20150218sakamoto 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について質問いたします。

 最初は、市長の政治姿勢について伺います。
 質問の第1は、総選挙の結果と小選挙区制についてです。
 昨年の総選挙で、自民、公明の与党が3分の2を超えましたが、それは小選挙区制がもたらした“虚構の多数”というべきものです。自民党は小選挙区で233議席と、小選挙区全体の76%の議席を獲得しました。しかし、その得票率は48%です。また、政党への支持を直接争う比例代表では、自民党の得票は33%にとどまり、有権者比でみる絶対得票率はわずか17%に過ぎません。
 安倍首相は「国民から背中を押してもらった」と、集団的自衛権の法制化や憲法改正の暴走に前のめりですが、国民がそのような白紙委任を与えたわけでないことは明らかです。
 1点目は、小選挙区制についてです。大政党有利に民意をゆがめる小選挙区制は、選挙制度の在り方として重大な欠陥を持っていると考えますが、市長の見解を伺います。
 2点目は、選挙制度のあり方についてです。
 多様な民意がそのまま議席に反映されることが求められると考えます。民意が正確に議席に反映される比例代表制が最も望ましい選挙制度だと考えますがいかがか、見解を伺います。
 質問の第2は、政府の来年度予算案についてです。
 政府予算案は、消費税増税による景気悪化に苦しむ国民に、社会保障削減でさらなる負担の追い打ちをかけるものとなっています。介護報酬の減額、生活保護の住宅扶助費と冬季加算の削減、マクロ経済スライドの発動による年金削減、高齢者医療の窓口負担増、介護の利用料引き上げなどです。
 1点目は、消費税についてです。昨年の消費税8%への引き上げで8兆2000億円の増収となりますが、社会保障の「充実」にあてられるのは1兆3000億円程度と、増収分の2割弱です。高齢化にともなう社会保障費の自然増分は1、700億円削減しています。消費税収入が増えたのに社会保障費の自然増まで削減するというのは、あまりに無慈悲で、「社会保障のため」という看板まで投げ捨てるものだと考えますが、いかがですか。
 2点目は、大企業減税についてです。
 政府予算案は、大企業には法人実効税率を2年間で3.29%の引き下げ、1兆6000億円もの減税を行います。円安による物価高で苦しむ国民には消費税増税と社会保障の削減を求め、史上最高の利益をあげる大企業に減税というのは、あまりに不公平で道理に合わないと考えますが、いかがかうかがいます。
 質問の3点目は、軍事費についてです。
 軍事費は過去最大の4兆9801億円で、2014年度の補正と合わせると5兆円を超え、オスプレイⅤ22や水陸両用車の購入、米軍新基地建設など、海外への攻撃能力を高めるものとなっています。
 集団的自衛権行使の法整備と合わせ、海外で戦争する国づくりの危険を示すものと考えますが、いかがかうかがいます。
 質問の第3は、消費税に頼らず、くらし第一で経済を立て直す政策についてです。
 日本共産党は、先の総選挙で消費税に頼らずに財源を確保し、くらし第一への転換で日本経済を立て直す政策を発表しました。
 わが国では、株取引による利益が分離課税で税率20%と低いため、所得が1億円を超えると、税負担率が下がるという逆転現象がおきています。大企業が支払う法人税の実質負担率は、さまざまな優遇によって14%と極めて低く、中小企業の25%に比べていちじるしく不平等になっています。研究開発減税、連結納税制度、受取配当益金の不算入など、大企業には数々の優遇税制があります。これを改め、もうけや所得に応じた税制改革と歳出の無駄を削れば、消費税に頼らなくても20兆円程度の財源を生み出すことは可能です。
 富裕層や大企業への行き過ぎた優遇を改め、所得や資産に応じて負担する「応能負担の原則」に立った税制改革が必要です。
 また、低賃金・不安定の派遣労働は、臨時的・一時的な業務に限定すること、非正規と正社員の均等待遇を実現することが必要です。
 さらに、最低賃金の大幅引き上げで、大企業の内部留保を社会に還元し、内需拡大をはかっていくべきです。あわせて、国と自治体が発注する事業について、賃金や労働条件の基準を定める公契約法・条例を制定すべきだと考えます。消費税と税の応能負担、非正規労働者の処遇改善、公契約法について、いかがお考えか、うかがいます。
 質問の第4は、過激組織「イスラム国」による蛮行とそれを口実にした改憲の動きについてです。
 「イスラム国」を名乗る過激組織による日本人殺害事件は、大きな悲しみと衝撃を与えました。私ども日本共産党は、この残虐非道な蛮行に、怒りを込めて糾弾します。
 安倍首相は、この問題を機に、「邦人救出」のための自衛隊派遣やアメリカなど「有志連合」による空爆の後方支援は憲法上可能などと口にしています。さらに、次世代の党の議員が憲法9条改定を求めたのにたいし、「自民党はすでに改正案を示している」と答え、来年の参議院選挙後に憲法改正の発議を行うと述べました。
 自民党の憲法改正草案は、現憲法の前文にある「政府の行為によって再び.
 戦争の惨禍が起きることのないようにする」という文言を削除し、憲法9条を投げ捨て「国防軍」を創設するもので、日本を全面的に「戦争のできる国」にするものです。
 1点目は、「イスラム国」による蛮行を口実にした、自衛隊の海外派兵強化や憲法改悪の動きを許してはならないと思うのですが、市長のお考えはいかがか伺います。
 2点目は、「イスラム国」など、テロを国際社会から一掃するためになにが必要かを考えるうえでも、イラク戦争の歴史的検証が不可欠だと考えますが、見解を伺います。

 次に、新年度予算について伺います。
 一般会計では、8、722億円の骨格予算とし、次の市長のもとで計上される肉付け予算の財源として地方交付税50億円を留保しています。この合計8、772億円は、史上最大規模の今年度予算に次いで、2番目の規模となります。
 質問の第1は、市民に対する値上げについてです。
 アベノミクスのもとで円安の影響による物価高と、消費税8%への増税、年金・生活保護の削減、実質賃金の連続17か月前年度割れなど、市民生活は大変厳しい状況に置かれ、「これ以上、わずかでも値上げされたら生きていけない」という市民がたくさんいます。
 新年度予算案で、墓地使用料値上げ、厚別公園競技場の補助競技場使用料値上げ、市住家賃減免の縮小、幼稚園保育料を一律8、900円から所得によって最大1万9、900円にするとして、合計では463万9000円の引き上げを行なおうとしています。これらの値上げで、合計9、816万円となりますが、市民への負担強化はやめるべきです。
 一方、道路占用料は8億2、126万円の値下げとなりますが、中小事業者向けの突出し看板などの占用料を値下げすることに異論はありません。北電、NTT、北ガスなどの大企業の占用料の値下げは、2億8348億円にも上ります。これを据え置くと、市民への値上げは行わなくて済むことになります。
 市民生活を守ることを第一に、値上げはやめるべきと考えますが、いかがですか。
 質問の第2は、介護と福祉、環境の重点化についてです。
 今後、高齢者人口が増え、介護と福祉の需要は加速度的に強まっていくことは明らかです。
 本市の特別養護老人ホームの需要は増える一方です。無届け有料老人ホームやお泊りデイサービスができ、ショートステイをつないで暮らしているという状況が生まれるのも、特別養護老人ホームが不足しているのが原因です。
 また、介護と福祉は労働集約型産業であり、雇用効果も期待できます。
 特養をはじめとした介護施設の整備が遅れ遅れになってきた現状を切り替えて、介護と福祉予算の思い切った重点化が求められていると思いますが、いかがか伺います。
 また、原発に依存しないエネルギー対策をすすめ、自然エネルギー活用の産業化を雇用対策と結びつけて進めるべきであり、その予算化を強めるべきと思いますが、いかがか伺います。

