私は、日本共産党を代表して、市政に関わる重要問題について順次質問いたします。
質問に先立ちまして、「熊本地震」で、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、沖縄での米軍属による女性遺体遺棄事件ですが、平穏に暮らす女性を襲い死に至らしめ、無残に夢と希望を奪った事件に満身の怒りを持って抗議するものです。戦後71年、復帰44年を経ても米軍基地あるが故の事件・事故は後を絶ちません。
政府は米軍基地が日本を守ると言いますが、女性たちが米軍から身を守らなければならないというのが沖縄の現実です。県民の苦しみの元凶である米軍基地を撤去するために全力を尽くす決意です。それでは質問に入ります。
最初に市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、災害対策についてです。
福祉避難場所の拡充や諸課題については、昨日の答弁の中で、方向性と姿勢が示されました。
災害が発生したとき、大勢が避難する避難場所では、通常と違う環境となるため、障がい者や認知症の方などは、精神的に不安定な状態となります。そのため、集団での避難所生活が続けられず、結果として倒壊の危険性がある自宅に戻らざるを得ない実態が多数あると思われます。
熊本市で福祉避難場所として開設できたのは、指定された176ヵ所のうち、わずか2割だけで、被害の大きい益城町では、すべてが開設できませんでした。
わが党は災害時における福祉避難場所の役割は、非常に重要であるという観点から、これまで、繰り返し充実を求めてきたところです。今回の熊本地震により、様々な課題が明らかになってきていますが、あらためて、福祉避難場所の周知不足、建物の耐震化や福祉避難場所用スペースの確保、施設の人的体制の整備や介護用品等の必要物資の確保など、福祉避難場所をいっそう充実させるように早急に検討するよう、まず、はじめに申し上げておきます。
1点目は、厳冬期の防寒対策についてです。
寒さへの対策が不十分な場合には、凍死する危険があることから、積雪寒冷地域では、災害が発生したあとの避難場所の防寒対策の充実が不可欠です。
特に避難生活の長期化を想定した場合、避難場所の防寒対策の具体的な方法について検討すべきと思いますが、どのように充実していくおつもりなのか伺います。
2点目は、学校の耐震化と被災者への情報の提供についてです。
熊本地震は、5月24日時点で余震が1,560回も連続するこれまでに経験のない、きわめて異常な事態です。専門家の中には、調査し切れない「隠れ活断層」が北海道のいたるところにあることから、いつどこで地震が起きても対応できるように、今の防災対策を見直すことが重要だと指摘しています。とりわけ基幹避難所となる学校は、子ども達の学びの場であると共に地域の重要な避難場所となることから、校舎の耐震化は急がれる課題です。本市では、中央中学校と本通小学校、中の島小学校など、3校の老朽化に伴う、校舎改築工事を実施する予定でしたが、国庫補助事業である学校施設環境改善交付金約3億3,000万円が見送られたことで、改築工事は中止されました。
子ども達の命を守り、地域の防災対策の充実を図るには、まず、老朽化した校舎の改築で耐震化の強化が必要だと思いますがいかがか伺います。
また、国に予算確保を求める要望を緊急に行うべきだと思いますがいかがか伺います。
さらに、被災地では、情報が伝わらないため、被災者が不安を抱き、適切な対応が取れない場合がありました。必要な情報を住民に提供するためにも、この間、全国で起こった災害を教訓として、本市で、被災者への情報提供のあり方を今後の計画づくりに生かしていくことが必要だと思いますがいかがか伺います。
質問の第2は、オバマ大統領の広島訪問についてです。
オバマ大統領は、26日から開かれる伊勢志摩サミットに合わせ、現職のアメリカ大統領として初めて、被爆地・広島を訪問することを明らかにしました。
今回の訪問を、「核兵器のない世界」の実現につなげる一歩にしていく必要があると考えますが、平和都市を宣言している市長として、どのような見解をお持ちか伺います。また、そのためにも、核兵器禁止条約の実現に向けた国際交渉開始を求める立場に日本政府は立つべきですが、市長のお考えはいかがか伺います。
質問の第3は、憲法についてです。
日本国憲法は、公布され今年で、70年を迎えました。
新聞の世論調査では、戦後の日本で果たしてきた憲法の役割について、「評価する」と回答した道民が88%でした。
1点目は、「立憲主義」についてです。
憲法の根本原理である、「立憲主義」とは、憲法によって権力を縛るということであり、たとえ国会で多数を持つ政権党であっても、憲法の枠組みに反する政治をしてはならないということです。権力が憲法を無視して暴走を始めれば、「法の支配」が「人の支配」に代わり、独裁政治の始まりになります。
市長は、昨年の第4回定例会わが党代表質問の中で、「憲法は国の最高法規として国務大臣や国会議員、その他全ての公務員が尊重し擁護する義務を負うものと認識をしております」と答えています。安倍首相は夏の参議院選挙の公約に「憲法改正」を掲げるとしており、憲法尊重擁護義務に反すると考えますが、いかがか伺います。
2点目は、「個人の尊重」についてです。
立憲主義によって、権力を縛ることの究極の目的は、日本国憲法第13条が保障する、すべての国民を「個人として尊重」することであり、「個人の尊厳」を擁護することにあります。
この3月まで使われていた中学校の「公民教科書」では、「個人の尊重」について、「憲法は私たちの人権を守るために政治権力を制限するしくみを定めたものです。まず、憲法は、人がその人らしく生きていく(個人の尊重)のために必要な自由を人権として明記しています」「日本国憲法は、アメリカ独立宣言などと同様に、人が生まれながらにもつ自由や平等の権利を基本的人権として保障しています。その根本には、『個人の尊重』の考え方があります」と記述されています。
「自民党改憲草案」は、この「個人の尊重」という文言を「人として尊重」に置き換えています。「個人」から「人」へ、一文字の変更ですが、これは、1人ひとりが個性をもった多様な人格として認められ、尊重されるという理念を、大きくゆがめるものだと考えますが、市長の見解を伺います。
