札幌市議会の本会議で10月31日、市が発注する工事や委託事業などで働く労働者の賃金の下限を定める「市公契約条例案」が反対多数で否決されました。
札幌市は2012年2月に同条例案を提案しましたが、ビル管理業界などが強く反対し、成立をめざす市は罰則を猶予する見直しをおこない今議会に再提出していました。
本会議で自民党や公明党などは「関係業界から理解を得られていない」と条例案の否決を主張しました。
日本共産党の宮川潤議員は討論で「最低賃金で働く人が多く、憲法で保障されている健康的で文化的な生活ができない状態を放置できない」と成立を求めました。
否決後、一部会派の議員が再提出前とほぼ同様の条例案を提出しましたが、議会運営委員会における決定を運営委員長が尊重しなかったため、本会議が中断し、会期が1日延長されました。
再提案された条例案は、1日の午後11時半過ぎに採決され、1票差で否決されました。
条例案を提出した会派内で賛否が分かれるなど採決に至るまで混乱がみられました。