私は日本共産党を代表して議案第29号に反対し、残余の議案23件に賛成する立場から討論を行います。
議案第29号産業振興センター条例の一部を改正する条例案に反対するのは、デジタル創造プラザが老朽化したため、取り壊し、産業振興センター内に、入居スペースを移転するにあたり、料金値上げをしようとしているからです。
現在は、1ヶ月で1㎡あたり電気・冷暖房費込みで1360円ないし1500円としていますが、新施設では、2300円に値上げしたうえ、電気料・冷暖房費を別に取ることになります。
現在、50.4㎡で電気料・冷暖房費込の賃料6万8600円だったものが、産業振興センター内に移転すると12万1900円、プラス電気料・冷暖房費となります。
現在は、入居スペースが32室あり、稼働率は2010年、2011年は90%、今年度は81.3%と高い数字を維持していますが、移転すると32室を約3分の1の12室に削減しようとしています。
札幌市内から、すぐれたIT関連企業が生まれ、「サッポロバレー」という言葉もすっかり定着しました。初音ミクの大ヒットなど、札幌とIT産業は、強く結びついてきました。それは、本市が,IT産業、とくに小規模な事業者の育成を位置づけてきたことと無関係ではありません。
ところが、使用料も上がった上に、部屋も減らされたらお金がない小さな企業やクリエイターは札幌で事業を展開していくことが難しくなってしまいます。
この事業は、コンテンツ産業の発展を担う若手クリエイター等の支援施設として開設してきた10年の実績があり、その中で50以上の企業やクリエイターを排出し、売上も20倍以上あげています。札幌でIT企業を育成し、支援していくということを今後も重視していくべきであり、IT企業への育成、支援に逆行する使用料の値上げも、部屋数の削減も行うべきではありません。
よって議案第29号には反対するということを述べて私の討論を終わります。