私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について質問いたします。
最初に、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、アベノミクスに対する認識についてです。
自民党は、「アベノミクス」と称する経済政策を、最大の売り物にして選挙戦をたたかおうとしています。しかし、「3本の矢」と宣伝しているもののなかには、国民の所得、働く人の賃金を増やす「矢」は一本もありません。
日本共産党は、2月14日に「賃上げ・雇用アピール」を、4月24日には「景気回復提言」を発表しました。
その全体を貫いているのは、国民の所得を増やして、消費を活発にし、内需を増やすという、景気回復の大道を歩む方針となっていることです。
この立場から、以下4点について、市長の認識をうかがいます。
第一は、賃上げと安定した雇用の拡大で、働く人の所得を増やすこと。
第二は、消費税増税を中止し、財源は消費税に頼らない「別の道」で確保すること。
第三は、現役世代も高齢者も安心できる社会保障を築くこと。
第四は、内需主導の健全な成長をもたらす産業政策への転換をはかること。
これらについて、どのようにお考えか、うかがいます。
さらに、北海道および本市の経済は、ともに、輸入が超過となっているため、円安が市民生活を圧迫するのは明らかです。
市長は、アベノミクスの、本道・本市経済への影響、および市民生活への影響について、どのように認識し、どう対処されようとしているのですか、お示しください。
質問の第2は、橋下徹日本維新の会共同代表で大阪市長の暴言についてです。
橋下氏は、5月13日、「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる」、「あれだけ銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命を懸けて、そこを走っていくときに、猛者(もさ)集団、精神的にも高ぶっている集団は、どこかで休息させてあげようと思ったら慰安婦制度が必要だ」と述べました。
かつて植民地とした朝鮮半島や軍事占領した中国や東南アジアから女性を連行し、日本軍が管理する慰安所で日本兵による強姦や売春を強制したというのは、慰安婦とされた女性たちの数多くの証言が示すように動かしがたい事実です。
日本軍慰安婦問題は、女性の人権を根底から破壊し、人間の尊厳そのものを冒涜(ぼうとく)する国際的な戦争犯罪です。
その慰安婦が「必要だった」とする橋下氏の発言は、公人の発言とは思えない異常なもので、市長や政党代表としての資格はもちろん、人間としての姿勢が問われるものです。
上田市長は、日本軍慰安婦について、どのような認識をお持ちですか、また、橋下発言についてどう受け止めておられますか、見解を明らかにしてください。
質問の第3は、電気料金の値上げについてです。
北電は、家庭向け電気料金を10.2%値上げするよう国に申請しています。
北海道消費者協会の木谷洋史専務理事や北海道商工会議所連合会の永田正記副会頭も反対意見を表明しています。
さらに、円安が進めば、また値上げする、12月以後、泊原発を再稼働させられなければ、またそれを理由に値上げしようというものであり、道民生活を支える視点に欠けた、一方的な値上げと言わざるをえません。
市長は、北海道電力が値上げしようとしていることに対して、どのようなお考えをお持ちなのですか。市民生活に及ぼす影響の大きさについての認識についてもあわせてお示しください。
また、北海道電力に値上げをやめるように申し入れるべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
質問の第4は、原発の問題についてです。
福島第1原発事故は「収束」どころか、地下水の流入によって、大量の汚染水が外部に流出する危機的状況の瀬戸際に陥っています。
以下、3点質問します。
1点目は、政府の責任についてです。「収束宣言」を撤回すること。放射能汚染水の海への放出は、絶対におこなわないこと。除染と賠償を徹底的におこない、避難者の生活と健康に責任をもつこと。これらの実行が、政府に求められていると思いますが、いかがか、うかがいます。
2点目は、再稼働についてです。大飯原発を止め、泊をはじめ全国の原発再稼働の方針を撤回すること、原発輸出政策をただちに中止するよう、国に求めるべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
3点目は、原発事故から2年余の体験は、原発と人類は両立できないことを示したということです。国が、「即時原発ゼロ」の政治決断をおこない、再生可能エネルギーへの抜本的転換の計画を立てて、実行に移すべきですが、いかがか、市長のお考えをうかがいます。
質問の第5は、憲法問題についてです。
1点目は、第96条についてです。
近代の立憲主義は、主権者である国民が、その人権を保障するために、憲法によって国家権力を縛るという考え方にたっています。そのために憲法改定の要件も、時の権力者の都合のよいように憲法を改変することが難しいようにされているのであります。
市長は、96条改定について、どのようなお考えをお持ちですか。反対の一点で、国民的共同を広げようとよびかけるべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