質問の第4は、LGBTについてです。
LGBTとは、自分の性別に対して認識する性自認や、性的な魅力を感じる異性、同性の違いがある人など、性の多様性を表す総称の一つです。性的指向と性自認は、本人の意思や努力によって変えることはできません。
憲法第13条では、「すべて国民は、個人として尊重される」と、すべての人がそれぞれの人格を持った存在であることを保障しています。しかし、パートナーと一緒に暮らすための部屋を借りる時の賃貸契約を結べない、住宅購入時のローンが組めないなど、当事者にとっては、くらしのあらゆる場面で、偏見と差別にさらされ苦しんでいます。
市長は、このような実態をどのように認識されているのか伺います。
世界的には、LGBT当事者のための法律や制度など人権擁護の環境整備が進んでいます。
東京都渋谷区をはじめとし、「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が成立するなど全国で、LGBTなどの性の多様性を尊重し、偏見・差別を解消しようという動きが広がっています。市長はこうした動きをどのように受け止めていますか、さらなる人権擁護のための環境整備が求められていると思いますがお考えを伺います。
質問の第5は本市の経済と雇用についてです。
安倍政権が、大企業への法人税減税や研究開発減税のばらまき、年金積立金の株式投入による株価つり上げを行った結果、大企業の内部留保は300兆円を超え、史上最高の利益を更新し続けています。しかし、一方で、労働者の実質賃金は4年連続のマイナスとなり、低賃金の非正規雇用は増大しつづけています。
1点目は、観光とMICEの推進による雇用効果についてです。
本市の産業構造は、製造業が少なくサービス業が中心で、なかでも卸売・小売業が24.5%で最も高い割合を占めており、北海道の3分の1の人口が集中する一大消費地という特徴もあります。
市長は「アクションプラン」で、札幌の経済をけん引する産業分野は観光とMICEだとして、その推進によって「安定的な雇用の場を確保する」といいますが、観光客や国際会議を呼び込むことで、安定して働くことのできる正規雇用の拡大をどの程度見込んでいるのか伺います。
2点目は、卸売・小売業の減少と雇用者報酬の減少がもたらす影響などについてです。
札幌市統計書によれば、本市の卸売・小売業の事業所数は、1999年と2014年との比較で7,779減少し約4割が失われ、同じく従業員数は74,683人も減少しています。その結果、大型店に集約され、多くの地元商店街は衰退し、買い物難民が生まれるという事態になっています。また、2002年度と2012年度との比較で、人口は8万人増加している一方で、雇用者報酬は、2,470億円も減少しています。
このような卸売・小売業の事業所数と従業員数の大幅な減少、雇用者報酬の大幅な減少は、本市はもとより北海道経済にも深刻な影響を及ぼしていると考えますがいかがか、また、こうした減少がなぜ生じたのか、見解を伺います。
市長は、観光やMICEで外需を取り込むとしていますが、落ち込んでいる市民所得を増やし、市内総生産の66%を占める個人消費を引き上げ、内需を温めることが、本市の域内経済を活性化させるカギだと考えますが、いかがか伺います。そのためにも自治体本来の役割である「福祉の増進」となる、市民の可処分所得の増額につながる、医療・介護・子育て支援などの施策を思い切って進めることが重要だと考えますがいかがか伺います。
3点目は、「アクションプラン」で、都心の再開発に毎年1千億円を投じる計画についてです。
保育所や特養建設など福祉型の公共事業や耐震化事業の推進は、大型開発よりも中小・小規模企業の仕事が増え、雇用効果も大きいと考えますがいかがか、市長の認識を伺います。
質問の第6は、再生可能エネルギーの普及推進についてです。
「アクションプラン」で、次世代エネルギーシステムの普及促進のために、その研究・開発を産・学・官が連携して積極的に推進するとしています。
再生可能エネルギーの研究、開発、普及を本市の産業振興、経済活性化の重要な柱に位置づけ、本格的な推進をはかる必要があると考えますがいかがか。「エネルギービジョン」で掲げているように、太陽光発電の戸建住宅、集合住宅や事務所ビルなどへの普及は、メンテナンスを含め、地元中小・小規模企業の振興策としても極めて重要だと考えますが、いかがか伺います。
質問の第7は、「パナマ文書」についてです。
タックスヘイブン=租税回避地の実態を暴露した「パナマ文書」が大問題になっていますが、莫大な富を蓄積する大企業と富裕層による税逃れが地球規模で行われ、日本も400以上の企業と個人の名前があがっています。
タックスヘイブンに隠されている世界の富は、推定2,310兆円から3,520兆円にも達すると言われています。これを「犯罪行為ではない、合法的だ」と主張する向きもありますが、このような税逃れを「合法」にしていること自体が大問題だと考えますが、いかがか市長の見解を伺います。
また、その実態を徹底して明らかにし、課税逃れを許さない国の規制強化が必要だと考えますが、いかがか伺います。
質問の第8は、オリンピック・パラリンピック招致についてです。
オリンピック・パラリンピックはスポーツを通じて世界の人々が交流する平和の祭典であり、素晴らしいものですが、一方で巨額の費用がかかることや森林を伐採するなど環境破壊を懸念する声があります。
先月、公表された開催概要計画案では2014年調査時の本市負担額715億円が、1.5倍以上の約1,100億円規模になることが明らかになりました。
新聞の世論調査では60代以上の市民の反対意見が増えており、その理由は「他にもっと大事な施策があると思う」、「招致活動や施設の整備、維持にお金がかかる」というものです。
オリンピック・パラリンピックに期待する声がある一方で年金・医療・介護への不安を感じている市民もいます。不安が払しょくされないまま、事業がすすめられるのは問題だと考えますがいかがか伺います。
次は、子どもの貧困問題についてです。
