私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております議案第8号、議案第18号、第20号、第21号および第24号の5件に反対、残余の議案に賛成の立場で、討論を行います。
まず、議案第8号、平成26年度札幌市一般会計補正予算(第2号)についてですが、新年度の待機児童解消のため、660人分を認可保育所で、114人分を小規模保育事業で増員整備しようというものですが、市の保育需要予測はニーズ実態を反映しているとは言えず、新年度当初の待機児童解消はできません。さらに、10年期限の賃貸物件を活用して整備するのは容認できるものではありません。「10年たっても更新は可能で10年限りで終わるものではない」旨の部長答弁がありましたが、物件によっては、賃貸契約ができない場合も考えられます。安定した保育が持続されない事は問題です。
17か所整備を予定している認可保育所、小規模保育事業は、地下鉄駅周辺への設置を想定しており、交通量の多い道路に面した場所です。園庭は保育所から離れている都市公園でも可能とし、保育所の設置階数も出来れば1階、2階以下が望ましいとしながらも何階に設置しても良いなど、子どもの日常の安全対策は不十分と言わざるを得ません。安心して子育てしたいという保護者の願いに応え、子どもたちの成長・発達が保障される、より良い保育を提供するのが本市の責任です。待機児童解消は喫緊の課題ですが、営利企業が参入すれば儲け本位で、利益が上がらなければ撤退するという事態は容易に想像がつきます。保育の質の低下や格差が出ることになります。
従前どおり社会福祉法人での認可保育所の整備で解決すべきであり、そこにこそ力を注ぐべきです。よって、議案第8号には反対です。
次に、議案第18号 札幌市子ども・子育て支援法施行条例案は、幼稚園、保育所、幼保連携型認定こども園、地域型保育事業の運営に関する基準を、議案第20号 札幌市幼保連携型こども園の設備及び運営の基準に関する条例案は、幼保連携型認定こども園の設備・運営基準を、それぞれ策定するものです。これらの条例案に関して、先日の市長提案説明において、「いずれも質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供等を目的とする、いわゆる子ども・子育て関連3法の制定に伴うもの」とありますが、今回の条例案で規定されている基準で、本市の保育の質が高くなるとは、到底、思えません。児童福祉法第24条第1項には「市町村は、・・保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児、その他の児童について保育を必要とする場合において、・・当該児童を保育所・・において保育しなければならない」と規定されています。市町村の保育実施責任をまっとうし、保育を必要とするすべての子どもたちに、格差のない、安心な保育を提供していく必要があります。ほぼ国の基準をなぞり、本市独自の上乗せ基準も、きわめて不十分。子どもの最善の利益を守るという、子どもの権利条例を持ち、日本一子育てしやすいまちを標榜する本市において、子どもたちが発達成長の機会を均等に与えられない状況を作り出すことには大きな危惧を抱くものです。
これまで多くの保護者や保育団体とともに積み上げてきた本市の保育の水準を後退させるような、これらの条例案には反対です。
議案第21号 札幌市児童福祉法施行条例の一部を改正する条例案では、放課後児童健全育成事業、放課後児童クラブの設備・運営の基準を策定していますが、遊びおよび生活の場、静養するための機能を備えた専用区画、必要な設備、備品等を設けること、専用面積は児童1人につきおおむね1,65平方メートル以上とすることなどが、「当分の間」適用しないことになりました。多くの共同学童保育所は古い建てもので、設備や備品は十分にそろえることが出来ません。職員の常時複数配置も不十分な育成会への補助金と保護者からの保育料では限界があります。市として財政支援を行うべきです。
児童クラブ・ミニ児童クラブにおいては静養室の確保は優先して行われるべきです。折りたたみの簡易ベッドを職員の机の横において児童を休ませているような状態は早急に改善しなければなりません。
また、小規模保育事業は、とりわけ3歳未満児が対象であることからB型・C型において、無資格者が保育にあたることは許されません。容認できません。
なお、議案第23号札幌市 区保育・子育て支援センター条例案についてですが、旧真駒内緑小、跡利用施設での10年暫定の利用です。設置される保育所は、小規模保育事業A型で指定管理者による管理となっています。今後、事業者の募集、選考委員会の設置となりますが、安定的な保育所運営ができる良質な事業者の選考をすべきであることを申し上げておきます。
最後に、議案第24号札幌市墓地条例の一部を改正する条例案についてですが、今回、埋蔵予定遺骨数5000体の合同納骨塚が、2013年7月末までに埋蔵数が6600体と、埋蔵可能骨数を超過したことから、埋蔵スペースの増設工事を実施し、新たに12000体の埋蔵が可能となりました。
しかし、今まで1体1900円だった手数料が、改定料金では9100円と5倍近くもの値上げとなります。
合同納骨塚は、無縁遺骨の保管の必要と行旅(こうりょ)病死者などの保管施設の要請があったことから、1966年に設置したものであり、設置の際に一般の市民利用もできる施設としたものです。
消費税の増税や諸物価の高騰などで、ぎりぎりの生活を強いられ、貯蓄もできず、大変なくらしをしている市民の実態にてらせば、所得の低い方たちを始め、市民が安心して利用できる合同納骨塚にするべきであり、値上げは行うべきではありません。よって、議案第24号札幌市墓地条例の一部を改正する条例案には反対いたします。
以上で討論を終わります。