議案第22号監査委員の選任に反対する立場で討論を行いますが、市長が提案した自民党勝木議員および、公明党三浦議員が、人物としての問題があるという理由で反対するものではありません。
市長の人選の仕方、すなわち、第1会派と第3会派からという選出の仕方に問題があるために、この議案に反対するものです。なお、議長・副議長選挙でも、同様の趣旨で抗議の意思を表しました。
議長、副議長、監査委員の議会3役の選出にあたり、全国の少なくない議会でトラブルになっています。その多くは、大会派の横暴でポストの独占が行われるためです。
大会派が監査委員を内定し、その意向に沿って首長が提案していることが多いようです。
本市において、かつては、憲政の常道の通り、第1会派から議長、第2会派から副議長、第3会派と第4会派から監査委員を選出していました。
しかし、1993年、保守系の第4会派が、第1会派の自民党と統一し、日本共産党が第4会派となりました。
その時から、第1会派が議長と監査委員を独占するようになり、それがこんにちまで続いているのです。
本市議会は、今年、前期から引き継いだ長い議論と検討の末に、議会基本条例を制定いたしました。
その条例では、「これからの道都札幌の誇りある歴史を刻んでいくために、ここに今、自らが果たすべき役割を強く自覚するものである」とし、「本市議会は少数意見も尊重した議会運営」を位置づけ、「自らの改革及び機能強化に継続的に取り組んでいかなければならない」と、議会自身を厳しく律しております。
また、議会の活動原則を定めた第3条では、「多様な市民意見を十分に把握したうえで、市民の代表として公正かつ公平な議論、審議、審査等をし、意思決定を行うこと」と、少数意見を尊重した民主的運営を取り決めています。
市民の誰から見ても公正で民主的であり、いっそう信頼される議会にするために、互いに努力し、見直すべきはしっかり見直そうと、私はこの場から、議会各会派と市長に呼びかけるものであります。
どの政党や政治勢力が第4会派になっても、それが、市民の付託の結果によるものであるなら、市民と選挙の結果を信頼し尊重して、監査委員にすべきであります。
我々、札幌市議会議員が、どこの会派に所属していたとしても、その一人ひとりが党利党略を排除し、民主主義を徹底することに真剣であることを、この議会で明らかにしようではありませんか。
あらためて、大会派がポストの独占をしないこと、市長は、与党や大会派におもねることなく、すべての議員、会派と平等につきあうことを求めるものです。
以上の理由により、監査委員は、第3及び第4会派から選出すべきであり、議案第22号に反対します。