20121210 私は、日本共産党を代表し、議案第2号「札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案」に反対の立場で、討論を行います。
 2008年4月から後期高齢者医療制度がスタートしたことで、国保加入世帯で、夫75歳、妻66歳の場合など、世帯の一部の方が後期高齢者医療に移行することで国保加入者が単身となる場合、後期高齢者医療への加入者となる人が発生した月から5年間は、医療分と支援分にかかる平等割を2分の1にする、という軽減措置がなされています。
 今回の条例案は、国の施行令改正によるもので、特例期間であった「5年間」の期限がきたために、さらに軽減措置期間を3年間延長しようとするものです。その際に、これまでの「2分の1軽減」から「4分の1軽減」にするということは、加入者本人の負担が増えることとなり問題です。
 今回対象となる世帯の具体例として、2008年当時、夫75歳、妻66歳であった夫婦があげられます。夫が後期高齢者医療制度に移行するため、妻のみの国保となり、前年度と同じ国保料だったと仮定して計算すると、国保料の平等割、医療分33790円と支援金分9140円、あわせて42930円となるところを、2分の1負担軽減の措置によって、保険料の本人負担額は21465円となっていました。
 今回の条例改正案で、4分の1軽減に縮小すると、保険料はこれまでの21465円より10733円増え、32198円と負担が重くなることとなります。
 昨年4月から65歳以上の方の介護保険料が全国平均で月19,5%増えました。後期高齢者医療制度の保険料も上がりました。今後、厚生年金支給額が減り、さらに電気やガスなど光熱費や小麦など物価も値上げとなります。そのうえ来年4月からは消費税増税が予定されており、高齢者のくらしはいっそう大変です。
 委員会の質疑では、対象となるのは6800世帯であり、これまで5年間行っていた2分の1軽減をそのまま延長しても、かかる費用は6800万円程度であることが明らかになりました。本市の国保会計は、一昨年度決算で約28億円の不用額をだす黒字となっており、2分の1軽減を行うことは財政上も十分可能です。
 これ以上の市民負担をさせず、市民のくらしを守る構えを本市が強く持つべきであることを申し上げ、討論を終ります。