2点目は、自民党が昨年4月に発表した「改憲案」についてです。
この「改憲案」の問題点は、憲法9条2項を削除し、「国防軍」を書き込むというだけではありません。基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」とした憲法第97条を全面削除することは重大です。
さらに、憲法を、権力を縛るものから、国民を縛るものへと根本的に変質させるものとなっているのであります。
自民党改憲案について、市長の認識をうかがいます。
次は公契約条例についてです。
私ども日本共産党市議団は、議会のたびに早期制定のための議論をしてきました。議会全体として、制定に向けて声を上げていくべきと考えています。
東京都足立区議会では、自民党の幹事長である鯨井(くじらい)議員が代表質問で「労働者の労働条件整備に寄与するだけでなく、区内産業の育成、地域経済にとって必要として早期制定すべき」と求めています。
質問の第1は事業者に対する課題についてです。
本市の条例案での目的には「公契約に係る作業に従事する者の適正な労働環境を確保し、それを通じて」「事業の質の向上を図り、もって誰もが安心して働き、暮らすことができる地域社会の実現及び市民の福祉の増進に寄与すること」が明記されております。
ところがこれまでの本市は、安易な民間への業務委託や価格重視の指定管理者の選定、公共工事における低価格競争を放置し、受注者した中小業者の負担、下請けや業務委託の労働者の賃金低下を招いたことに、まずしっかりと向き合うべきではないでしょうか。
モデル事業が行われましたが、市として、その検証結果をどの様に分析・評価し、どの様に受けとめているのか伺います。
市長は「実態調査はこれからも継続的に行い、業界とも協議を重ねたい」旨の発言をしていますが、今後、業界団体の理解を得るためにどの様な対応をするおつもりなのか伺います。
入札制度全体の見直しはもちろんのこと、地元の事業者の育成・支援策や、地域経済・地域産業振興策の具体化が求められていると思いますが、今後どの様に取り組むおつもりか。さらに担当職員を増やし、体制を強化すべきと考えますがいかがか伺います。
質問の第2は公契約のもとで働く者の雇用のルールについての課題です。
市有施設で業務委託を受けている清掃員は「フルタイムで働いても生活保護費以下の収入で、何年働いても最低賃金のまま」、区役所で5年以上トイレや廊下の清掃にあたる60代の女性は719円の時給で1日7時間以上、週5日働いても月収10万円に届きません。
市長は、市有施設におけるこの様な労働実態についてどう認識しておられるのかお示しください。直ちに改善すべきと思いますがどう対処されるのか、伺います。条例の早期制定を求めている団体は、公契約条例は首長が「自分たちの発注した仕事でワーキングプアをつくらない」という「反貧困宣言」であると主張していますが、この点についての市長の認識はいかがですか伺います。
また、公共工事設計労務単価が4月に改定されましたので、労働者の賃金に反映させるよう受注者を指導すべきと考えますがいかがか伺います。
質問の第3は市民理解の促進についてです。
公契約条例という言葉に馴染みのない市民が少なくありません。条例の早期制定を実現するには市民の理解が不可欠です。条例の内容を知らせ、聞いただけでイメージしやすいものにすべきで、この際、条例の愛称を市民に広く募り、理解を深める方策など考えてはいかがか。市民への周知をはかり、合意を得るために働きかけを強化すべきと思いますがいかがか。伺います。
次に、保育の問題について質問します。
質問の第1は、株式会社の保育分野への参入についてです。
5月2日、国の規制改革会議が「保育に関する規制改革会議の見解」を発表し、株式会社の参入を可能にすべき、としています。しかしすでに2008年、株式会社エムケイグループが経営破たんし、突然「今日で閉園」と告げて保護者と職員に不安と混乱をもたらす事件が起きています。また、「民間企業は、保育園の運営以外に違う事業を行なっている場合も多く、親会社の経営難などを把握することは難しい」という指摘もあります。保育はあくまでも公的責任で行うべきであり、本市として、株式会社の保育への参入はしないことを明言すべきと考えますが、いかがか、うかがいます。
質問の第2は、認可保育所の増設についてです。
東京都杉並区・足立区・埼玉県さいたま市などで、何年待っても入れないなどの深刻な事態をなんとかしてほしいと、行政不服申し立てが行われています。園庭のある、国の最低設置基準を満たした認可保育所に子どもを預け、安心して子育てをしたいというのが親の願いです。
本市の4月1日現在の待機児童数は、自宅で求職活動をしている世帯や、第一希望だけを記入した世帯を含め、1111名になります。保育ママや預かり保育で保育を受けている児童は139名ですが、これらはあくまでも一時的なものであって、就学までを見とおした保育を安定的に行うためには、認可保育所の増設を進めることが必要です。今年度は保育所の新築などで1210名分を増やす計画ですが、4月1日現在の入所は、定員の104%で、869名は定員を超える入所となっています。保育所は、3月末で年長児が卒園し、その後、1年を通じて随時入所していくのが正常な年間サイクルであり、4月1日から超過入所や待機児童が発生するのは異常事態です。計画を前倒して保育所を増やすお考えはおありか、うかがいます。