2012年安倍内閣発足から2015年までの3年間で、貯蓄ゼロの世帯が470万増え、過去最高の1,890万世帯に達しています。所得が少ないため、入学や病気・失業など、いざという時のための貯えができない、または貯えを崩して暮らし、「いよいよ底をついた」という世帯は、2人以上の世帯で30.9%に達し、単身世帯では過去最高の47.6%、ほぼ2人に1人と広がっています。
質問の第1は、貧困の実態についてです。
貧困の中でも、特に深刻なのは母子家庭などの「ひとり親世帯」で、貧困率は54.6%です。5月に放送された「子どもの貧困を越えて」というドキュメンタリー番組は、子どもたちが直面している貧困を明らかにしました。ある母子家庭では、電気料金を払えず、母親の仕事中に電気が止まり、幼い兄弟たちは、暖房も使えず、布団に入って寒さをしのぎながら母の帰りを待ったといいます。その子は、今、高校生になっても、経済的理由で進学の夢がせばめられると悩んでいます。
昨年、連合総研が行った実態調査では、非正規労働者の2割の世帯が「生活苦で食事回数を減らしたことがある」と答えており、親の低賃金や労働条件の悪さは、子どもの生活に直接影響を与えていることが明らかになりました。
本市でも親の貧困から、民間による「子ども食堂」や、ボランティアによる無料塾などの支援が広がっています。
子ども食堂などの支援を必要とする子ども達が、今後増えていく傾向にあると考えられますがその認識を伺います。また、本市が貧困問題に正面から向き合い、解決のために取り組むべきと思いますが、その決意をお示しください。
質問の第2は、貧困対策についてです。
政府は2014年1月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を施行し、本市は、この法律に基づき、市長公約であった「子ども貧困対策計画」を策定するため、2,000人にアンケートや聞き取り調査を行います。しかし、今のテンポでは、現在の「暮らせない」、「食べられない」という目の前にある貧困の解決にはつながりません。
大阪市では今年2月に、子どもの貧困対策推進本部会議を開き、5歳児と小学5年、中学2年の6万人を対象に大規模な実態調査を行います。
東京都足立区では、特別に対策本部を立ち上げ、貧困を早期発見し早期支援に結びつけるため、小学1年生の全世帯に協力を求め、所得や公共料金の支払い状況、健康状態や食生活などの情報を集めるなど具体的な支援を準備しています。
本市でも、切実な要望が繰り返し議会に上がっている子どもの医療費無償化、給付型奨学金の拡大や就学援助の対象拡大など、補正予算を組んででも至急実施すべきですがいかがか伺います。子どもが、「食事は給食のみ」、「進学を断念せざるを得ない」など、深刻な事態を放置できないと思いますがいかがか伺います。
次は、保育の問題についてです。
質問の第1は、政府の緊急対策についてです。
希望しても認可保育所に入れない子どもが続出して「保育園落ちた」というブログが話題となり、待機児童の解消を求める運動が全国で広がりました。認可保育所が決定的に足りないことと保育士の労働条件が劣悪なため、保育士が不足していることが大きな問題となっています。
こうした中、今年3月28日に、厚生労働省から「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」が発表され、4月7日に本市に通知が届いています。
緊急対策の内容には、保育士の処遇改善は盛り込まれず、
規制緩和をさらに行い、一人でも多くの児童の受け入れを要請していますが、これでは、保育の質の低下を加速させることになると考えますがいかがか伺います。国の緊急対策では根本的な解決にならないと思いますが本市のお考えはいかがか伺います。
質問の第2は、保育料についてです。
これまで本市では、多子世帯に対して保育料の軽減を行ってきましたが、保育所に入所している子どもに限るという年齢制限があり、多子であっても上の子が小学校に上がったら軽減対象から外れるため、多くの世帯が該当しませんでした。
2016年4月から国は、保育料算出の際の多子軽減の年齢制限を撤廃し、生計を一にしていれば最年長の子どもから1人目と数え、2人目は半額、3人目以降は無料としました。
しかし、その対象となるのは、年収約360万円未満の世帯だけです。非正規労働者の7割が年収200万円以下のワーキングプアと言われている中、夫婦あわせたら360万円を超えてしまい、最も支援を必要とする人たちが該当しないことは問題です。負担軽減を求めている本市の保護者の願いに応えたものではないことから、所得制限をせず多子軽減の年齢制限を撤廃すべきと考えますがいかがか伺います。
質問の第3は、保育所の設置基準についてです。
先の第1回定例会わが党代表質問で「本市のJRの高架下に保育所が3カ所設置されているのは問題である」と指摘しました。
高架下は駐車場や駐輪場、居酒屋などがほとんどです。
新さっぽろでは、過去にコンクリートの塊が落下するという事故も起きており、全国で増えている地震の発生から考えても、高架下は特に危険な場所です。防災計画の見直しと合わせて検証していくべきと考えますがいかがか伺います。
質問の第4は、保育士の処遇改善についてです。
保育士の低賃金は、国の基準が低すぎることによってもたらされています。認可保育所の運営費、いわゆる「公定価格」を算出する際の人件費が低すぎることが、全産業平均より月約10万円も賃金が低い事態をつくりだし、保育士不足の最大の原因となっています。
また、保育士の配置基準が実情に見合わないために、賃金を国の基準よりさらに下げて保育士やパートを配置しているために、いっそうの低賃金をつくりだしています。これを放置してきた国の責任は重大です。
こうした中で、政府は、一億総活躍プランで保育士の処遇改善について月6,000円約2%の賃上げなどの検討をしています。
しかし、本市の保育士の平均給与は正職で18万5,664円、臨時職員で16万1,340円と低いことから、経験が大事な仕事であるにもかかわらず、長く勤められないのです。
