私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案17件中、議案第7号「健康づくりセンター条例の一部を改正する条例案」に反対、残余の議案に賛成の立場で討論を行います。
健康づくりセンターは、2010年の事業仕分けで「不要」と評価され見直しを求められましたが、その後の市民意見募集で「見直し賛成」4名に対して、「見直し反対」が868名と、圧倒的多くの市民が事業仕分け結果に異議を唱えました。さらに「健康づくりセンターを各区に建設してほしい」との声も寄せられ、利用実態調査等を経て存続との結論に至ったものです。
今回、中央・西・東、3館の健康づくりセンターの機能を集約し、医師などの従来のスタッフに理学療法士を加えるなどしながら、生活習慣病予防や介護予防、障がい者などを「重視する対象者」として利用勧奨を実施する方向が示されましたが、これまで無料だった東健康づくりセンターの利用料金を1回につき200円と有料化する条例案であることは問題です。
2011年10月「健康づくりセンター利用者アンケート調査」が行われました。中央健康づくりセンターで206名、東健康づくりセンターで251名、西健康づくりセンターで327名、合計784名が回答しました。「有料化になった場合、利用回数に変化が生じますか」という問いに対して、東健康づくりセンターでの回答者のうち、50.7%の人が「利用回数は多少減る・かなり減る・利用をやめる」と答え、「利用回数は同じ」の32.7%を大きく上回っています。また、「有料だと気軽に利用できない」「健康維持のための施設であるなら無料が原則であるべき」など無料を望む意見も記載されていることが明らかになりました。
2012年12月に出された「健康づくりセンターのあり方検討部会」の提言書では、センターの必要性のポイントが6つ挙げられ、その一つが「健康格差の縮小」となっています。「社会経済的に不利な層」低所得者・高齢者・障がい者などが利用できる施設であることが本市健康づくりセンターの役割である旨が書かれていますが、有料化はこうした人の施設利用を遠ざけることにつながり、健康増進を阻害する要因になりかねません。健康格差の縮小という、施設の設置目的に反することになります。
利用者は、60代、70代が過半数を超えています。高齢者が、少ない年金で生活しながら健康を維持・増進するため、これまで無料だった施設は無料のまま継続すべきであり、有料化には反対です。
なお、議案第3号「札幌市子ども・子育て会議条例案」は、子ども・子育て関連3法のうちの一つである子ども・子育て支援法において、本市の支援事業計画の作成などについての意見を聴くために設置されるものです。委員の選考にあたっては、学校や幼稚園・保育所関係者はもとより、民間の保育所や学童保育所の職員・指導員や保護者などの関係者をメンバーに入れること、また子ども自身の意見をよく聞き、出された意見を正面から受け止め尊重し、計画策定にあたるよう強く求めるものです。
議案第4号「札幌市職員の勤務条件に関する条例等の一部を改正する条例案」についてです。
本市の市民10万人あたりの一般行政職員は374.4人と政令指定都市20市中最少で、20都市の平均462.2人を大きく下回っています。今年6月5日現在の本市休職中職員は71名で、うち精神疾患で休職されている方が56名と見過ごせない実態となっています。本議案にあえて反対はしないものの、市民サービスの低下を招かないために、これ以上の職員削減はやめ、本市職員の働きやすい労働環境を整えるよう求めます。
以上で私の討論を終わります。