質問の第3は、保育士の処遇改善についてです。
川村雅則北海学園准教授の調査によると、私立保育所保育士の勤続年数は、正規職員の54%が10年未満となっており、フルタイム非正規職員では87%が10年未満です。「責任の重い仕事なのに賃金が安い」「パートや臨時職員の若い保育士が何年働いても正社員になれないために辞めてしまう」との声が調査でも出されています。
国は、保育士の処遇改善に340億円を計上し、私立保育所で働くパートや臨時職員も含めて保育士への給与を引き上げる考えです。政府の試算では、保育士一人あたり月額8千円、主任保育士一人あたり月額1万円の給与改善になるとしています。市内すべての民間の認可保育所が対象となりますが、実際に賃上げするかどうかは、保育所の裁量にまかされています。対象となるすべての保育所で、保育士・職員全員にゆきわたったことを、どのように事実確認をするのか、賃金の低い保育士の底上げがなされているのかをよく調査をすべきと思いますが、どのように対処されるのか、うかがいます。
次に、学童保育について質問します。
質問の第1は、指導員の処遇改善についてです。
ある民間学童保育所の勤続8年の指導員は年間179万4千円の給与、勤続14年間の指導員は227万4千円となっています。本市公立の保育士のモデルケースの場合、勤続8年で345万9千円、14年では423万7千円となり、民間学童保育所指導員の賃金は、本市職員の約半分です。指導員は、子どもの安心・安全を確保し、ひとり一人の子どもの成長を見守る専門家です。子どもたちの豊かな放課後生活を保障するために、指導員の処遇を改善し働く環境を今以上によくすることが欠かせないと思いますがいかがか、認識をうかがいます。
国が補助金算出の根拠としている、指導員の勤務時間は一日6時間となっています。ところが、札幌市学童保育連絡協議会の実態調査では、79%の正指導員が、年間2000時間以上、一日あたり7時間ないし8時間働いています。夏休み・冬休み期間などの長時間保育、延長保育の広がりなどの現状からも、国に対して補助金算出にあたっての指導員報酬を8時間とするようはたらきかけるべきと考えますがいかがか。
質問の第2は、助成金の引き上げについてです。
民間学童保育所は子ども中心の集団が保障された「生活の場」となっています。
ところが、施設が狭いうえに老朽化していること、保育料が約1万5千円と保護者の負担が重いことなどを、一刻も早く解決することが待たれています。留守家庭の子どもたちにとってなくてはならない民間学童保育所へ行政が一層支援することが求められていると考えますが、対象学年6年生までを実施したあと、どのような民間学童保育所への支援をお考えか、助成金を大幅に拡大すべきと考えますが、いかがかうかがいます。
次に、若者の問題について質問します。
質問の第1は、日本学生支援機構の奨学金についてです。奨学金利用者は130万人以上で、大学生の2人に1人が利用しています。
これは、日本が世界一の高学費で、高校と大学に通わせるのに1000万円もかかるためです。ですから、借り入れ総額は数百万円から、大学院まで行った場合など1000万円を超える人も4.5%います。
ところが、卒業後に正規雇用の道につけるとは限りません。奨学金滞納者の55%が派遣やアルバイト、失業、無職となっており、89%が年収300万円以下です。
返済が滞れば、10%の延滞金が加算され、サラ金まがいの回収業者が取り立てる実態です。社会人としてのスタートの重い足かせとなっています。
このような若者の現状について、市長はどう認識されているのか、お示しください。給付型の奨学金にすることが必要だと思います。国に働きかけるおつもりはないのかうかがいます。
質問の第2は、若者の就職支援についてです。
高校を卒業しても就職につながらない、病気になって仕事をやめた等、困難を抱えている若者が多く、支援が求められています。
そこで、質問ですが、ニート引きこもりなど早期に支援が求められていますので、学校や先生との連携、ハローワークとの情報交換など行い、支援をより一層充実させるべきと考えますが、今後の対応について伺います。また、特別支援学校卒業した方など障がいをお持ちの方の就労支援についてですが、広く照会し、雇用につないでいけるようにすべきですがどの様に対応されているのか伺います。また、高校中退や、高校を卒業して就職したが働くことができず退職した若者の就労支援についてどのように検討されるのか伺います。
最後に、生活保護制度の問題と貧困・孤立対策についてです。
質問の第1は、生活保護基準の引き下げについてです。
1点目は、引き下げの根拠についてです。
厚生労働省は、独自の指数を使い、2011年の物価は、2008年より4.78%低いと算出し、生活扶助費引き下げの根拠としました。
しかし、山田荘志郎日本福祉大学准教授は、家電製品の価格下落が大きく、物価全体の下落に影響していることに注目しました。パソコン・カメラなど価格が下がっている家電製品21品目について調査し、生活保護受給者では購入したことがない人が圧倒的であることを明らかにしました。「生活保護利用者の立場からいえば、自分と関係ない品目が影響しているデフレを理由に生活扶助費が削られる結果になる」といいます。山田准教授は「社会保障審議会生活保護基準部会でも、物価下落と生活扶助の関係は議論されてこなかった」と指摘しています。