さらに保育士の研修や仕事の準備、事務の時間確保ができる運営費に改善していくことが必要です。こうした現状について市長はどのように認識しているのか、現場で働く保育士にどこを改善してどうしたら働き続けられるのか具体的な声を聞きとる調査を行い、国に改善を強く求めるとともに本市独自で保育士の処遇を改善する支援策を実施していくべきと考えますがいかがか伺います。
次に国民健康保険についてです。
昨年5月、「医療保険制度改革関連法」が成立しました。
医療費適正化の名の下で医療費抑制に大号令をかけ、地域医療構想による病床削減や、国保広域化による都道府県への権限の集中と国保の給付費抑制の強力な推進など、国は医療への国庫支出を抑制・削減を進めています。さらに、入院給食費の段階的引き上げや紹介状なしの大病院受診時の定額負担、後期高齢者医療制度の保険料の特例軽減の廃止などの医療改悪は許されるものではありません。
質問の第1は、手遅れ死についてです。
今年3月、全日本民主医療機関連合会が行った2015年の「経済的事由による手遅れ死亡事例調査」概要が報告されました。
全国646事業所を対象に、国保料その他保険料滞納などにより無保険もしくは資格証明書、短期保険証発行により病状が悪化し死亡に至ったと考えられる事例、正規保険証を保持しながらも経済的事由により受診が遅れ死亡に至ったと考えられる事例が63件あったとの報告でした。
このような、手遅れ死を生み出す受診抑制はあってはならないと思いますがいかがか伺います。
質問の第2は、特定健診の未受診についてです。
特定健診いわゆる「とくとく健診」の受診率は2008年が16%、2014年は19.7%でした。
他の政令市と比較すると、自己負担なしの仙台市は45.9%、本市と同じ自己負担額1,200円の横浜市は21.5%で、政令市全体は平均28%という中で、本市は下から2番目のきわめて低い受診率となっています。
本市が実施したアンケートで8割を超える市民に「とくとく健診」が認知されているにもかかわらず、受診率があがらない理由はなぜなのか伺います。
質問の第3は、医療費の一部負担金減免制度についてです。
国保加入者の医療費の一部負担金減免制度は、申請期間など、政令市で最も厳しく、「最低でも国の基準に沿って運用すべき」と指摘する声がありますが、この指摘をどのように受け止めているのか伺います。
次は、介護保険制度について質問します。
国は、社会保障費抑制と給付効率化の方針のもと、高齢者を必要な介護保険サービスから除外し、利用者と家族に大幅な負担増を押しつけてきました。
今度は介護が必要となる要支援者相当の高齢者に対して、ボランティア、NPO、民間業者などに委託する多様なサービスへの転換をすすめ、介護保険サービスから要支援者という存在自体を無くそうとしています。
質問の第1は、要支援者への基本チェックリストによる判定についてです。
来年4月からは、要支援者の訪問介護と通所介護は国の介護保険制度本体から外され、市長村が取り組む新総合事業に移行されることになります。新総合事業のサービスのみを利用する場合には、従来の要介護認定を省略し、わずか25項目の基本チェックリストのみで判断する仕組みも可能となり、必要な方に要介護認定の申請が勧められない可能性があります。
この基本チェックリストによる判定は、主治医の意見書による医師の関与が無くなること、介護者や家族の状況が詳しく把握されず、必要な支援が正しく判定されない危険性があると思われますが、そのような懸念はないのか伺います。また、基本チェックリストによる判定には、判定結果やサービス内容について不服審査の仕組みがないのは問題です。安易な振り分けや申請抑制、いわゆる水際作戦の温床とならないためにも、チェックリストの判定では、ケアマネ等の専門職を配置し、要介護認定を全員に受けさせるべきだと思いますが、どのように対処されるおつもりか伺います。
質問の第2は、卒業と称した介護サービスの打ち切りについてです。
厚生労働省のモデル事業を実施した自治体では、要支援の認定を受けている認知症や90歳を超える高齢者に対しても「介護保険による訪問介護をやめて地域のボランティアが実施するサロンに切り替えてはどうか」など、単価の低いサービスへの転換や打ち切りを迫る事態が相次いで起こりました。
高齢者は加齢とともに衰えていくものであり、ヘルパーなど介護専門職がいないことで高齢者の病状の変化を見逃し、必要なケアが提供されない事態は、かえって要介護度を悪化させる要因となります。利用者のサービス選択の意思を十分に尊重するとともに、利用者の心身の状況と生活実態に合った介護サービスの提供が必要であると思いますがいかがか伺います。また、来年度から実施する本市の新総合事業においては、強引に介護サービスを打ち切り、要介護認定の更新を受けさせない、いわゆる介護保険からの卒業を迫ることは絶対にあってはならないと思いますが、認識を伺います。
質問の第3は、新総合事業費の目標設定と財源措置についてです。
従来、生活支援型サービスなど予防給付は、毎年5%から6%の費用の自然増が予測されていますが、国は新総合事業では75歳以上の後期高齢者の伸び率を3%から4%程度と低く抑え込もうとしています。
これは介護保険制度も使わせず、新総合事業にも移行させない高齢者を意図的に増やしていくことが危惧されます。費用にあわせたサービス目標を設定すべきでないと思いますが、本市はどのように対応するおつもりなのか。高齢者とその家族が必要とする介護サービスの水準の維持と提供こそ求められていると思いますが、認識を伺います。また本市として、国に新総合事業費の上限撤廃を求めるとともに、当面、事業費が不足する場合には、本市独自で財源措置を行い必要なサービスを維持、拡充すべきと思いますが、どのように対処されるのか伺います。
最後に豊平区の諸問題についてです。
質問の第1は、自衛隊病院跡地の利用についてです。
自衛隊病院跡地は、地下鉄南平岸駅に徒歩約10分と、たいへん便利な地域です。
近くには、開拓初期のクリやコナラの自然林と日本庭園のある平岸天神山緑地があります。ここは、縄文土器が発掘され、アイヌの砦のチャシ跡も見ることができます。
