に伴う局地的大雨が多発する時代に、都心アクセス道路を地下構造で整備することは、都心部の水害に脆弱なインフラになると思いますが、そのような懸念はないのか、増加する内水氾濫を想定した道路整備が求められていると思いますが、本市のご見解を伺います。

 次に、環境を中心にした魅力と活力あるまちづくりについてです。
 本市は、2030年までに温室効果ガス排出量を、1990年比25%削減し、CO2換算で701万トンとする中期目標を設定しています。2015年度の総排出量は、1,251万トンとなっており、あと550万トンを削減しなければならない現状のもと、札幌市温暖化対策推進計画の諸施策に力を注ぎ、着実に展開する必要があると考えます。
 質問の第1は、エネルギー創造戦略についてです。
 札幌市まちづくり戦略ビジョン「戦略編」では、「低炭素社会・エネルギー転換」を掲げ、次世代エネルギーシステムの普及促進のために、「メガソーラー等の大規模再生可能エネルギーシステムの設置への支援」、「遊休地などへの太陽光発電を設置」、「広域的な再生可能エネルギー導入促進の枠組みの調査検討」の3つの「主な取り組み」を行うとしています。
 これらは大規模な発電を目指したものですが、すでに、FIT法の改正により電気料金の収益が見込めなくなった大手企業の計画の中止や撤退が起きています。大規模発電では、それを設置できる一部の大手企業に頼らざるを得ず、その動向に左右されることとなり、また、地域住民が直接設置に関われないことから、突然設置を知らされトラブルが起きています。
 本市のエネルギー創造の今後は、思い切って小規模エネルギーを事業化することに力点を入れ、地産地消のエネルギー創出に舵を切ることが必要だと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、産業振興ビジョンと再生可能エネルギー振興についてです。
 1点目は、エネルギー分野の振興についてです。
 本市の産業振興ビジョンでは、環境エネルギー分野の現状と課題について、「環境分野の産業の広がりや厚みもいまだ不十分な状況」と記述しています。省エネルギーの分野では、「潜在市場の把握」、「相談窓口の設置」など市内中小・小規模企業が担い手の中心となるよう具体的に記述され、取り組みが始まっています。一方、環境分野の振興では、再生可能エネルギーをいかした産業をどのように振興していくのかの記述が十分とは言えません。
 再生可能エネルギーは、川に近い、農地に近いなど、各地域の特性に合わせ、その自然をいかしてエネルギーを作ることから、地域固有のものになります。多様な装置の組み合わせで地域に分散化した設置が必要なことから、その担い手は中小・小規模企業が適しています。再生可能エネルギーの産業は、その開発、製造、保守、管理など新たな仕事を生み出し、市民が必要とするエネルギーを地元企業が支えるという地産地消のエネルギーとなります。
 また、札幌に住む大学生が道内・市内に就職を希望しても、理系男性の6割が道外に就職せざるを得ないという傾向も、環境分野・再生可能エネルギー創出の分野の振興によって流出を抑えることにつながり、札幌で育った人が地元で仕事に従事する機会を増やすことにもなると考えます。
 小規模による再生可能エネルギーの創出を本格的に行い、本市のビジネス創出、地域雇用の促進、経済の活性化につなげることは、札幌のもつ資源をいかした札幌らしい独自の魅力を発揮し、そのことが活力ある街づくりの柱になっていくと考えますが、いかがか。大胆な財政的支援も含め、力を注ぐべきと考えますがいかがか伺います。
 2点目は、中小・小規模企業への支援と地域住民との協同についてです。