基準引き下げは、客観的・合理的根拠に欠けていると思いますが、いかがか、ご見解をうかがいます。
2点目は、受給者に与える影響についてです。
シングルマザーのAさんは、子ども2人と母親の4人で、市内のアパートに暮らしています。働いた収入と母の年金、児童扶養手当を合わせ約21万円あり、保護費を約7万円受け取っています。Aさんは、母と自分の食費を削ってやりくりしていますが、基準引き下げが行われれば2万円近くも減額することになり家族4人の生活を維持することができなくなってしまうと不安を募らせています。このような生活保護世帯の生活実態について市長はどのように受け止めますか、現在でもぎりぎりの生活でやりくりしているのに、さらに引き下がるようなことになったら、健康で文化的な生活ができなくなると思うのですが、市長のご見解を伺います。
質問の第2は、生活保護法の改悪についてです。
昨年起きた白石区での40代姉妹が孤立死した事件では、姉が3度も窓口へ行ったのに、申請することができなかったことが悲劇につながりました。改悪法案が親族による扶養義務の強化をうち出したのは、受給者を排除する狙いです。保護を申請した人の親族らの収入や資産を調べるため、税務署や銀行、場合によっては勤務先にまで報告を求める事が出来る権限を与えようとしています。親族の身辺を洗いざらい調査されることを避けるために、保護申請をあきらめる人が続発する事態をもたらしかねません。
餓死や凍死、自殺の増加が懸念されています。
本市では、申請時の調査を強化すべきではないと思いますが、いかが対処されるのか、明らかにしてください。
質問の第3は、孤立対策についてです。
本市では、2012年1月に40代姉妹の孤立死に続き、その年の7月には、死後3~4ヶ月とみられる50代男性の遺体が発見され餓死したとみられています。さらに同年11月には、生活保護を受給していた80代の母と60代の息子がやせ細って餓死か、病死かという孤立死が続いて起きています。
さいたま市では全世帯に「孤立死を防ぐために・・困ったら迷ったら、すぐにご相談ください」というリーフレットを配布しました。
その内容は、高齢者、障がいのある方、子育てと女性、こころの健康、借金など、どこに相談したらいいかを丁寧に示したものです。また、民間事業者15団体と、孤立死を未然に防ぐために、訪問先の生活の異変に気付いた場合などの通報協力を締結しています。さらに、市民にも「孤立死防止対策に関するアイデアの提供について」を募集しています。これらの対策を強化している姿勢は学ぶべきものだと考えます。
本市でも、困ったことがあった場合、相談できる機関があることを詳しく載せたリーフレットを作成し、全世帯に配布するべきと考えますがいかがか伺います。
以上で私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。
上田市長 答弁
6項目ご質問がございましたので、私からは、政治姿勢についてと5番目の若者の問題について答弁をさせていただきまして、その余は担当の副市長から答弁をさせていただきます。
まず、政治姿勢の中の1点目のアベノミクスに対する認識についてというお尋ねでございます。
1点目の景気回復宣言に対する共産党がされておりますこの提言に対する認識でございますが、提言の内容を拝見いたしますと、公契約条例の制定や、あるいは失業者への再就職支援、中小企業への各種振興策など、札幌市が取り組んでいる方向性と一致しているものも多くある、このように認識をいたしております。
しかしながら、消費税の引き上げにつきましては、国及び地方を通じた社会保障の安定財源の確保ということを目的としておるものであり、さまざまな視点で議論がなされ、国政の場において成立したものでありますので、これは尊重すべきものだ、このように認識をいたしております。
2点目のいわゆるアベノミクスの北海道・札幌市経済及び市民生活への影響についてでございます。
昨今の経済情勢について、主に円安によります影響を中心に複数の市内事業者にヒアリングを行ったところでございますが、これによりますと、外国人観光客が増加傾向にあり、日本人観光客も海外から国内へシフトしているということから、観光関連業者においては好影響があるというふうに伺っております。
その一方で、卸売業者及び製造業者などにおきましては、原材料の輸入価格の上昇を販売価格に転嫁できないというようなことから、業績の悪化が懸念されるというふうに伺っております。今後、さらなる円安が企業経営や、あるいは市民生活に深刻な影響を及ぼすおそれもありますことから、動静をしっかり注視してまいりたい、このように考えております。
次に、政治姿勢の2点目でございます橋下大阪市長の暴言についてということでございます。
慰安婦問題についてどういう認識を持っているかということでありますが、日本政府は、ご承知のように、平成5年8月4日、いわゆる河野談話ということで発表されましたその内容が、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であるというふうに述べられまして、心からのおわびと反省を表明しておるところであります。そして、そのおわびだけではなく、その償いということで、内閣総理大臣名義のおわびの文書を慰安婦の経験者の皆さん方にお送りするとともに、これは、日韓条約との関係があって国費で補償するということはならなかったわけでありますが、アジア女性基金をつくって、これに応じていただける方にはおわびをしているというような日本の歴史がございます。