また、藻岩山や市内中心部を望める展望広場も整備され、2014年には「さっぽろ天神山アートスタジオ」がオープンし、市民の憩いと交流の場として親しまれています。緑地の南側にある相馬神社は、樹齢300年以上のシバクリの御神木が、太い枝を四方に伸ばし堂々たる姿を見せ、歴史を見守り続けてきた存在感、「パワースポット」という言葉を連想させる荘厳な境内です。太古からの歴史が静かに受け継がれてきた天神山緑地に近い自衛隊病院跡地こそ、本市の博物館建設にふさわしい場所だと思いますがいかがか伺います。
また、この土地は4.8haと広大であることから、博物館だけにとどまらず、住民の要望も取り入れ、災害時に利用できる、かまどベンチやマンホールトイレ、給水槽などを設置した防災公園と一体的に造り、博物館公園とすべきと考えますがいかがか伺います。また、6月に財務局から自治体に対してこの土地の活用についての取得要望照会の文書が届くとのことですが、本市として自衛隊病院跡地を活用していく意思を国に示すべきだと考えますがいかがか伺います。
質問の第2は、月寒団地の建替えにより生まれる余剰地の活用についてです。
市営住宅月寒F団地は、計画的建替に伴い約2,000㎡の余剰地が生まれます。この余剰地となる場所は、地下鉄東豊線月寒中央駅に近く、利便性が高いことから子育て世代も高齢者にとっても、くらしやすい地域です。地域住民からは、子育てや介護などの施設建設の要望があります。この余剰地を地域住民の要望に応えるような活用方法を検討すべきと思いますがいかがか伺います。
以上で私の質問のすべてを終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
秋元市長 答弁
全部で大きく6項目ご質問をいただきました。私からは1項目めの市長、私の政治姿勢についてのうち、1点目災害対策について、2点目のオバマ大統領の広島訪問について、3点目の憲法について、5点目の本市の経済と雇用について、6点目の再生可能エネルギーの普及促進について、そして8点目のオリンピック・パラリンピック招致についての6点についてお答えをさせていただきます。
その他のご質問に対する答弁につきましては、担当の板垣副市長及び、吉岡副市長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、私の政治姿勢についての1点目、災害対策についてお答えをいたします。まず厳冬期の防寒対策についてでありますが、防寒対策につきましては、避難場所基本計画に基づきまして、灯油ストーブの配備や高規格型寝袋への更新を進めているところでありまして、避難が長期化した場合には、ストーブを熱源の復旧した避難所から集約する他、協定を締結をする企業などから調達することとしております。更なる対策といたしまして、様々な熱源による暖房方法についても検討してまいりたいと考えております。
次に、学校の耐震化についてであります。校舎の改築での耐震化の必要性と、その予算確保を求める国への要望につきましては、昨日の代表質問でもお答えをいたしましたように、小中学校の耐震化は非常に重要であり、改築事業をできるだけ早期に進めることが喫緊の課題と認識をしておりますことから、今回の国の交付金未採択という事態に対しましては、北海道とも連携をして文部科学省に必要な財源を確保するよう、緊急に要望したところであります。
次に、被災者への情報の提供についてであります。被災者への情報提供のあり方につきましては、これまでも大規模災害や一昨年9月に起きました豪雨時での対応などを踏まえ、課題に対応してきたところでありますが、今後もより適切な情報提供に努めてまいります。
2点目のオバマ大統領の広島訪問と、核兵器禁止条約の実現に対する見解についてお答えをいたします。現職のアメリカ合衆国大統領が、被爆地において直接被爆の実相に触れることの意義は非常に大きく、核兵器廃絶に向けた国際的な動きを前進させる歴史的な一歩となることを期待しているところであります。札幌市は世界の7,042都市が参加をする世界首長会議に加盟をしており、核兵器廃絶や世界平和実現を目指し、他都市とも連携をし活動をしてまいりました。この平和首長会議の国内加盟都市では、平成24年以降、毎年政府に対して核兵器禁止条約の早期実現に向けた取り組みの推進を求める要請をおこなっているものであります。今後も平和都市宣言をおこなっております札幌市の市長として、宣言の理念にもとづき、核兵器の廃絶や世界平和の実現に向けて、加盟都市と一丸となって取り組みをおこなってまいります。
3点目、憲法についてのご質問にお答えをいたします。立憲主義と個人の尊重についてでありますが、すべての公務員は憲法を尊重し擁護する義務を負うものであります。一方、現行憲法においては改正手続きが定められており、ご質問のあった個人の尊重に関する規程も含め、憲法の改正に関しては必要性やその内容について、慎重かつ十分な国民的議論が必要であると認識しているものであります。
次に、5点目の経済と雇用問題についてお答えをいたします。まず観光とMICEの推進による雇用効果についてであります。国内外からの観光客や大規模会議を呼び込むことは、札幌における宿泊業や飲食サービス業に加え、製造・卸売・小売・運輸業など、幅広い業種に経済効果をもたらすものと認識をしているものであります。このような波及効果を拡大させることで、多くの企業の経営基盤が強化され、ひいては様々な産業分野で雇用の確保が期待できるものと考えております。加えてMICE誘致を継続的に推進し、繁忙期や閑散期に関わらず、年間を通じて札幌に誘客することによって、安定した雇用環境につながると考えているものであります。
次に、卸売・小売業及び雇用者報酬の減少がもたらす影響についてでありますが、本市の卸売・小売業や雇用者報酬の減少は、道内人口の減少による市場の縮小や、リーマンショックなどの景気低迷、札幌市内の生産年齢人口の減少などによるものと考えられ、その影響として経済規模全体の縮小要因の1つになりうるものと認識をしております。こうした厳しい社会経済状況を打破し、産業を活性化させ、市民の収入を増やしていくためには、道外、海外の需要を積極的に取り組んでいくことが何よりも重要であり、本市の特性を活かし、観光や食などの強みや成長分野を振興するとともに、市内企業の多数を占める中小企業のチャレンジ、挑戦というものを積極的に支援をしてまいりたいと考えております。なお、少子高齢化の進展に伴い、医療・介護・子育て支援など、社会保障関連の取り組みにつきましては、必要な施策の拡充を図っているところであります。
