01 党市議団は8月18日、札幌市教育委員会にたいし、中学校への陸上自衛隊高等工科学校の生徒募集資料の配布中止を求める申し入れを行いました。市内の中学校に通う生徒の保護者から、同校の「紹介文と資料が3年生に配られ、不安を感じている」という訴えが党市議団に寄せられていました。
 神奈川県にある陸上自衛隊高等工科学校は、全寮制で15歳から17歳未満の男子が受験でき、普通科高校と同様の「一般教育」(通信制)と同時に、陸上自衛官になるための専門教育・訓練が行われています。
 村上幹事長をはじめ各議員が「2年生になると銃を持たされ、実弾射撃訓練や戦闘訓練が行われている。18歳未満の児童にこうした軍事訓練を行う学校を、一般の学校と同列に置くことができるのか」「高等工科学校のこうした実態について学校の先生たちは知っているのか」「募集案内を学校で配布することが、“子どもの最善の利益を実現する”という本市の子どもの権利条例の精神にかなうと考えるのか」「月96,000円の手当がでるが、日本の子どもの貧困率は16.3%、6人に1人が貧困といわれるなか、一方で高学費のもとで多くの若者が多額の奨学金の返済に苦しみ、他方、自衛官の養成のためには多額の手当が出る。“経済的徴兵制”という事態が進行しているのではないか」と指摘し、資料配布の実態調査と自衛隊から配布要請があった場合、各学校に拒否するよう指導することを求めました。
 引地秀美教育部長は、「どの高校に進学するかは、あくまで子どもと保護者が相談して決めていくもの」と、高等工科学校についても「希望があった場合は、内容をきちんと伝えたうえで他の学校と同様に判断していただくのは当然のこと」といい、同時に、現状として「本市ではこの学校を希望する子どもは非常に少なく、教育内容についても細かなところまで知らない先生が多いと思う」とのべました。
 実態調査について、引地部長は「この学校だけ特化して調査するということは考えていない。問題があった場合には個別に対応したい」といい、「申し入れの内容は教育長に伝える。そのうえで他都市の状況など注視し、必要なことがあれば対応を考えたい」とのべました。
 申し入れには、伊藤りち子団長、村上ひとし幹事長、小形香織、太田秀子、池田ゆみ、田中啓介、平岡大介の各議員が参加しました。

>>中学生への陸上自衛隊高等工科学校の生徒募集資料の配布中止を求める申し入れ