私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっています議案19件中、議案第1号 一般会計補正予算、議案第10号 国民健康保険条例の一部を改正する条例案、議案第14号 病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案の3件に反対、残余の議案16件に賛成する立場で討論を行います。
議案第1号 一般会計補正予算(第1号)中関係分に反対する理由は、マイナンバー関係の予算5億5,000万円が含まれているからです。
今回の補正は、マイナンバーカードを申請した人へ交付するための費用となっています。交付の際は、地方公共団体情報システム機構・J-LISが運営するセンターサーバーに接続し、申請したパスワードと暗証番号を設定したのち、本人に交付する、という作業となりますが、このセンターサーバーのシステムがすでにトラブルを起こしています。
マイナンバーは、個人情報の流出が避けられません。どのように対策をとっても、情報を盗み取ろうとするものがそのセキュリティを破ろうとする、いたちごっことなります。このようなマイナンバー制度はやめるべきであり反対です。
議案第10号 国民健康保険条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、賦課限度額の引き上げで、一部の世帯に国保料負担を増やし、中間所得層の負担を軽減するとしていますが、中間所得層の軽減にもほとんどつながらなく、国保がかかえる根本的な問題の解決にはならないからです。
本市は、国保世帯の保険料の負担感は非常に強いと認識しながら、最大限できる負担軽減策は、平均保険料を据え置くことだとし、国いいなりに賦課限度額を3年連続で引き上げてきました。
高すぎて払えない国保料を引き下げてほしいという市民の声にこたえるため、本市がとるべき対策は、一般会計から国保会計への繰り入れを、平均保険料の据え置きではなく、国保料引き下げのために使うべきです。
議案第14号 病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、一般病床が500床以上の地域医療支援病院等において定額負担を義務化したことです。その結果、市立病院を受診する場合、紹介状を持たない初診患者に5,000円、すでに受診している患者で中小の医療機関へ紹介する旨の申し出を行ったにもかかわらず、受診を継続する再診患者に2,500円の特別加算額を徴収することになります。これは国の医療費削減政策の一環であり患者の受診抑制をいっそうすすめるとともに負担増を図るものです。高度な医療は誰でも受けられるようにするのが国の責任です。医師をはじめ医療従事者と医療機関の充実こそ求められています。市民への新たな負担増と必要な医療を受ける上での差別につながることから反対です。
なお、議案第2号 介護保険会計補正予算(第1号)は、介護保険制度改正等に伴うシステム改修を行うものです。
国は、社会保障費を抑制、削減し続け、必要な介護支援にかかる費用などの負担を利用者と家族に押し付けてきました。今回の改定は、介護保険制度から要支援者のサービスを切り離し、市町村が実施する新総合事業に移行させるもので、その最大の狙いは、国の介護給付費の削減にあることから問題です。
新総合事業を先行実施した自治体では、「水際作戦」や「卒業」と称して、必要な介護サービスを打ち切るという事態が起きています。
本市は、今、議会のわが党代表質問に対し、「新総合事業においても、本人や家族の状況や意向を確認したうえで、必要なサービスを決定するものであり、従来と変わるものではない」、「これまでと同様に、指定介護事業所による専門職のサービスを位置づけることで検討している」と答弁しました。さらに、厚生委員会でのわが党の質問に対して担当部長は、「『水際作戦』とかサービスを受けさせないということは決してございません。必要な方が必要なサービスを受けられるように、新総合事業導入後も従来の考え方を踏襲していきたい」と答えていることから、本議案においては、あえて反対しないものの、本市として、国に対し、事業費の上限を撤廃することを求めるとともに、介護サービスを必要とするすべての利用者やその家族に対して、事業費が不足する場合は、本市独自に財源措置をしっかりと行うべきことを求めます。
以上で私の討論を終わります。