次に、建設事業等による雇用効果についてでありますが、建設事業につきましては、都心の再開発に加え、保育所などの整備や耐震化事業、学校、道路などの維持・更新事業など、これらを合わせて年1,000億円規模の事業をアクションプランに盛り込んだところであります。今後はこれらの事業を着実に実行に移していくことで、安定的な雇用の確保につなげてまいりたいと考えております。
6点目、再生可能エネルギーの普及・促進についてであります。産業振興上の位置づけと、太陽光発電の普及による地元中小企業の振興についてでありますが、再生可能エネルギーの普及は地球温暖化対策のみならず、地域経済の活性化にもつながるものとして、札幌市産業振興ビジョンの重点分野の1つに位置づけているところであります。今後も太陽光発電を始めとした再生可能エネルギーの普及を推進することで、地域経済の振興にもつなげてまいりたいと考えております。
次に8点目のオリンピック・パラリンピック招致についてであります。開催概要計画案につきましては、今後開催にかかるコストや経済波及効果はもちろんのこと、大会後のまちづくりの目指すべき姿も含めて、広報紙やパンフレット等により分かりやすくお示しするとともに、地域への出前講座等をきめ細かくおこなうなど、より多くの市民の皆さんに理解をしていただけるよう努めてまいりたいと考えております。その上で、札幌市が正式に立候補するという前には、市民アンケート調査を実施し、市民の意向を確認する必要があるものと考えております。
私からは以上であります。
板垣副市長 答弁
私からは大きな1項目の市長の政治姿勢のうち、4点目のLGBTについて。7点目のパナマ文書について。それと大きな2項目、子どもの貧困問題について。3項目、保育の問題について。4項目、国民健康保険について。そして5項目、介護保険制度についてお答えをさせていただきたいと思います。
まず、大きな1項目、市長の政治姿勢についてのうち、LGBTに対する認識と人権擁護のための環境整備についてであります。LGBTにつきましては、社会的に理解が十分ではなく、誤解や偏見からくる様々な困難を抱えていらっしゃると考えられますが、誰もが性の多様性を認め、人権を尊重する社会が必要であると認識をしております。また、渋谷区などの取り組みにつきましては、当事者の思いを受け止め、社会的な理解を促進する1つの方策であるという風に認識をしているところでございます。札幌市といたしましては、広くLGBTに関する周知・啓発を進めながら関係団体などのお話をよく伺い、国などの動向も踏まえつつ取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に7点目のパナマ文書についてであります。税の負担について広く納税者の理解を得るためには、公平な課税がおこなわれることが重要であると考えておりまして、いわゆるタックスヘイブンを利用した租税回避に関する問題につきましては、今後とも国際的な枠組みの中で、国において適切に対処されるべきと認識をしております。
次に大きな2項目、子どもの貧困問題についてであります。そのうち、最初の貧困の実態に関する認識と、解決に取り組む決意についてでございますけれども、札幌市においても支援を必要とする子ども達が少なからず存在するということは十分認識をしております。まずはそうした子ども達の実態を把握することが必要だと考えておりまして、生活・就労・教育など、様々な分野における課題の把握に努め、関係する皆さんのご意見を十分お聞きしながら、子どもの貧困対策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に貧困への対策の、実施と対応についてでございますけれども、札幌市といたしましても児童養護施設等入所児童への大学進学等奨励給付事業や、生活保護受給世帯等の中学生に対する札幌学びのサポート事業の拡充など、実施可能な施策については、子ども貧困対策計画の策定を待たずに、既に取り組んでいるところでございます。今後とも、貧困の連鎖を防ぐためにも、様々な施策の推進に向け、全庁あげて取り組む所存であります。
次、大きな3項目。保育の問題についてであります。まず政府の緊急対策に関する認識についてでありますけれども、この対策はあくまでも緊急的な取り組みとして示されたものでありまして、保育サービスや待機児童の状況などに応じて、各自治体がその効果や影響を十分考慮しながら検討すべきものであると認識をしております。
次に保育料についてであります。今回の国の制度改正における多子世帯の保育料軽減にかかる第1子の年齢制限を撤廃するという負担軽減措置は、対象を低所得世帯のみに限定しておりまして、十分なものとは考えておりません。この負担軽減措置の拡大については、地方自治体の意見を十分に聞いた上で、制度の基礎的な部分で地方自治体間で差がでないよう、国の責任において対応すべきであろうと考えておりまして、そうした意味から、今後とも引き続き様々な機会を通じて、国に対して要望してまいりたいと考えております。
次に、保育所の設置基準についてでありますが、札幌市が認可する保育所などにつきましては、各種法令や、これに基づく条例の基準を満たしておりまして、児童の安全は確保されているものと認識しております。なお、施設の安全性に関わる法令改正の動向については、引き続き注視してまいりたいと考えております。
最後に、保育士の処遇改善についてでありますけれども、保育士の就労継続にあたっては、賃金面の処遇改善が重要であるということは認識しておりまして、保育士の給与などを含む施設運営費は国が定めておりますことから、更なる処遇の改善に向けて、様々な機会を捉えまして国に対して要望活動をしてまいりたいと考えております。