これは、私は、そういうことをすることによって、日本の立場を、世界へ、負のイメージから立ち直っていこうという姿勢を示したものというふうに理解いたしておりますので、このような前提となります慰安婦問題についての日本政府のこれまでの姿勢、あるいは認識というのは、私も同様に理解をしているというふうに申し上げたいと思います。
橋下大阪市長の発言についてでございますが、これは、記者の皆さん方の囲み取材ということでありまして、昨今、政治家の言葉尻を捉えてあげつらうということも間々ありますけれども、今回のこの問題については、個人の考え方ということであれば、それは、私はとやかく言う筋のことではありませんけれども、少なくとも私の考え方とは全く違うということだけはしっかり申し上げたいというふうに思います。
その発言内容というものが、多くの女性、そして、男性も含めて国の内外に不快の念を持たせたことについては、極めて遺憾であるというふうに私は思いますし、国際問題化している現実に照らしましても国益に反する、そんな視点からも、大都市、大阪市という、一地方自治体ではございますけれども、影響力の極めて強い発信をされておられる方でございます。そのような方がお話しされるのはいかがなものか、反省すべきではないかというふうに私は考えるものでございます。
電気料金の値上げについてでございます。
家庭の収入は上向いておりませんし、また、今後、円安による諸物価の値上げも懸念される中で、電気料金が値上げされるということは、市民生活をより一層圧迫するものと考えております。
しかし、このたびの値上げ申請の理由として、原子力発電所の停止に伴う火力発電所の燃料費の増加などが示されておりますけれども、市民生活への影響ができるだけ少なくなるように、経済産業省と消費者庁で十分に審査してもらう必要があるというふうに思っております。
また、北海道電力に対しましては、値上げ申請の説明を受けた4月26日に、値上げの必要性や今後の見通しについて市民が理解できるように情報提供するとともに、値上げの幅の圧縮に向けて最大限の努力をされるように口頭で申し上げたところでございます。あわせて、北海道電力に対しましては、機会あるごとに、予定されておりますLNGによるガスコンバインドの発電所を早期につくっていただくということ、それから、再生可能エネルギーへの転換に力を入れていただきたいということは、市議会の脱原発依存社会を目指すという決意を踏まえて、私は、北海道電力に申し入れをさせていただいているところでございます。
それから、原発の問題についてでございます。
1点目の政府の責任についてでございますが、いわゆる収束宣言というのは、福島第一原発の原子炉が冷温停止状態になったということをもって発表されたものでございまして、原子力緊急事態宣言がいまだ継続中でもあることから、全てが収束したというようなことは全くない、これは常識でありますが、そういう認識でございます。
現在も、適切な汚染水の取り扱いなどを含む中長期的な施設の安全確保や賠償について東京電力が取り組みを進めているところでありますが、また、被災地域における除染についても全然完了していないというような状況にございます。一日でも早い本当の意味での事故収拾に向けて、今後も、国はこれらの取り組みに対する監視・指導等についてしっかりとその責任を果たすべきものと考えておりまして、引き続き国の動向を注視してまいりたい、このように考えております。
2点目の再稼働についてでございますが、依然として福島第一原発の事故原因が解明されていない中にありまして、新たな規制基準については、一部の専門家によりまして技術的な問題も指摘をされているというふうに認識をいたしております。原子力災害対策指針も、今後も随時見直される予定でもございまして、現時点では十分な原子力防災対策が確立されているとは言えないというふうに考えております。しっかりとした議論をされた新しい基準が定められ、また、十分な原子力防災対策が講じられるまでは、再稼働について議論を開始すべきではない、私はそのように考えております。
また、こういった環境の中で、他国への原発輸出に向けた動きが加速化している現状については、大変、私は危機感を持っているところであります。安全基準も定まらず、福島原発事故の真相もわからず、事故処理もままなっていない状況下にあって、経済発展、成長戦略の中に原発輸出ということを位置づけて、経済政策上、原発が前のめりしていくということには、大事故を起こした当時国としてあるべき姿ではないのではないか、そんなふうに考えているところでございます。
原発というのは、技術だけではなく、日本の技術だから売るんだという気持ちはわからないわけではありませんが、しかし、安全性というのは、技術だけでは保たれるものではありません。管理の能力、こういったものが本当にしっかりしていなければいけないわけでありますが、もんじゅで1万点の検査漏れというものがあったというふうな状況の中で、私は、日本の安全管理ということも含めて極めて不安な状況にある、そういう状況の認識をしっかり共有するならば、輸出というのはいかがなものかということになろうかというふうに思います。
