精神障害者にも身体・知的障害者と同様に地下鉄や市電の運賃割引を実施するよう求める陳情の初審査が29日、札幌市議会経済委員会で行われました。
精神障害者のバス運賃については、2012年8月に割引の対象とするよう国交省が定める標準運送約款が改正されましたが強制力はなく、多くの事業者が実施していません。地下鉄と市電の交通事業を行っている札幌市は「市営交通とバス事業者が足並みをそろえて割引制度を実施したい」としています。
精神障害者団体から2人が陳情の趣旨説明をしました。
石山貴博さん(49)は「運送約款が改正されましたが、札幌市で割引を実施しているのは路線が限られている、ばんけいバス1社だけ。所得の低い精神障害者にとって交通費負担は重い」と訴えました。宮岸真澄さん(58)は「どこに障害があるかで差別されている。自分にあった病院が近くにあるとは限らない。札幌市は割引の実施を決断してほしい」と地下鉄、市電の割引実施を求めました。
日本共産党の坂本恭子議員は「当事者が自らの言葉で訴えたことを重く受け止めてほしい。地下鉄、市電が先行実施してもなんら混乱は起きないはず」と札幌市に割引実施の決断を求めました。
陳情は継続審議となりました。