次に、大きな4項目、国民健康保険についてであります。まず受診抑制についてでありますが、医療保険制度におきましては、誰もが必要な時に安心して医療機関を受診できることがもっとも重要なことであると認識しております。公的医療保険に未加入の方に対しましては、国民健康保険の加入について、広報さっぽろやホームページなどを通じて周知しているところでございます。また、資格証明書を交付している世帯に対しましては、世帯主から申し出があり、生活状況などから医療費の一時払いが困難であると認められます時は、保険証を交付するなど、柔軟な対応をおこなっているところでございます。更に、失業などにより一時的に生活が困窮し、医療費の支払いが困難な場合につきましては、一定の基準のもと医療費の一部負担金減免もおこなっているところであります。
次に、特定健診の未受診についてであります。札幌市の受診者の傾向を見ますと、仙台市や横浜市に比べまして、全般的に女性の受診率が低いこと。特に70歳から74歳の男女の受診率が低い傾向にございます。こうした傾向を踏まえながら、他都市の状況も把握した上で未受診の要因分析に努めてまいりたいと考えております。
医療費の一部負担金減免制度についてでありますが、札幌市では一部負担金に関する国の通知に基本的に沿いつつ、更に国の通知の範囲を一部拡大するなど、適切に実施しているものという風に認識をしております。
次に、大きな5項目。介護保険制度についてであります。まず1つ目の要支援者への基本チェックリストについてでありますが、基本チェックリストによる判定等実施方法につきましては、札幌市では新総合事業の利用者でありましても、初回は基本チェックリストを使わずに、従来通り認定調査、主治医意見書に基づきまして、認定審査会を経て要支援認定をおこなっていく方向で検討しております。状態の変わらない人が、更新申請を希望する場合には、基本チェックリストを用いる予定でございまして、地域包括支援センターなどのケアマネジャーなどによる実施を検討しているところでございます。こうしたことから、必要な支援が受けられないような懸念はないものと考えております。
次に、新総合事業についてでありますけれども、1点目の利用者の実態に合った介護サービスの提供についてでありますが、要支援者の心身の状態には個人差がありまして、その方の状況に合ったサービスをケアプランに位置づけているところでございます。今後も担当のケアマネジャーが、本人や家族の状況などを考慮し、適切なサービスを提供していく予定であります。
2点目の新総合事業に対する札幌市の認識についてでありますけれども、新総合事業におきましても、本人や家族の状況や意向を確認した上で、必要なサービスを決定するものでありまして、従来と変わるものではないと考えております。
次に新総合事業の目標設定と財源措置についてであります。1点目のサービス目標の設定についてでありますが、札幌市ではサービスを必要とする状態に至らないよう、高齢者の健康づくりを支援することに重点を置きますとともに、必要な方には必要なサービスが提供されるよう努めてまいりたいと考えております。
2点目の介護サービスの水準維持についてでありますけれども、サービスの適切な水準の確保は、必要であると認識しておりまして、このため新総合事業におきましても、これまでと同様に、指定介護事業所による専門職のサービスを位置づけることで検討しております。
3点目の必要なサービスの維持・拡充についてでありますが、札幌市では必要なサービス量を維持しながら、上限を超えないようにするために、事業の適切な運営と介護予防、健康増進に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
吉岡副市長 答弁
私からは6項目、豊平区の諸課題についてお答えいたします。
まず1点目の自衛隊病院跡地の利用についてでございます。博物館の整備につきましては、現在施設の設置目的や交通利便性などを踏まえ、市有地の活用を想定し、他の行政機関も含めた土地利用の議論の中で総合的に検討しているところでございます。一方で当該地を含む周辺地域は、札幌市都市計画マスタープランにおいて、戸建て住宅や集合住宅などの多様な住宅や、生活利便施設が立地する市街地として、良好な居住環境の形成を図ることとしており、その趣旨を踏まえた土地利用計画がなされることが望ましいと考えているところでございます。国からは当該地について、平成29年度中の売却を予定していると聞いておりますことから、今後も引き続き国との連携を蜜にしてまいりたいと考えているところでございます。
2点目。月寒団地の建て替えにより生まれる余剰地の活用についてでございます。市営住宅月寒団地Fブロックの建て替え事業は、平成27年度に着手したところでございまして、これに伴う余剰地の発生は、事業の最終予定年度である平成33年度を予定しているところでございます。現時点でその活用方法は確定した状況になく、今後地域の声なども伺いながら、幅広く検討してまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
池田 ゆみ議員 再質問
最初に、自衛隊病院跡地のことですけれども、言いましたように本当に利便性の高い所だということで、豊平区民だけではなくて本当に札幌市民にとっても大きな財産となる土地ではないかと思います。国に対して利用していく意思を、やはり示していくことと、住民の声も聞きながら本市が計画を示していくべきではないか。このことを再度申し上げておきたいと思います。
それからもう1点は、憲法についてですけれども、今憲法、世論調査でもこの改正を求めていない。憲法の役割をしっかりと認めているという声が88%ということで、先ほどの質問の中でもお話しましたけれども、国民の中では憲法を変えようという、そういう世論では今ないんではないか。このことをまず申し上げておきたいと思います。それと合わせて、今、この憲法の大事な、一番大事なところが憲法97条の永久不可侵の人権を保障する。質問でもしましたけれども、個人の尊重。ここが一番大事なところではないかと思います。今の安倍政権のもとで、国民の声を聞かないで、数の力で押し通していく。こういう政治が進んでいく中で、この人権の保障、個人の尊重、こういったところに危機感を持つ。こういう中で立憲主義を取り戻そう、民主主義を取り戻そうという、大きな運動に今全国でも、本市でも広がっているのではないかなと考えます。こういう中で、この市民の思いに立って、市長が憲法擁護の立場にしっかり立って、ぜひ憲法を守る立場に立って、その立場を明確にしていくことが大事ではないか。立憲主義を守る。憲法9条を守る。こういう立場を明確に示していただくことが大事ではないか。このことを求めていきたいと思います。