 本市が進めている再生可能エネルギーによる発電量は、2015年度1.9億キロワットアワーで、中期目標の、「2022年度までに6億キロワットアワー」を実現するには、あと約3倍の発電量にする必要があります。再生可能エネルギー導入の約3分の2を太陽光発電によるものとして計画されていますが、太陽光は毎年7,000キロワット程度とわずかずつ増えてきた現状から考えると、このままでは到達できないことは明らかです。
 昨年の第4回定例会のわが党の代表質問で本市は再生可能エネルギーの普及拡大について、「今後もより効果的な連携を深めていく必要がある」と認識を示されました。市内には多くの環境団体・NPOなどがあり、北海道大学など研究施設も立地しています。
 小規模な再生可能エネルギーを開発するうえで、地元中小・小規模事業所と、研究者、地域住民などとの効果的な連携策を深めるため、本市がコーディネートの中心役を担い、地域密着の協同型としての実証実験などに踏み出し、実践を重ねるべきと考えますがいかがですか。
 また、雪冷熱エネルギーは札幌ならではの活用です。地元にとっては捨てるところがなくて困る雪ですが、道内では、農産物や食品を低温保存・乾燥・熟成させて新たな商品を製造したり、モエレ沼のガラスのピラミッドに代表されるような冷房システムを展開している事業所があります。こうした雪を活用した事業化の研究・実践に対しても同様の地域密着型事業展開のための支援を促進すべきと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第3は、 他の都市にない魅力と活力あるまちづくりについてです。
 世界で人気の「環境にやさしい都市」では、農業・食・健康・環境など地域資源をいかした地域活性化の成功例として注目を浴びています。徹底して地元産にこだわり、その展示の仕方や売り込み方まで来訪者にわかるようにアピールし、発案から実現までのすべての過程が住民参加型で、環境を重視したエコロジースタイルを持っていることなどが特徴です。
 同様に、本市には豊富な食資源や多様な観光資源があります。道内各地で収穫された道産食材・農水産物を加工し、道内最大の消費地として、食ブランドの発信や、食や歴史などを切り口とした観光コンテンツなどを推進していますが、食や農水産業の根幹を支えている大自然をそのまま生かすために、本市が環境に対して最大限配慮し保護と低炭素社会推進に力を入れていることを、今以上に強く押し出す工夫が必要です。
 例えば、札幌駅北口の雪捨て場の活用事例や都心地区のコージェネレーションを、旅行パッケージに入れて見学できるような商品化、市民が鴨々川の流れを利用して行っている小水力発電を観光スポットの一つにするなど、環境と観光を組み合わせ、地域を歩くことが楽しくなるような工夫が必要です。さらに、歩きながら飲食店などで地元産のこだわりがアピールされ、市民や来訪者がお店に入っていきたくなるように本市がコーディネートしながら活性化させることは、他の都市にない魅力あるまちづくりにつながるものと考えます。
 ネット予約が広がるなか、個人で旅行する外国人観光客が増える傾向にあると聞いています。本市が力を入れる環境首都札幌の具体的な実践を観光スポットとして見たり、店先で地元産を見ながら歩く街づくりは、大型のイベントや観光誘致にとどまらない魅力と活力ある環境都市につながると考えますが、いかがか。本市が産業振興の基本施策とする環境を中心に、住民参加型で地域の資源や特徴をいかした地域活性化策と一体的に進めることで、本市独自の魅力を構築していくべきと考えますがいかがか、ご見解をお聞かせください。