 次に、福祉灯油と電気代について伺います。
 質問の第1は福祉灯油です。
 1月9日に閣議決定した2014年度補正予算案に、「地域住民生活等緊急支援交付金 地域消費喚起・生活支援型」として、自治体が行う低所得者向け灯油購入費助成制度も含む財政支援メニュー例が示されました。
 年金が削減されるなかで、生活物価の上昇と消費税増税が重くのしかかっています。灯油価格は一時期と比べると下がってきましたが、低所得者の生活は依然厳しく、さまざまな支援策が必要なことに変わりありません。市長は「冬季間の暖房費のごく一部が補強されるにとどまるため実効性が高いとは言えない」と答弁されていますが、国は「消費喚起」と「生活支援」という枠において灯油購入も対象に含めたわけですから、その効果や必要性を国は認めているのです。福祉灯油の実施を求め、本市議会に市民から76件の陳情が提出されたことを重く受け止め、これを機に、福祉灯油を実施すべきと思いますが、いかがかうかがいます。
 質問の第2は電気代についてです。
 2011年3月11日の福島第一原発の過酷事故後、北電は電気料金を、2013年9月に家庭向け7.73%、企業向け11%、昨年11月に家庭向け平均12.43%、企業向け20.32%と2度にわたって値上げを実施しました。
 昨年4月から消費税が8%に引き上げられ、年金は下げられ、諸物価は高騰し、生活に欠かせない光熱費の値上げと、市民生活はいっそう厳しくなっています。
 オール電化を取り入れた市営住宅に入居している一人暮らしの高齢者は、「年金が減らされ、体の具合も悪く、病気を治すこともままなりません。そのうえ北電は、自分たちの身を切ることもせずに電気料金を値上げするのは理解できない。」と憤っています。オール電化を取り入れた市営住宅は11棟で472戸あります。この入居者に対して、値上げ分を支援する施策を講ずるべきではないですか。
 また、在宅で呼吸器などの医療機器を必要とする難病患者にとって、電気は生命の維持に不可欠であり、節電はできません。北海道が実施する「在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成事業」は、1日12時間未満の機器使用の場合、月1、000円、12時間以上は2、000円の助成があり、現在1、440名が認定されています。この助成をさらに引き上げるなど、在宅難病患者を支えなくてはならないと考えます。
 これら低所得者、難病患者、子育て世帯や小規模事業者など、生活全般に支援が必要な方々に対して、電気料金値上げの影響を抑える支援策を講ずるべきと考えますが、いかがかうかがいます。
 また、一般市民へのさらなる節電と電気料金負担軽減策として、2012年度から2年間「LED電球推進キャンペーン事業」で、LED購入でサピカを交付する事業を行いましたが、こうした助成制度を復活すべきです。
 100ワットの白熱電球と、それに相当するLED電球を比較した場合、約22倍の寿命で消費電力は5分の1から8分の1程度と少ないため、節電にも温室効果ガス削減にも大きな効果が認められます。一方その価格は白熱電球190円程度に対して、相当するLED電球は3300円と、17倍にもなっています。これから新たにLEDを購入する家庭を促進する補助制度を復活もしくは新設するべきと考えますがいかがかうかがいます。

 次は介護保険について伺います。
 質問の第1は保険料についてです。
 本市の第6期介護保険計画では、新年度から、保険料基準額の月額を現行の4,656円から5,177円に引き上げる提案がされています。
 介護保険料は、国の負担がそもそも少なく、給付を増やせば保険料が引きあがる仕組みであり、制度の根本を正す必要があります。国の公費支出を抜本的に増やすよう求めるべきと考えますが、いかがかうかがいます。
 また、本市として、保険料の値上げは行わず、誰もが安心して介護サービスを受けられるようにすべきですが、いかがか。低所得者への減免制度の拡大を図るべきですが、いかがか伺います。
 質問の第2は介護報酬についてです。
 国は、新年度予算の社会保障費の案を決め、介護報酬の2,27%の引き下げの方針を打ち出しました。介護職員の処遇改善で1,65%、中重度・認知症対策で0,56%の加算を含めたうえでの改定ですから、合わせると実質的には、4,48%のマイナスとなり、9年ぶりの報酬の引き下げは、過去最大の下げ幅となっています。さらに、特養ホームの基本報酬は6%、施設以外でも通所介護の小規模事業所が最大で9%、要支援向けの訪問介護を約5%、通所介護は20%もの削減です。
 この改定が、このまま実施されれば、多くの事業所がかつてない深刻な経営困難におちいり、介護サービスの大幅な後退を招くことは確実であり、利用者へのサービス低下につながります。高齢化に伴って、今後増大していく介護需要に応えるどころか、事業所の閉鎖・廃業、参入事業の減少によって、地域の介護基盤そのものが弱体化し、崩壊につながりかねない事態となるのではないでしょうか。
 本市の介護制度を崩壊に導くような方針であり、国に対して、撤回をすべきとの立場で、市長自身が先頭に立って求めるべきではないですか。どのように対処するおつもりか、市長ご自身のお考えを伺います。
 また、介護職員の給与を月額1万2,000円引き上げるとされていますが、報酬全体がマイナス改定で事業所の収益全体が減少すれば、事業を維持するために、正規職員を非正規に置きかえたり、職員をリストラせざるを得ない事態も懸念されます。さらに人手不足が拡大し、給与は上がっても、業務の過密化、労働環境の悪化が離職者を増やし、利用者へのサービスの質の低下を招くことになります。
 介護の現場には、直接処遇職員、すなわち介護職員だけでなく、ケアマネージャー、看護師、生活相談員、事務員、調理師など間接処遇職員がいますが、これらについては対象外となります。全職員のおよそ半数におよぶ間接処遇職員については、介護報酬の引き下げにより、逆に給与水準が損なわれる可能性は否定できるものではありません。
 職員の労働環境が改善されなければ、その結果として、介護の質の低下、あるいは職員が足りないために、空きベッドはあるのに待機者を受け入れられないという入所者抑制、施設建設の中止、新規参入の減少、事業撤退が起きかねません。
 このように、介護報酬引き下げによって今後想定される事態について、市長はいかがお考えか。福祉型の雇用を拡大させたいと市長はおっしゃっていましたが、「地方住民生活等緊急支援交付金」や「地域医療介護総合確保基金」を活用して、本市として、介護施設で働く職員の処遇改善のために独自の支援策を大胆に講じるべきと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第3は特別養護老人ホームの待機者解消についてです。
 本市の待機者は昨年12月末時点で6、140人と前回調査時よりは減少しているものの、調査を始めてから6回連続で増え続けていました。待機者の解消は喫緊の課題です。新年度からの介護基本計画でも2017年度までに800床の増設計画になっていますが、希望するすべての方が入所できるような計画ではありません。現在の特養ホームのベッド数5、458床よりも待機者が多いのは異常なことではないでしょうか。本市の特養ホームの65歳以上の人口当たりの整備率は、政令指定都市で最低です。保険料は払い続けても特養ホームに入りたくても入れない状況は一刻も早く解消すべきです。本市の独自施策として特養ホームの建設をすべきではないですか。
 今月2日の朝日新聞の報道によると、東京都知事は、特養ホームの定員を2025年までに現在の4万人余りから6万人に増やすとし、入居待ちゼロ、定員1,5倍目標を掲げ、特養建設にはベッド1床あたり600万円の補助金を出し、1,000億円以上かかる補助金のために基金をつくることにしたそうです。本市はいつまでに待機者ゼロを達成するおつもりか、具体的にお答えください。都知事にならって、本市でも特養ホーム建設を行うべきではないですか。市長の英断を求めます。見解をお聞かせください。
 質問の第4は、特養ホームへの入所制限に関わる問題です。
 いわゆる「特養からの軽度者はずし」です。現在入所している方が退去させられることはありませんが、新年度 2015年4月から一定の条件の下での「入所特例」以外は、どんなに強く希望しても要介護3未満の方は特養ホームに入所することが出来なくなります。現在の待機者6、140人のうち、要介護1は1、081人、要介護2は1、516人で、この2、597人の行き場所がなくなってしまいます。あってはならないことです。これまで何年も入所を待ち望んでいたご本人や家族にとっては受け入れがたいことです。
 とりわけ認知症については、「入所特例」がある一方で、介護報酬の加算に示されているように、在宅への誘導がされています。在宅介護での認知症ケアには家族支援が不可欠です。
 今月7日、市内東区で71歳の夫が同い年の認知症の妻を殺害するという痛ましい事件がおこりました。妻は5年前から認知症を患い、近く入院する予定だったとのことですが、夫は「介護に疲れきった。自分も死ぬつもりだった」と話し、自身の手首や腹に刃物で切り付けた痕があった。「すまん、かあさん、病院もういいわ」と記した手紙があったと報道されています。このような事件を二度と起こしてはなりません。認知症を患っていても介護認定が軽く出るケースは少なくありません。「入所特例」の適切な対応を改めて事業者に徹底すべきですがいかがか。また、認知症対応型施設の増設を前倒ししてすすめるべきですがいかがか。さらに、地域での見守り活動など在宅介護をサポートする仕組みづくりに早急に取り組むべきと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第5は無届け有料老人ホームについてです。
 有料老人ホームは、老人福祉法に基づき都道府県や政令指定都市などに届け出ることが定められ、高齢者が入居し、食事・入浴など4種類のサービスのうち、いずれかを提供する施設とされていましたが、2009年に火災・死亡事故を起こした高齢者施設が無届けだったことを契機に、2013年「高齢者が1人でも入居して介護などのサービスを受けていれば有料老人ホームとして取り扱う」との厚労省通知が出されました。
 無届けの有料老人ホームは、全国で911施設、北海道所管の市町村で138、旭川市60、函館市39であるのに対して、本市が194施設と群を抜いていることが明らかになりました。
 無届けホームは認知症、障がい者、低所得の高齢者の介護の受け皿になっています。本市への65歳以上高齢者の転入超過は2010年から2013年で8、357人。医療や介護などの環境が整っている本市に多くの高齢者が移住しています。ある程度の年金や貯蓄のある高齢者は有料老人ホームやサービス付き住宅に入居できますが、それ以外の多くの高齢者は、低廉な家賃で暮らし、安心して介護を受けたいと切望しています。そのようなことを背景に無届けホームが急増していると思うのですが、市内の無届けホームの実態をどのように把握していくか。消防法、建築基準法上の問題はないのか。事業内容の改善などの指導が必要な施設はないのかなど、具体的な項目をたてて調査すべきと思いますが、いかがか伺います。
 また、スプリンクラーの設置はもとより、食事提供での集団食中毒やインフルエンザなどの集団感染などは届け出施設では報告することとなっており、施設側および本市保健所等の適切な対処が連携して行われていますが、無届けホームへは今後どのように対応するおつもりかうかがいます。