それで質問に入りますけれども、1点目の質問として、子どもの貧困について、支援を必要とする子ども達が少なからず存在すると認識をされている。そしてこれから実態把握をしていく。生活・就労・教育、様々な分野で、様々な問題・課題を把握していくと。貧困対策に取り組みたいとご答弁でございましたけれども、本当に、しっかりした対策をこれから作っていく。この方向に全力を尽くしていただきたいなと思うんですけれども、私達が求めてました、今早急に必要とする、食べられない、そして学べないと、こういった子ども達の貧困。この問題にどう手をつくしていくのか。ここに大事な、質問の中に答えてもらえないなと思いまして、私達は、市民がね、求めてきている子どもの医療費の無償化、または奨学金制度の拡大など、拡充など、早急に市長の判断で予算をつけてでも進めるべきではないか。それが市民の願いではないかと思います。早急に、どのような市政を考えているのか。このことをまずお聞きしたいと思います。
2点目に、手遅れ死についてお話、質問をさせていただきます。手遅れ死という認識は持たれていないんだなと思うんですけれども。実際に、本当に今、市民の暮らし、貧困と格差が広がる中で、札幌市におきましても、資格証の中で体調が悪くて病院に行かれなかったと。知人に勧められて入院した時にはもう末期ガンで亡くなったと。こういう事例や、お金がなくて保険証、健康保険に加入していなかった。こういう方が救急車で運ばれて入院。その時所持金はゼロだったと。それで6日後に亡くなったと。こういうような実態も出てきていると聞いています。こういう実態、答弁の中でも医療をしっかりと受けられる、安心して受けられる、そういう環境がもっとも重要だと、おっしゃっていたと思うんですけれども、今、本当にこの市民の生活の大変さ、そういうところに立った時に、医療を受けられない、こういう経済的な理由で必要な医療が受けられない。こういう事例、こういうことをなくしていく。このためには対策をやはり講じていく必要があるのではないかなと思いますが、そういう対策、今度どう考えていくのか、伺いたいと思います。
板垣副市長 答弁
2項目についてのご質問をいただきました。
まず子どもの貧困対策のうち早急に取り組んでいる部分についてというご質問でございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、まず今年度からは児童養護施設等入所児童への大学進学等の奨励給付金事業を実施しておりますし、それから中学生に対する札幌学びのサポート事業の拡充など、まずは私ども実施可能な施策については取り組んでいるところでございます。そして今年おこなう調査の中で、その他様々な、議員からご質問ございました、ご指摘のありました問題も含めてですね、しっかり調査した上で対応策に取り組んでまいりたいと考えております。
次、2つ目のですね、国民健康保険における受診抑制の問題ということだと思いますけれども、先ほど答弁にもございましたとおり、市民の健康の保持・増進のためには、安心して医療を受けることが必要であると考えております。無保険の方がいなくなるように被保険者を脱退した方などが、速やかに区役所に加入の届け出をしていただけるよう、今度も制度の周知等の徹底をしてまいりたいと考えておりますし、ご質問にありました資格証明書の問題。こちらも決して受診抑制ということでは、制度の主旨としてはですね、受診抑制ではございませんので、運用としてですね、資格証明書を交付している世帯主から、受診の必要が生じたとの申し出をいただき、生活状況などから医療費の一部、一時払いが困難であるという風に判断した時にはですね、速やかに医療機関に受診できるよう保険証を交付するなど、速やかな柔軟な対応をおこなっているところでございまして、このような対応について、今後各区役所に対してもですね、徹底が図られるよう、会議や研修などの場を通しまして、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
池田 ゆみ議員
子どもの貧困のことですけれども、今本当に陳情でもあがっていましたように、子どもの医療費の無償化、拡充してもらいたいんだと。30年からの拡充という計画にはなっていますけれども、前倒ししてでも早くやってほしいと。それは、子どもの成長というのは待ってはくれませんから、なんとしてもそういう市民の思いに立っていく。そのことが今大事なんじゃないかなという風に思いますので、この貧困対策、早急に、今、何もやってないと私は言ってるんじゃなくて、先ほど学びのサポートのことなんかもね、言っておりましたけれども、子どもの医療費、すべての子育て世帯を支援していく。本当に貧困をなくしていく。そういう立場で、ぜひ検討をしていくべき。前倒しでやっていくことも含めて検討していくべきと述べさせていただきます。
それと手遅れ死のことですよね。いろんな事例がありますけれども、どうして、どういう、どうして無保険だったのか。様々な見方。そういう目線で、事例を1つ1つ見ていく必要があるんじゃないかなと、私は思いますので、そういう事例の見方、市民が本当にお金がなくて病院に行けてない。こういう実態があるのかないのか。この立場に立って、しっかり見ていただきたいなと思います。資格証、短期証の問題、さきほど言っておりましたけれども、やはりお金がないからこそ資格証になっている方が多いわけですよね。そういう方達が、最後まで我慢し、病気の重篤化につながっていくと私は思うんです。ですから、資格証や短期証の発行は、やはり受診抑制につながるので、やめていくべきではないか。また無保険の方、呼びかけてはいるということですけれども、どういう実態になっているのか、しっかり調べていく。こういう立場で、本市から、お金のあるなしで医療が受けられない。こういうようなことが、本当に生まないような、こういう市政にうっていくためにも、調査をしていただければなということを求めて、質問を終わらせていただきます。