 最後は、マイナンバー制度についてです。
 質問の第1は、浪費し続ける仕組みと制度のすすめ方についてです。
 すべての国民に12桁の番号を割り振り、税や社会保障などの情報を政府が管理するマイナンバー制度は、今年の7月から個人情報を自治体や国の機関との間で、やりとりできる「情報提供ネットワークシステム」の実用に向けた試行運用が始まりました。
 このマイナンバー制度には初期費用に3,000億円、ランニングコストはその20%、600億円かかるといわれ、その維持に毎年数百億円もの税金を投じることになると言われています。
 20政令指定都市のマイナンバー制度には、少なくともシステム改修費用などに2014年、2015年度の2年間で、計316億円を支出していることがわが党の調査で明らかになりました。本市でも初期導入では17億円もかかっており、今後もシステム改修や維持管理など莫大な費用がかかり続ける仕組みとなっています。
 一方で、マイナンバーカードは、盗難・紛失すればプライバシー侵害の被害は大きくむやみに持ち歩くことへの不安が強いだけでなく、使い道も身分証明くらいしかないため、住民への交付は人口の9%程度にとどまり、本市でも約8%程度の交付とほとんど普及していません。これは、国民的議論を置き去りにして、強引に制度をすすめた結果です。しかも、会計検査院がおこなった抽出調査の結果によると、対象170機関のうち145の機関で不備が発見され、厚生労働省のシステムでは、改修のために約34億円も追加で支出していたことが明らかとなりました。
 これらの問題は、システムづくりを先行させて税金を浪費する無理な制度設計になっている表れだと思いますが、いかがか認識を伺います。
 また、利便性が高まることのみ強調して問題点や危険性をまともに説明せず、運用を強行する姿勢は無責任だと思いますが、市長のご見解を伺います。
 質問の第2は、制度の構造的な問題についてです。
 マイナンバー制度には、巨大なITハコモノ利権という側面もあります。マイナンバーを巡って動くお金は巨額です。その市場は1兆円とも3兆円とも言われています。
 マイナンバー制度のシステム改修費用など数百億円に及ぶ莫大な支出は、設計にかかわったNEC、富士通、日立製作所、NTTデータなどの大手4社とNTTグループに集中しています。この4社・グループはいずれも幹部が、2011年に政府が設けた会議「情報連携基盤技術ワーキンググループ」のメンバーになっています。
 マイナンバー制度に詳しい専門家は「制度設計にかかわった4社・グループの“お手盛り”にならざるを得ない構造的な問題がある。また、システムトラブルを繰り返すなど問題が多い。多額の負担金を払い続けることは問題だ」と指摘しています。さらに、2015年10月には、マイナンバー制度に関連する業務を巡り、東京都内の情報関連会社に便宜を図った見返りに現金約100万円を受け取ったとして、厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐が収賄容疑で逮捕される事件も起きています。
 これらの背景には、制度設計に関わっている企業がお手盛りにならざるを得ない構造的な問題があるからです。また、国民の個人情報を利用した利権と癒着の温床となっていることがあげられると考えますがいかがか、市長は、そのような懸念を抱かないのか伺います。
 質問の第3は、情報漏えいの危険性についてです。
 アメリカでは、ヤミ売買、犯罪者の手に渡るなど、ここ最近で最も多いのがID詐欺となり、犯罪を助長しています。2006~2008年の3年間だけでもなりすまし被害は、約1,170万件、被害額は約2兆700億円にもなっています。韓国では、クレジットカードのカード番号も住民登録番号で一元管理されているため、ひとたび住民登録番号が漏えいすると、そのままクレジットカード被害につながります。実質的に、マイナンバーの本人確認がされていないことから、番号を手に入れるだけで簡単に本人になりすますことができるため、クレジットカードの不正使用が広がるなど、人口の約5倍もの個人情報が流出する被害となっています。
 国内では、年金の個人情報を管理している日本年金機構のシステムがウィルスメールによる不正アクセスを受け、加入者の氏名や年金番号など、約125万件にのぼる個人情報が流出し、公的機関の個人情報管理の脆弱性が浮き彫りになりました。また、ベネッセなど民間企業の情報漏えい事件も後を絶ちません。