 次に、高すぎる国民健康保険料について伺います。
 国民健康保険法第1条で「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と、国民健康保険が住民同士の単なる支えあいではなく、「社会保障である」と位置づけています。
 そして、第5条には「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする」と、他の保険に加入していない住民が国保の被保険者になること、すなわち、国民皆保険制度の受け皿となることを明らかにしています。
 ところが、本市の2014年度国保料は、協会けんぽの2倍近くあり、高いことは市長も認めているところです。
 昨年11月現在、滞納者が17.8%にもなっている保険料であること、病院の窓口で10割払わなければならないために受診抑制が起きている資格証明書の発行が、昨年12月で1万0859世帯に上っていること、保険料を滞納したために差し押さえが行われた件数が昨年11月で841件にもなっていることは、社会保障制度としてふさわしくない状態にあると言わざるを得ません。
 質問の第1は、同じ収入でいると、払うべき国保料が毎年上がっていく問題についてです。
 国保料の設定は、必要な医療費を加入者に割り振る仕組みであり、加入者の生活実態が反映するものではありません。保険料が高くなると、滞納者が増え、さらに保険料が上がるという悪循環がおこります。
 本市では、平均国保料は据え置いているとしていますが、平均保険料が上がったのか下がったのかは加入者にはわからないことです。
 加入者の立場に立つと、自分の収入が増えたか減ったか、それで国保料が上がったのか、下がったのかということが問題ですが、本市の国保では、1992年度以来、同じ年収でいると、毎年国保料が上がり続けていくことになります。
 具体的に申し上げますと、年金200万円で2人世帯の場合、1992年度の国保料は4万7000円でしたが、同じ条件で2014年度には9万7590円になっているのです。
 同じ年収であれば、国保料が上がりつづけることが、被保険者にとって大変な負担感につながっていると思いますが、いかがですか。
 同じ年収であれば、上がらないことを基本に国保料の設定をすべきと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、本市財政に照らして、引き下げは可能であることについてです。
 昨年度の一般会計形式収支は97億円の黒字でした。さらに、基金全体で156億円増嵩しており、資金の余裕があったということになります。
 昨年度一般会計の黒字分を全額、国保料の引き下げに活用した場合、一世帯当たり3万2333円引き下げることができます。
 また、保険料軽減のための一般会計からの繰入金ですが、2009年度以来、5年連続、全額使い切らずに余して一般会計に戻しています。その平均額は42億円を超えています。
 これを、残さずに予算通り国保会計で使えば、1万4151円の引き下げが可能になります。
 1999年度の、保険料軽減のための一般会計からの繰入金は、159億6400万円でしたが、その後、削減し続け、今年度は半分以下の78億100万円だけになっています。
 1999年度並みの繰り入れを実行した場合には、2万7210円の引き下げが可能になります。
 一般会計が黒字であったことからも、1999年度並みの繰り入れをするだけでも、財政上は、国保料の大幅引き下げは十分可能であり、問題は、市長の決断です。
 本市の高い国保料を最低でも1世帯当たり1万円引き下げるべきと考えますが、いかがか、市長のお考えを市民の前に明らかにしてください。
 質問の第3は、国保の構造的問題についてです。
 総務省統計局の国勢調査などによると、1990年と2010年の比較で、自営業者は、6万1755人から5万3757人へ7、998人減少し、農林業では4、956人から3、418人へ1、538人減少しています。
 また、かつて従業者5人未満の法人では、社会保険に加入するか、国保にするかは任意でしたが、現在は社会保険が義務付けられ、国保に加入していた人は脱退、移行しました。
 完全失業者数は、3万3771人から7万1834人と大幅に増加しています。
 さらに、65歳以上人口は、23万365人から54万4567人と増え、後期高齢者医療制度に14万人程度移行したとしても、17万4000人程度増えています。
 国保加入者の中で、比較的収入が多いと思われる農林業、自営業、5人未満の法人従業者が減少し、失業者と高齢者が増加してきたため、国保加入者の平均収入は下がり続けているのです。国保加入者の低所得化が進んでいるのに、医療費を割り振って国保料を賦課するため、負担が強化され続けます。
 これは、国保の構造的問題であり、本来、国が対策を取らなければならないものです。しかし、国は、対策をとるどころか、1984年の国民健康保険法改悪で国庫負担を削減し、さらにその後も事務費の削減などを続けた結果、国保総収入に占める国庫支出金の割合が減り続け、50%から25%程度まで減少したようです。
 本市議会では、昨年の第3回定例会で、「国民健康保険に対する国庫負担の増額を求める意見書」を全会一致で可決しました。本市として、あらためて国に対して、国庫負担の増額を求めるべきと思いますが、いかがか伺います。
 国保を必要とし、国保を支える当事者である被保険者の立場に立って、国保料の問題を考えることが必要だと思いますが、いかがか伺います。
 国が、国庫負担を増額するまで、加入者だけに負担を負わせるわけにはいきません。本市としても応分の負担で、加入者の負担を軽減させるべきと考えますが、いかがか伺います。

 次に保育について伺います。
 質問の第1は本市の待機児童の解消についてです。
 市長は、「2014年度までに待機児童をゼロにする」と宣言しました。しかし、2014年10月1日時点の待機児童数は1、868人となっています。そのカウントの仕方について、本市では、待機児童の数を「厚生労働省定義の待機児童数」760人と「地方単独保育施策において保育を実施している児童数」344人、「特定保育所のみ希望して入所していない児童数」603人、「主に自宅で求職活動をしている世帯等の児童数」161人と細かく定義を分けていますが、2013年の決算特別委員会で、本市が解消するとしている待機児童について、「保育サービスを必要としているすべての児童を指しているのか」と質したところ、子育て支援部長は、「2014年度末までに、保育サービスを必要とするすべての児童に必要なサービスを提供できるように保育環境の整備を進めてまいりたい」と答弁しました。
 2014年度末に待機児童をゼロにするという約束は、保育を必要とするすべての児童を対象にして実行すべきであり、今になって国の定義でカウントを変更することはあってはなりません。待機児童の解消は、あくまでも保育を必要とするすべての児童を対象にしてやりとげるべきと考えますがいかがか伺います。
 質問の第2は、保育士の処遇改善についてです。
 待機児童を解消させるためには、保育所で働く保育士を確保していくことが重要です。しかし、この間、私ども日本共産党が何度も指摘してきたように、保育士は、社会の宝である子ども達の全面発達を促すとてもやりがいのある仕事でありながら、給与が低くて大変なため、保育士の資格を持っている人も保育士の仕事をしていないという実態があります。
 厚生労働省の調査で保育士の平均給与は他の職種と比べても月に約10万円も、低いことが明らかになっています。
 大学を卒業して、保育士としての十数年の経験があっても大卒の初任給に満たない額にしかならないのが実態です。こうした中で、国は保育士の待遇を改善するために2013年度に「保育士等処遇改善臨時特例事業」を実施して、本市では、保育士1人当たり平均で月7、633円の給与改善を行いました。基本給で改善した施設が10施設、一時金で支給したのは198施設でした。新年度は、施設型給付費として3%分を人件費に活用するために運営費へ加算されることになりました。この加算分が人件費アップにつながるよう、確実にすべての保育所で実施するように本市が指導すべきと考えますがいかがか伺います。
 質問の第3は、子ども・子育て支援新制度についてです。
 1点目は保育時間についてです。4月から子ども・子育て支援新制度がスタートすることから幼稚園・保育所等の利用手続きが変わります。保育所を希望する場合、保護者が「月64時間以上就労しているか、妊娠、出産など」の条件に該当するかしないかで「認定」、あるいは一時預かり事業に移行される「認定非該当」などに誘導されます。認定されて認可保育所に入所することになっても、保護者の就労時間によって保育を利用できる時間が2つの区分で分けられます。保育短時間の8時間と保育標準時間の11時間の2種類です。保育は、託児所とは違います。子ども達の全面発達を保障するために具体的な保育計画をたてて一人ひとりの成長発達を促す役割を果たしています。
 新制度は、保護者の働く時間に合わせて短時間で保育することは保育を保障するうえで問題です。すでに通っている園児はすべて標準時間と認定されるため、保護者からは「これから通う弟だけが短時間保育認定になると、勤務のシフトによっては、別々にお迎えに行くわけにもいかず、弟の分は延長保育料を払わなければならなくなる。少ない収入なのに負担が増えるのではないか」「短時間保育と標準時間保育は途中で変更できるのか」などの不安の声が出されています。こうした保護者の不安に丁寧に対応し、延長保育料が増えて負担が大きくなるという事がないように対策を講じるべきと考えますがいかがか伺います。
 2点目は申し込み受付期間の変更についてです。4月からの入所希望の申し込み受付期間を11月4日から12月10日までとし、選考結果の通知は2月中旬に行うとのことです。38日間という短期間で保育を必要とする保護者にきちんと周知して、申し込み受付ができなかった保護者がいなかったのか、また、2月の選考で入所ができなかった場合、どのようにフォローしていくのか伺います。