3点目の再生可能エネルギーへの抜本的転換についてでございますが、脱原発依存社会の実現に向けて、節電などの省エネルギーをライフスタイルとして定着させるとともに、再生可能エネルギーの普及拡大を図るということが重要であるという基本認識はしっかりと持ち続けているところでございます。そのために、北海道が持つ再生可能エネルギーのポテンシャルというものを十分に生かす政策を国に求めてまいりたい、このように考えているところでございます。
憲法問題についてでございます。
96条の改正案、あるいは自民党の改憲案に対する認識ということでお尋ねでございますが、ご指摘のように、日本国憲法の改正規定が96条にございまして、これは、要件を単純多数ではなくて、両院議員の総数の3分の2ということに要件をきつくして、厳しくしているわけでありますね。いわゆる硬性憲法になるわけでありまして、それを2分の1に、普通の法律と同じようにしようじゃないかという議論につきましては、私は問題があるというふうに思っております。
昭和22年5月3日というのが憲法の施行日でございます。それから66年を経過したわけでありますが、私たちは、この憲法の中で生き、そして、この憲法の中には、日本独自の考え方というよりは、世界人権宣言であり、あるいは国連憲章なり、人類がこれまで長年の歴史を乗り越えてつくり上げられた倫理だとか権利だとか政治システム、人権を守るための政治システム、国家のありようといったものの集積がこの憲法には記載されていると私は理解をいたしております。ある意味では、本当に最先端の人類がかち得た価値を私は規定したものだというふうに思います。ですから、これを変えるというのは、やはり、圧倒的多数の国民が賛成をするという条件でなければ、私は、いけない、そんなふうに私は思います。その意味で、私は、ほかの国も、憲法というのはそういうものだということでやっておりますけれども、細かな規定をしている――日本であれば法律事項になっているようなことをこの憲法は規定していないのですね。本当に真髄だけを規定している、そういうものでありますので、これは、やっぱり圧倒的多数の国民が賛成しないとこれを改正してはならないという規定でございますので、この規定は大事にするべきだ、私はそのように考えております。
自民党の改憲案でございますが、いろいろなご議論がありまして、いろんな思いが込められた考え方で改憲案というものが昨年発表されておりますが、私が一番気にしているのは、憲法99条というこの規定が、まさに憲法尊重擁護義務を負担するのは誰なのかということをこの憲法は規定しております。天皇、摂政、国務大臣、裁判官、国会議員その他の公務員、これらがこの憲法を尊重擁護しなければならないという義務を負担するという名宛て人であります。自民党の考え方では、ここに国民が入っております。国民は、この憲法を守る名宛て人ではないというのが今の憲法の考え方であります。むしろ、国民の権利を守るために、この憲法はこういう名宛て人であります天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員、こういう人たち、権力を持っている人たちが人権を守るためにしっかりと権力行使を制限していく、それによって人権を守るという憲法でありますので、これは、国民を入れますと、非常に、我が国の立憲主義というものが失われるのではないかという心配をさせていただいているわけでありまして、ここら辺はしっかりご議論いただきたい。
いずれにしても、我々の生活の中の一番大事な法律でありますし、最も上位の法律でありますので、ぜひ、多くの皆様方に関心を持っていただいて議論をしていただければありがたい、このように思うところでございます。(拍手)5項目めの若者の問題につきましてお答えをいたします。
日本学生支援機構の奨学金についてというご質問でございますが、1点目の若者の現状についての認識は、若い方々が経済的不安を抱えることなく、安心して学べる社会をつくっていくことは極めて大切でございまして、雇用情勢の悪化などから、現在、奨学金の返済に苦慮している人が多数いるということ、それが深刻な社会問題になっているということを私も憂慮するものでございます。
札幌市では、経済的理由で就学困難な学生または生徒を支援するために、昭和26年に給付型の奨学金制度を設け、そして、それを運用してまいりました。そして、第2次札幌新まちづくり計画によりまして、平成19年度からは、それまでの採用枠を約3倍に拡大いたしまして、現在、毎年1,300名前後の学生及び生徒に対して給付型の奨学金を差し上げているところでございます。
2点目の給付型の奨学金の国への働きかけについてでございますが、給付型奨学金制度の導入につきましては、文科省で現在検討中というふうに聞いておりますけれども、今後、大学が集中をしております指定都市市長会で議論するなどいたしまして、国への働きかけを検討してまいりたい、このように思います。
若者問題の2点目でございます就労支援についてでありますが、1点目の学校やハローワークとの連携と3点目の高等学校中退者等の就労支援でございますが、若者の自立支援の取り組みでは、これまでも、中学校、高等学校との連携に積極的に取り組んでいるほか、ジョブカフェ北海道やハローワーク等の雇用機関との連携も密に行っているところでございます。高校中退者や早期離職者への就労支援についても、引き続き、これらの関係機関と連携しながら取り組んでまいりたい、このように考えております。
