2月17日、札幌市議会第1回定例議会で日本共産党の坂本きょう子市議は福祉灯油の実施、国保料など10項目にわたり、代表質問を行いました。代表質問には北区を中心に、市内中から多数の方々が傍聴・応援に駆けつけ、120席ある傍聴席が溢れかえりました。
厳しく市の姿勢をだだす坂本きょう子市議会議員
=2月17日・市議会本会議=
無届けの有料老人ホーム全国の21%が札幌に
坂本市議は、行政の目が行き届かない「無届け有料老人ホーム」問題をとりあげました。全国で911の無届け有料老人ホームがあり、その中で札幌市は194施設と約21%を占めていることが明らかになっています。
坂本市議は「市として無届け有料老人ホームの実態の把握や安全面や衛生面など事業内容の改善、指導が必要な施設はないかなど、具体的な調査をすべきだ」と求めました。
特養ホームの抜本的な建設を!
2009年に火災・死亡事故を起こした高齢者施設が無届けだったことから厚生労働省は、有料老人ホームの対象を広げ、老人福祉法に基づき都道府県や政令指定都市などに届け出ることを求めています。 届け出た施設は、スプリンクラーの設置状況や食事提供による集団食中毒や集団感染などの発生状況を報告し、施設と保健所などが連携し、対処することになっています。
答弁に立った井上唯文副市長は「届け出促進の継続とともに、さらなる実態把握に努めたい」としました。
また、特別養護老人ホームの待機者が昨年末時点で6,140人に上っていることについても早急な待機者の解消を迫りました。
過大規模の学童保育所の分園など、助成へ前向き答弁
坂本きょう子市議は3月4日、予算特別委員会で民間学童保育所への助成と保育所について質問しました。
札幌市は児童クラブのある小学校区に後から民間学童保育所を開設した場合、助成の対象にしていませんでしたが、坂本市議の代表質問(2月17日)で、大規模化の解消と合わせて「助成を検討したい」と答弁していました。
坂本議員はこのことを指摘し、「これに該当する民間学童保育所が市内に2ヵ所あるが新年度から助成の対象になるのか」「大規模な学童保育所が分園した場合、2か所に助成を行うのか」とただしました。
子ども未来局の浦屋子ども育成部長は、新制度で「届出制という仕組みに変わり、助成のあり方についても整理したい」「国の補助制度がクラブごとから児童40人程度の単位ごとに変わる。それを基本に整理したい」と前向きな答弁を行いました。
保育料の延滞金、説明もなく機械的な請求やめよ
坂本きょう子市議は、新制度に移行する保育所の保育料について「算定が所得税から住民税に変わるが負担が増えるケースはないのか」「延滞金の導入は何の説明もなく不安と怒りが広がっている。関係者の理解を得るべきであり機械的な請求はすべきでない」とただしました。
子ども未来局の野島子育て支援新制度担当部長は、保育料について「個別のケースはわからないが総額では増減はない」、延滞金について「納付している方との負担の公平性を考えて」とのべたのに対し、坂本議員は「やむにやまれず滞納している方もあるのではないか、負担の公平性という言葉は使うべきでない」と批判しました。
園庭なしの賃貸マンションで、保育の安心は守れない!
また、新制度ではビルの一室など園庭がなくても300m以内に都市公園があればよいとしている問題で、坂本市議は「時計台ビルに入る保育所は、交通量が多い大通公園を利用するが、イベントも多く遊具もない」「賃貸物件の認可保育所25園のうち14園が2階以上で、飲食店の入ったビルもある。子どもたちの安全管理に問題はないのか」とただしました。
野島部長は、大通公園ついて「イベントは多いが遊ぶことは十分可能」「2階以上の場合は2方向避難ができること、煙にまかれにくい屋外階段の設置など厳しい基準を設けている」とのべました。
坂本議員は、「安心して預けられる保育にするためにも社会福祉法人による本来の認可保育所の整備をすすめるべき」と強く訴えました。