 次に、学童保育の大規模化の解消について伺います。
 質問の第1は、1小学校区に1か所という考え方についてです。
 学童保育の大規模化の解消に向けて今年度末に国から要綱が示され、それを受けて2015年度中に本市で学童保育所での児童数と指導員の配置基準について整備していくとのことです。
 本市では、民間児童育成会の事業も、児童会館及びミニ児童会館における児童クラブと同じ放課後児童健全育成事業と位置づけて、1小学校区に1カ所という考え方をすすめてきました。
 しかし、今後、国が学童保育の大規模化を解消するために新たな補助制度を進めていくことから、本市の1小学校区に1カ所という考え方についても見直しを行っていく必要があると考えますがいかがか伺います。
 質問の第2は、児童クラブがある小学校区に後から民間学童保育所がつくられたところへの助成を行うことについてです。
 2013年の決算特別委員会で、私どもが取り上げた事例ですが、2012年4月に民間学童保育所を開所して、登録したいと子ども未来局に相談したところ、この校区には児童クラブがあるため、助成することはできないと言われ、補助金なしで運営している学童保育所に助成するべきと求めました。
 本市では、民間学童保育所がある小学校区に、後からミニ児童会館での児童クラブを開設することはたびたびあります。2013年度、5校区で民間学童保育所があるところにミニ児童会館を開設しました。2014年度は7校区で開設しています。その場合は、民間学童保育所には、それまでどおり補助金が出され、学童保育と児童クラブのそれぞれが特徴を生かして共存しています。しかし、先に児童クラブがあって、後から民間学童保育所ができた場合には、順番が逆になっただけなのに、助成していません。この考え方を見直して、後からできた民間学童保育所にも助成するべきと考えますがいかがか伺います。

 次に雪対策について伺います。
 今冬は、ほとんどの区で前年度を上回る降雪量となっています。排雪作業も前倒しで行われていますが、排雪業務も過密になっており、待機中の重機での人身事故もおきています。毎年のように事故が起きているのは問題です。安全上の対策と万全な体制を取るべきことを申し上げておきます。
 この間、気温の差も大きく、ザクザク・ツルツル路面、ワダチなどが広範囲で発生しています。市民からの問い合わせ、苦情などが前年度と比べても3割増加していると聞いていますが、どの様な取り組みをされたのか。市民の安心、安全、また市民生活に支障が出ないように早急に対応すべきですが、いかがか伺います。62億円の補正予算が組まれましたが、大雪の区もありますので、各区の状況を充分配慮して行うよう求めます。
 雪堆積場についてですが、すでに8カ所閉鎖になっている状況です。このままで足りるのか、新たな検討が求められていると思いますが、どの様に対処するのか伺います。
 通学路の安全対策についてですが、北区でも、あいの里西・東小学校や篠路小学校など、いずれも冬期間、歩道が狭くて見通しが悪く危険です。1月20日の始業式の日に、通学路の歩道除雪が間に合わない事態も発生しました。きちんと除排雪を行って児童の安全を確保すべきですが、どのように対処されているのか伺います。
 福祉除雪事業と屋根の雪下し支援についてですが、2000年から始まった福祉除雪事業も15年たちました。利用世帯数も年々増加し、2014年には5、150世帯、地域協力員数3、257人にのぼります。協力員の担い手は町内会などが58%、地域企業16%、災防協15%、さらにNPO、福祉施設、学校等となっています。高齢者も増え、医療費の値上げなどで冬期間入院もできなくなっております。長い冬じっと家の中で過ごすことを余儀なくされ、とじこもりや孤独死を生みだす原因にもなっています。
 福祉除雪を必要とする多くの高齢者に利用していただくためにどの様に普及、PRに努めているのですか。また、地域協力員について、町内会では高齢化の問題もあります。若い世代に働きかけも行ってボランティアに参加していただいていると聞いていますが、季節的な仕事をしている方や地域企業などの力を借りて体制を強化すべきでないですか。今後の取り組みについて伺います。
 屋根の雪下ろし支援についてですが、市内でも85歳の方が屋根から落ちて亡くなっています。雪おろしの作業で亡くなっている方の7割以上が高齢者です。経済的に費用を負担することが出来ない高齢者も多くいます。
 この程、総務省から、業者らへの除雪委託費を助成するなど高齢者世帯への支援拡充を決めたとの報道がありました。
 すでに、小樽市では、高齢者や障がい者などを対象に、間口の確保とともに屋根の雪下ろしを、1冬1回1万円、岩見沢市では1冬2回各々2万円を上限とした助成を実施しています。美唄市では無料で実施しています。本市でもアンケート調査や市民の意見などを調査・参考にして、こうしたサービスを検討してはいかがか伺います。

 次に、精神障がい者の外出支援について伺います。
 質問の第1は、交通費助成です。
 2月3日、「精神障がい者の交通費助成の引き下げ中止を求める」旨の陳情が厚生委員会に付託されました。
 これまでウィズユーカードの1万円券には15%のプレミアムがついていました。今年3月をもってウィズユーカードが利用できなくなることに伴って、障がいをもつ方がこれまで利用していた交通費助成カードの利用を終了し、新しいカードを交付する、というものですが、その際、最大の利用金額を、これまでの5万4800円から5万2800円へ、2、000円分削減するとのことです。保健福祉局は「助成制度の変更をしたものではない」と説明していますが、利用できる最大金額を減らすことについて、当事者の理解も得ないまま進めることに厳しい批判の声があがるのは当然です。
 プレミアム分が付与されないことは、行政の側の事情であって、障がいをもつ方にとっては「交通費助成の削減」そのものであり、自己負担が増える、もしくはそのことによって外出の機会が減る、ということにほかなりません。
 このような事実上の削減は撤回すべきと考えますが、いかがか伺います。
 また、進め方があまりにも乱暴です。
 昨年1月に日本が批准した「国連障がい者権利条約」前文には、「障害のある人が、政策及び計画に係る意思決定過程に積極的に関与する機会を有すべき」と書かれています。しかし、本市のやり方は、意思決定過程に障がいをもつ方々が関与する機会も全くないまま、一方的に説明をする、というものであり、到底納得を得られるものではありません。市内の福祉施設に通う精神障がい3級のある男性は、「5万4800円は、施設に通うと2か月半でなくなる金額です。年金や生活保護でくらす障害者にとって、2、000円削減はとても大きい。」と窮状を訴えました。プレミアム部分の削減が、障がい者にとってどれほど重要なことなのか、「思いが」至らなかったのではないですか。このすすめ方について反省すべきと考えますが、今後の対処方針をうかがいます。
 質問の第2は、精神障がい者運賃割引です。
 国交省の乗り合いバスの標準約款が改定され、精神障がい者も身体・知的障がい者と同じく運賃割引を行う道が開かれる中で、私どもは繰り返しその実現を求めてきました。本市は、「地下鉄、市電への精神障がい者への運賃割引制度の導入が望ましい」としながらも、「バスと地下鉄・市電の3事業が歩調を合わせて運賃割引を行うことが望ましい」として、検討段階から進んでいません。
 乗り継ぎ割引は、利用客全体の19%程度で推移しています。8割の利用者は乗り継ぎ割引を利用しておりません。バス事業者が運賃割引を実施しなくても、本市地下鉄・市電を先行して運賃の割引を実施し、精神障がい者の切実な願いに応えるべきです。障がい者の運賃割引は、経営に影響するかどうかで実施を決めるものではなく、公共交通機関として保障すべき最低限の福祉制度として国交省が示したものです。これ以上、精神障がい者だけを不利益扱いする「運賃割引未実施」状態を続けることはやめ、まずは本市独自でも先行実施に踏み出すべきと考えますが、いかがかうかがいます。