2点目の障がいのある方の就労支援についてでありますが、障がいのある方それぞれに適した就労支援が行われるように、ジョブサポーターによります個別的な支援、そして、福祉的就労の場の充実というものを図っているところでございます。また、障がい者雇用に関心のある企業への働きかけを通じまして、障がいのある方の雇用促進に努めてきているところでございます。
私からは、以上でございます。
秋元副市長 答弁
私からは、2項目めの公契約条例についてお答えをいたします。
まず、事業者に対する課題についてであります。
1点目のモデル事業の検証結果についてでございますけれども、これは、道路、橋梁、建築など7種の工事を対象にモデル事業を行い、全ての元請及び下請企業から、毎月、対象労働者の作業報酬台帳の提出を受け、事務処理上の諸課題や賃金の支払い状況の確認ができたものと認識をしておりまして、条例の運用に当たりましては、実務的には大きな支障はないものと受けとめております。
2点目の今後の業界団体への対応についてでありますが、これまでの関係業界などとの議論を踏まえ、今後も必要な調査を行いながら、引き続き、条例に対する理解が得られるよう協議をしてまいりたいと考えております。
3点目の地域経済・地域産業振興策の具体化の取り組みと体制強化についてでございます。
公契約にかかわる事業者のみならず、地元事業者の育成支援につきましては、札幌市産業振興ビジョンや札幌型ものづくり振興戦略に基づき、着実に取り組んでまいりたいと考えております。体制につきましては、各事業の見直しを進めながら、市内卸売企業による道内他地域の製品の販路拡大の取り組みのように、他自治体や関係機関などとの連携も深めることで効果的な事業となるよう努め、現行体制の中で進めてまいりたいと考えております。
次に、公契約のもとで働く者の雇用のルールに対する課題についてであります。
1点目の市有施設で働く労働者の労働実態の認識と2点目の反貧困宣言の主張に対する認識について、まとめてお答えいたします。
昨今の厳しい経済状況の中で、価格競争の激化等により、受注者の経営状況や雇用環境は厳しい状態が続いているものと認識をしております。札幌市では、このような状況の改善に向けて、最低制限価格の見直しや複数年契約の導入などの取り組みを実施してきたところであります。また、現在、継続審議となっております公契約条例が施行された場合には、この条例の運用により労働環境の改善を図ってまいりたいと考えております。
公共工事設計労務単価の改定に伴う企業への指導についてでありますが、工事請負の受注企業に対し、下請企業で働く技能労働者も含め、適切な賃金が支払われるよう通知文を送付するとともに、業界団体の研修会などさまざまな機会を通じて指導してまいりたいと考えております。
次に、市民理解の促進についてであります。
わかりやすい条例の名称、愛称ということも一つのアイデアであろうかと思います。今後とも、さまざまな機会を捉え、条例の趣旨やその内容についての説明に努めるなど、幅広く市民への周知を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
井上副市長 答弁
私から、3番目の項目、保育の問題についてと、4番目、学童保育について、6番目、生活保護制度の問題と貧困、孤立について答弁させていただきます。
まず、保育の問題についてであります。
一つ目の株式会社の保育分野への参入についてであります。
札幌市におきましては、これまでも可能としておりまして、今後も、認可に当たっては、企業の経営状況や保育事業者としての適切さなどについて十分な審査を行うとともに、開設後は運営面でも適切に指導を行ってまいりたいと考えております。
次に、認可保育所の増設についてであります。昨日の代表質問でも市長からお答えしましたとおり、第3次新まちづくり計画に基づきます保育所整備を引き続き実施するとともに、さらに、計画目標の上積みを検討してまいります。
三つ目、保育士の処遇改善についてであります。
全ての私立保育所において、保育士などの処遇改善を図る国の事業を活用するよう働きかけ、実績報告書によりまして適正に賃金改善がなされたかを確認してまいります。
次に、4項目め、学童保育についてお答えいたします。
まず、指導員の処遇改善についてであります。
民間児童育成会に対する助成金は、国の補助基準に対応して年々増額しておりますが、関係団体と定期的に行われる意見交換等により、各育成会が厳しい経営状況の中で運営していることは認識をしております。指導員の勤務時間に影響を及ぼします長時間開設への対応につきましては、育成会ごとで開設時間が異なりますことから、長時間開設への加算という形で実施をしているところでございます。国に対しましては、引き続き、放課後児童健全育成事業の充実につきまして要望してまいりたいと考えております。
2点目の助成金の引き上げについてであります。
繰り返しになりますが、年々増額いたします国の補助基準に対応いたしまして、助成を充実しているほか、家賃補助などの札幌市独自の助成項目も設けているところであります。今後、国において、放課後児童健全育成事業のあり方について検討されますことから、こうした国の動きを注視してまいりたいと考えております。
次に、6項目め、生活保護制度の問題と貧困、孤立死対策についてお答えをいたします。
まず、生活保護基準の引き下げについてでありますが、基準引き下げの根拠と受給者に与える影響については、まとめてお答えをいたします。