 こうした情報漏えいの背景には、マイナンバー制度の4つの危険性があります。第1は、100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムの構築は不可能であること。第2は、意図的に情報を盗み売る人間がいること。第3は、一度漏れた情報は流通・売買され取り返しが付かないこと。第4は、情報は集積されるほど利用価値が高まり攻撃されやすくなることです。
 このような危険性がある以上、マイナンバーの運用は中止すべきですが、市長はこの4つの危険性はないとお考えか認識を伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 市長の政治姿勢
 北朝鮮問題についてです。
 北朝鮮の一連の行為につきましては市民の安全を脅かす暴挙であり断じて容認できるものではありません。
 北朝鮮がこのような暴挙を繰り返す事が無いよう国に対し国際社会と連携をはかり、しっかりと対応をしていただくよう強く求めてまいりたいと考えております。
 核兵器禁止条約についてです。
 条約の意義と北朝鮮問題をふまえた条約の批准についてでありますが、核兵器禁止条約の採択は、被爆者をはじめ核兵器の廃絶を願う多くの国や地域、市民が核兵器のない世界の実現を粘り強く訴えてきた成果であり、核兵器廃絶への大きな一歩であると認識しております。北朝鮮による核開発などの脅威が増す中で、この条約を今後さらに実効性のあるものにしていくためには、この条約に核保有国を含むすべての国が参加する事が重要であると考えております。
 札幌市は平和首長会議や日本非核宣言自治体協議会に加盟をしており、今後もこれらの加盟都市と一丸となって、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 昨年度の決算についてであります
 1点目の経済の活性化についてでありますが、安定した雇用の拡大のためには、既存企業の発展と魅力ある企業の誘致・創出の両方が重要であると認識をしており、具体的には融資制度の充実や正社員雇用をより重視した、企業立地補助制度の改正など様々な取組みを積極に進めているところであります。今後ともこれらの取組を継続する事により、雇用の確保に努めてまいります。
 つぎに、子育てにかかる負担軽減などにつきましては、子育て世帯への福祉施策として進めてきているところでありまして、今後も市民が安心して子どもを産み、育てる事が出来る子育て環境をめざし、様々な取組を行っていく所存であります。
 2点目の企業支援策についてでありますが、札幌市の産業振興策は、制度融資や人材確保などその大部分が中小・小規模企業に対する支援でありますとともに、企業ニーズを踏まえた内容となっていると認識をしており、そのことに重点的に取り組んできてきたところです。今後も中小・小規模企業の持続的な発展に向け、積極的に経営基盤の強化や付加価値の向上を支援してまいりたいと考えております。
 2項目の子どもの医療と若年出産への支援についてであります。
 1点目の子ども医療費無料化についてであります。
 子ども達が健やかに成長するためには、必要な時に安心して医療機関を受診できる事が大変重要なことであると認識をしております。子ども医療費助成の対象年齢拡大につきましては、まずはこの度の小学1年生までの拡大を、円滑かつ着実に実施してまいりたいと考えております。さらなる制度の拡充につきましては、保育定員の増など子どもの子育て施策全体のなかで、財源なども勘案しながら判断をしてまいりたいと考えております。
 2点目の若年出産の支援についてであります。
 各保健センターの保健師は、妊娠届時において全ての妊婦に面接を行っており、10代の若年妊婦に対しましては、家庭訪問等により心身の状態や生活環境等を確認しながら安全な出産にむけて、きめ細やかな支援を実施しているところであります。また出産・退院後に付きましても心身の不調や育児不安のある母子を対象に、助産所が支援を行う日帰り型・宿泊型の看護ケア事業を、昨年9月から開始するなど支援の充実をはかってきたところであります。各区の保健師は医療機関や地域の子育て支援関係機関をつなぐ重要な役割を担っております事から、引き続き資質の向上に努めるとともに適正な職員配置について検討し、若年妊婦の支援に今後も取組んで参りたいと考えています。