 最後に、民間分譲マンションの老朽化の問題について伺います。
 民間分譲マンションは、国民の約1割、1、400万人の人々が暮らし、都市のおける新しいコミュニティーの場となっており、本市でも、およそ17万世帯が民間分譲マンションで生活しています。
 良好な居住環境のもとで安心して住み続けたいというのが入居者の願いですが、建物や設備の老朽化、高齢化がすすむなかで、大規模修繕や建替えにともなう莫大な費用負担、入居者、管理組合での合意形成など、深刻な問題が横たわっています。
 本市が、「老朽化問題」に直面する可能性のある築25年を経過した分譲マンションを対象に、2011年に行った「札幌市分譲マンション管理実態調査」でも、現在のマンションの問題点として「建物の老朽化」が60,0%と最も多く、次いで「配管・給水設備の劣化」が45.1%でした。
 北海道マンション管理組合連合会には、「外壁の補修や排水設備などの大規模修繕をどうすすめたらよいのか」「修繕積立金がなく、大規模修繕が行えない」などの相談が寄せられています。
 以前、市内の分譲マンションで管理組合の役員をしていた方から訴えがありました。その方は、「マンションには二つの老いがある。一つは建物の老い、もう一つは入居者の老いです」といい、かさむ修繕費といずれ訪れる建替えへの不安をのべられました。
 本市で築25年を経過した民間分譲マンションは、2010年12月時点で1、278棟、6万3744戸で、それから4年が経過しており、さらに増えていると考えます。老朽マンションへの対策は、本市としても検討が急がれる問題だと考えます。
 質問の第1は、本市の施策についてです。
 2013年の決算特別委員会での私どもの質問に「老朽化の進行や居住環境の悪化は、居住者はもちろん、周辺の住環境に与える影響も大きい」とのべ、「札幌市の施策としてどういうところに手を差し伸べていくか、検討すべきこと」と答弁されました。その後、どのような検討がされたのか、伺います。また、来年度「実態調査」を検討されていると伺いましたが、実施はされるのか、また、どのような内容で検討されているのか伺います。
 質問の第2は、昨年12月に施行された「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」に対する認識についてです。
 この法律は、耐震不足と認定された場合など、マンションの区分所有者の5分の4の賛成で、修繕や建て替えではなく、マンションを解体し、敷地を売却できるとしています。
 事実上、入居者の生活の安定よりもデベロッパーの利益を優先するもので、残り5分の1の区分所有者が、売却を強制され、生活基盤そのものを失いかねないという問題をはらむものです。そのような認識がおありか、伺います。
 質問の第3は、支援体制についてです。
 分譲マンションの老朽化は、大規模修繕や建て替えにともなう膨大な費用負担に加え、入居者の年齢や生活実態もさまざまなため管理組合での合意形成が極めて難しいという問題があります。また、戸数が少ない小規模マンションでは修繕積立金自体がないという実態もあります。
 老朽マンション対策は、入居者個人や管理組合だけでは解決が困難という事態が、全市的な規模で問題になってくることは明らかです。
 そのために、入居者や管理組合の悩みや要望に応える相談体制の確立、市内の建築業者に仕事が回る修繕や改修などへの補助制度、適切な管理で長持ちさせることなど、総合的な支援体制を整備・確立すべきだと考えますが、いかがですか。合わせて、管理組合などへの積極的な情報提供、各地区での小規模セミナーの開催などで、関心を喚起することが必要だと思うのですが、いかがかうかがいます。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

上田市長 答弁

 10項目にわたりましてご質問ございましたので、私からは政治姿勢についてと新年度予算についてお答えをさせていただきます。その余は担当の副市長から答弁をさせていただきます。
 まず私の政治姿勢ということで、選挙制度に対する市長の見解についてお尋ねでございます。1点目と2点目の選挙制度に対する見解についてはまとめてお答えをいたします。
 これまでも何度かご質問いただきましたが、一貫して申し上げてきたとおり、選挙制度というものは、国民の投票の権利を保障するものでありまして、民主主義の根幹に関わる極めて重要な問題でありまして、多様な民意が国政にしっかりと反映されるということが肝要であると、このように考えているところであります。したがいまして、選挙制度の在り方については、国民にとって最も望ましい制度となるように、国民的な議論と併せて国権の最高機関でございます国会の場で深く議論をされ、決定されるべきものと考えているところでございます。
 次に政府の来年度予算案についてでございます。
 1点目の消費税増収分の活用についてでございますが、消費税率の引き上げは、社会保障の安定財源の確保を目的として、国政の場において決定したものでございまして、負担の増大を抑制し、持続可能な制度を実現する観点から、給付の重点化や、あるいは制度の運営の効率化も同時に行うこととされていると、このように認識をいたしております。国の新年度予算案におきましては、消費税率引き上げによる増収分は、社会保障の充実のほか、基礎年金の国庫負担や、あるいは後世代への負担のつけ回しの軽減など、全て社会保障の充実や安定化に与えられているものと考えております。
 この2点目の、不公正な大企業の減税についてとのお尋ねでございますが、今回の法人課税の見直しにつきましては、現下の社会・経済情勢などを踏まえて検討されているものと理解をしております。今後、国政の場において様々な議論がなされていくべきものと認識をしているところでございます。
 3点目の防衛関係費についてでございますが、このことは現在多くの国民が関心を寄せていることというふうに思われますので、これも国会の場において、大いに議論されなければならないことのひとつだと、このように考えております。また、集団的自衛権の行使につきましては、これまでも繰り返し申し上げているとおり、憲法の解釈の限界を超えるものでありまして、認められないというのが私の考えでございます。集団的自衛権の行使が必要という議論が、少なからず国民の中にあるということであれば、大きな議論を国民とともに行い、安全保障に関する法整備を行う前に、まずは憲法第96条で定めております手続きに従って、その是非を国民に問うべきものと考えております。
 消費税に頼らずくらし第一で経済を立て直す政策についてという項目でお尋ねでございます。消費税によらずに財源を確保するということについて、消費税は、税収が経済の動向や、あるいは人口構成の変化に左右されにくい、こういう特徴を持っておりまして、個人及び法人所得課税と比べまして、より安定的な財源と認識をいたしております。
 非正規労働者の処遇改善につきましては、国が労働関係法規を改正し、無期雇用への転換やあるいは待遇改善を進めているほか、非正規労働者や事業者に対する支援制度というものを実施しておりますことから、今後とも国における施策の拡充に注視をしていきたいと、このように思います。
 また、公契約法につきましては、公契約で働く労働者の賃金を始めとする適正な労働環境の確保を図っていくことは、大変重要であると認識をいたしております。それを社会全体で進めていくためには、公契約法の制定というのは、有効な施策の一つと考えておりまして、今後の国の動向を注視してまいりたい、このように考えております。
 次に「イスラム国」による蛮行と改憲の動きについてということでお尋ねでございます。2点質問がありましたけれども、関連をいたしますので合わせてお答えをさせていただきます。
 ISIL(アイシル)、いわゆるイスラム国によって、2人の日本人を始めとして、罪もない人々が捕えられ、あるいは殺害されるということは、到底許しがたい行為でありまして、強い憤りを覚えるところでございます。併せてご家族の方々には、本当に心からお悔みを申し上げたいと、このように思います。現在、多くの市民、国民が、ISILの行為に大きなショックを受けているところであるというふうに思います。しかし、そのような時こそ、憲法をめぐる問題やあるいはテロへの対応につきましては、なおいっそう冷静で慎重な議論が必要でありまして、テロ組織を生んだ複雑な歴史やあるいは背景など、様々な視点からの客観的な検証というものが求められているものと、このように考えているところでございます。
 2項目目の新年度予算についてお尋ねでございます。
 使用料の改定についてでございますが、使用料・手数料につきましては、公平性の確保などの観点から、適正な受益者負担額というものを設定すべきものと考えております。平成27年度の予算編成におきましても、この観点から、原価計算や、あるいは国の基準単価・他都市の単価等との比較を行った上で、改訂・改定を行ったところでございます。
 介護と福祉、環境の重点化についてお尋ねでありますが、介護施設につきましては、計画的な整備が必要と、このように認識しておりまして、現在策定中の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を勘案いたしまして、所要の整備費を計上させていただいております。また、この度の補正予算に、介護や障がい福祉分野における新たな人材確保策を盛り込んだところでもございます。
 エネルギー対策関連では、札幌ならではの環境産業等を振興する取組というものを行うほかに、補正予算では、次世代エネルギー普及促進に向けました市民向けの補助を拡充したところでもございます。私からは以上でございます。

