私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております陳情第69号から135号「福祉灯油・あったか応援資金の実施を求める陳情」を採択すべきとの立場で討論を行います。
この冬は厳しい寒さが続き、札幌での真冬日がすでに45日、最低気温はマイナス14,3度、と市民生活に大きな影響を与えています。札幌市民にとって暖房の確保は命にかかわる切実な問題です。アベノミクスの円安政策によって灯油代は値上がりが続き、1リットル当たりの価格は、2004年には39円だったものが、昨年から100円を超えるようになりました。札幌市消費者センターの調査によれば、1月10日現在、ポリタンク配達で、1リットル当たり111円となっています。ひと冬に1400リットル消費した場合、灯油代が15万5千円と家計を圧迫しています。
年金と生活保護が引き下げられました。電気料金をはじめ消費者物価指数が上昇し、低所得者の生活は限界を超えています。
市長への「福祉灯油等の実施を求める緊急要望書」も提出され、その署名数は3183名に及んでいます。「日中はスーパーや病院ですごし、室温は16度にしてしのいでいる」、「年金も引き下げられ、どこをどう切り詰めたらよいのか、もう限界」という切実な実態が次々と出されました。
厚生委員会では、陳情者の趣旨説明で「夫婦二人14万円の年金で生活し、お風呂は週に1回。家の中で何枚も重ね着をしてできるだけ灯油を使わないようにしている」などの厳しい暮らしの実態がはなされました。
理事者は「灯油価格は急騰していない」ことをやらない理由の一つにしましたが、急騰であろうとゆっくりであろうと、生活費にかかる灯油代の負担が限界を超えていることに変わりありません。また、「準備に時間がかかる」ことも理由としました。私ども日本共産党市議団は、昨年の第3回定例会の代表質問において、福祉灯油を実施することを求めてまいりました。その時点で準備をしていれば実施できたはずです。時間がかかるのではなく、本市が切実な要望を受け止めてこなかったために遅くなったのです。
また、「給付を受ける側にとってはごく一部が補助されるため効果が限定的」だと理由にしました。
灯油が高いから1万円分でも福祉灯油を実施してくれれば生活が助かる、というのが願いです。1万円の福祉灯油を実施すれば、約90リットル分の灯油代が助かることになります。
本市はウォームシェアが暖房費高騰対策の一つだと述べられました。
近所に公共施設や病院がある地域は、ウォームシェアで暖をとることができますが、そうした施設が遠い地域に住んでいる方や、病気・高齢などの事情を抱えている方は外出そのものが難しく、ウォームシェアこそ効果は限定的ではないでしょうか。
本州でも、福祉灯油が始まっています。現金支給のほかに引換券の支給など、やり方を工夫して福祉灯油実施に踏み切っています。
道内の9割近くになる156市町村が福祉灯油を実施しています。こうした自治体から学び、所得の低い方への生活を支援する立場に立つべきです。道都札幌で福祉灯油を実施することが、灯油の負担にあえぐ北海道民に希望を与えるものです。
国会においては、道内選出の国会議員が、福祉灯油を実施する自治体への特別交付税措置を求めており、総務相は「3月分の特別交付税で必要な措置を講じる方向で検討していきたい」と答えています。国の配慮に、本市としてこたえるべきです。
まだ寒い日が続く本市で、震えながら生活している市民の生活を支えるため、福祉灯油は今からでも実施すべきこと、また、2007年と2008年に実施された「あったか応援資金」もあわせて実施すべきことを強く申し上げ、討論を終ります。