生活保護基準は、社会保障審議会の生活保護基準部会において5年ごとに見直しが行われ、今回は、年齢別、世帯人員別、地域別に基準額と消費実態の乖離を詳細に分析し、その検証結果を踏まえた見直しとなっております。さらに、前回見直しのあった平成20年度以降、デフレ傾向が続いているにもかかわらず、基準額が据え置かれていたことから、この間の客観的な経済指標である物価動向を勘案したものとなっております。
生活保護基準につきましては、国が責任を持って決めるべきものであり、今回の見直しについては、以上のとおり、国が客観的な指標により合理的に行っているものと考えております。
また、本件については、今年度予算によるものであり、国会で十分な議論の上、成立したものと認識をしております。さらに、今回の見直しは、生活保護受給者への激変緩和措置として、基準の増減幅は10%を限度とし、また、3年間かけて段階的に実施するなど、生活保護世帯の生活に配慮したものともなっていると考えております。
次に、申請時の調査についてであります。
扶養義務者に対する調査権の強化などを盛り込んだ生活保護法の改正案につきましては、現在、国会で審議中でありまして、札幌市では、審議の状況を注視しているところであります。いずれにいたしましても、従来どおり、法律に基づいて適正な保護実施に努めてまいりたいと考えております。
次に、孤立死対策についてであります。
白石区での姉妹孤立死事案等を踏まえまして、昨年5月、札幌市社会福祉協議会と協力し、身近な相談先を網羅したチラシを各区別に作成し、区役所、まちづくりセンター、地域包括支援センターのほか、老人クラブ、区社会福祉協議会、地区福祉のまち推進センター等に配付し、広く周知に努めたところであります。また、市内全戸に配布をいたします広報さっぽろにおきまして、相談先や民生委員の活動についての周知にあわせて、このチラシのPRも実施いたしました。今後も引き続き、チラシ内容の更新のほか、相談先に関する周知に努め、福祉支援を必要とする方が暮らしや福祉に関するさまざまな悩み事等を気軽に相談できるように取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
井上 ひさ子議員 再質問
私のほうから、2点質問いたします。
市長にお願いいたします。
慰安婦の問題で、市長は、先ほど、日本政府の河野発言を用いて、同様に考えているというようなご発言だったというふうに思うのですけれども、私は、市長自身の考えを自分の言葉で語っていただきたいというふうに思うのです。これは、人権問題として、本当にその認識を私はぜひ示していただきたいというふうに思います。
それからもう1点は、今、生活保護の基準の引き下げについて合理的だというふうにおっしゃったのかなというふうに思うんですが、消費の動向の実態調査をされた中で国が決めて進まれるというふうな発言だったと思うんですけれども、私が代表質問で述べたように、消費物価が下がったのは家電の価格が大幅に下がっていると。生活保護を受けている方は、パソコンなどは本当に買えるような状況ではない、こういうことになっているんですね。ほとんど購入していないのです。そのことを考えれば、やっぱり基準引き下げというのはとっても合理的だというふうに私は言えないのですが、これについてお聞きしたいと思います。
上田市長 答弁
慰安婦問題については、十分に私は自分の言葉で語っているつもりでございます。河野談話というのは、本当に練りに練られたものであることを、多くの皆さん方に、いま一度、いろんなところに資料はあるというふうに思いますので、ごらんいただければそれでよろしいかというふうに思います。人権の問題だということは当然のことでありまして、そのことを本当に繰り返し述べておられる文書でありますので、私は、それ以上のものはない、このように考えます。
井上副市長 答弁
合理的だというような質問でございますけれども、基準改定に使用しました今回の基本的なデータにつきましても、社会保障審議会の生活保護基準部会や国会の場で相当議論がされておりまして、適切なものであろうというふうに考えております。繰り返しになって恐縮でございますけれども、生活保護の基準につきましては、国において責任を持って決めるべきものでありますから、今回の基準改定につきましても、国が客観的な指標に基づいて決定したものであると考えております。
以上でございます。
井上 ひさ子議員
橋下発言について言えば、全く、多くの女性の、本当に、犠牲になった、そういう方々の心を踏みにじるようなことであり、私は、これは人権問題として厳しく指摘しなければならないと考えています。本当に、女性の人権だけではなく、男性の人間の尊厳も傷つけるようなことだと思い、厳しくこれは指摘しておきたいと思います。
それから、生活保護のことについて言えば、上田市長は、国の社会保障でしたか、部会に参加されていますよね。それで私は市長にご答弁をいただきたかったんですが、やっぱり今でも本当に大変な生活の実態があります。これを、やっぱりこれ以上下げていけば、私どもが心配するように、餓死とか孤立死とか自殺していくとか、それがやっぱりふえるんじゃないかというふうに私は懸念いたします。この問題については、継続して私は取り上げていきたいと思いますので、生活保護の引き下げはやめるべきだと強く求めて、質問を終わりたいと思います。