生島副市長 答弁

 私からは8項目め、雪対策、それと10項目めのマンションの老朽化の2項目についてお答えを申し上げます。
 まず雪対策についてでございます。
 ザクザク路面の対応についてでございますが、今シーズンは、地域の実情にあわせた除排雪に加えまして、特に、暖気が多いことから、道路パトロールの結果を踏まえまして路面整正作業の出動回数を増やすなどの対応をしておりまして、躊躇なく実施をしてきたところでございます。今後とも、天候や路面状況に注意を払いながら、適切な路面管理に努めてまいります。
 次に雪堆積場についてでございます。今年度は、過去最大の搬入となりました平成24年度の搬入量を上回る容量を当初から確保しているところでございまして、現在、開設している雪堆積場で対処できるものと考えております。
 次に通学路の安全対策についてでございます。
 通学路につきましても、朝のうちに除雪を終えることを基本としているところでございますけれども、1月20日の始業式の日には、北区の篠路、あいの里方面では、朝から、かなりの大雪になりました。このため通学時には間に合わなかったわけでございますけれども、日中に、緊急除雪を実施をいたしまして、翌朝には、平常の状態を確保したところでございます。今後とも、時々刻々と変化する気象状況に対応した除排雪に努めてまいりたいと考えております。
 次に福祉除雪事業についてでございます。
 まず1点目の事業の普及・PRについてでございますけれども、広報さっぽろでありますとか、札幌市及び社会福祉協議会のホームページへの掲載をおこなうほか、町内会の回覧板等も活用して周知を図ってきたところでございます。今後も更にPRに努めてまいりたいと考えております。
 2点目の地域協力員の体制強化についてでございますけれども、社会福祉協議会と連携をいたしまして、町内会や地区福祉のまち推進センター等の地域組織に加えまして、地域企業に対しましても個別に依頼するなど体制の強化を図ってきたところでございます。今年度はこのような取組の結果、協力員が増加をしてきたところでありまして、引き続き、確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に屋根の雪下ろし支援についてでございますけれども、自力で作業が困難な高齢者や障がい者に対する冬期間の生活支援策のひとつであると考えているところでございますが、まずは、他都市の実施状況等を調査をしてまいりたいと考えております。
 次に10項目めのマンションの老朽化についてでございます。
 まず分譲マンション対策の検討状況と実態調査についてでございますが、1点目の分譲マンション対策の検討状況についてでございます。
 平成26年2月に、先進的な取組を実施しております千葉市、横浜市などに対しまして、分譲マンション支援事業の内容でありますとか、課題認識について、ヒアリングを実施いたしました。その課題や問題点について整理を行なったところでございます。
 2点目の分譲マンションの実態調査でございますけれども、札幌市では、分譲マンションの抱えます課題や問題点を把握するために、5年毎に実態調査を実施しておりまして、平成27年度予算にも調査費を計上いたしております。築25年を超えますマンション約1,300棟を対象に郵送によるアンケート調査を実施する予定でございます。先ほど申し上げました他都市の事例調査を踏まえ、有効な支援策が検討できますように、管理組合の運営や経理、建物・設備の維持管理などについて、実態を詳細に把握していく予定でございます。
 次に、マンションの建替え等の円滑化に関する法律に対する認識でございますけれども、生命・身体の保護の観点から法律が改正をされまして、耐震性不足の分譲マンションについて「マンション敷地売却制度」が創設をされたところでございますけれども、これまでの手法と同様に、事前に管理組合の総会などにおきまして、区分所有者間で議論し、合意形成が図られて、進めていく手法というふうに認識をしておるところでございます。
 次に分譲マンションへの支援体制についてでございます。札幌市とたしましても、分譲マンションは、その合意形成等の困難さに加えまして、改修工事費の確保など、計画的で長期的な取組が必要であると認識をしております。現在行っている、マンション管理セミナーなどの情報提供や公益社団法人北海道マンション管理組合連合会による相談体制などについて継続をしてまいりたいと考えております。今後、他都市の事例調査や平成27年度に行います実態調査の結果を踏まえまして、管理組合が機能していないマンションへの支援や、大規模修繕や建替えに必要な合意形成に至る支援など、具体的な支援策を検討してまいりたいと考えております。私からは以上であります。