町田副市長 答弁

 定山渓観光魅力アップ構想について
 1点目の観光施策の重点的位置づけについてでございます。
 定山渓の魅力アップは平成25年度に策定しました、「札幌市観光まちづくりプラン」において、重点施策として位置づけ、滞在型の温泉地をめざし定山渓観光協会と連携して取組んでいるところであります。
 2点目の定山渓観光魅力アップ施策についてでございます。
 今年度から温泉街の賑わいや集客力のさらなる向上をめざしまして、街並みの緑化や人々が集い・交流できる魅力的な景観づくりに対して支援を行い、民間投資を促しているところであります。その多くは、民間事業者の取組として国の内外への修学旅行の誘致や紅葉ゴンドラと宿泊を組み合わせた商品販売、レンタサイクルによる周遊性向上などを図ってきているところです。さらには定山渓の交通アクセスとして、市内中心部や新千歳空港からの直行バスが通年運行されているほか、冬期間には市内や定山渓から札幌国際スキー場を結ぶバスも運行されているところでございます。こうした官民での魅力向上の取り組みを踏まえまして、様々の手法で定山渓への誘導策をおこない、引き続き地域や事業者と一体となって魅力的な観光地づくりを進めて参ります。
 マイナンバー制度について
 1点目の浪費し続ける仕組みと制度の進め方について。
 マイナンバー制度の設計にあたりましては、国会での議論のほか国のIT総合戦略本部などにおいて有識者や地方公共団体の意見を聞いたうえで、慎重に検討を重ねて制度設計されてきたものと承知しているところでございます。
 システム構築の経費につきましては、その検討を踏まえたものでありマイナンバー制度を安定的に運用するために必要な経費等に意識してきているところであります。
 制度を進めるにあたりましては、国民の理解が得られるようにその必要性、安全性、効果性等について、説明をおこない進められるべきものと考えております。
 国はもとよりではございますが、札幌市としても丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
 2点目の制度の構造的な問題について。
 マイナンバー制度の導入にあたり、情報関連会社に便宜を図るという事件が起こったことは誠に遺憾でありますが、その背景に国と情報関連会社の構造的問題があるかどうかについてでございますが承知してございません。何れにいたしましても、国におきまして適正に事務を進めていただきたいと考えるものであります。
 3点目の情報漏えいの危険性について。
 マイナンバー制度におきまして情報漏えいを防ぐためにシステム・制度の両面でセキュリティー対策を実施されてきているところでございます。特にシステム面では、個人情報の分散管理や通信の暗号化などに加え今年の7月から全国の地方公共団体におきまして、マイナンバーを取り扱う業務用ネットワークとインターネットを分離するなど、様々なセキュリティー対策を実施しているところでございます。札幌市といたしましても市民の個人情報を守っていくために今後も国と連携しながら、必要なセキュリティー対策を講じてまいります。

吉岡副市長 答弁

 都心アクセス道路について
 1点目の増加傾向の短時間強雨に対応した道路整備のあり方について。
 都市型水害への対応につきましてですが、近年、短時間で強い雨が増加している傾向なども踏まえながら治水事業及び下水道施設整備などのハード対策はもとより防災訓練などのソフト施策を含め総合的に対応していく必要があると認識しているところであります。また道路整備にあたりましては、降雨などの影響について考慮していくほか、沿道環境への配慮など様々な観点から検討していく事が重要であると考えているところでございます。
 2点目の都心部で想定される洪水と地下構造の道路について。
 都心アクセス強化にかかる道路構造につきましては、現時点では決まっておらず今後、国、北海道及び札幌市で構成されます検討会において議論していく事としています。検討にあたりましては、降雨はもとより降雪などの気象条件なども勘案しながら機能強化のあり方を幅広く考えて参ります。
 環境を中心にした魅力と活力ある街づくりについて
 1点目のエネルギー創造戦略について。
 低炭素社会の実現のためには徹底した省エネルギー対策を進めるとともに再生可能エネルギーの大幅の導入を大規模から家庭向けの小規模なものまで幅広く促進していく事が重要であると認識しております。この再生化可能エネルギーの導入を効果的に進めていくためには市民や地域団体、事業者などの様々な主体と共に進めていく事が必要と考えるところでございます。
 2点目の産業振興ビジョンと再生化可能エネルギーの振興についてでございます。
 札幌市ではこれまでも再生可能エネルギーの普及啓発やエネルギー関連分野の振興に努めてきたところであり、今年度、策定予定の第2次札幌市環境基本計画では適切寒冷地に適した省エネルギー、再生可能エネルギー技術の開発や導入また、地元企業の競争力強化と市場開拓の支援を想定しているところであります。今後とも環境対策と産業振興の両立を目指しながら多様な主体とも連携し積極的に温暖化対策を進めて参ります。
 3点目の他の都市にない魅力と活力あるまちづくりについて。
 環境首都としての札幌の魅力や取組を国内外に積極的に発信することにより、札幌のブランド力の強化や市民の誇りの情勢ひいては観光振興にもつなげ、より一層活力あるまちづくりをすすめて参ります。