井上副市長 答弁

 私から3項目め福祉灯油と電気代について、4項目め介護保険について、5項目め高すぎる健康保険料について、6項目めについて、7項目め学童保育の問題について、9項目め障害者の外出支援についての以上6項目につきましてお答えをいたします。
 まず3項目め、福祉灯油と電気代についての福祉灯油と電気代についての1点目、電気料金値上げの影響抑制策については一括してお答えをいたします。
 円安の影響もあり諸物価が高騰する中、昨年11月には電気料金の再値上げが実施をされましたが、一方、ここ数年にわたり高値が続いていた灯油価格は急速に値下がりがしたところであります。灯油や電気といった生活に欠かせない商品やサービスの価格変動は、あらゆる方の暮らしに影響を及ぼすことから、その価格安定は国において対策を講じるべき課題であると認識をしております。
 市民の皆さまが、様々な事情を抱えながら家計や経営のやりくりに努力をされていることは十分理解しているところでありますので、札幌市としては、市民一人ひとりの工夫や改善の積み重ねによって節約が一層進むよう、今後とも、ウォームシェアなどの省エネや節電の普及に力を入れてまいりたいと考えております。なお、生活全般に支援が必要な方には、既存の福祉サービスの活用についてご相談をいただければと思います。
 電気代についての2点目、LEDキャンペーン事業についてであります。
 LEDキャンペーン事業は、節電効果が格段に高いLED照明を市民の方々に広く知っていただき、購入していただくことなど、その普及促進を目的に、平成24、25年度の2年間にわたり実施をいたしました。LED照明は、このキャンペーン期間中に飛躍的に技術が向上し、普及が格段に進みましたことから、キャンペーンとしての役割が達成されたものと判断し、事業を終了するに至ったものでございます。今後も、札幌エネルギーecoプロジェクトなど様々な施策により、市民の皆様の省エネ・節電の取組を支援してまいりたいと考えております。
 次に4項目め、介護保険についてお答えをいたします。
 まず、保険料についてでありますが、保険料については、国に対して、他都市と連携して国の財政措置の拡充を要望してきた結果、介護保険法に基づく新たな低所得者の負担軽減制度が設けられたところであり、引き続き、軽減制度の着実な実施を働きかけてまいります。また、次期保険料につきましては、サービス費用の増加等により、1人あたりの負担額は上昇することとなりますが、介護給付費準備基金を取り崩し、できる限りその上昇の抑制を図っているところであります。
 札幌市独自の減免制度の財源は第1号保険料で賄っており、減免制度を拡大した場合、第1号保険料の基準額がさらに上昇することから、現在と同様の要件で実施してまいりたいと考えております。札幌市としては、引き続き介護保険制度の周知を図る中で、保険料についてもご理解をいただけるよう、丁寧に説明してまいります。
 次に介護報酬についてでありますが、介護報酬単価の改定につきましては、保険料や利用料に与える影響を考慮する必要がある一方、良質な介護サービスを安定的に提供していくためには、一定の水準を確保する必要があるものと考えております。今回の報酬改定では、制度の持続可能性を高めるとともに地域包括ケアシステムの基本的な考え方を実現する観点から、基本報酬を引き下げる一方で、中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の充実強化、さらには介護人材確保の推進のため、加算が拡充されているところであります。
 札幌市といたしましては、今後の介護サービスの提供状況などを見極めたうえで、必要に応じて、国に適切な措置を要望してまいりたいと考えております。また、札幌市では、介護職員等の定着を図る観点から、これまで働きやすい職場環境を整えていくための支援をしてまいりましたが、地方住民生活等緊急支援交付金等も活用しながら、来年度から事業所の雇用管理能力の強化に関する研修や採用力強化を支援する施策などにも取り組むこととしております。
 次に特別養護老人ホームの待機者解消についてでありますが、特別養護老人ホームの入所申込をされている方々の介護の必要性の程度、入所希望時期、介助者を含めた生活状況など、申込者を取り巻く状況は様々なものと認識をしております。介護基盤の整備に当たっては、利用者の状況に応じた適切なサービス提供ができるようにするため、次期介護保険事業計画においても、現計画と同様、施設と在宅サービスのバランスのとれた計画とする予定であります。
 特養整備については、介護保険料に与える影響を配慮しつつ、引き続き、入所の必要性・緊急性の高い方が、可能な限り早く入所できるように計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 次に特別養護老人ホームの入所制限についてでありますが、介護保険法の改正を受け、事業者団体と協議し、特別養護老人ホームの入所指針を改正して既に通知をしたところであります。申込者が特例入所の要件に該当する場合は、事業者が保険者市町村に報告する取扱いとしたことから、その報告内容や実地指導を通じて、指針が適切に運用されているかを確認する予定であります。
 また、認知症高齢者グループホームにつきましては、認知症高齢者の増加などを踏まえ、次期計画において計画的に切れ目のない整備を行うこととし、現計画に比べ大幅に整備規模を拡大したところであります。一方、認知症高齢者の在宅介護の支援につきましては、これまで、地域包括支援センターにおける総合相談支援などに加え、認知症サポーターなどによる地域でのゆるやかな見守り等にも取り組んでまいりました。
 今後さらに、認知症の方や家族の視点に立って、気軽に相談ができる場づくりや、早期の支援につながる体制の整備に向け、医療・介護の専門機関や民間事業者、ならびに地域住民の連携強化に努めてまいります。
 次に無届け有料老人ホームについてでありますが、これまでも有料老人ホームに該当すると思われる施設に対して、サービス内容の調査や届出促進のための文書を送付するなどの取組を行ってまいりましたが、今後も関係部局間で情報共有し、届出促進の取組を継続しながら、更なる実態把握に努めてまいりたいと考えております。
 また、食中毒やインフルエンザなどの集団感染につきましては、患者を診察した医師の届出や施設からの報告により状況の把握や対応が可能になりますことから、届出促進の取組を通じて、予防方法や報告の必要性について周知してまいりたいと考えております。
 次に5項目め、高すぎる国民健康保険料についてお答えをいたします。
 まず、同じ収入の場合の国保料についてでありますが、国民健康保険制度は、加入者にかかる医療費を加入者の所得等に応じて、保険料として分担いただくものであります。したがって、個人の所得が同じであっても、全体の医療費の上昇や所得の減少により、個人の保険料が上がることは起こり得るものであります。
 札幌市としては、これまでも一般会計からの多額の繰入により、保険料の抑制を行ってきておりますが、こうした状況で、同じ所得の場合に保険料を上がらないようにするためには、繰入を更に増やす必要がありますことから、極めて難しいものと考えております。
 次に、国保料の引下げについてでありますが、今後、医療費が増え続けると見込まれるなか、保険料を引き下げるために、一般会計からの繰入を更に増額することは、国民健康保険に加入している市民と、加入していない市民における負担の公平性などに鑑みますと、極めて難しいのではないかと思います。
 次に、国保の構造的問題についてでありますが、まず、国への要望の件について、国民健康保険は、加入者の年齢構成が高く、医療費水準が高い一方で、所得水準が低いといった構造的な問題を抱えており、財政基盤が極めて脆弱な状況となっております。このため、財政基盤の抜本的な強化に向け、これまで様々な機会を捉えて国に対し働きかけを行ってきたところでありますが、今後とも、他都市と連携しながら、国に対してしっかりと要望を行ってまいります。
 また、札幌市としての独自軽減につきましては、一般会計からの繰入を更に増額することとなりますので、極めて難しいものと考えております。
 次に6項目め、保育についてお答えをいたします。
 まず、待機児童の解消についてでありますが、保育サービスを必要とする全ての児童に必要な保育サービスを提供できるよう、保育環境の整備を進めてまいります。
 次に、保育士の処遇改善についてでありますが、札幌市としては、新制度における処遇改善加算が全ての保育所で活用され、保育士等の賃金改善が図られるよう事業者向け説明会など様々な機会を通じて働きかけてまいります。
 次に、子ども・子育て支援新制度についての1点目、保育時間についてでありますが、保護者の負担が大きくならないよう、現在すでに保育所等に入所している児童や常態的に延長保育を利用せざるを得ない児童につきましては、保護者の希望により保育標準時間を利用できる措置を設けたところであります。これらの措置につきましては、入所申込者に周知を図っており、今後さらに、保育短時間認定となった児童の保護者全員に個別にお知らせをする予定であります。
 2点目の申込受付期間の変更についてでありますが、パンフレットの配付を8月から始めたほか、広報さっぽろやホームページへの掲載、各区住民説明会などを通じて必要な方への周知に努めてきたところであります。
 また、現在、追加で入所可能な施設等を対象に2次募集を実施しておりまして、今後、入所できなかった方には、各区の保育コーディネーターが、個別に入所可能な施設を紹介するなどきめ細かく対応してまいりたいと考えております。
 次に7項目め、学童保育の大規模化の解消についてお答えをいたします。
 まず、1小学校区1か所という考え方についてでありますが、放課後児童クラブの中には、大規模化・過密化しているところがあることは課題として認識をしております。今年度、児童の集団の規模、1人あたりの面積等を定めた放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準条例を制定したところでありますので、その内容も踏まえ、大規模化・過密化の課題に対応するため、同じ小学校区内に、放課後児童クラブの複数配置が可能かどうか検討を進めているところであります。
 次に、民間学童保育所への助成についてでありますが、児童クラブがある小学校区に後から民間学童保育所が開設された場合の助成については、本年4月より届出制の導入など放課後児童健全育成事業の位置づけが変わることから、1点目の1小学校区1か所の考え方と併せまして検討してまいりたいと考えております。
 次に9項目め、精神障がい者の外出支援についてお答えをいたします。
 まず、交通費助成についての1点目のプレミアムの付与、2点目の今後の対処方針について合せてお答えをいたします。
 精神障害者保健福祉手帳3級をお持ちの方の障がい者交通費助成制度では、市販されているウィズユーカードのうち、最も利用者に有利なプレミアムが付与されるよう10,000円のカードを購入して利用していただいてきたところです。
 ウィズユーカードの販売が終了し、今年度末をもって、その利用も終了となりますが、プレミアムの減少は、10,000円のウィズユーカードを利用している全ての市民に影響を受け止めていただいており、交通費助成制度を利用する精神障がいの方のみに5%のプレミアム相当額を補てんすることは困難と考えております。
 障がい者交通費助成制度については、昭和46年度の開始以来、利用者の利便性向上のため、民間バス事業者の追加、ガソリン券、タクシー券の追加など数度の見直しを経て現在に至っており、制度自体の変更を行う場合にはこれまでと同様に利用者の声を聴きながら進めてまいります。
 次に、精神障がい者の運賃割引についてでありますが、精神障がい者の運賃割引につきましては、障害者基本法で3障がい同一の考え方が示されているとおり、札幌市としても実施することが望ましいと考えております。しかし、バスと地下鉄等との乗継利用者が一定割合おりますことから、乗継に関する利便性の確保は重要であり、バスと地下鉄・路面電車の3事業が歩調を合わせて割引を行うことが基本と認識をしております。
 また、厳しい経営状況の下、地下鉄・路面電車の経営に及ぼす影響は、実施に当たっての重要な判断要素の一つであると考えております。今後とも、ICカード化の可能性も含めた利用者の利便性や、市営交通の経営の将来的な見通しなどを総合的に勘案しながら、十分に検討を行い、判断してまいりたいと考えております。以上です