伊藤りち子議員 再質問

 核兵器禁止条約については、人類史上歴史的にも初めて実現したことで、私も何十年も核兵器を禁止させるために、署名活動や運動を地域の皆さんと一緒に取組みをしてきました。 
 札幌に住んでいらっしゃる被ばく者の皆さんも、切実に願っていたことであり、大変重要な条約です。
 北朝鮮が核開発をしており、さらにはミサイルを撃ち込んでいるというような暴挙にたいしても、この核兵器禁止条約を様々な国が批准していくことが重要であると考えております。その中でも、唯一の被爆国である日本政府が核兵器禁止条約を批准していないという事です。平和都市宣言を行い、核兵器を廃絶させる都市の市長として、それと平和都市市長会のメンバーの一人として国民のみなさんと一緒に運動を広げ、核兵器禁止条約を批准できるように是非、市長からも政府に求めていただきたい。
 私どもも引き続き世論と運動を広げながら市民の力で実現させるために力を尽くしていきたいと再質問の前に一言申し上げます。
 子どもの医療費についてです。
 先ほど市長が述べられた子どもの医療費については、様々な施策の中で財源を含め検討していくと述べられましたが、しかし、子どもの貧困対策の実態調査をした結果、貧困状態に置かれている皆さんは、子どもが体の不調を訴えた時でも病院で受診させることが出来ない実態が1000人以上超えていることが明らかにされました。
 代表質問でも言いましたが、アトピー性皮膚炎の方の事例を紹介しましたけれども、2人に1人がそのような状況をともない、小学校に入学しても通院をしなければならない実態です。
 何よりも市長が選挙公約で「子どもの医療費無料化を小学生まで拡大する」と、これに期待して子育て世帯の皆さんが、子ども達が学校に上がってからも安心して受診できるのであろうという期待の中で、秋元市長に支持をした方も多くいると思いますし、私も地域で何よりも実現していただきたいのは、病院に通院させることが大変なんだという事を市議会の中で是非とりあげて進めていただきたいと言われております。この選挙公約でもある子どもの医療費無料化を、この任期中に6年生まで拡大をしていくことを実現させていく、約24億円で実現できる施策でもありますし、子どもの貧困対策優先的にしていこうとしている市長ですからこそ、この期に行っていただきたい。いかがか伺います。

秋元市長 答弁

 私が選挙公約で市民のみなさんにお約束をしてきた事柄、さらにこの札幌の中で様々な課題を抱えている喫緊の課題として解決をしていかなければならない事、こういった事柄については限られた財源の中で、どういう事業を優先させ重点化をしていくかがあります。 
 そういう意味でアクションプラン2015の中期計画の中で、財源というものの見通しをしっかりと持ちながら重点化する事業を盛り込んできたところであります。
 子ども医療費の助成制度につきましては平成31年度までの計画のなかで、小学1年生までの拡大という事について盛り込ませていただいたところであります。そのために、先ほどもご答弁申し上げたように、小学1年生の拡大をしっかりと取組んで参りたいと考えております。

伊藤りち子議員

 市民が期待しているのは小学校1年生までではなく小学6年生までで、急いで行ってほしい施策で、それは経済的にも貧困が厳しくなっている中、極めて命にかかわる切実な問題であるという事です。是非、いろいろと財源もかかるという事でもありますが、最優先して実施することに対して反対する方もいないはずです。是非とも市長の政治決断で子どもの医療費を任期中に24億円をかけて小学6年生まで実施する事を強く求めて質問を終わります。