坂本 きょう子議員 再質問

 市長に答えていただきたいと思っていたことについて、全くお答えが市長からいただけていない、市長ご自身のお考えを伺いたい、市長の見解を伺いたいということをあえて申し上げておりましたけれども、とりわけ福祉をめぐる分野について、この間の市長の本会議の答弁というものはほとんどなかったというふうに思っております。
 今回、介護の分野などを重点的に分担、担当して書いておりました。最後の市長の代表質問の答弁ですから、ぜひここは市長に答えていただきたいという思いで、私、すべての項目に「市長のお考えを伺いたい」ということを書きました。見事にスルーされてしまったということで、お答えする気がないのか、福祉に関心がないのか、見て見ぬふりをして、そういう福祉の切り捨ての道というものをすすんでいくのか、この12年間の総決算ということで各会派からの市長に対する質問がありましたけれども、それが結局市長の、私ども共産党の代表質問に対する総括的な姿勢だったのかというふうに思うとたいへん残念でなりません。
 あらためて質問いたしますので、市長がお答えいただけたらというふうに思いますけれども、その前に2点だけ申し上げておきたいと思います。
 精神障がい者の交通費助成の問題についてです。
 1万円のウィズユーカードが廃止をされる、15%のプレミアムというのは、すべての市民に影響があるものであって、そのことについて障害を持っているからといって分け隔てはできないんだと。市民として一律に説明はしているんだというのが、井上副市長からの答弁でした。
 どうして、障がい者に対しての交通費助成制度があるんでしょうか、という問題なんです。障がいをもっている方が、事例の中でも挙げました、仕事をするために、わずかな工賃をもらいに、そしてみんなと社会参加をしているという喜びを得るために小規模作業所に通う、その交通費として使っている、それが2か月半で無くなってしまう、こういうお話です。
 年金や生活保護を受けながら、それでも障がいをもった方が人間らしく生きたいと、社会参加をしたいという中でのこの交通費助成制度ですから、私はプレミアムがすべての市民に一律に付与されていて、これがなくなる、全市民に影響が出るものだからこれは障がい者にとって、特段説明するに値しないものというような答弁というのは、きわめて不謹慎だというふうに思います。
 そして今、この障害3級のウィズユーカード、2,000円分が削減されるという対象者は、わずか5,000人にも満たないという状況、1,000万円あれば、この方たちは今まで通りの交通費助成、少ないですよ、それでも今まで通りの交通費助成が受けられる。交通局にこの負担を求めるのか、保健福祉局に、一般会計にこれを求めるのか、それは行政サイドでお考えいただくこととして、私は、障がいをもった方たちが安心して社会に出ていくことができる、こういう状況を切り縮めるという考えには立つことが到底できない。これはあらためて再考していただきたいと思います。
 併せて、運賃割引についてですけれども、これも3事業者一緒にと、経営の見通しもこれありというお話でした。代表質問の中でも申し上げましたけれども、経営効率が優先される問題ではありません。国交省が約款を変えて、そして事業者に対して運賃割引制度をやって下さいということを言っているわけですから、そして先ほども申し上げたように、乗継という行為については、一般利用者の2割にも満たない、バス事業者との足並みを揃えるということで、この乗継の問題についても縷々、委員会などでも議論がされてきましたけれども、まったくこれは行政側、理事者側の詭弁ということが明らかになっていますから、ばんけいバスさんをはじめ全国ではさまざまなバス事業者がこれを実行している、そういう意味では、札幌市では地下鉄、市電で先行してこれを行うべきだということ、申し上げておきたいと思います。
 それで、質問したいのは介護保険の問題と国民健康保険の問題についてです。とりわけ、特養ホームの増設について、再質問をします。
 計画的に整備をしていくということ、施設整備をすることによって保険料が引き上がるという構図にあること、こういう議論はこの間ずっとしてまいりました。とりわけ、この特養の整備については入所の必要性、緊急性の高い方、可能な限り入所をできるように計画的に整備をしていきたいというお話がありました。それとまた施設と在宅のバランスというものも考えていかなければならないという答弁がありました。
 昨年の12月末時点で、6,140人の方が待機者として登録をされている、入所特例があるにしても、介護1、介護2の方は先ほど申し上げたように2,600人近い方がおられる。差っ引きでも3,540人以上の方が待機者として残るわけですね、この4月以降。ところが今5,450床くらいですか、特養ホーム。これを3年かけて800増やしていくというふうに言いますけれども、3,500分の800ということです。
 いつまでに待機者をゼロにしていくのか、この位置づけ、計画を持って、達成させていかなければ、私はいつまで経っても特養の待機者はなくならない、そして先ほど新聞報道も引用して申し上げたように、認認介護、老老介護と、認知症の方を在宅で介護をしなければならない、そういう中で、本当に不幸な痛ましい、あってはならない事件が起こったということを、札幌市はどういうふうに受け止めるんですか。
 5年間認知症の状態で、在宅で、介護保険の認定を受けようかという話もあったというふうに聞いています。けれどもここまで、71歳のご高齢の方を追い込んできたというのは、札幌市の介護施策、とりわけ特養ホームなどを含む施設建設に不備があったからではないんですか。これを解決していかなければ、こういう事件は後を絶たないというふうに私は思います。
 例えば保育所で、保育所の待機児童ゼロにしていこうという計画を立てました。いろいろあるけれども、待機者数は少しずつ減ってきている。建設も進んできています。特養ホームでも計画をしっかりと立てて、いつまでにゼロにするのか、このことを先にしっかりと計画を立てて行うべきではないですか。あらためてこの点、伺いたいと思います。
 2点目は国民健康保険についてです。
 同じ所得でいる場合に、保険料を上がらないようにすべきだと。それが加入者から見て、平均保険料が上がらないということだと、さまざまな数字を用いて代表質問で質しました。加入する市民と加入していない市民との区別もあり、一般会計から入れられるお金には限界があるんですというお話だったけれども、先ほど申し上げたように1999年度には160億円余り一般会計から繰り入れを行っていましたね。これは間違いではないですね。そして2014年度にはその半分、78億円の一般会計の繰り入れを行っている。そして、それを使い切らずにまた一般会計に戻している。
 私たち議会が、国民健康保険の会計に移して、国保のために使ってよいという決定をしたものについて、余ったので戻しますということにどうしてなるんだろうか。一般会計に余力があるんですから、きびしい思いをしている国保加入者、この方たちの国保料を引き下げるというのは当たり前のことではないですか。
 さらに言うと、国保加入者の収入というものは、この間、大幅に下がってきている。そういう中で資格証の発行、滞納、そしてまた差し押さえというような中で、本当に市民の福祉が切り縮められている。私は、札幌市が責任を持って国保料の一万円の引き下げ、せめてもの1万円の引き下げ、これをおこなうべきだというふうに思いますけれども、市長にぜひ答えていただきたい。

井上副市長 答弁

 再質問いただきましたので、答弁させていただきます。
 まず、再質問の1項目目、特別養護老人ホームの待機者の解消についてでございますけれども、特養への入所申し込みをされている高齢者の方につきましては、要介護度、生活状況、入所希望時期など入所の必要性、緊急性、さまざまでございます。次期計画におきましては今期計画を上回る10施設、800床の整備を予定しておりまして、引き続き入所の必要性、緊急性の高い方が可能な限りはやく入所できるように計画的に整備をすすめてまいりたいと考えておるところでございます。
 東区の件につきましてもいろいろとご質問ございましたけれども、あの件につきましては、個人のプライバシーの問題もありますので特に言及はいたしませんけれども、札幌市といたしましては整備計画に基づきまして整備をすすめてまいりたいというふうに考えております。
 再質問の2項目目、国民健康保険についてお答えをいたします。
 国民健康保険制度は、加入者に係わる医療費を加入者の保険料でまかなうというのが原則であります。一世帯当たりの平均保険料につきましては、加入世帯の負担を極力緩和するために一般会計から多額の繰り入れを受けながら、平成12年度から据え置いているところであります。さらに繰り入れを増やすことは、国民健康保険に加入している市民と加入していない市民の負担の公平性などに鑑みますと極めて難しいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。以上です。

坂本 きょう子議員

 先ほどの答弁とまったく一緒、市長が答弁に立っていない。議会軽視ですか。私は市長に答弁を求めました。そのことについてお答えがない。代表質問、本会議の場ですから、ここはきちんと答弁をしていただきたかったと思いますよ。
 そして、先ほども申し上げましたけれども、このことについて副市長に任せて市長ご自身がお立ちにならないということは、以前、市長が職員に向かっておっしゃった「福祉の心を持て」という言葉、やはり私はね、これは市長ご自身に返ってくる言葉だったんだなと、この12年間見てそういうふうに思います。
 これから予算の特別委員会などもございますので、私ども日本共産党は市民の皆さんの声をしっかりと予算に反映をさせていきたい、そしてまた新たにこの議場に共産党市議団、強力な共産党市議団を作ってですね、本当に市民のための札幌市議会にしていきたいということを申し上げて終わります。